ページ

2021年1月23日土曜日

星空の撮り方

夜空をきれいに撮る




必要な機材:
デジタル一眼レフカメラと三脚

 どんなデジタル一眼レフカメラでも夜空撮影には使えますが、カメラが良ければ良いほど、写真に写るノイズ(または粒状感)が少なくなります。(以下の解説は、デジタル一眼レフカメラのためのものです)

 撮影は非常に長い時間、たとえば10~25秒間かけて撮影するので、星空撮影にはしっかりした三脚が非常に重要です。三脚がない場合は、カメラを台の上などに固定して夜空に向ける工夫が必要です。


RAWで撮影する

 RAWファイルを撮影するようにカメラを設定してください。これらの写真ファイルは巨大で、それらをアップロードするにはかなりの
ストレージ量が必要になります。撮影後、編集中により多くの光と色のデータを操作できるので、RAWファイルで保存するだけの価値はあります。(私は夜空の写真を外付けハードドライブにアップロードして、コンピュータのスペースを節約しています)


マニュアルモード

 カメラがマニュアル・モードに設定されていることを確認してください。マニュアルでの設定方法についてヘルプが必要な場合は、外へ出る前にカメラのマニュアルを参照してください。


街の明かりから離れる

 空にたくさんの星を見るためには、地上にある人工の光を避けなければなりません。ネオンピカピカや、車のライトが行き交う場所はふさわしくありません。かといって真っ暗闇の山中まで行く必要はないです。都会でもちょっとした暗い空間を見つけることはできますが、可能ならば郊外に出て、目視で星が無数に見える場所を探しましょう。
 カメラは目で見るよりも多くの星を捉えることができるので、外に出ていろいろな場所で試してみてください。
 注意したいのは月です。特に満月の光はカメラのレンズに大きな影響を与えることがあります。とくに繊細な天の川を撮るようなシチュエーションでは、明るい月がない夜を目指してください。
 その一方で、明るい月が星空写真に良い効果をもたらすこともあります。月の光を利用して、月が草木を照らすことで、前照灯のように美しく撮影することができるのです。






タイマー設定

 夜間の撮影にはタイマーを活用しましょう。わずかなシャッターを押す振動が、星空に与える影響は無視できません。2秒タイマーを使えば、三脚の上でカメラを安定させることができます。これにより、シャッターボタンを押した時の手ブレを防ぐことができます。シャッターボタンを押して一呼吸まつだけで、安定した長時間露光が得られます。


無限遠にピントを合わせる

 カメラにおける無限大。それは何を意味するのでしょうか? オートフォーカスが効かないということです。星は遠すぎるので、オートフォーカス設定は意味を成しません。まずレンズがマニュアルフォーカスに設定されていることを確認してください。その後、無限大のシンボルからの線が底部の中心線に一致するまでレンズをひねってみてください。


手振れ補正オフ

 三脚に固定して撮影する場合は、カメラ設定で手振れ補正をオフにすることをお忘れなく。誤作動のもとになります。


ISO1600

 夜空の写真撮影のためのISOは最低1600から
始めるといいでしょう。それは、視野に入るすべての星からの光を回収するのに十分なISO値です。1600を下回ると、星の数が減ってしまいます。ただし月の光をとりこむ場合は1600以下もありえます。
 これらは絶対ということではありませんが、照明条件に応じて設定は微妙に変わります。目安として1600で開始し、そこからISOを変えながら最適な感度を模索する必要があります。


シャッタースピードの500ルール

 通常、星空撮影する時の上限露出時間(シャッタースピード)は、20~30秒が適正とされます。よく言われる「500ルール」とは、赤道儀を使用せず、星が線状にならずに点で撮影できるシャッタースピードの上限時間を知る方法です。例えば
35mmレンズの場合、500を35で割って約14.29。これを四捨五入して、15秒露出からスタートする、ということになります。
 
 夜空は広大なので、できればダイナミックな表現力を持つ広角レンズを用意してください。タムロンの35mmレンズ(f/1.4)などがおススメです。



F値4.5以下のレンズで

 星空撮影にはできるだけ明るいレンズがいいのはもちろんですが、レンズによっては、低いF値でもケラレが発生することがあります。f/1.4のレンズなら必要十分ですが、場合によってはf/2.0の方が鮮明に写ることもあります。



 例外もありますが、私の星空写真のほとんどは、F2.0、20~25秒のシャッタースピード、ISO1600~4000で撮影しています。

 一度設定をきめて上手く撮れた時はメモか、カスタム設定で記録しておきましょう。次回撮るときの参考になります。もちろん毎回同じ設定でOKとはならなくとも、星空に対する基本設定を覚えておくと、そのうち応用が容易になっていきます。




最後に

 星空撮影に磨きがかかってきたら、地上の風景なども写し込んで気の利いた構図で決めるのも楽しいものです。たとえば山並みや樹々のシルエットなどを添えるだけで、星空がドラマチックに映えます。遥か彼方の大宇宙を額縁に収める醍醐味を、ぜひ味わってみてください。

0 件のコメント:

コメントを投稿