注目の個人ビジネス選び

サムズアップ・アメリカ！
2021年のスモールビジネスはこれ！

アメリカではコロナによって去年から始まったビジネス停滞の影響を受け、多くの人が転職を余儀なくされています。ワクチン接種によってようやく経済回復の兆しが見えてきた昨今、各業種の世界でも再建、再構築の動きが急速に始まっています。

また企業などから一時解雇された人たちも、雇用＝被雇用の現状に疑問を持ち、自ら事業を立ち上げる傾向も多くみられます。

あなたがもし今年、小さなビジネスの立ち上げをお考えでしたら、チャンスはあるかもしれません。いろいろな分野で、今までにない動きが活発化しています。

ここでは様々な業界から選んだ2021年のベストスモールビジネスをリストアップしてみました。リスト作成にあたっては、以下の条件を満たすか否かが重要と考えました。


・現在、そして将来にわたって利益を生み出す可能性があること。

・不確実な経済状況の中でも生き残ることができる。

・博士号や何十年もの経験を必要としない。ただし専門学校での訓練、大学の学位、見習いなどを必要とするものもあれば、多少の経験とその業界への情熱があればよいものも含まれています。

・多額のスタートアップ資金を必要としないもの。スタートに必要なものは、あなたの強い意志、勤勉、忍耐、そして成功への意欲、とします。

それでは、現在のビジネスのトレンドと人口統計に基づいて、最も優れたスモールビジネスのアイデアを順不同でご紹介します。




フルフィルメント・バイ・アマゾン販売

E-コマースは活況を呈しており、今後も成長が見込まれています。2020年の最終四半期の小売売上高が6.9%増加したのに対し、Eコマース（オンライン）の売上高は前年比32.1%増加しています。

FBA（Fulfillment by Amazon）プログラムは、商品の販売者が、世界最大のオンライン小売プラットフォームであるAmazonを通じて商品を販売することを可能にします。

アマゾンは、オンライン小売ビジネスを運営する上での頭痛の種のほとんどを取り除いてくれます。アマゾンは、フルフィルメント費用と毎月の保管料を支払う代わりに、商品の保管、梱包、発送、返品、カスタマーサービスの問い合わせなどを行います。

販売者は、アマゾンのフルフィルメントセンターに商品を出荷し、アマゾンストアに商品を掲載する責任を負うのです。対して売り手は、商品をアマゾンのフルフィルメントセンターに出荷し、自分のアマゾンストアに商品を出品する責任を負います。出品が完了し、売上が発生すると、売り手は週単位で売上の一部を受け取り始めます。

これは店舗を借りて、売り上げの一部を家主に払う方法と基本的には同じですが、極めて低コストで事業できるのが利点です。

FBA出品者は、以下のような様々な方法でAmazonストア用の商品を調達します。

・オリジナルのアイデア商品を、仕様に合わせて製造してもらう。

・地元や国内の卸売業者から。

・アリババのような海外の大量割引サプライヤーから。

・アービトラージ（裁定取引）により、オンラインや小売店から割引商品を購入し、それを転売して利益を得る。

これから物販ビジネスを始めたい方にとって、Amazon FBAプログラムはネット通販市場に参入するための理想的な方法です。



ソフトウェアエンジニアリングと開発

ソフトウェア・エンジニアと開発者は、メインフレームからモバイル・デバイスまで、さまざまなプラットフォーム上でソフトウェアの作成、テスト、保守を行います。米国労働統計局によると、ソフトウェア開発者の需要は2029年まで22％増加すると予想され、2020年の年収の中央値は110,140ドルとなっています。

ソフトウェア開発業界は、その性質上、契約雇用に適しています。ソフトウェアエンジニアの多くは、給与所得者としてスタートし、最終的には自営業の契約者となります。クラウドコンピューティングとリモートアクセスの容易さは、ソフトウェア開発を理想的な在宅ビジネスにしています。
情報技術分野では、他にも需要が高く、給料の高い仕事があります。


