2021年8月19日木曜日

ニューヨーク郊外の観光スポット

サムズアップ・アメリカ!
ハドソン・バレー人気タウンズ



私の住む「ハドソン渓谷」と呼ばれる地域は観光名所としても知られる、ニューヨーカーの憩いの場所です。いやニューヨークの大都会の住人のみならず、全米からこの地を目指して旅行客が押し寄せています。でもご心配なく。ハドソンバレーは米東海岸の広大な地域なのでたくさんのツーリストもいろんなスポットに散っていきます。
今回は行楽の絶好の場所としてこのハドソンバレーの見所を拾ってご紹介します。

ウェストチェスター郡のヨンカーズから州都のオールバニまで約150マイル、ハドソン川の両岸に広がるハドソンバレーの趣のある町々は、ニューヨークの喧騒から逃れるのに最適な場所です。

この肥沃な渓谷には、家族経営の農場、果樹園、ブドウ園などがあり、持続可能な食と再生可能な農業に取り組んでいます。また、美しい景色と趣のある環境は、芸術家や作家にインスピレーションを与えています。ロックフェラー家やヴァンダービルト家から一般の旅行者まで、何世代にもわたってこの地のゆったりとした雰囲気を楽しんできました。

では以下に、ハドソン・バレーで訪れるべき10の趣のある町をご紹介します。




スリーピーホロー



ビッグ・アップルから北に30マイルのところにあるスリーピー・ホロウの村は、ワシントン・アーヴィングの『スリーピー・ホロウの伝説』のおかげで、イカボッド・クレーンと永遠に結びついています。この趣のあるハドソンバレーの町での体験は、オールドダッチチャーチを訪れることから始めましょう 。10月にスリーピー・ホロウを訪れるのがベストです。町全体がハロウィーンを盛大に祝うからというだけでなく、オールド・ダッチ・チャーチはその時だけ訪問者に開放されるからでもあります。

17世紀に建てられた教会の埋葬地には「首なし騎手」が出没しますが、不気味な短編小説の作者は隣接するスリーピーホロー墓地に埋葬されています。秋にスリーピーホロー墓地を訪れる際には、夜のウォーキングツアーに参加して、ウィリアム・ロックフェラー、アンドリュー・カーネギー、エリザベス・アーデンの墓の前を、灯油のランタンの明かりを頼りに歩いてみてはいかがでしょうか。

スリーピー・ホロウを十分に堪能した後は、ポカンティコ・ヒルズにあるハドソン川を見下ろすロックフェラー邸「カイカット」を訪問しましょう。アメリカ屈指の大富豪がどんなお屋敷に住んでいたか、見て驚いてください。




カトナ



スリーピー・ホロウから北へ約30分のところにあるカトナの集落は、アート好きや歴史好きにはたまらない場所です。この地のウォーキングツアーでカトナ・ビレッジ歴史地区を探索し、国家歴史登録財に登録されている100年前の美しく維持されたクイーン・アン様式やビクトリア様式の建物について学んでみるのがお勧めです。

歴史探訪でお腹が空いたら、カトナの中心でイタリアの味を楽しめる「ブルー・ドルフィン・ダイナー」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。また、「ザ・ウィットロック」では、有機栽培の果物や野菜、クラフトビールや少量生産のアイスクリームなど、地元の味を楽しむことができます。

この歴史地区とクロスリバー貯水池の中間地点にあるのが、アメリカで最も優れた小規模美術館のひとつとして知られるカトナ美術館です。細長い長方形の建物の中で、刻々と変化する展示品やアトラクションは、美術愛好家にとって見逃せないものとなっています。

ハドソンリバー・バレーのこの地域で豪華な宿泊施設をお探しなら、ベッドフォード・ポスト・インにご宿泊ください。俳優のリチャード・ギアが共同経営しているこのロマンチックな8部屋のインには、ヨガスタジオと、カジュアルなビストロから高級なファインダイニングまで、2つのファーム・トゥ・テーブル・レストランがあります。また、近くのチャッパクアにある歴史的な宿泊施設「クラブツリーズ・キトル・ハウス」に泊まるのもいいでしょう。




