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2021年3月4日木曜日

カメラはブランドごとに

 カメラメーカーの強み:ソニー編


 2010年、家電メーカーのソニーがカメラ界の名門ミノルタからaの称号とともに受け継いだデジタルカメラの伝統はわずか十年のうちに驚くべき進歩を遂げ、いまやミラーレスカメラのトップブランドとして、世界中に知れ渡っています。

 ソニーのミラーレス開発事業は早い時期にフルサイズを中心としたものにシフトしていました。この選択は実に的を射たもので、まさに先見の明が社運さえ変えて行きました。

 ミラーレスが世に知られはじめたころは、一眼レフカメラの簡易版のような扱いで、よもやカメラ業界の主流にのし上がるとはだれも予想していなかったはずです。ソニーは2013年10月に、Eマウントという新しい企画を立ち上げ、初のフルサイズ機としてα7及びα7Rが発表されました。ミラーレス初のフルサイズ機の誕生です。

 ここからソニーの怒涛のフルサイズ開発ラッシュがはじまり、2018年発売のα7IIIはその完成度の高さからプロからアマまで大好評をもって迎えられ、「フルサイズ・ミラーレスはソニー」と言われるほどの不動の地位を獲得したのです。

 ではなぜそれほどまでにソニーのミラーレスは優れていると言われているのでしょうか?




センサー

 ソニーのセンサーは並外れている。私の経験では、同じイベントや撮影で複数のカメラメーカーのカメラを使った場合、必ずと言っていいほど、ソニーのボディが最高の画質を実現しています。センサーの大きさが35mmフィルムの枠と同じになるフルフレームと、APS-Cが主流のクロップセンサーの2種類から選ぶ必要があります。フルフレームセンサーは、どのメーカーもそうですが、色や解像度が高く、ダイナミックレンジが広いため、幅広い照明条件の中でディテールを捉えることができ、より高品質な画像を生成します。APS-Cセンサーは、よりコンパクトで安価ですが、レンズを「クロップ」し、最終的な画像は、レンズがそうでなければ生成することができるものに対して、本質的に相対的にズームインされることを意味します。



ピント

 顔認識から人の瞳、そして次は動物瞳フォーカスと、ソニーは常にこの分野で最先端を走っています。他社が背中まで追いついてきた瞬間、突き放すように驚くべき革新的なピント合わせを見せてくれるのです。
 その最も最近の技術革新の中で、4Dフォーカシングと呼ばれるものがあります。特定のカメラモデルの能力を向上させ、スポーツ選手や乗り物などの動く物体に追従してフォーカスを維持することができるものです。この機能は、デジタル一眼レフカメラA99、フルフレームミラーレスカメラA9、A7 III、APS-CミラーレスカメラA6500に搭載されています。そもそもポートレートで瞳にフォーカスするテクニックなどはプロの世界だけの話だったのを、初心者にさえ与えてしまうこの技術は、もはやカメラ撮影の常識と化してしまったようです。



ボディ

 広がるニーズをベースに、独自のニッチに向けて作られたプロ仕様のボディ。ソニーは、複数のカメラボディを購入してもらうために技術やスペックを抑えず、個人のニーズを絞り込みながら、マスマーケットへのアプローチを目指してαミラーレスカメラのラインナップを構築してきました。a7Rシリーズの高メガピクセル数のカメラを見てみましょう。
 基本的には、野生動物や野鳥を撮影するカメラボディにポートレートとランドスケープを掛け合わせたカメラを持っていることになります。それは両方の機能を同時に持つということ。低照度下での撮影やビデオ撮影も可能です。a7Sシリーズのカメラボディは、星空の下での4K映画のような夢を叶えてくれます。最高のオートフォーカス、4Kビデオ、最高20フレーム/秒の動画と至れり尽くせりです。



レンズ

 充実したレンズラインナップももはや強み、魅力の一つとなりつつあります
。ソニーはレンズ開発にも怠りなく、マーケティングに従って、真に使えるレンズに絞って開発を続けてきています。今や市場での存在感は必要十分と言え、プロ、プロシューマー、ホビーリストが活用できるようなレンズラインナップを揃えるに至りました。


SONY a9


 これらの強みを踏まえて、さらなる飛躍を果たし、絶賛を浴びたのがa9です。ソニーの数あるフルサイズラインアップの中でも上位機種に属するこのカメラからも、ソニーの行くべき道が明確に刻み込まれています。

 最初に2017年4月に導入されたソニーα9は、フルフレーム(35.6×23.8mm)サイズのBSI-CMOSセンサー、内蔵画像を搭載した24.0MPプロ志向の高いミラーレスカメラです。
  ソニーa9は、過酷なプロの撮影環境を想定した防塵防滴ボディを採用しております。あなたが屋外での写真撮影が好きで、極端な条件であなたのカメラを使用できるようにしたい場合は、ソニーA9は全幅の信頼を置けるカメラです。

