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2021年3月3日水曜日

ブランド別カメラの特徴

カメラメーカーの強み:ニコン編



 ニコンのカメラのカラー再現能力はとても高く忠実だと定評があります。まさに見たままを余さず写しとる技術に長けているというのです。その正確さはとりもなおさず、プロおよび上級者にとっては必須の要求であります。余計な装飾のない分、入門者にはそのすごさがわかりづらいところもあります。しかしこの「人が見た景色をそのまま映す」という再現性は欧米でもとても好まれる傾向があり、アメリカ人に訊いてもニコンの一眼レフが最高だと答える人は多いです。

 次にニコンの良さはボディやレンズの作りの堅実性です。ぱっと見には他社製との違いはなさそうですが、手にしてファインダーを覗く、ダイヤル設定をする、シャッターを押すという一連の動作を繰り返していると、その質実の良さがじんわり伝わってきます。実際のつくりも頑丈そのもので、とくに上位機種はずっしりとしています。しかしいくら重くても戦場に持っていくカメラにニコンが選ばれる理由がわかる気がします。壊れる気がしないのです。


 ニコンが長年多くの人に支持されてきた理由は他にもたくさんあります。順番に見ていきましょう。
 

手頃な価格のレンズ

 ミラーレスカメラの世界に移行したとき、キヤノンとニコンは、レンズの初期ラインナップを開発する際に、まったく異なるアプローチをとっていました。

 キヤノンは、最初から高品質のガラスを使ったレンズを発売し、超シャープで信じられないほど高いレスポンスのレンズを作り、それ相応の価格で売り出しました。
 ニコンの誇るニッコールレンズも高価だという印象がありますが、実はミラーレス市場においては、キャノンより買いやすい価格設定だったりします。キヤノンのプライムは主にf / 1.4とf / 1.2ですが、ニコンから登場した
f / 1.8レンズは価格設定を超える上玉だと言われ、現在極めて好意的なレビューを集めています。



ダイナミックレンジ

 
ダイナミックレンジと低照度性能もニコンの独壇場です。一般の人は、その差は無視できるほどのものだというかもしれませんが、こういう細部を妥協しないところがニコンの職人気質な社風を表しています。ニコンのカメラから生成されるRAWファイルは、極めて汎用性が高く、気難しい写真編集者にも扱いやすい素材となります。
 とくに暗い光で撮影が必要な人や、ダイナミックレンジの量を最大化したい場合は、ニコン一択という人もいるほど、光の繊細な扱いにかけては図抜けたメーカーであります。

 信頼度の高さで知られるDXOMARKでも、様々なセンサーの比較を確認することができます。センサーランキングを見ると、ニコンが上位を占め、数値的にもその優位性は証明されています。



将来を見据えたシステム

 ニコンがAPS-Cセンサーのミラーレス機ニコンZ50を出したとき、DXフォーマットだったことで、ニコンとキャノンの違いが浮き彫りになりました。キャノンのAPS-CはMマウントという独立した企画でフルサイズとの互換性はありません。その点ニコンは今後、フルサイズとAPS-C双方でレンズが交換、共有できる仕様になったのです。これは将来を見据えたニコンの的確な選択で、今はDXレンズの少なさを指摘されていますが、今後この共有システムのおかげでニコンは有利な展開をみせる可能性が大であります。



4Kビデオ

ニコンとキヤノンのフルフレームミラーレスカメラの4K動画の違いは、ニコンがクロップなしで差撮影できるのに対し、キャノンは大きくクロップされる仕様です。動画で後れを取っていると言われてきたニコンにとって、現時点では大きなアドバンテージとなっていです。



永遠のライバル:ニコン対キャノン


ビギナーはどちらを選ぶべきか?

 初めてのカメラを買うときには、ミラーレスを選ぶのはいまや素晴らしい選択です。一般的に、同等のデジタル一眼レフカメラよりも小さくて軽いので、スマートフォンからのジャンプアップはそれほど大きなステップには感じません。

 キヤノンもニコンも、写真撮影に慣れていない人には素晴らしい選択肢がありますが、デジタル一眼レフと違って、ミラーレスは少し値段設定が高くなっています。

 2021年現在、ニコンとキヤノンのエントリーレベルのミラーレスカメラと言えば、キヤノンEOS M50とニコンZ50です。

 2019年後半にデビューしたニコンZ50は、その驚くべき高性能でカメラ通から初心者まで幅広く評価されています。先述のようにフルフレームの兄弟機と同じZマウントを共有しているのが特徴です。またZ50のキットレンズ16-50mm F3.5-5.6が非常に高精細できれいな発色で、多くの人から称賛の声を浴びています。
 Z50のスクリーンとファインダーは、前者は下向きと前向きに傾けることで、自撮りやブログを撮影するのに便利ですが三脚使用時には使えないという弱点もあります。

 画質は20.9MPセンサーを使用し、非の付けどころのない良さがウリです。また4Kビデオでも有利なパフォーマンスとなる209ポイントのAFシステムもあります。コンパクト持ち運びにも優れ、本質的にはZ50は上位機種のZ6/Z7を小型化したものを使っているようなものだとも言われています。

 キヤノンのEOS M50は3年前のものですが、センサーは24.1MPの解像度で、4Kビデオも撮れますが、残念ながらそれはトリミングされてしまいます。ここはブロガーらには不都合と受け止められるでしょう。一方ビューファインダーと背面のバリアングルタッチスクリーンは好評で、初めてカメラを扱う人でも直感的に操作を覚えていける工夫がたくさん施されています。

 また極めて軽量な本体の優れた造形は、合理化されたコントロールと直感的なユーザーインターフェイス、キヤノンにすぐれ、EOS M50を使用する喜びを生みだします。





まとめ

 永遠のライバルであるこの二社のカメラは、時に対照的に、またある時はシンクロするように、同時期に新しい機能を追加させてきました。今後は主戦場をミラーレスに移しての展開が予想されますが、同時に今後の一眼レフの扱いにも注目したいところです。個人的には必ず一眼レフが再評価される時期が来ると思っています。そのときどちらのカメラメーカーがどんな一眼レフを出しているのか、とても興味があります。
 時代は移り変わり、カメラの形や内容も変化していきますが、まだまだ両社の終わりなき戦いは続きます。両社の切磋琢磨によって進化し続けるカメラの世界から決して目を離すことはできません。

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