2021年8月11日水曜日

ストリートフォトの撮り方

サムズアップ・アメリカ!
ストリート写真をかっこよく撮りたい



ストリートフォトを撮るんだけど、イマイチぱっとしない、写真家はどうしてあんなにカッコよく撮れるんだろう?
そんなことを悩むカメラ初心者はたくさんいらっしゃるでしょう。私もその昔、数うちゃあたる式で、やたら枚数だけ浪費して全く手応えがなく、落ち込んでいたことがありました。悩んだ挙句、カメラのせいにして先輩に叱られたこともあります。

アメリカと日本では少しだけストリートフォトのアプローチの違いを感じることがあります。プロのフォトグラファーには国境がないのですが、ことアマチュアに関しては撮る視点や切り取り方にかなりの開きがあるように思えるのです。

日本で写真の撮り方を教える学校の先生はとても丁寧で、基礎からしっかり叩き込んでくださるのですが、受け取り手の生徒は、杓子定規に基礎の教えを守るあまり、いわゆる教科書的な作品作りに小さく収まってしまう傾向があるのです。
これは何も他人事ではなく、自分も知らず知らずのうちに型にハマってそこから抜け出せなかった経験から、今大いに反省しているところなのです。

対してアメリカのアマチュアフォトグラファーは「そんな撮り方!?」と思えるものまで自由に自己の思うがままに被写体を切り取ります。極端に言えば多少傾いていようが、ピントが外れていようが、決定的瞬間を納めるために、思い切った冒険を辞さないような撮り方をするのです。
そんな彼らを側で見ていて、羨ましくなりました。

アメリカのアマチュア写真家には、カメラを日本人ほど精細に検証する傾向はありません。手に取ったフィーリング重視で、世間の評判よりも自分に合ったいい物を選ぶ方がマジョリティーです。

そんなアメリカ人が好むストリートフォトとはどんな物なのでしょうか?
ここではそれを念頭に、アメリカ式ストリートフォトの撮り方をご紹介します。







米国式ストリート写真の撮り方

写真を始めたばかりの人は、思いがけない時にインスタ映えする完璧な瞬間を目の前にして、カメラを持っていればよかったと思うことがあるでしょう。

ストリートフォトは、普通の生活の中のここぞという瞬間を撮影するのが醍醐味ではないでしょうか。思いがけない、自然発生的な性質を持つこの写真ジャンルは、あらゆる種類の写真家にとって、楽しく、挑戦的で、やりがいのあるものです。
いい写真が撮れたら自慢したくなるのがカメラ愛好家の性です。また、自分のポートフォリオに加えて、アートプリントを販売したり、雑誌に作品を投稿したりして、副収入を得る、なんて楽しみもオマケでついてきます。

スタジオ撮影などのように事前に計画を立てることができる撮影方法とは異なり、ストリートフォトではどんな写真が撮れるかわかりません。ストリートフォトの撮影方法を知りたい方は、以下の記事をぜひ参考にしてみてください。



そもそも、ストリートフォトとは?

ストリートフォトとは、その名の通り、街の様子を撮影した写真のことです。大まかに言えば、ストリートフォトとは、公共の生活や空間を率直に撮影することです。つまり、ストリートフォトには、さまざまな撮影スタイル、被写体、撮影場所が含まれるということです。

ですから、「ストリートフォトとは何か」という問いに対して、あなたの頭の中には、写真家が街を歩き回り、ファッショナブルな人々や興味深い人々をヒップショットで撮影しているイメージがあるかもしれませんが、ストリートフォトの実態はそれだけではありません。

自然発生的に起こる公共の場を撮影している限り、それは一種のストリートフォトであります。つまり、地方にいても、公園にいても、お祭りにいても、公共の場であれば、ストリートフォトを撮ることができるのです。

ストリート写真の撮り方を語るときによく出てくるのが、「被写体は人であるべきかどうか」という問題です。ほとんどの場合、ストリートフォトには人間が被写体として登場します。それは、このジャンルの写真の本質が、市民生活の率直な一瞬の瞬間を捉えることにあるからです。

ストリートフォトでは、人間の経験が中心となります。例えば、人が写っていない街の風景は、ストリート写真というよりも建築写真に分類されるでしょう。とはいえ、ルールは時に破られるものです。人間が写っていないストリート写真でも、人間の物語を伝えることができるので、ストリート写真という大きなカテゴリーに当てはまることがあります。例えば、屋外でのパーティの後の街の風景は、誰もいなくても、人間の経験について多くのことを伝えてくれます。

最終的には、自分の好み、インスピレーション、そして自分がいる場所によって、ストリート写真の具体的な撮影方法を決めるべきです。しかし、自然体であること、率直であることを大切にしていれば、ストリートフォトの撮り方については十分に理解しているはずです。



ストリートフォトにはどんな種類があるのか?