 ソニーa9は24.0MPフルフレーム(35.6 x 23.8ミリメートル)サイズのBSI-CMOSセンサーと最新のエンジン、BIONZ Xプロセッサを持っています。それは3:2と16:9のアスペクト比で6000×4000ピクセルの最大解像度で撮影することができます。a9は100のネイティブISO範囲を持っています。さらに50-204800まで拡張することができます。

 ソニーa9はソニーEレンズマウントを搭載しており、現在このマウントで利用可能なネイティブレンズが137本あります。その非常に短いフランジ焦点距離のおかげで、他のマウントからレンズを適応させる選択肢はほぼ無限大です。ソニーはまた、アダプター(ソニーLA-EA4)を販売しており、AマウントレンズをEマウントカメラのAFを含む機能で使用することができます。
 また、a9にはセンサーベースの5軸手ブレ補正システムが搭載されており、これらのレンズはすべてa9で使用すると手ブレ補正されます。ソニーは、a9の手ぶれ補正は5.0段まで有効だと謳っています。センサーベースの手ぶれ補正は、ILCに搭載されている最も便利な機能の1つです。また、a9用のウェザーシール付きレンズも59本用意されており、防塵防滴処理されたボディと組み合わせ使用できます。
 またソニーa9は、1,440kドットの解像度を持つティルティング3液晶画面を搭載しています。画面サイズ、画面解像度ともにこのクラスの基準に達しています。
 液晶はタッチパネル式なので、指先で設定を変更したり、フォーカスポイントを設定したりすることができます。
 a9は電子ビューファインダーを内蔵しているので、直射日光の下など液晶モニターが見えにくい状況でも撮影がしやすくなっています。ファインダーの解像度は3,686kdots、カバー率は100%。100%のカバー率は、撮影中にファインダーで見たものと、後から見たものが正確に一致することを保証し、正確なフレーミングをサポートし、後から画像をトリミングする必要性を最小限に抑えることができます。ファインダー倍率は0.78倍(35mm換算)。

 ソニーa9では、3840×2160の最高解像度で30p,25p,24pfpsで動画を記録し、MPEG-4,AVCHD,H.264形式で保存することができます。つまり、ソニーa9は4K(Ultra-HD)の動画を提供しています。一部の稀な6Kや8Kのビデオ録画カメラを除いて、4Kはコンシューマービデオの世界では一般的な標準となっています。

ハイスピードビデオ

 a9は、スローモーション動画の作成に役立つ120fpsで動画を撮影するハイスピードモードを搭載しています。120fpsのフレームレートで動画を撮影し、24fpsで再生すると、通常よりも5倍遅く長くなります。
 a9にはステレオマイクとモノラルスピーカーが内蔵されています。また、外部マイク用のポートや外部ヘッドホンを接続するためのヘッドホンポートも備えており、ソニーa9は高品質なビデオ撮影に非常に適したカメラとなっています。

最大シャッタースピード

 ソニーa9は最高速度20.0fpsの連続撮影が可能で、最大シャッター速度は1/8000秒。a9には電子シャッターも搭載されており、最高速度1/32000秒の無音撮影が可能です。注意点としては、電子シャッターの場合、ローリングシャッターやジェロ効果が発生したり、人工光の下ではバンディングの問題が発生することがありますので、注意が必要です。

フラッシュ

 残念ながらa9にはフラッシュは内蔵されていませんが、外部フラッシュを取り付けるためのフラッシュシューが付いています。


フォーカシング
 
 ソニーa9には、コントラスト検出と位相差検出の両方のAFシステムが搭載されており、ほとんどの状況でスピードと精度の高いピント合わせが可能です。AFシステムは693点の中から選ぶことができます。
 また、ソニーa9は、フレーム内の顔をインテリジェントに検出し、自動的にフォーカスをロックする「顔検出AF」を搭載しています。顔検出AFに加えて、a9にはアイトラッキングAFと呼ばれるより高度な機能が搭載されており、フレーム内の人物の選択した目を正確に検出してフォーカスをロックし、被写体の動きに合わせて追尾します。ソニーa9のアイトラッキングAFはポートレート撮影に最適な機能で、高速レンズを使用して被写界深度が非常に狭い場合に特に有効です。

 以上のように、a9はソニーのデジタルカメラに対する、理想像を詰め込んだもので、当然のように、プロからアマチュアまで非常に高い評価を得ています。



まとめ

 ソニーは昔から、様々なガジェットを世に送り出し、そのたびにわくわくする経験をユーザーに与え続けてきました。古くはウォークマン、,ビデオのベータカム、プレイステーション、ラップトップのVAIOなど、新しいものを出すたびに、みんなを夢の世界へと運んでくれたのです。そのエンターテイメント性はカメラでも存分に発揮され、カメラを持つ喜びを満喫させてくれます。そのような、心ときめく新機能を発表し続ける限り、ソニーのミラーレスは不動のトップランナーの地位を守り続けていくでしょう。

 

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