ページ

2020年8月11日火曜日

ウォルマートの闇

アメリカで電子レンジを選ぶ 


 私は日常の買い物はウォルマートの利用率が異常に高いのを自認しています。以前は身の回りを見渡すと、その大半がウォルマートで購入したものでした。そのためいっとき私は「ウォルマーター」であることを公言していたくらいです。

 なぜウォルマートなのかというと、「近くてなんでもあって、安いから」。という単純な理由す。それはいまも変わらないのですが、数年前からじょじょにその依存度を脱却しています。品質という面では、ほかの店を選んだほうがいい買い物ができるとわかってきたからです。

 とくに今回、電子レンジ購入にあたって、ウォルマート信仰はすっぱり捨てたほうが良い、というシンプルな結論に達しました。元ウォルマーターである自分がそう思うほど、今回のショッピングは酷いものでした。

 はじめにお断りしておきますが、これは一転してウォルマート批判に転じるものではありません。これからもウォルマートは庶民の味方であることには変わりません。

 あくまでも今回の事例を参考に、買い物は賢く、慎重に。そういうことを促したくてアップさせていただくものです。

マイクロウェーヴ・オーヴン事件

 私の電子レンジが突如壊れたのは、嵐による停電が発生し、回復した翌朝です。

 コップいっぱいの水を温めようとしたら突然、レンジ内からブーンと唸る音が聞こえ、同時に火花がスパークスはじめました。ちょうど間違ってスプーンなどの銀食器を入れてしまったときのような反応です。あわてて停止ボタンを押し、開けてみると中は陶器のコーヒーカップのみ。レンジ内の壁面もきれいです。試しに空の状態でもう一度20秒レンジを稼働すると、再びブーン、バリバリとうなりながらスパークしました。時間をおいて、もう一度試しましたが、音もスパークもひどくなるばかりです。

 危険を感じ、コンセントを抜いて床に置き、周囲を点検しましたが、外部からみるかぎりどこにも異常はみられません。

 製品は日本のSharp製で使用して5年余り。


 

 毎日ハードに使っても故障知らずで、使い勝手最高でした。

Stainless Steel Sharp Countertop 1200 Watt Microwave Oven, 2.2 cu. ft

(以前使っていたGE製のは加熱ムラが不満ですぐ人手に渡りました)

 故障で考えられるのは停電の時、電流異常が起きた可能性です。あのときの停電は、なんども切れたり灯いたりを繰り返す異常なものでした。

 保証期限を過ぎているので修理屋さんに持っていけば、直るかもしれませんが、手間暇コストを考えると買い替えのほうがいいだろうということに。

 電子レンジは毎日使うものなので、一日も待てません。下調べなしにウォルマートに直行しました。

 商品棚の上にサンプルの電子レンジが並んでいました。見た目ではどれがいいのかわかりません。Hamilton Beach とGalanzというブランドの商品がやたらと安くて多く、幅を利かせていています。全体の7割くらいでしょうか。

 選ぶ基準はブランドではなく大きさとパワーです。今まで使用していたものと同レベルにしようと決めていました。電子レンジの機能差は気にしません。うちは凝った料理を作らず、ひたすら温めるだけなので、容量とワット数が足りてれば十分なのです。

 迷った挙げ句、この店の売れ筋らしいHamilton Beachの商品を買いました。99ドルとウォルマートらしいセールス価格です。いいものをゲットしたと、洋々と帰宅したのですが、箱を開けてびっくり。いきなり操作パネル下の部分が外れかけているのを見つけました。さわるとグラグラ外れそうです。よく見ると右下コーナーに大きなくぼみがあり、開閉ドアとの間に隙間ができていました。改めて梱包箱の底を見ると、角を打ち付けた痕跡が残っています。どうやら店頭に出すまでのどこかで作ったダメージのようです。おそらく一度地面に落っことしたのでしょう。もうこの時点でこの電子レンジはアウトでした。電源をつけるまでもなく、即座に返品しにいきました。

 ハズレを引いたとはいえ、こんなこともたまにはあろうと、ふたたび在庫の豊富な同じモデルを選んで交換してもらいました。こんどは箱の外観にダメージが無いことを確認済です。帰宅しこんどこそ電子レンジでお茶を飲むぞと開封すると、また同じ箇所に変な歪みがありました。そもそも、今度は床においた時点で4つの足がそろわずガタガタ傾いています。底部を見ると、明らかに外部の力で湾曲しているのです。したがってドアの開閉からしてギクシャクし、閉まりきりません。明らかに不良品です。

「ああ」

 私は天を仰ぎました。一日に2度も同じ商品で欠陥品を掴まされるとは、なんという運の無さでしょうか! この日おみくじを引いたら大凶だったに違いありません。いっそ電話でクレームをつけ、引き取ってもらおうかと思いましたが、それよりも面と向かってはっきり言いたい気持ちが勝りました。

 ふたたび梱包し直し重い箱を抱えてウォルマートへ。もう汗だくです。カスタマーサービスの担当者に説明し、当該商品の在庫も検査すべきといい添えました。担当者は熱のない顔でうなずくのみ。もうさすがにこのブランドは信用できないので、値段は張るが信頼のPanasanic製にチェンジしました。

 私はアメリカではなるべくブランド買いをしないようしてきましたが、やはりこと家電関係は、日本のブランドに利があることは否めなせん。今回それを痛感しました。

 ただ驚いたのは、この二度目の返品のときです。商品棚を見て私は目を疑いました。

 一度目に私が返品した電子レンジが棚に戻っていたのです!

 信じられますか。完全に落下で壊れた商品を再びシーリングして、値下げして売っているのです。($99→$59) 返品からわずか半日あまりのことです。

 どうなってるのでしょうか?

 店側は私が説明した商品の欠陥を承知で、再販しているのです。おそらく直しもせず。ていうか店で直せるレベルのものではありません。

 これを買ったお客さんは、確実に私と同じ運命をたどるでしょう。使えない壊れた電子レンジを店頭に並べる神経がわかりません。店員さんによっぽど注意しようかと思いましたが、そのときは疑心暗鬼に駆られ、いま手にしたPanasanic製を早く家でチェックしたい気持ちが先になりました。

 おそらく二度目に返品した品もすぐ店頭に戻されるのでしょう。ウォルマート恐るべし。

 結局パナソニックの電子レンジは健全に機能し、我が家のキッチンに鎮座しています。

 もうこれからは商品選びには注意を払います。痛い思いをしましたが、時間の損失だけで済みました。下手なものを買って保証期間外にぶっ壊れるようなヤワなものには手を出しません。偏見とかそういうものではなく、レビューをよく調べ、実績のあるメーカーから選択するのが賢い買い物でしょう。

 今回はそういうことを学ぶ教訓多きショッピングでした。

 ちなみに購入したPanasonic電子レンジはこれです。調子良好。快適に使えます(笑)。

Panasonic NN-SU696S Microwave Oven, 1.3 Cft, Stainless Steel/Silver


0 件のコメント:

コメントを投稿