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2020年5月31日日曜日

New York 郊外の観光

 

 マンハッタンは観光する人にとって、地理的にとても優れた場所にあります。日本からの国際便のある空港が、ケネディ空港、ラガーディア空港、ニューアーク空港と3つもあり、いずれもマンハッタンまで直通で30分前後で到着します。マンハッタンを拠点にすれば、他の地方へも容易に行くことができますね。

 例えば、歴史の香り豊かなボストンまでだと車で約4時間、340キロメートル。東京から名古屋までの感じです。同じくアメリカの独立の歴史を作ったフィラデルフィアへは南へ約160キロ。東京から静岡の「ちびまる子ちゃんランド」へ行くのとおなじくらいです。さらに南へゆくと、アメリカの首都ワシントンへも3時間半ほどで行けます。

 そういった地方には歴史的建造物もたくさんあって、アメリカにもっと興味が湧くと思いますよ。 

   今回は日帰りコースということで、行って損のない近郊のスポット第二弾をいくつかご紹介いたしましょう。


ニューヨーク近郊を探訪


 Muscoot Farm

 アメリカでは農場を一般に開放して、ツアーできるように観光化したところがたくさんあります。特にニューヨーク州はApple Stateと呼ばれ、リンゴをシンボルにするほどのリンゴの名産地です。ですからりんご狩りなどはもう知る人ぞ知るで、口コミが強力でどこそこの農場のリンゴがうまいとか、地元の人に訊けばすぐ答えてくれます。遠く他州からも新鮮な果物求めて買い付けに来る光景もよく見かけます。リンゴ果樹園のある農場では一緒にブドウやイチゴ、カボチャ、チェリー、ピーチそのほか様々な野菜などを育成、販売しています。週末には町まできてファーマーズ・マーケットが盛大に開かれます。安くて新鮮で美味しく、これもまた大好評ですね。

 

 

 今回ご紹介するのは、ウェストチェスター地方では知らない人はいない、「マスクート・ファーム」です。

 こちらはリンゴもさることながら、来園者のために農場の動物たちを気軽に見て回れる施設づくりが評判の農場です。それはまるでちょっとした動物園のよう。

 おなじみ白と黒斑のホルシュタイン牛がお出迎え。放牧されたウマやロバ、ヒツジ、ラマに500キロ近くある見たこともないような巨大なブタもいます。小屋ではポニーが餌をはみ、干し草の積まれた部屋では子どもたちも触れる子羊がスタッフに抱きかかえられて美味しそうにミルクを飲んでいます。毎年行われる品評会用に羽毛を美しくトリートメントされたニワトリ、感謝祭で食べられる定めにある丸々太った七面鳥など本当に見ていて飽きません。

 ショップコーナーのある納屋では、アップルサイダーやアップルドーナツ、アップルパイ、リンゴアメなどおなじみのものから、手作りのチーズ、バター、ヨーグルト、ナッツの詰め合わせやマーマレードが所狭しと展示販売されています。

 都会の喧騒に疲れたときは、ぜひこちらで羽根を伸ばしてください。



 Long Beach Island

 



ロング・ビーチ・アイランドはよく間違えられるのですが、ニューヨークのLong Islandにあるのでは有りません。

 マンハッタンを出て高速道路ガーデンステート・パークウェイを南へ走ること約1時間半。ニュージャージーの中部で大西洋沿岸にあるミミズのような細長い形状をした島です。

 州の右側、南北に全長約30キロも長さがあるのに、幅は広いところで800メートル、最短では300メートルに満たないところまであります。これでもれっきとした町の区画が有り、島全体で2万人の人口です。大西洋岸に面した見渡す限り続く長大なビーチは春から秋、遠く他州からの観光客で賑わいます。とりわけ夏の海水浴シーズンにはホテルやB&Bは予約で満員になり、ビーチやヨットハーバーは人で溢れかえります。競うように軒を並べるシーフードレストランもさまざまで、地元で獲れる牡蠣のフライ、カニ料理などは特に絶品です。島に来たら是非訪れたいのが、「ファンタジー・アイランド」。どこかノスタルジックな古き良きアメリカンスタイルの海テーマのパークです。家族連れやカップルにはもってこいの場所で、木造船をあしらったショッピング・ストリート、日が暮れてからが本番の遊園地。ウォータースライダーにミニゴルフと遊びどころ満載です。帰りにはお土産に産地自慢の超甘くてちょっとしょっぱいファッジ菓子「Salt Water Taffy」をお忘れなく。

 最後にこの島オススメのスポットといえば、最北端にあるこの島のシンボルとも言うべきバーネガット灯台。赤と白シンプルに塗り分けられたこの灯台は、見晴らしがもう最高。ぜひ展望台までの螺旋階段をのぼりきって、潮風に吹かれながら大西洋の眺望を満喫してみてください。


 Cold Spring


 


今回最後にご紹介するマンハッタン近郊オススメスポットは、わが町、コールドスプリングです。グランドセントラル駅から電車ハドソンラインでおよそ1時間10分程度のところです。この沿線はずーと北までハドソン川に沿って走っていますので、左側の席をおすすめします。ハドソン渓谷の雄大な眺望が旅の間楽しめます。

 町自体はとてもこぢんまりとしていますが、みどころは多岐に渡ります。

 まずは駅を降りたらそのまま町のメインストリートをぶらりと探訪してください。昔ながらのアンティーク・ショップが点在し、中に入るとどの店も訪問者を歓迎してくれます。あまり商売意識がないのか、見で回るだけでもまったく問題有りません。日本人にはないなんだかわからないものがたくさんあるので手にとって見てください。

 この町で一番人気はハドソン川からの景観で、川向うの起伏に飛んだ山並みが美しく、とても絵になります。この町のランドマークである、ガゼボのあるウォータフロント。左に小さなヨットハーバーがあり、夏場はカヌー、カヤックがレンタルで借りられる店があります。

 この地域はハイキングにもってこいの場所で、近年ネットや口コミで全米からハイカーが押し寄せてきます。近傍にはいくつかのトレイル・コースがあり、ビギナーから本格的なトレッキングを趣味とする人まで色々選べます。  イチオシは、町のちょっと北にある「ブレイクネック・リッジ」という登山コースで、ここは小一時間で山腹のゴールまで行き、帰ってこれます。とても短いコースですが、首折り峰を名付ける通りとても急峻な岩山なので、ちょっとしたロッククライミング感覚で、スリルある岩山登山を味わえます。ハドソン川を見下ろすゴールからの眺めは雄大そのもの。ぜひお試しください。

 ちょっと車での移動になりますが、町の郊外にある「ストーン・クロップ・ガーデン」もオススメ。全米の園芸愛好家が訪れる、緑あふれる美しい庭園と隣接した農場を気軽に散策できます。四百品種の花々が自然のなかに溶け込んだ庭園。そこに咲き溢れ、季節ごとにその景観を変化させていく姿は四季を通じて楽しめます。プロの造園師が長年かけて手掛けてきた、アメリカ式のガーデンの美しさは、日本の造園と又違う趣があって、比べてみるのも一興。見れば見るほど造園の奥深さに魅了されること間違い有りません。花々に引き寄せられるように集まる野鳥や蝶々などの発見も醍醐味の一つでありましょう。


以上、駆け足ではありますが、ニューヨーク近郊のおもしろスポットの一部をご紹介しました。  まだまだ、見どころの尽きないニューヨークなので、折を見てまたオススメをご紹介していきたいと存じます。


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