2021年3月11日木曜日

iPhoneのカメラは最強か?

iPhoneが写真初心者に最適な理由



カメラユーザーにとって、iPhoneのカメラ機能の急激な進化は衝撃的でした。とくにiPhone10あたりから、その写りの良さが際立ってきて、ただものではないという認識が一般にも広まっていきました。人を撮っても肌の映りが自然で滑らかな輪郭、ストリート・ショットでもブレずに被写体を立体的に活写できます。こうなると、ほんとに下手なコンデジどころか、一眼レフの領域さえある意味凌駕する描写力で、本当にこれはカメラいらんわという風潮が出ても不思議ではなくなりました。


カメラか、腕前か?

写真学校の講師や業界の先輩は、おそらく生徒や後輩に「撮影はカメラではなく、撮る人間の問題だ」と言ったことがあると思います。写真家を目指す人やビデオカメラマンになりたての人は、技術よりも機材に目が行きがちなので、初心者であればなおさらです。もちろん、キャリアを積んで技術が向上すれば、自分の好みのワークフローに合わせて、使用するツールも重要になってきます。


しかし初心者の場合は、必ずしもそうではなく、機材よりも被写体に目を向けることが重要になります。その意味では、これから写真を始めようとする人が、iPhoneで撮ろうが、フルサイズカメラで撮ろうが、何の問題もありません。そう考えると、これから写真を始めようとしている人が、iPhoneでもミラーレスでも、機材に関係なく同じような結果が得られる可能性があると思います。



設定の問題ではない

カメラを買って撮り始めたばかりの頃は、すべての設定を理解しようとしすぎて、かえって混乱しがちです。シーンに応じた露出の三角関係を理解するのは少し難しいです。もちろん、これらはプロや経験豊富な写真家が知っておくべき設定ですが、写真を始めたばかりの人にとっては、それほど重要ではありません。

写真でも何でも、一番大事なのは「構図」です。構図が悪ければ、設定が正しくても悪い画像になってしまいます。だからこそ、iPhoneで写真を始めることは、大切なスキルを身につけるための良い方法なのです。

iPhoneのカメラのインターフェースは、設定から離れて、コンテンツに集中することができます。iPhoneでの露出の調整は、非常に直感的で簡単です。明るすぎたり暗すぎたりするシーンでも、画面をタップするだけで調整できます。構図や光の当て方、色の使い方などのスキルを身につけることは、ISO感度を知ることよりもはるかに重要です。さらに素晴らしいことに、カメラの設定を理解したい人のために、マニュアルで撮影できるアプリがあります。

私が愛用している写真アプリは「ProCam」で、フルマニュアルコントロールを含む素晴らしいオプションを提供しています。ビデオ用には、多くの人がFilmic Proを推奨しているようですが、私は個人的にこのアプリを使った経験はありません。いずれにしても、重要なのは、iPhoneを使えば設定に振り回されることなく、ただひたすら撮影に没頭できるということです。



なぜiPhoneが一番なのか?

端的に言えば、現在のiPhoneは、フォトグラファーやビデオグラファーにとって最も充実したスマートフォンです。写真の面では、iPhoneはスマートフォンとしては驚異的な画質を実現しており、特に「Deep Fusion」のような機能が優れています。厳しい照明環境下でも、ディテールが鮮明でノイズの少ない画像を実現します。

もうひとつの理由は、iPhoneがここ数年、常に最高のビデオ機能を提供していることです。現在でも他のライバルメーカーでさえ、iPhoneに匹敵する動画機能を提供していません。4K 60fps、フルHD 240fpsといった機能は、他の主要なスマホメーカーのどの機種にもまだ見ません。このような機能は、デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラの上位機種にも搭載されていないため、iPhoneはこれだけでも素晴らしい選択肢となります。このように、iPhoneはビデオと写真の両方において、抜きんでたデバイスなのです。


iPhone最強説。
これはおそらく写真業界では暗黙の決まり文句のひとつですが、ある面それは的を射てます。最高最強のカメラの定義はいろいろでしょうが、あなたが一番使っていいるカメラが一位と言えませんか? 常に持ち歩き撮影のチャンスに生かせるデバイスこそが最高なのです。どんなに高級なカメラでも撮りたいときにないのでは宝の持ち腐れです。
 その点スマートフォンは常に持ち歩いているものですから、それを最大限に活用するのは理にかなっていると思います。

