CANVA 対 FOTOR
今や百花繚乱、数多くのオンライン・グラフィック・デザイン・アプリやソフトなどのツールがある中で、どれが自分に最適なものか、探すのも一苦労です。このレビューでは、2つの全く異なるオンライン・グラフィックデザイン・ツールと画像処理プラットフォームをチェックし、インターネット上でデザインがどれだけ可能なのか、また限界や制限があるのか、それぞれの長所と短所を見て行こうと思います。
今回は欧米で今もっとも人気のある画像デザイン・プログラム、CANVAとFOTORです。
CANVA
多くの人が「デザイナー御用達」と考えているCanvaの洗練されたHTML5ベースのインターフェイスと多数のテンプレートは、デザインの素人でもわかる、一般大衆向けの優しい操作法が人気の秘訣です。
デザインに悩んだらスグ使える簡易テンプレートに加えて、制作のヒントになる膨大な数のテンプレートを提供しており、直接使用することができます。
ここではもうゼロからデザインする必要はありません。これらのプリセットされたデザインはプロが作った素晴らしいものです。ただ注意していただきたいのは、すべてが無料ではないことです。よりによってこれが有料? とがっくりくることもありますが、それは商売ということで、あきらめましょう。ていうか、有料に入るのも悪くない、と考えさせられるほど、有料の利点は多いので、ある程度使い慣れたら、潔く有料版に乗り換えるのも十分アリ、そう思えるほどテンプレートは充実しています。
無料であらかじめ用意されたテンプレート以上に、有料版にはユニークなオーバーレイやカスタマイズ可能なクリップアートがたくさん用意されています。これらの追加機能は幅広いテーマをカバーしており、デザインのオプションやスタイルを提供してくれます。Canvaを使えば、ソーシャルメディアのカバーやその他のデザインを簡単に作成することができるオンです。
FOTOR
シンプルな写真編集スイートとHDRエミュレータとしてスタートしたFotorは、2012年の発売以来、大きく成長しました。豊富なデザイン機能、国際的な写真コンテストのプラットフォームと包括的なユーティリティ機能を備えたFotorの強みは、そのダイナミックな性質にあります。 デザインの観点からは、Fotorには直接フォーマットして作品を印刷する機能こそありませんが、プラットフォームに組み込まれている豊富な編集とカスタマイズオプションはその欠点を補って余りある充実度です。
Canvaは特定の機能を強調し、オプションを制限することで「デザイン体験」を洗練させてきましたが、Fotorは編集オプションやコンテンツの数が非常に多く、その豊富さゆえにはじめは戸惑うかもしれません。
Fotorには、フォトエディタに必要な「ベル&ホイッスル」機能はもちろんのこと、世界をリードするHDRアルゴリズムなど、興味深い機能がいくつも搭載されています。これらの要素を組み合わせることで、Fotorは「グラフィックデザイナー」の座を勝ち取るための強力な候補となります。実際、もはやAdobe Photoshopの代用品から、独立した別の座を獲得したかにも見えます。
成功しているオンライン・デザイナーやエンハンサーの最も重要な特徴の一つは、ユーザーフレンドリーなUIと直感的なインターフェイスではないでしょうか。
Canvaの洗練されたHTML5インターフェイスは、ほとんどの部分で非常にユーザーフレンドリーで見栄えが良いのですが、最初はとっつきにくいと感じる場合があります。
Canvaのインターフェイスには膨大な量のチュートリアルやコンテンツ、その他の機能が隠されており、それらを見つけるのに苦労します。
対照的にFotorでは、いつでもアクセスできる非常にシンプルで機能的なメニューが用意されています。さらに使いやすくカスタマイズしたい場合は、Fotorには「お気に入り」機能があり、よく使う機能や効果をすぐにアクセスできるカスタマイズメニューがあります。
先輩格のCanvaの洗練されたプレゼンテーションほど魅力的ではないかもしれませんが、Fotorを使っていて迷うことはあまりないでしょう。
長所と短所
この2つの優れたプラットフォームの長所と短所を理解してもらうために、Fotorの「編集」機能とデザインとイメージアップの関係を無視することはできません。一般デザイナーの理解では、Fotor は最近まで、Adobe Photoshop と同等の機能やアプリを無料でオンラインで提供するユーティリティー・サイトとアプリでした。
デザイン機能をリリースした後、Fotor は両方の機能を同じ場所で効率化し、写真や画像を修正したり強化したりしてから、デザインページに直接インポートすることができるようになりました。その一点で、この分野では、Fotorは本当に傑出していると思います。
