2021年3月26日金曜日

2021年アメリカの新車

怒涛の新型SUV:アメリカ編



2020年はコロナの影響で、自動車部品の生産に支障が出て、多くの新車が発売、生産の延期を余儀なくされました。工場の操業停止やロックダウンが影響し、生産ラインもいまだ予定通りにはは回復していません。その影響は今年も続いているものの、昨年後半あたりから多くの自動車製造関連企業がスケジュールを見直し、徐々に遅れを取り戻しつつあります。

その成果が、ようやく今年になって表れてくるようです。去年から今年にかけて華々しくデビューするはずだった車種も次々と新たに販売予定が組まれ来ています。企業によってはいまだ部品調達の難しいところもあり、目標とする販売実績には至らない状態です。

長引く経済停滞のなか、各序同社メーカーは遅れた予定を少しでも取り戻そうと、感染対策を徹底し、なんとか工場操業再開にこぎつけました。

その甲斐あってか、今年、各社は満を持して、目玉となるような車を出してきました。

それらの中で、これから注目されるSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)をピックアップしてみました。今回は米国メーカー編です。


Cadillac Escalade



とにかくデカい。アメリカ産のSUV上位モデルは伝統的にどれも超大型フリートとなっていますが、キャデラックの旗艦エスカレードも全長538.5cmとかなり貫禄があります。 トヨタのランドクルーザーが495.3cmなのでその大きさがわかるでしょう。
2021年モデルのキャデラック・エスカレードは、フルモデルチェンジし、さまざまな変更が加えられています。まず、従来のエスカレードよりも全長が長くなり、特に2列目と3列目の乗員の居住空間と荷室が広くなりました。また、キャデラックの半自動運転システムであるスーパークルーズや、ダッシュボードの大部分を占めるシャープなディスプレイなど、新しい技術を採用しています。

車内では、新しい独立したリアサスペンションが、従来のソリッドアクスルデザインよりも滑らかな乗り心地を実現しています。エスカレードの標準仕様である6.2リッターV8エンジンはほぼそのまま引き継がれていますが、新たにV6ディーゼルターボエンジンが用意されており、エスカレードで多くの牽引を計画している場合にはメリットがあるでしょう。

アメ車の高級ブランドとしての品格もあります。リンカーン・ナビゲーターやメルセデス・ベンツGLSのようなライバルの大型SUVと並んでも見劣りしない高級感にますます磨きgかかりました。



GMC Yukon


GMCは、プレミアムレベルのトラックとSUVのみを製造する唯一の自動車メーカーであり、その専門性がGMCの強みとなっています。販売台数が伸び続けているGMCは、その勢いを維持するために車両を改良していますが、その最新モデルが2021年のGMC Yukonです。コロラド州のスノーリゾート、ベイルで公開された最新世代のユーコンでは、GMCがもたらす膨大なアップデートを試すことができました。

GMCによると、新型ユーコンの開発には顧客の声が大きく反映されているそうです。ユーザーは、特にユーコンのような大型トラックには、より大きなスペースを求めています。GMCはそれを実現しました。全長が伸びただけでなく、新しいサスペンションシステムにより、3列目の乗客と荷物のスペースが拡大しました。また、GMCは独立型リアサスペンションへの移行を急いだわけではありません。四隅のダンパーユニットにマグネティックライドコントロールを採用したフルエアライドサスペンションシステムをじっくりと開発しました。
これまでGMのSUVはトラックの変形みたいな無粋なデザインがネックでしたが、ここ数年デザインにも変革の兆しが見られ、今後の展開が楽しみです。



Chevrolet Tahoe


今回のChevrolet Tahoeは5代目になります。25年の時を経て、アメリカの自動車メーカーの最新のフルサイズSUVは、ボディ・オン・フレームのシャシー、標準の後輪駆動とオプションの四輪駆動、そして標準のV8パワーという長年の伝統を引き継いでいます。2021年モデルのシボレー・タホは、先代モデルと比べて内外装が大きくなっただけでなく、プレミアムな装備も充実しています。