 また初心者から中級者まで、高価で評判のいいカメラ機材を揃えても、使いこなせないまま撮影に臨むことが多すぎるのです。カメラの仕組みを理解したり、自分の失敗を反省したりすることに、撮影時間の大半が費やされてしまいます。カメラの多機能さがかえって邪魔になって、せっかくの情熱が失われてしまうのです。理解できないカメラシステムに大金を費やす前に、写真に対する情熱を育むのが賢明です。

今やiPhoneは、写真とビデオの両方で素晴らしい選択肢を提供しています。それだけでなく、この小さなコンパクトなデバイスには、撮影に便利な3つの焦点距離と、初心者にもわかりやすいインターフェースが備わっています。この3つの焦点距離があれば、様々なジャンルの写真を快適に撮影することができます。

もし、あなたが写真の奥深い世界に行くつもりがないのなら
、新しいカメラにお金をかけずに、スマホのカメラを使うことをお勧めします。



写真を学ぶのに最適なデバイス

iPhoneのようなスマートフォンは、新しいスキルを身につけるのに最適なデバイスです。これ1台で、写真を撮って、編集して、主要なプラットフォームにアップロードすることができます。画像を編集しながら、画像の編集方法を学ぶことができるのです。わからないことや学びたいことがあれば、YouTubeのアプリを開いて検索すれば、簡単に調べることができます。スマートフォンは、写真に関わるすべてのことができる唯一のデバイスです。初心者にとっては、この1台のデバイスの中で、写真撮影のスキルを身につけるために必要なものはほとんどすべて揃っているのです。


両論これ妥当

どちらが撮影ガジェットして優れているか? もはや一概に、カメラだスマホだと言える時代ではないと思います。
 カメラが好きな人はカメラを追求するでしょう。一方、撮れた写真その結果こそ命、手段は選ばない、そんな人はスマホのカメラで撮りまくる方が絶対幸せです。
それを考えると、自分が持っているであろう最高のデバイスを使う方が理にかなっていると思います。多くの人が指摘しているように、iPhoneのようなデバイスは写真業界の階級社会を解消する力さえ持っており、その意義は素晴らしいことだと思います。

ただ、ちょっと待ってください。だからと言って今まで大金をつぎ込んで買い集めたカメラやレンズ、機材等を無駄だというつもりは毛頭ありません。カメラにはカメラならではの良さ、楽しさがいっぱいあるのも事実です。



iPhoneのカメラよりもデジカメの方が有利な状況もある

iPhoneは優れたカメラですが、それでも特定の状況では最高の写真を撮るのに苦労します。

よく「最高のカメラは持ち歩いているもの」と言われますが、ほとんどの人にとってそれはiPhoneのようなスマホです。多くの人が、毎日のようにiPhoneで素晴らしい写真を撮っています。しかし、最高のデジタルカメラは、多くの状況で最高のiPhoneよりも優れています。

以下の項目は、先述持ち上げたiPhone支持と矛盾するように聞こえるかもしれませんが、本稿こそ、私が申し上げたい本音です。

はい、確かにiPhoneで見栄えのする写真を撮ることは可能ですが、既に小さいカメラ機構ゆえの限界も見えています。センサーが小さく、レンズの絞りが固定されており、良質なズームがないため、専用のデジタルカメラのような多機能性を発揮することは難しいのです。ここでは、iPhoneよりもデジタルカメラの方が優れていると思われる4つの場面をご紹介します。



暗い場所での撮影
夕暮れ時や夜にiPhoneで写真を撮ろうとしたことがある方は、その多くがうまくいかないことをご存知でしょう。iPhone 11 Proモデルに搭載されている印象的なナイトモードを使っても、写真が粒状になったり、ピントが合わなかったりすることがよくあります。これは、iPhoneのカメラに搭載されているセンサーが小さすぎて、写真に十分な光を取り込むことができないためです。さらに、iPhone用のマニュアルカメラアプリがなければ、光が入るまでの時間を稼ぐためにシャッタースピードを調整することもできません。

デジタルカメラで暗い場所で撮影する場合は、設定を調整することができます。また、デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラのレンズには、超広角の開口部と大きなセンサーを備えたものがたくさんあり、暗い場所での撮影がより簡単になります。



