2020年8月2日日曜日

至高のワッフルを求めて

ベルギーワッフル対アメリカンワッフル



 犬歯を一本抜いただけで、食べることが如何に難しくなるか身に染みる今日このごろ、豆腐やヨーグルトで飢えをしのいでいます。
 来週からは、もう少し固形で柔らかいものを食べられる予定。そう思っただけで、さまざまな食欲が湧いてきます。ああ、あれも食いたい、これも食べたいと。

 なかでもしばらくご無沙汰だった好物のワッフルが無性に食べたくなりました。あれなら歯が悪くてもなんとか食せますからね。

 近頃は、日本でもワッフル専門店などで、とてもおいしい本格的なワッフルがいただけるそうですね。私が子供の頃、日本のワッフルといえば、これお好み焼きやんか、と舌を疑う偽物をだすレストランがあったものです。最近の日本のシェフというかパテシエは、本物志向が強く、本場の味をそのまんまを再現した上で、オリジナリティを出してくると雑誌に書かれていました。それだけ需要も高く、競争も激しいのでしょう。
 
 アメリカではもちろんワッフルといえばアメリカン・ワッフルを意味し、あのスーパーの冷凍庫で売っている四角いブロックのようなワッフルを思い浮かべるのが普通です。
 でも私がいま求めているは、美味しいベルギーワッフルです。こちらの人はベルジアン・ワッフルと呼ぶやつです。基本円形か四角で、巨大なブロック状の鋳型のあるホットプレートなどを使います。 
 なぜベルギーかと問われても、好きだからとしか答えられません。もともとパンケーキ系のデザート類に目がなくて、自分で作ったり、レストランの食事に行っても、アペタイザーのサラダとデザートのパンケーキという妙な組み合わせで済ませたりしていました。それくらいあのふっくらとした食感が好きなのです。
 
 アメリカでパンケーキといえばiHopを思い浮かべる人も多いでしょう。私も以前は月に一度くらいはiHopのパンケーキを食べに行ってました。あそこはメイプルシロップはじめトッピングが何種類もあっていろんな味が楽しめます。しかし誤解を恐れずに言えば、あそこぐらいのパンケーキならアメリカの多くの家庭が匹敵するものを自前で作っています。私のは平凡すぎてダメダメですが、たまにどこかのご家庭とか、教会などの催しで出るパンケーキが美味いのなんのって!
 アメリカン・ホームメイドを舐めちゃいけませんね。
 
 ただし本格的なベルギー・ワッフルは家庭で作る人も少ないようで、まだ直接頂いたことはありません。ベルギー・ワッフルの特徴は、イースト菌を使い、一晩ねかせてから作るのが定番なので、ちょっと手間がかかるんですね。
 なので目下、ベルギー系のワッフルは外食頼りなのですが、十数年前にニュージャージーのとあるダイナーで頂いたワッフルが、とんでもない美味しさでした。
 表面はうっすら固めに焼いていて中はふわふわのワッフル。しかし直径18センチの二段重ね。厚さが4センチほどもあるやつです。しかもこれでもかというほどホイップクリームを塗り重ね、そのなかに大粒のイチゴがどかどか投入されているのです。食べきれるかな、と案じたのですがその美味に驚愕しつつ、あっという間に平らげていました。その時からです。ベルギー・ワッフルのファンになったのは。
 
 あのときの至福感はいまでも私の舌に残っています。口中でとろけるようなワッフルの食感を堪能しながら、これはみんなにおすすめしようと、決意したものです。
 ところがあれから年月がたち、その店へ行く機会はいちどもありませんでした。かわりに近くのレストランでベルギー・ワッフルを注文することもありましたが、あのときあのダイナーで味わった感動にはなかなか出会えません。しかも最近は主治医のきつい指示で、甘いものを控えないと、高血圧治りませんよと脅され、ワッフルからどんどん遠ざかる日々なのです。
 
 このあいだ久しぶりに、あの感動のワッフルを味わったダイナーの町に立ち寄ったのですが、なぜかどうしても見つけられませんでした。ひょっとしたら移転したのかもしれません。なにせ十数年前のことですから。それいらい、あの味に匹敵するワッフルを探し求めるようになりました。健康と引き換えのギャンブルみたいなものなので、あまり積極的ではありませんが。
 最近やっと主治医から、日々精進していれば、月に一度ぐらいは甘いものもOKと言われました。(検査でコレステロール値ちょっとさがったぜ、イエイ!)
 チャンスが有れば、また美食探求の旅に出ましょう。いまは虫歯のアフターケアに努め、いつか再びあのワッフルの感動と再会したいものです。

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