さて、ストリートフォトの幅広さがわかったところで、次は具体的にどんな種類のストリートフォトがあるのか、気になりますよね。ストリートフォトにはどんな種類があるのかを考えてみると、自分の住んでいる地域や旅先でのストリートフォトの撮影方法を考えるきっかけになります。







ストリートフォトのファッション

住んでいる地域によっては、街中でファッションショーをしている人を確実に見かけることがあるかもしれません。多くの人がストリートスタイルに刺激を受け、その人の個性を物語ることができるため、ストリートスタイルの面白さを撮影することは、ストリートフォトの人気カテゴリーです。

ストリートファッション写真の全盛期は、おそらくInstagramが登場する前のファッションブログの時代だったと思いますが、よりリアルで、より演出されていない環境でファッションを見ることは、やはり新鮮なものです。

私たちは皆、インスタグラムで通用するルールに従ったファッション写真を見ることに慣れています。一見、ありのままの画像であっても、完璧に仕上げるために数十回の試行錯誤が行われています。


演出されていない一瞬のファッションは、まったく異なる効果をもたらし、服そのものではなく、その服を着ている人について何かを語ることが多いのです。もしかしたら、私たちはストリートファッション写真のルネッサンスを迎えているのかもしれません。

ストリートファッション写真のもうひとつの特徴は、被写体が必ずしもステレオタイプのファッショナブルな人である必要はないということです。ある服の動きや背景の見え方が気に入れば、どんな人でもストリートファッションのスターに変身させることができます。



ストリートポートレート写真

ストリートポートレイトは、ストリートフォトの中でも興味深いカテゴリーです。なぜなら、ポートレイトというと、通常、被写体が自分の写真を撮られていることを知っているイメージがあるからです。
ストリートポートレート撮影は、他のポートレート撮影とは異なり、被写体が知らないうちに撮影されていることがほとんどです。そのため、通常のポートレート撮影やヘッドショット撮影とは全く異なる技術が必要になります。

経験豊富なフォトグラファーでも、初めてのストリートポートレート撮影では、慣れないことも多いと思います。ポートレート写真家であれば、被写体のベストアングルや光の当たり方など、ポーズの取り方を熟知しているはずです。
また、どのような服装で撮影に臨めばよいのかなども知っていると思います。一方、ストリート・ポートレート・フォトグラファーは、通常のポートレート・フォトグラファーとは全く異なる環境で、異なる目的を持って仕事をします。

ストリートポートレイトは、人々のありのままの姿を撮影することが目的です。最高のストリートフォトグラファーは、被写体に対して自分の位置を決め、最適な構図を作り、導線などを利用しています。また、光が被写体に与える影響や、被写体が環境に与える影響を考慮する必要があります。




これらはすべて練習が必要です。外に出て、期待していない人たちを自信を持って撮影するのは大変なことです。誰かが自分や物を撮影しているのに気付いたら、カメラを置くなどして敬意を払うことが大切です。
被写体があなたが撮影していることを知っていて、カメラを見ている場合でも、ストリートポートレートとしてカウントされるのか疑問に思うかもしれません。ストリートフォトグラファーの中には、そうではないという人もいるかもしれませんが、このようなポートレートは、ストリートポートレートのまとめサイトによく掲載されています。

何気ない人を撮影していても、その人が気付いて微笑んでくれることもあります。時に反発されることもありますが、その場合は相手の意思を尊重しましょう。
撮った写真を見せると、写真に写っている自分を見て喜んでくれて、写真を預かってくれることもよくあります。また、その写真を送ってほしいと言われることもあります。