アクション撮影
動きの速いアクション写真は、デジタルカメラを持っていても撮るのが難しい写真のひとつですが、iPhoneでうまく撮るのは不可能に近いです。それは、iPhoneではアクションに十分なズームができず、鮮明な画像を維持できないからです。

NHLなどのスポーツイベントでカメラマンを見かけると、iPhoneではなく、デジタルカメラで撮影していることが多いです。彼らのカメラには、望遠レンズと呼ばれる長いレンズが装着されているはずです。最新のiPhoneには2倍の望遠レンズが搭載されていますが、それでも十分な写真が撮れるわけではありません。

また、シャッタースピードも重要な要素となります。ブレのない鮮明なアクション写真を撮るには、非常に速いシャッタースピードが必要ですが、iPhoneではそれができません。NFLの試合を見に行くときも、子供がサッカーをしているところを撮りたいときも、iPhoneよりもデジタルカメラのほうが明らかにいいでしょう。



ポートレイト
iPhoneのポートレートモードは、とてもクールで楽しい機能です。実際人の肌や着ているものの質感もますます磨きがかかり、大抵のシチュエーションで破綻のないキレイな写真が撮れます。
ただiPhoneで撮ったポートレート写真をみると、たまに奇妙なギザギザの線が出ることがあります。これは、iPhoneが被写体のエッジを検出し、背景から分離するために多くのソフトウェアを使用しているためです。このソフトウェアは、うまくいくこともありますが、時と場合によっては、とても作り物っぽくなってしまいます。

APS-Cのミラーレスカメラで撮影したものなら、境界に曖昧なところがなく、ギザギザもありません。また、ミラーレスでもiPhoneでも背景は


ボケますが、ミラーレスはiPhoneの写真よりもはるかに柔らかい味のあるボケ方をしていることに気づくでしょう。これもiPhoneのソフトウェアが、人為的に背景をぼかして、極端なボケ味を演出しているためです。光学系のカメラはレンズの効果で光を調節しますが、スマホのカメラはすべてデジタル処理で背景を改変するので、どうしても無理が生じるのです。とはいえスマホ画面のサイズで観る分にはまったく見分けがつかないので、どちらも同じくらいきれいに見えるのです。

最新のiPhoneには「深度コントロール」が搭載されており、ポートレートモード写真の背景のぼかし具合をコントロールできるようになっていますが、それでもフルサイズやAPS-Cカメラのようなコントロールはできません。



野生動物の写真
野生動物のかわいい写真を撮りたいと思ってブッシュや公園、湖に出かけるなら、iPhoneよりもデジタルカメラのほうがいいでしょう。アクション写真がデジタルカメラのほうがいいのと同じ理由です。

ほとんどの野生動物は、あなたのすぐそばに来てポーズをとってくれません。とりわけ野鳥など遠くの小さな動物をズームアップして撮影するのはスマホでは不可能です。先に述べたように、iPhoneの光学ズームでは被写体に近づけないし、デジタルズームでさらに拡大しようとすると、あっという間に写真が歪んでしまいます。

デジタルカメラが動物写真に向いているもうひとつの理由は、木の枝などを避けて撮影する場合でも、マニュアルでピントを合わせて生き物をきれいに撮影できることです。iPhoneのオートフォーカスは当たり外れが大きく、被写体にピントを合わせるのが難しいので、フレーミングにはかなり苦労します。



写真撮影は使い分け
iPhoneでの撮影をやめろと言っているわけではありません。私は毎日、あらゆる種類の写真をiPhoneで撮影していますが、その結果には何度も驚かされました。高性能なカメラをいつでもポケットに入れておけるのは素晴らしいことですが、だからといってiPhoneのカメラに欠点がないわけではありません。

デジタルカメラは、さまざまな場面でiPhoneよりも優れた写真を撮ることができます。もしあなたが写真の腕を上げたいと思っているのであれば、特に上記のような場面で、デジタルカメラを手に入れることは非常に有効です。

要はTPOに合わせて使い分けることが肝要です。どちらも一概に否定するものでもなく、一長一短です。今後スマホカメラが進化を続ければ、本当に写真専用機の出番は激減するかもしれません。それでも一定数の人はカメラを愛し、使い続けるはずです。それほどに、ファインダーを覗き、マニュアルで様々な調整をしながら撮影する楽しさは奥が深くて楽しいものなのです。

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