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2021年1月13日水曜日

レンズ購入ガイド

レンズの見方・選び方




 初めて一眼レフカメラを買ったときは、大抵レンズキットを買うものです。標準レンズというものがついている場合がほとんどです。初心者はそれが当たり前と思うでしょう。しかし長年カメラを使い続けている人は、新しくカメラを買い替える際、キットレンズはあまり買わないものです。ボディ単体を注文するか、別個で好みのレンズを買い足すのが。通例です。初心者から見て、先輩方はなぜあんなにたくさんのレンズを買いそろえているのか、疑問に思うでしょう。しかもレンズによってはカメラ本体よりも高価なン十万するものまであったりします。カメラを使い続けていると、なぜかこのようにいわゆる「レンズ沼」というものにハマり、次々とレンズをコレクションしていく傾向があります。


 どの限度まででとどめるのかはその人次第ですが、考え出すとキリがないほど、レンズの世界は奥深いようです。

 初心者がキットレンズに飽き足りなくなって、次のレンズを求める場合、何をどのような基準で選ぶのか、迷うのは当然です。そこで、ここに基本的なレンズの特徴と用途について、簡略にまとめてみました。レンズ購入の際の検討材料として、ご活用ください。


レンズ選びの着眼点

1. 焦点距離

 写真はレンズでとらえた物体の光を、撮像素子でデジタル画像データに変換することで撮影されます。このピントを合わせた時の、レンズからセンサーまでの距離のことを焦点距離とよびます。
 レンズには広角レンズ、通常レンズ、望遠レンズがあります。焦点距離はミリメートルで示されており、それらは約10から300ミリメートルまで変化していきます。

 望遠レンズは、被写体に限りなく近づけることができ、野鳥撮影、スポーツイベントなどに使われます。望遠レンズは広角レンズに比べて被写界深度が浅いため、背景のボケ味が出やすいのが特徴です。望遠レンズは被写体の全体バランスを保つことができるので、ポートレートにも向いています。このようなレンズは、70-300mmのレンジが一般的です。

 望遠レンズは、倍率が高いほどレンズが暗くなる傾向があり、暗所、屋内撮影には不向きと言えます。また手ブレしやすい弱点も考慮に入れてF値をよく見極めて選びましょう。
 広角レンズは、旅行や建物撮影、集合写真などによく使われます。基本的には被写界深度と明るさの両方に違いがあります。このカテゴリーには、52°から82°までの視野を持つ写真用レンズが含まれています。これらのレンズは10-36mmの範囲で利用可能です。
 欠点としては、周辺のゆがみなどがあげられます。少なくともモデルさん等に向けてのポートレート撮影には適していないことを覚えておいてください。

 カメラレンズには一般的なタイプに加えて、ユニバーサルレンズやノーマルレンズという物もあります。このようなレンズは、距離と倍率に関連して、人間の目が知覚する方法と同じように捉えます。通常のレンズは、135フォーマットでは50mmが一般的です。望遠光学系はより大きな焦点距離をカバーしていますが、より小さな焦点距離を持つすべてのものを広角レンズと呼んでいます。

 3倍ズームを搭載した通常のコンパクトカメラでは、135フォーマットと相関する33mmから105mmまでの焦点距離を操作する、ということになります。焦点距離はカメラの撮像素子の大きさに関係しているので、装着したカメラに合わせてレンズの焦点距離を変えることができることを覚えておきましょう。焦点距離は、フルフレームのデジタル一眼レフを基準として表示されます。



2. 絞り
 絞りとは、光が通るレンズの絞りがどこまで開くかを示す値です。レンズは通常、f/1.4、f/2、f/2.8、f/4、f/5.6、f/8、f/11、f/16。数が多いほど、光が少なくなり、最終的な写真にマイナスの影響を与え、追加の照明が必要になります。



3. フォーカス
 カメラレンズの種類によって、オートフォーカスドライブの種類が異なります。現在のキヤノンレンズには、すべてオートフォーカスモーターが内蔵されています。ニコン、ソニー、ペンタックスのレンズは、オートフォーカスモーターを内蔵しているものと、カメラ内にあるモーターを使ってピント合わせをするネジのような駆動部を持っているものがあります。
 同様に、レンズに内蔵されているモーターも異なります。その中で最も速くて静かなのが超音波リングモーター(メーカーによってUSM、SSM、SWB、SDMなどと表記が異なる)です。これらは最も高価なレンズに使用され、実質的に静かで非常に速いピント合わせを実現します。



目的別に分かれるレンズの種類


標準レンズ
 標準レンズやユニバーサルレンズは、大抵の一般的な用途で問題なく撮影できるため、初心者カメラマンのカメラには必ず付いています。ちなみに最も高価なモデルは、フルフレームのプロ用カメラ用に設計されたものです。それらの焦点距離の範囲は通常24~75mmで、絞りはF2.8です。
 このタイプのレンズの欠点は、強いてあげれば高いコストです。それ以外はすべてのカメラユーザーがあこがれる最高スペックの写真を期待できます。