また、被写体に近づいて、丁寧に目的を告げれば撮影の許可を得ることもあります。最初は抵抗があるかもしれませんが、礼儀正しく褒めれば、多くの人が承諾してくれるでしょう。自分の目を引いた相手の特徴を伝えることもできます。褒め言葉は非常に魅力的で、打ち解けるための素晴らしい方法となります。

気をつけなければならないのが、無断撮影ととられてトラブルになることです。昨今は盗撮問題がクローズアップされ、個人のプライバシーが重視される時代です。独りよがりな撮影は慎み、公共の場での撮影がどうあるべきか、常に自問しながらファインダーを覗いてくださいね。



都市のストリート写真

あなたが撮影するストリートフォトは、一人の人間ではなく、都市の全体像を捉えているかもしれません。都市部でのストリートフォトの撮り方を学ぶには、撮影しようと思っている場所で多くの時間を過ごし、自分と周囲の環境に忍耐強くなることが必要です。

都会の街角で素敵な写真を撮るのは、案外難しいものです。ただシャッターを切っているだけでは、理想的な写真は撮れないかもしれません。
そのためには、スケジュールを空けて出かける準備をして、理想的なシーンが現れるのを待つのが一番です。
例えば、最高の街並みを見つけても、写真になるような人物やグループが通り過ぎてフレームに収まるまで1時間かかるかもしれません。プロのようなストリートフォトを学ぶためには、忍耐が大切です。出かけるときには、特定のイメージを持たないほうがいいでしょう。目を見開いて、街が何を見せてくれるのかを見極めるのです。



夜のストリート写真

夜景は、昼間の撮影とはまったく違った被写体を提供してくれます。もちろん、夜の街を撮影するには、光量が少ないため、夜景撮影の基本的な知識が必要です。
ストロボやフラッシュを使わないと、思ったような写真が撮れないこともあります。また、機材が増えれば目立つので、人ごみに紛れて撮影するのが難しくなるというデメリットもあります。もちろん、夜のストリートポートレートなどが撮れないわけではありませんが、それなりの覚悟が必要です。

またこれは日本以外の特徴ですが、夜の撮影には危険が伴います。撮影に集中するあまり、背後に迫る暴漢や強盗に気づかず、痛い目にあったという話は何度も聞いています。くれくれも注意して撮影の臨んでください。








ストリートアート写真

街を歩いていて、自分の街やコミュニティに展示されているアートに刺激を受けたことはありませんか?
ストリートアートを撮影することもまた、ストリートフォトの一種であり、無限のインスピレーションを与えてくれます。
しかし、ストリート・グラフィティやアートを撮影するには、特定のルールや倫理観があることを覚えておいてください。
具体的には、アートを自由に撮影することはできますが、写真の主な被写体が他人のアートである場合、その写真でお金を稼ごうとすると問題が発生する可能性があります。

自分の作品をファインアート・ストリートフォトとしてプリントして販売することは可能ですが、その際に他のアーティストのアートがプリントの大部分を占めている場合には、アーティストに連絡が取れるようであれば許可を得た方が良いでしょう。また、Instagramに画像を投稿する場合は、戦略的なハッシュタグをつける際に、アーティストの名前も必ず明記してください。


以上がアメリカでストリートフォトを撮る際の、基本的な心得です。もちろん日本ででもこの撮影作法は応用できますので、ぜひ参考にしてみてください。

最後にちょっとだけ昔ながらのフィルム写真を撮る楽しみをお伝えしましょう。



フィルムによるストリート写真

現代のストリートフォトグラファーの多くは、デジタルカメラで撮影していますが、フィルムで撮影することで、実にユニークな結果を得ることができます。もちろん、フィルムを現像するまで自分の写真がどうなっているのかわからないという難しさもあります。また、現像してみないと仕上がりがわからないため、構図やピントの合わせ方などの練習が必要で、フィルムが無駄になってしまうこともあります。

とはいえ、私たちが知っている本物のフィルムのような写真を撮ることはできません。これは、カラーのストリート写真でもモノクロのスウィート写真でも同じことで、フィルムでは異なる質感や色調が得られます。デジタルではなくフィルムに挑戦することで、あなたのストリート写真は他の人と差をつけることができるでしょう。

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