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2020年8月8日土曜日

変容する世界

 新時代に向けての提言(仮)



 コロナで人と人が自由に接近できなくなってはや半年あまり。ここニューヨークでも様々な場面で、生活様式に変化が見られるようになりました。


今のニューヨークの現状


 近頃、仕事でマンハッタンへ行く機会が増えてきました。週に2,3回はマンハッタンのどこかしらに車を回しています。それだけ人々がマンハッタンへの往来を復活しだしたと言えます。7月初旬にマンハッタンへ行ったときは、場所にもよりますが、至るところで、これがニューヨーク? と目を疑うほど閑散とした惨状が見られました。本当にゴースト・タウンのように人がいなくなっていたのです。

 昨日、ミッドタウンのチェルシーという地域へお客さんを迎えに行ったのですが、夕暮れ時、レストランの多くが営業していたのには驚きました。ただし大半は店内での飲食は禁止されており、店舗の表に椅子とテーブルをならべて営業していました。見る限り、多くの店がディナーどきということもあり、盛況でした。テーブル同士の間隔は6フィート余り取っていましたが、問題は通行人です。歩道にはみ出したレストランのスペース分だけ通り道が狭くなり、どうしても食事中の人と、通行人が接近してしまいます。従業員も皿を抱えて激しく行き交うので、蜜が避けられているようには見えませんでした。

 交通量も減ったとはいえ、四六時中車が行き交う排気ガスの中での食事はあまり健全には思えませんでした。

 いま食事を目当てにマンハッタンへ来ることはオススメできません。やはりそれなりのリスクを背負うことになるでしょう。


 じゃあ、どこに行けばいいんだ、こんな行楽の季節に。とフラストレーションの高まる方、たくさんいらっしゃると、思います。


都会を離れて郊外へ


 そんなときは、郊外を目指してはいかがでしょうか。アメリカは広大な自然の宝庫です。都会のレジャーに慣れた方なら、いまこそ地方の良さを知るべきです。

 ただし今現在、州を跨いでの越境レジャーはご法度です。事実、今週から警察が州境のインターチェンジなどで検問を始めています。マンハッタンから程遠くないホワイトプレーンズという小都市はコネチカット州と隣接しています。そこで事故や工事でもないのにやけに車が詰まっている、と思いきや、警察がニューヨーク以外の車のナンバーをチェックして、随時停車させていたのです。

 今は明確な必要理由がないと、容易に他州からニューヨーク入りできないので、くれぐれもご注意ください。検問の場所は随時変更されるそうです。これだけ見ても、州を挙げていかにコロナと戦っているかがわかります。


 ま、ニューヨークは広いので州内で探せば人も少なくて、自然の美を堪能できる場所はたくさんあります。これからもそういった隠れスポットなどをご紹介していければと思っています。

 とはいえ地方にゆこう! 誰かがそう言うと、地方で静かに暮らしている地元の方たちの中には眉をしかめる人もいるかも知れません。しかし敢えて申し上げれば、今は時代が大きく変わる潮時です。これまでの地方に凝り固また常識や風習から解き放たれるべきです。外部からお金を落としに来るゲストがいない地方はやせ細るだけです。日本の地方が今どれだけ人材不足にあえいでいるか、アメリカ人にも教えてあげたいです。


 今は意図的に人に接近しない限り、国立、州立公園などは穴場です。感染リスクの低い大自然の中ではのびのびと体を動かせます。注意するとすれば、目的地までの途中で、ドライブインやガスステーションでの接触の可能性。これも今まで通り、マスクと除菌をしっかりしていれば感染は防げます。少なくともマンハッタンで食事するよりも安全です。大森林の人気のないところでマスクを外して深呼吸しましょう。ストレスも飛んでいってしまいますよ。



新時代のライフスタイルが生まれている


 今はもう、日常でみんながマスクをして買い物に出歩く時代。自粛自粛で、こもり疲れの溜まる一方。もはや人々は以前の生活に戻るより、新生活を模索する段階に入っているのです。

 いや、こんな生活は一時的なもので、ウイルスが去ったら、またもとに戻るよ、と楽観的に考えているあなた、甘いかも。

 すでに多くの学者、有識者がコロナ定常化を想定しています。今の事態は収束しないとする考え方です。そんなの嫌だあ、といってもこればっかりは過ぎていかないとわかりません。いや何も私はコロナは時代の要請だなんて不謹慎なことは申しません。が現実、すでに多くの人がマスクライフを受け入れ、新時代を模索し始めているのです。もちろん私も抵抗はあります。なんとか元の世の中に戻って欲しいと。しかし同時に新しい時代に対応できる生き方も模索すべきだという内なる声が警鐘を鳴らすのです。


来たるべき時代に備えよう


 この先何が起ころうとも、フレキシブルに対応するすべを持たねばならない段階に来ているのだと思います。

 これを私は「柔軟性の時代」と命名します。

 この大感染の世、もはや国民は国家に頼らず、自治を収める地方レベルで政策を動かしてゆくべきでしょう。そうしないと手遅れになります。大きな統治体制だけでは、流動的非常事態に際し、変動のスピードに対応できないのです。

 個々においても、今後地震、洪水、ハリケーン、クーデター、経済転覆、医療崩壊、ルール変更、大企業失速、国際紛争なにかしら大それた事が起きたときに備え、柔軟に対応できる精神性、実行力が求められているのです。パニクってすべてを失ってからでは遅いです。臨機応変、フレキシブルに世の変動に対応し、自分を守るすべを身につけておきましょう。地方の自治に影響を与えうる発言、発信力もSNSの活用などで可能な時代です。

 

 もう一つ。自分を守ると同時にコミュニティ・レベルの協力体制を確立しましょう。遠くの親戚より、隣人の助けが頼りになります、日頃から友好関係を築いておけば、いざというときに助けたり助けられたりの互助精神が発揮される、そんな時代の予感がします。

 結局、信じる人は信じられることになるのです。新時代のキーポイントはコミュニティの活用、ここに尽きる、とまでは言いませんが、とても重要なファクターとなることは疑いません。


まとめ


 この先、時代はどのような放物線を描いて飛んでゆくのでしょうか。いまだだれも正確な予想はできていません。しかし時代の空気は確かにどこか指向性をもって流れているような気配を漂わせています。この空気をうまく読み取った人が、次世代をリードしてゆくのでしょう、きっと。

 みなさんも来るべき世界に備え、いまから感性を磨いておいてはいかがでしょうか?



**この記事を書いたのが2020年8月7日。それから一年後、この記事を受けて更なる心境の変化も記しています。ご興味のある方、ご覧いただければ幸いです。

https://www.amemono.com/2021/09/blog-post_14.html

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