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2020年8月3日月曜日

雑草と戦う夏

危ない! そのWeedsの対処法
 

 春先から秋の初めまで、家の周りは雑草との戦いです。とにかく生えては刈り、生えては刈るのエンドレスゲーム。都会やアパートに住んでいる人にはわからない、田舎暮らしの悩みです。
 特にウチの庭は広いわけではないのですが、放っておくとあっという間にちょっとしたジャングルになってしまいます。繁殖力の強い雑草が多いのですね。土壌の良さも却って仇になります。昔は芝生がきれいに生え揃っれいたのですが、年々雑草がはびこるようになり、ついに雑草の天下となりました。
 これはひとえに私の怠慢の致すところであり、大いに反省しなければなりません。昔のわたしは、庭は自然界の掟に任せておれば良い、的な放任主義を標榜していました。植物の世界でも、弱肉強食。人間の干渉は最低限にすべしだったのです。
 しかしその結果、庭は荒れ放題になりました。毎年春に目を楽しませてくれた、ツツジもげっそり痩せ、花も咲きにくくなりました。ガーデニングのプロが聞くと開いた口が塞がらないでしょうね。改めて気づきましたが、雑草は大事に育てた木や花の生命力を奪っていくのです。
 今は考えを改めました。庭は公的景観の一部です。地域社会で野放しになった庭は見苦しいだけではなく、不必要な種子を撒き散らす、迷惑な存在なのです。特に住宅街では各々が庭をしっかり管理して、調和に務めなければいけないのです。そんな基本的な社会常識をわきまえなかった私は愚か者です。
 しかし気づいたときはすでに遅し。私の庭は根深く雑草に支配され、庭に植えられた観葉植物のテリトリーを大半征服しておりました。
 見かねた我が娘が、前庭を手始めに手入れし始めました。彼女は丁寧に雑草を一つ一つスコップで掘り返し、根っこごと排除する、まさに根こそぎ作戦に出ました。表面に出ている葉と茎は十センチ足らずなのに、根は20センチ以上あったりします。予想外の駆除作業に娘はかなり苦戦していました。しかし数日かけて畳12畳分ぐらいの前庭はきれいに土だけに生まれ変わったのです。
 私もそれをただ見ていたわけではありません。私と息子は、遥かに広い裏庭のジャングルと格闘していたのです。去年までは、手押し式の草刈り機だけでテキトーに、生えたら刈るの繰り返しをシーズン中、3ないし5回ほど繰り返していたに過ぎません。ご近所はほとんどみんな電動式の草刈り機を週末ごとにやっていたので、その差は歴然です。

 
 今年は心機一転、ウィードワッカーを買い、手押し草刈り機との二段作戦で雑草に挑みました。手押し草刈り機は手入れをしていなかったので、刃がサビサビで切れ味がまったくひどいのです。新品のウィードワッカーが頼りで、それをサポートするように、私は手で一本一本目立つ雑草から引き抜いていきました。持病の腰痛に気をしながらで、作業はなかなかはかどりません。
 それを見かねた知り合いのご夫婦が、助っ人をかって出てくれました。ご主人は家の修理を職業としている方です。よくじつ電動草刈機を持ってきてさっそく作業が始まりました。作業はまたたく間でした。さすが文明の利器。持つべきものは良き隣人です。謝礼に手数料と日本の緑茶をお渡しし、笑顔でお別れしました。
 
 ところがその後、とんでもない事が起こりました。
 なんと、当日素手で雑草の引っこ抜きをやってたご婦人が、雑草の毒にやられてしまったのです。庭のフェンスに絡みつく蔦を引きちぎっていたのですが、そのなかの一つが毒草、ポイズン・アイヴィーだったのです。
 その時は症状もなかったのですが、数日後、ご主人からその話を聞きました。
 奥さんは、草刈りの二日後から発熱が始まり、顔や手足の皮膚が赤く腫れ上がってきたというのです。それは日に日に悪化し、塗り薬では対処しきれなくなり、全身に炎症が広がったそうです。どうやらポイズン・アイヴィーの毒は、葉が肌に触れただけではなく、手のかすり傷の傷口から体内に入ってしまったようなのです。聞くところによると、その種の植物の毒が体内に入ると、悪い場合、臓器まで障害をひきおこすというのです。
 私は震え上がりました。
 せっかくご好意で庭掃除を助けていただいた方が、そんな重症になってしまうなんて、思いもしませんでした。ただただ、ご主人には平謝りでしたが、もう申し訳なくて当のご婦人にはお見舞いにもいけません。
 ご婦人は一週間以上も寝込んだ挙げ句、医者に行って解毒治療を受けたそうです。ようやく甲斐あって快方に向かってるとのことですが、本当に怖いと感じました。寛容なご夫婦だから良かったものの、訴えられても当然の事態でした。
 
 たかが雑草と思っていたのが甘かったです。知らないうちにそんな危険な雑草がはびこっていたなんて、予想だにしませんでした。
 先日、庭掃除のプロの方を雇って、ポイズン・アイヴィーを根絶してもらいました。ビニール袋いっぱいに詰まったその雑草をみて、改めて恐怖が蘇り、かつ反省しました。
 庭は放置してはいけない。ちゃんと見守って、管理するのがコミュニティにおけるマナーでありルールと受け止めます。今後しっかり庭と向き合って、きれいな環境づくりに留意したいと思います。


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