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2020年8月13日木曜日

部屋にモノが多すぎる

 整理整頓・爆速進行中

  

 家にやたらモノが溜まって困っている人、結構多いです。

 そんなとき、あなたはどうしますか?

 私は日本にいた頃、運送業の知人に片付けの秘訣を教わりました。その人曰く、

「来週引っ越しだと思えばやる気になるよ」というものでした。

 まあそうなんでしょうけど、実際のところ、本当に引っ越しにでもならないとやる気は起きそうにありません。しかしその運送業の知人の家はいつ行っても、やたらきれいに片付けられているのです。それは悔しいくらいスッキリしているのです。特にモノが少ないとかではなく、やたら整理整頓されていて、余分なモノがないのです。

 私は、彼が何かまだ他に秘訣を持っているはずだと思い、食い下がりました。彼の答えは、

「明日自分が死ぬと思えばいい」でした。どんな金持ちも、モノ持ちもあの世へは何ももってけないだろ。そう思えば諦めもつき、何でも捨てられるだろう、というのです。

 さらに付け加えて、「ようするに君は執着心から抜け出せずにいる。そういう煩悩だと思え。そういう人はモノを減らすのが困難なので、別のやり方で行くしかない」というのです。

 なるほど、いくら整理整頓心がけても、人の性根が執着心に囚われた煩悩の塊では永遠に脱却できぬというわけです。

 それで私は「別のやり方」を求めてさまよい始めました。それから10数年。いま私がたどり着いた整理法があります。

 名付けて、「エイリアス作成法」

 これはネット社会の現代であるからこそ、為せる技です。私が日々行っているのは、過去に置き貯めた物品を片っ端から、デジタル化してゆく、というものです。

 できるものは限られていますが、私の場合、物量的にもっとも空間を占有しているものがデジタル化可能な対象品です。

 まず本。蔵書と言うほどでもないのですが、ざっと1000冊。それを2年ほど前から順次デジタル化しています。私は買ったまま読まずに本棚直行の積ん読本が多いので、捨てるに忍びない本が山程あったのですが、どうしても取っておきたい本から順に電子書籍を購入し、紙の本をリサイクルしています。すでに120冊以上がデジタル本に変えられ、本棚のスリム化に大きく貢献しています。すべての本が電子書籍化されてるわけではないのですが、調べたところ60%は可能とわかりました。あと1年ほどで、所蔵本のデジタル化は完了の予定です。

 次に、ビデオテープ。これは仕事の関係で、一時期、500本近くのVHSテープを溜め込んでしまいました。殆どが、レンタルビデオ店から借りたものをコピーした私的複製テープです。中身はほとんど映画ばっか。これは保存希望リストを作り、図書館でレンタル可能なものに星印をつけ、いつでも借りられることをチェックした後、ゴミ箱に捨てました。これであの場所をとってしかたがなかったビデオテープがスッキリ半減しました。

 さらにCDですがこちらもSpotifyでいつでも聴けるアーティストのアルバムは思い切ってBook-Offに売却しました。CDケース2個分浮いてスッキリ気分です。

 プリントした写真、フォトアルバム。これもパソコン・スキャナーで写真をスキャンするか、デジカメでまとめ撮りして、パソコンのデータと化しました。

 そうだ雑誌も古いのを後生大事に取っていたのですが、ある日思い切って時間を割いて、必要なページごとにデジカメで撮りまくり、デジタル化を敢行。去年からざっと80冊くらいは処分できました。昔はハサミで切り抜き糊でノートに貼っていましたが、デジタル化でそんな手間は大幅に省けました。

 同様に、取っておきたい重要書類もできるかぎり、スキャナーを使ってパソコンに移行しています。いらない書類が半年たらずで激減しました。もちろんその際同時に手作業で要不要の仕分けもしました。こういったアナログ的作業も同時進行で少しでも進めていきましょう。

 こうやってデジタル化可能なものの整理作業を、空いた時間にコツコツ進めることで、私の余分な所有物は大幅にカットできました。まだ道半ばですが、この方法なら煩悩と戦わずに安心してモノを減らすことができます。やったあとは非常に心地よいので、部屋を見渡してささやかな達成感を味わえるのがいいですね。

 ひとつ注意していただきたいのは、

デジタル化の際は必ず同じものを別の場所に複数保存しておくこと、です。たとえば、フォトアルバムのデータはパソコンとクラウドの両方に同じものを保存する、などです。用心深い私は、それに加え、外部ハードディスクにも第3のコピーを保存しています、こうすれば何かのときにデータが消失しただのという、取り返しのつかない失敗をカバーすることができます。

 みなさんもぜひお試しください。

余談:先月、向かいの住人がすごく思い切ったモノ減らしを敢行しました。

 ダンプスターを借りて、家の前に5日間ほど置き、数回に分けてドッカンドッカン大きなモノをそこに放り投げておりました。アメリカではこのダンプスター・レンタルやる人多いです。地域、容量によって値段は違いますが、ニューヨーク界隈では、ダンプカー同様の標準サイズ、ダンプスターで一回350ドルぐらいから借りられます。積み込まれた粗大ごみは然るべき処理場へ持っていってくれますので、手間暇労力を考えれば安い方です。

引っ越しのときに便利なダンプスター
引っ越しのときの必需品、レンタル・ダンプスター


 うちの向かいの人は粗大ごみを相当溜め込んでいたようです。朽ちかけた裏庭のドア、古いソファ、ベッド、便器、壊れた食器棚、タンス、椅子、テレビ、脚立、卓球台、鍵盤キーボード、電気スタンド、掛け布団、スーツケース、サーフボード、自転車、その他大きなゴミが毎日どんどん積み重ねられていきました。さすがアメリカ、粗大ゴミ処分も大スケールで短期間でさっさと済ませてしまいました。

 こういう潔さ、ぜひ私もあやかりたいです。物欲所有欲に打ち勝てない私は、つくづく自分の浅ましさを思い知りました。私もいつかはあの豪快な「ダンプスターへ放り投げ」をやってみたいものです。 



 

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