単焦点レンズ
 固定焦点距離レンズは、最高の画質を実現することができます。これらのレンズは、最も美しいボケを作り出すと信じられています。
 このレンズにはズームがないことを覚えておいてください。また、同じような焦点距離のズームの絞りよりも絞りが大きく、固定式の方が背景がぼやけてしまいます。また、これらのレンズがプレミアムレンジに属しており、比較的高価であるのが通常です。ただし各メーカー50mmレンズは予算に見合ったレンズも多く、必ず一本は持っておくべき基本のレンズです。


ポートレートレンズ
 通常、ポートレートというと、写真家はぼやけた背景を背景にした人物のイメージを指しますが、ポートレートレンズは開放絞りでは、必ずしもシャープな画像が得られるとは限りません。それはポートレートレンズの欠点というよりも、人の肌の質感を完璧に表現し、小さな欠陥やシワを強調することなく、その特性を生かすよう追及されているからです。
 これらのレンズの焦点距離は、一般的には中程度のテレレンジ(77~135mm)です。
 もしあなたが人物中心の撮影を考えているなら、ポートレートに最適なレンズを慎重に選ぶ必要があります。


ユニバーサル・レンズ
 いわゆる便利ズームレンズですが、すべての写真家が必要とする3つのレンズのうちの1つです。このようなレンズは、広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズをカバーする焦点距離の範囲を持っています。写真家志望の方には最適な選択です。レンズ交換が苦手というビギナーはとりあえずこれに手を出しがちですが、なにも卑下することはありません。この分野のレンズも日々進化しており、より高性能なものが期待されています。
ただし現状、すべてをカバーするこれらのレンズは、設計上どこかに限界があるので、絞りと光学的な品質が低いことは留意してください。


スポーツ写真用
 報道機関でよく目にするキヤノンなどの白い超大型望遠レンズは、スポーツ写真やルポルタージュ撮影などで、撮影者と被写体との距離をしっかりと保つ目的に使用されています。その長い焦点距離ゆえに、アートやポートレート写真で使えば背景を美麗にぼかす効果も絶大です。
 初心者は、おおむね55mmから200mm~300mmの範囲の望遠レンズを使用します。一般的にはこれで十分。もし航空機、スポーツ用途などだとさらに超望遠のランズが用意されています。
すぐれた望遠レンズはびっくりするようなプレミアム価格となりますが、驚くほどのシャープネスとよく抑えた収差を体感できるでしょう。


風景写真用
 風景写真で最高のレンズに要求されるのは高画質、高解像でしょう。言い換えれば、レンズは非常にシャープな画像を提供する必要があり、必ずしも絞り開放側にこだわる必要はありません。ほとんどの場合、風景を撮影するときには、絞りはF/8-F/11まで下がります。また、光学系が色収差の少ないものを出すのであればなお良いでしょう。
風景重視なら、焦点距離の範囲については、初心者は広角レンズから始めることをお勧めします。


マクロ撮影用
 美味しいランチを撮りたい、花や昆虫の生態を描写したい。このタイプのレンズは、非常に近い距離でピントを合わせる能力、素晴らしいシャープネス、非常に高い画像コントラストの3つの主な特徴を持っています。マクロレンズは1:1までズームすることができます。
マクロレンズの焦点距離は、30mmから300mmの間になります。焦点距離が短いほど、最短 撮影距離は短くなります。野生動物の撮影には長焦点レンズを使用する必要があり、被写体撮影には短焦点レンズを使用した方が便利です。



建築写真用
 建築撮影用のカメラレンズを選ぶとき、ポートレートで使われるものと被ることが ありますが、いくつかの違いがあることに気づくでしょう。何が違うかというと、建築写真は歪みのない真っ直ぐなラインが命だということです。
 その正反対のレンズが魚眼です。魚眼レンズを使ってフレームの外周に沿って画像を丸くすることで、真逆の効果を狙うことができます。重要なのは、そのようなレンズでは写真に直線は絶対に生まれないということを理解することです。レンズの特性を知るうえで、この両極のレンズは使う価値があります。



まとめ
 レンズには様々な特性があり、はじめのうちはその特性を見極めるのが難しいものです。同じようなスペックでもメーカーにより、レンズ構成やレンズ自体の大きさが違い、見た目も大きく変わることがあります。購入基準も人それぞれで、モーター音を気にする人もいれば、フォーカス・スピードに拘る人もいるでしょう。
 要はあなたがどんな時にどのような写真を撮りたいのかを自問し、それにふさわしい一本を検討することです。率直にいって、はじめは自分で選ぶより、詳しい店員のアドバイスを受けるか、レンズのレビュー記事などで、高い評価のものを購入の参考にするとよいでしょう。長く使うモノですので、後悔のない選択を心がけてくださいね。








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