使いやすさ、Photoshopスタイル編集機能の数の多さと相まって、平均的なユーザーは実質的に無制限のコントロールが可能です。さらにユーザー層の拡大を受けて、Fotorチームが提供する無料のチュートリアルやブログで豊富な知識を得ることができるようになったのは嬉しい限りです。
比較してみると、FotorとCanvaには明確な強みと弱みがあります。最近では「プレミアム」コンテンツは「無料ではない」という意味で使われていますが、この点でこの2つのプラットフォームは最も差別化されています。
Canvaは編集ページから直接オーバーレイ、デザイン、クリップアートを購入できる「従量課金」方式で運営されていますが、Fotorは一括更新されたコンテンツの「プレミアム」プランがあります。
この支払い方法に加えて、Cavaには「Canva for work」として知られる法人向けの支払いソリューションもあります。年間購読料はアメリカで約120ドルで、このプレミアムプランは、仕事やアイデアを共有したい企業やグループのために設計されています。
Fotor専用の支払いオプション「Fotor Pro」は年間39ドルとかなり安くなっていますが、社内のビジネスコミュニケーション・プラットフォームはありません。
もしあなたが素晴らしいデザインやカバーを作るのが好きなソーシャルメディア愛好家なら、Canvaのシンプルなシステムが最適だと感じるでしょう。
欲しい機能だけを購入できるというシステムには明らかなメリットがありますが、「クリエイティブ志向」のデザイナーはよりオープンなプランを好むだろうというのがCanva側の見方でしょう。
厳密には金銭的な観点から見ると、Fotorは2つのプラットフォームの中で最も費用対効果が高いと言えます。現状、Canvaで2つ以上のコンテンツを購入した場合、Fotorの月額プランとほぼ同額となります。
Canvaのコンテンツ主導型の支払いスキームとは対照的に、Fotorはすべてのコンテンツを1つのオプションにまとめることで支払いプロセスを簡素化しています。またFotorの機能は頻繁に更新されるので、この支払い方法を利用するのは理にかなっていますが、私たちは使い始めるまで機能の有用性が分からないことが多いので、Canvaの代替案の方が良いと感じるかもしれません。要するに、オンラインデザイナーに全く慣れていない場合、Canvaは素晴らしい選択肢ですが、プロにとっては、Fotorの無数の機能を見過ごす手はないということです。
モビリティ(機動性)
このレビューの最後に、特に重要な要素として、モビリティについて触れておきたいと思います。
誰もが知っているように、スマートフォンからアクセスできないのであれば、おそらく存在意義はないのが現代です。実際、統計によると、大半の人がモバイルデバイスからこの記事を読んでいると思われます。では、CanvaとFotorはモバイルグラフィックデザイナーやフォトグラファーの領域で何を提供しているのでしょうか?
Canvaは、iPadとアンドロイドタブレットには限定的なサポートを提供していますが、デザイン・プラットフォームはデスクトップ向けに合理化されており、可視性とスケール感が自由自在です。
一方、Fotorはスマートフォン用にAndroidとiOSのバージョンを更新し、写真エディター、デザイナー、エンハンサーと同期させて合理化しています。この分野では、FotorはCanvaの上に立ってると言えるのではないでしょうか。
またアプリのサポートに加えて、Fotorには「コミュニティ」機能があり、写真やデザインを共有したり、自分だけのギャラリーを作成したりすることができます。こういったクリエーターの遊び心をくすぐるアイデアも人気の秘密だと思います。
結局どちらがいいの?
この2つの素晴らしいプラットフォームを比較するのは簡単なことではありません。どちらも急速に変化するデジタルの世界で独自の場所を作ることに成功しており、ユーザーの要求が高まる中で優れたサービスを提供しており、どちらも革新的であると言えます。
グラフィックデザインや広告のすべての要素を、細部まで修正したいと考えているダイナミックなデザイナーは、Fotorを使用することで明らかな利点を見つけるでしょう。
同様に、数分で見栄えの良い投稿を作成したい、ソーシャルメディアの愛好家は、Canvaの合理化された仕上がりを好むでしょう。
しかし、敢えて現時点での勝敗の行方を見るならば、Fotorのダイナミックで柔軟な性質は、グラフィックデザインのプラットフォームとしてCanvaに取って代わる可能性を秘めています。その多様な機能を利用して、より良い作品を作るために、Fotorがますます使われるようになると予想します。期待を込めて。