進撃の富士フィルム
フジフィルムから中判センサー搭載のフラッグシップカメラ「GFX-100S」が発表されました。有効約1億200万画素の大型センサーを搭載するミラーレスカメラです。税別約70万円ですがアメリカでは$5.999あたりの予価が提示されましたが、実売はもう少し下がるようです。
つい先日、ソニーからフルサイズのフラッグシップ機「a1」が発表されたばかりですが、畳みかけるように、カメラ業界のトップレベルのカメラがフジフィルムからアナウンスされました。フルサイズの中でもプロ納得の頂上スペックだったソニーa1、一方富士フィルムははるかに上回るセンサーサイズの中判でてっぺんを狙ってきました。どちらもスペック的には現時点での頂点を極めんとするもので、文句を言わせぬ迫力があります。大まかなスペックは以下の通り。
FUJIFILM GFX-100S
- 有効102MPベイヤーセンサー
- AF:コントラストと位相差のハイブリッドAF
- シャッター速度:電子1/4000秒、メカ+電子で1/16000秒
- 連写:メカシャッター5.0コマ/秒、電子シャッター2.9コマ/秒
- ISO範囲(スチル):ISO100-12800、拡張でISO50-102400
- 手ブレ補正:6.0段分の効果
- EVF:0.5型有機EL、369万ドット、0.77倍、アイポイント23mm
- モニタ:3.2インチチルト式、タッチパネル、236万ドット、4:3
- 低照度AF:コントラストで-2.5EV、位相差で-5.5EVまで
- 動画:DCI4K 30fps、4K 30fps、フルHD60fps
- ピクセルシフトマルチショット機能搭載
- フィルムシミュレーション:19モード
- シンクロ:1/125秒
- メディア:SD/SDHC/SDXC
- サイズ:150 x 104.2 x 87.2mm
- 重さ:821グラム(ボディのみ)
フジフィルムは数年前からAPS-C機の開発に力点を置きつつも、フルフレームには見向きもせず、それをすっ飛ばして中判センサー機の開発に並々ならぬエネルギーを割いてきました。今回の「GFX-100S」はその最高の成果ともいえるもので、予想するに、ここから富士フィルムの快進撃が始まる。そんな予感がします。
フジフィルムはご存じのようにフィルムメーカーとして名を成した会社ですが、カメラ機の歴史も連綿と続いてきました。60年代には8ミリフィルムの映写機「フジカシングル8」が大ヒットしました。1986年に発売開始した使い捨てフィルムカメラ「写ルンです」は爆発的ヒットとなり、カメラ文化を若年層にまで拡げました。ここ20年は、インスタントカメラ「チェキ」がロングラン・ヒットを続けてフジフィルムのドル箱となりました。2000年台からはFinePixシリーズといういわゆるコンデジの量産が始まり、低価格で簡単に扱えるデジカメの浸透に大きな役割を果たしました。
そして2011年、大きな転換点となるFUJI FILM Xシリーズが始まります。独自のXマウントを導入してからは、このAPS-Cサイズに主力を置き、ミラーレスカメラとしては、カメラメーカーのなかでもっとも豊富なラインアップを構築するに至りました。
ペンタミラーを積んだ既存の一眼レフ全盛の時代は過ぎました。現在、APS-C機で主要各メーカーのカメララインアップを見ていくと、
SONY:a6000、a6100、a6400、a6600の4機種。
CANON:EOS M6 Mark II、EOS Kiss M2、EOS Kiss M、EOS M200の4機種。
NIKON:Z50 のみ。
一方、フジフィルムは、
FUJIFILM GFX100、FUJIFILM GFX 50R、FUJIFILM GFX 50S、FUJIFILM X-H1、
FUJIFILM X-Pro3、FUJIFILM X-Pro2、FUJIFILM X-T4、FUJIFILM X-T3、
FUJIFILM X-S10、FUJIFILM X-T30、FUJIFILM X-T20、FUJIFILM X-T200、
FUJIFILM X-T100M、FUJIFILM X-E3、FUJIFILM X-A7、FUJIFILM X-A5
このように現行機種が17機というと圧倒的な数を誇っています。
2021年はここからさらに攻勢をかけて、まさにAPS-Cミラーレスの天下を取る勢いになるのではと予測しています。とかくフルサイズの頂上決戦にカメラファンの耳目は集まりがちですが、長年支持されてきたAPS-Cサイズのセンサーはアマチュアに程よい性能を与えてくれます。値段もこなれてきた富士フィルムのカメラこそ、いま一番注目されるべきカメラだと思います。
富士フイルムのミラーレスカメラXシリーズは、伝統的なスタイルと高度な技術を融合させています。このシリーズのモデルは、レンズ交換式カメラシステムで構成されており、非常にコンパクトなサイズで大型のAPS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラのすべての機能を提供しています。また長年レンズ開発にも注力してきた富士フィルムのレンズには定評があり、豊富な高品質のXレンズは、あらゆるレベルの写真家にとって魅力的なシステムとなっています。
マニアやプロ向けには、静止画と動画の両方に優れたハイブリッドX-Tモデル、またはX-Proシリーズのような静止画中心のモデルが用意されています。ミラーレスボディには、耐久性に優れたマグネシウムやチタンなどの高品質な素材が随所に使用されています。
フジフィルムのカメラには、非常に高速なXプロセッサーエンジンという物が搭載されており、システム全体の応答性が高く、AFや画像処理も素早く行えます。アウトドアフォトグラファーやストリートフォトグラファーは、優れた耐候性と革新的なハイブリッドビューファインダーにより、光学式またはEVFでの撮影が可能になります。
富士フイルムは85年以上にわたる映像研究のパイオニアであり、カメラの色を迅速かつ正確に調整するための様々なフィルムシミュレーションモードを生み出してきました。フジの色彩技術は、ほとんど編集を必要としない美しい画像が記録され、それゆえ非常に人気があります。
Xシリーズは、4K/60PのSDカード記録が可能なため、ビデオ撮影者に人気があります。また、外部レコーダーを使用して10bitの高画質で撮影することも可能です。180度チルトするタッチスクリーン液晶モニターの追加は、コンテンツ制作者やVloggersにもアピールしています。また、富士フイルムのミラーレスカメラは、高度な位相差検出技術を用いて被写体の捕捉と追尾を行うことで、業界で最も優れた部類のAF性能を誇っています。軽量なボディとレンズの組み合わせは、スポーツやアクションフォトグラファーに適しており、特にクロップファクターが1.5倍になっているため、レンズの到達範囲が広がります。
現在もっとも注目され、売れ行きも好調なXカメラは「X-S10」です。
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