できるだけ多くの潜在的な購入者にアピールするために、シボレーは合計6つのトリムレベルと異なるホイールサイズを提供しています。この攻めの戦略は、Tahoeの最大のライバルであるFord Expeditionを直接攻撃するためのものです。フォード・エクスペディションは、1年前にモデルチェンジして以来、販売が好調に推移しており、シボレーはその流れを変えたいと考えているはずです。
シボレー・タホは同社のフラッグシップとして今回も最高レベルの仕上げに成功しています。



Ford Bronco Sport



ビッグニュースです。フォード・ブロンコが25年ぶりに2021年に復活しました。しかし、オリジナルとは異なり、伝統的な2ドアのボディスタイルに加えて、4ドアのバージョンも用意されています。2021年モデルのブロンコは、デイリードライバーとしてだけでなく、あらゆるオフロードシーンにも対応できるよう、フォードは膨大な数のオプション装備を用意しています。それだけ見ても、いかにこのシリーズの復活にかけているか、その熱意が伝わってきます。実際、200種類以上のアフターマーケットアクセサリーが用意されています。

擬似レトロなエクステリア、フルモダンなインテリア、取り外し可能なドアやルーフなどと相まって、ブロンコはフォードのオフロードの新たな始まりを象徴していると言えるでしょう。ベースとなる価格も手ごろで、この日を待ち望んでいた多くの人々が購入することができます。しかし、この新型ブロンコがライバルと目されるラングラーの販売に大きな影響を与えるかどうか興味津々です。孤高の王者Wranglerがこれほど協力なライバルに出会ったことがないことは確かでしょう。




Buick Envision 


ビュイックのオール・クロスオーバー・ラインアップへの変革は完了し、2021年の新型ビュイック・エンヴィジョンはその流れを引き継いでいます。ビュイックは現時点で公式なインテリア画像を公開していませんが、直接的でやや地味な印象の先代に比べて、新型Envisionははるかにスタイリッシュになっています。詳細と追加の画像は近いうちに公開される予定ですが、今のところ、新型EnvisionがApple CarPlay、Android Auto、Amazon Alexa、Spotify、Pandora、Fox Sportsアプリに対応した10インチのタッチスクリーン・インフォテインメント・システムを搭載したブランド初のモデルになることが確認できています。

ボンネットの中には、2.0リッターのターボチャージャー付き4気筒があり、9速オートマチックトランスミッションが組み合わされています。合計で約237馬力、258lb-ftのトルクを期待できます。自動緊急ブレーキ、前部歩行者用ブレーキ、車線逸脱警告機能付きレーンキープアシスト、フォワードコリジョンアラート、追従走行距離表示機能、リアパークアシスト、セーフティアラートシート、HDリアビジョンカメラなど、多数のアクティブセーフティ支援機能を標準装備しています。
いまだベールに包まれた新車ですが、そのポテンシャルは外見の精悍さからも大いに期待できます。


Genesis GV80


Genesis GV80は、韓国Hyundaiの新しい高級車ブランドの新型車であり、同社初のSUVです。3台の優れたセダンに続くものであり、また、車高の高いクロスオーバーが氾濫している市場において、必要とされているSUVです。ジェネシスが前進し、成功するためには、並みのSUVをターゲットにするのでなく、BMWやメルセデスの同等の製品と肩を並べることができる優れたラグジュアリーモデルが目標です。GV80は、まさにそれを体現するモデルです。GV80には、300馬力の4気筒ターボエンジンと375馬力のV6ツインターボエンジンが搭載されています。

4気筒エンジンであれば十分なパワーを発揮し、6気筒エンジンであれば、よりスポーティな雰囲気を醸し出します。しかし、GV80はコーナーに対応できるものの、ラグジュアリーな乗り心地を重視しており、BMW X5やAudi Q7のようなスポーティな競合車よりも、メルセデス・ベンツGLEクラスとより直接的に競合しています。ミッドサイズ・ラグジュアリーSUVセグメントにおいて、これは韓国から欧州勢への挑戦であり、ゲームの始まりです。


まだまだ注目したいアメリカ産SUVはあるのですが、次回はこれらを迎え撃つ日本のメーカーのSUVを取り上げてみたいと思います。

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