コールドスプリング




ウェストポイントの北に位置するコールドスプリングには、ハドソンハイランズ州立公園保護区があります。ハドソン川の東岸に沿って7,400エーカー以上の広さを誇るこの保護区は、特に晩春から初秋にかけて大自然を満喫できる素晴らしい場所です
アパラチアン・トレイルの一部を含む公園内のハイキング・トレイルでは、景色や野生動物を楽しむことができます。水上から公園を探索するには、Hudson River Expeditionsでカヌーやカヤックをレンタルすることができます。

ハドソン・ハイランズ州立公園でユニークな体験をしたいなら、バナーマン島(元々はポレペル島)のツアーがお勧めです。バナーマン城の廃墟があるこの緑豊かな島からは、ハドソン渓谷のユニークな景色を眺めることができます。この島は、70段以上の階段を登って見学することになりますが、舗装されていない道や凹凸のある道を歩いて見学することになります。

さらにコールドスプリングでは、Magazzino Italian Artへの訪問をご検討ください。ゴージャスなアート作品に加えて、散策路もあり、敷地内にはサルデーニャ産のロバの家族が住んでいて、とてもキュートです。

コールドスプリングの街を散策するなら、「Hudson Hil's」での朝食がお勧めです。一日の終わりには、ハドソンハウスピッグヒルインに泊まってみてはいかがでしょうか。




コーンウォール・オン・ハドソン



コールドスプリングからハドソン川を渡ったところにあるコーンウォール・オン・ハドソンでは、ハドソン・ハイランズ自然博物館でハドソン渓谷の自然の美しさを堪能することができます。カエルや魚からフクロウやオポッサムまで、この地域を住処とする川の住人や森の生き物たちを、博物館の野生生物教育センターで見ることができます。

ジョーンズ・ファームでは、新鮮な野菜や自家製の焼き菓子、グルメ食品などを購入するのがお勧め。ピクニックバスケットを用意して大自然の中を散策したり、キッチン付きの宿泊施設であれば、地元の食材を使って料理を作ったりすることもできます。

料理は誰かに任せたいという方は、Painter's Tavernで様々なアメリカ料理をお楽しみください。「カンタベリー・ブルック・イン」はスイス料理のレストランで、フィンガーレイクス地方のワインによく合うアルパイン風の料理を提供しています。また、プルドポークやゆっくりスモークしたリブが食べたくなったら、Brothers Barbecueでハドソンバレーで一番のバーベキューが楽しめます。




ハイランド



ハドソンバレーで最もクールな体験の一つは、ハドソン川の上を空中散歩のように歩いて渡ることです。ハイランドとポキプシーの町を水面から200フィート以上の高さで結ぶ、全長1.3マイルのミッドハドソンブリッジは、世界最長の高架歩道橋です。雄大なハドソン川が南北はるかに見渡せます。

ハイランド・ランディング、ポキプシー・ウォーターフロント、リトル・イタリーなど、ハドソン川の両岸には、絶景(日の出と日没が最高)に加え、さまざまな発見があります。
東西に架かる橋はそのまま延長して長いトレイルとなっており、何処まで歩いても続く大自然の安全な遊歩道となっております。




ハイドパーク



このリストの中で最も大きな町の一つであるハイドパークは、アメリカで最も長く大統領を務めたフランクリン・D・ルーズベルトと密接な関係があります。そこかしこに彼の肖像画が掲げられ、町の自慢として親しまれています。
歴史好きな人は、フランクリン・D・ルーズベルトの家や、彼の大統領図書館や博物館の探索を楽しめるでしょう。

歴史を堪能した後は、クローバー・ブルック・ファームで大自然と愛らしい動物たちとの出会いを楽しんでください。飼育されている動物を抱っこしたり、ラマにナマステを言ったり、アルパカと一緒にハイキングをしたりすることができます。(因みに、ラマとアルパカは別の動物です)

ハイドパークでの滞在先としては、Journey Innをチェックしてみてください。このベッド&ブレックファーストは、ヴァンダービルト・マンション国定史跡の道路を挟んだ向かい側にあります。7つの客室はそれぞれ、宿の隣人(ルーズベルト家とヴァンダービルト家)や、お気に入りの旅行先(トスカーナや京都など)に関連したテーマで装飾されています。




ラインベック



ハイドパークからハドソン川を10マイルほど遡ったところにあるラインベックの最も注目すべき観光スポットの一つがワイルダースタインです。特徴的な円形の塔を持つこの印象的な3階建てのクイーン・アン様式の邸宅は、デイジー・サックリーの家族の財産でした。サックリーはFDRの側近として活躍しただけでなく、スコティッシュ・テリアを飼育し、愛犬のファラを大統領に贈ったことで地元では有名です。

ラインベックのダウンタウンの中心にある「Bia」では、アイルランド料理をお楽しみいただけます。獲れたての魚、キャベツ、ポテトが入ったアイリッシュフィッシャーマンズシチューに、ブラウンブレッドとクリーミーなアイリッシュバターを添えてどうぞ。
また、アイリッシュコーヒーにアイリッシュウイスキーのショットを加えて飲むナイトキャップも欠かせません。
ラインベックにあるもうひとつのおいしいレストランは、The Amsterdamです。ここでは、高級なファーム・トゥ・テーブル料理を提供しているだけでなく、規定のマーケットで高級食品を販売して評判です。




チボリ



ニューヨーク州北部にあるこの村の住民は、「i lov iT」(Tivoliのスペルを逆にしたもの)と言うのが好きです。ミード・オーチャードで季節の野菜を収穫したり、グレイグ・ファームでヤギに餌をやったり、カーツバーン文化公園でパフォーマンスを楽しんだりした後は、きっとあなたも同じことをするでしょう。

また、街の中心部にある、趣がありながらも現代的な100年前の建物である「ホテルチボリ」もお勧めです。2階と3階に11室のゲストルームがあり、敷地内には地中海風のファーム・トゥ・テーブル・レストランがあります。
アメリカの古き良き田舎町の雰囲気を堪能してみてください。





キャッツキル



イギリスの画家トーマス・コールは、ハドソン渓谷のキャッツキル山地の荒々しい美しさに魅了され、同じようなインスピレーションを受けた風景画家のグループを組織し、ハドソンリバー派と呼ばれるようになりました。キャッツキルは絵画に興味のある方必見の美しい街です。
キャッツキルへの旅は、コールの自宅兼アトリエであるトーマス・コール国立史跡に立ち寄ることから始まります。さらに、ハドソンリバー派の作品に影響を与えたハドソンバレーの約20の名所を巡る「ハドソンリバー派アートトレイル」で、大自然と感動的なアートに触れてみてはいかがでしょうか。

スリーピー・ホロウやタリータウンは「首なし馬」のイメージが強いですが、こちらキャッツキルでは、ワシントン・アーヴィングのもう1人の人気キャラクター、リップ・ヴァン・ウィンクルが登場します。この物語は簡潔にいって、アメリカ版「浦島太郎」です。
それはさておき、リップ・ヴァン・ウィンクル・ブリューイング・カンパニー(Rip Van Winkle Brewing Company)では、クラフトビールにぴったりの前菜、ハンバーガー、メインディッシュを楽しむことができます。

ハドソン・バレーでユニークな滞在をしたいなら、Treetopia Campgroundをお勧めします。キャンバス地のテントから新品のエアストリーム・キャンピングカーまで、あらゆるものが揃っています。

ハドソン渓谷の趣のある町に行く準備ができたら、キャッツキルとハドソンを結ぶリップ・ヴァン・ウィンクル・ブリッジにあるハドソン川スカイウォークに乗ってみましょう。その途中では、画家
トーマス・コールの絵の中に入り込んだと錯覚するような素晴らしい景色を見ることができます。




ハドソン



あなたが芸術好きでアートな建築や、ハドソン派の芸術家たちに触れたいと思っているなら、オラナ州立史跡も見逃すわけにはいきません。ハドソン川のほとりにあるこのムーア風の家は、トーマス・コールの一番弟子であるフレデリック・チャーチが住んでいました。

また、この地域の牧歌的な環境を満喫するために、地元のワイナリー、醸造所、シードル製造所、蒸留所を巡るシーニックシップスツアーに参加してみてはいかがでしょうか(もちろん、運転手の同伴が必要です)。

Wm.Farmer and Sonsでは、地元の食材を使った料理やアメリカン・ウィスキーを使ったマンハッタンなど、この地域の味を堪能することができます。そして、かつては映画館だった27室の個人経営のホテル、リバータウン・ロッジで夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。




以上、駆け足でハドソンリーバー沿の美しくも歴史ある町々をご紹介しました。
行楽シーズンたけなわの時期にはぜひこれらの町をチェックしてみてください。

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