・システムアナリスト

・ハードウェアおよびソフトウェア技術者

・ネットワークエンジニア

・セキュリティスペシャリスト




ミールキットの販売・配達

今後需要が確実に伸びると予想されるミールキットサービス。これは、買い物や健康的な食事の準備に時間をかけられない忙しい人や、食品廃棄物を減らして環境負荷を低減したい人に人気が高まっています。米国のミールキット業界は、2022年までに売上高116億ドルに達すると予想されています。

顧客がオンラインでレシピを選択すると、あらかじめ計量された食材と、調理方法や最終的な準備方法が記載されたミールキットが、指定された日に自宅に届けられます。カロリー計算などの情報が記載されているため、消費者は食事制限をすることができます。

ミールキットを提供する業者は、大規模な卸売業者を避け、地元の農場から食材を調達することが多いため、中小規模の生産者、牧場、水産物業者にビジネスチャンスがあります。また、生産者から食材を集めて、最終製品を顧客の家に届ける宅配サービス業者にもチャンスがあるかもしれません。





Virtual and Augmented Reality

(バーチャル＆オーグメンテッド・リアリティ)

ちょっと聞き慣れない言葉でしょうか？　IT、ハイテクに強い人にはこれが一押しです。

バーチャル・リアリティ（VR）とオーグメンテッド・リアリティ（AR）は、ユーザーがリアルな感覚に浸れるという点で、大きな進歩を遂げています。ハードウェアとソフトウェアのベンダーは、新しいVR製品を市場に投入するために必死に取り組んでおり、この業界は急速に成長しています。

バーチャルリアリティをビジネスやレジャーに活用する可能性は、事実上無限大で、大小たくさんの企業が注目しています。例えば、以下のようなことが考えられます。



3D映画：360度VRでの映画開発が進んでいます。

不動産マーケティング：新しい家を探しているときに、机の椅子に座ったまま、広告されている家のオンラインVRウォークスルーができることを想像してみてください。

ゲーム：VRはゲーム業界に革命をもたらしており、ほぼ毎週のように新しいVRタイトルがリリースされています。

チームビルディングの練習：グループでのVR体験で、チームビルディングのイベントを震撼させましょう。

ソーシャルメディアでのVR交流：友人たちが、バーチャルなオンライン空間で交流できるようになる。

トレーニング：VRは、トレーニングシナリオにはるかに高い臨場感を注入することができます。UPSのような企業は、VRを使って新しい配送ドライバーのトレーニングプログラムを立ち上げています。

瞑想：VRはカスタマイズされたメディテーションに最適です。

VRの「エスケープルーム」やラウンジ（グループで集まってVRゲームをしたり、VRアドベンチャーに出かけたり、グループでパズルを解いたりする場所）は驚異的な成長を遂げています。技術に詳しく、興味があれば、バーチャルリアリティはあなたにとってのビジネスチャンスになるかもしれません。




セルフ・ストレージ・ユニット

セルフストレージ業界は、北米全域で活況を呈しています。これは、労働力の流動化、住宅所有者のダウンサイジング、人々がより多くの所有物を蓄積するという一般的な傾向、そして「Storage Wars」などのリアリティ番組の継続的な人気に後押しされたものです。

倉庫を借りる世帯数は、過去10年間で着実に増加しており、2020年には米国の10.6％の世帯が倉庫を借りていると予測されています7。

また、企業が店舗スペースを縮小・廃止する傾向にあることも、収納スペースの需要につながっています。例えば、配管工や電気工事士は、セルフストレージに工具や設備を格段に安いコストで保管することができます。

最新のセルフストレージには、空調環境、照明、セキュリティなどが必要です。土地や建物の建設にかかる初期費用は高額ですが、地域に安定したストレージ需要があると仮定すれば、賃料収入で容易に賄うことができます。

Trachte Building Systems社は、需要、推定資本費用、運営費、賃貸収入に基づいてセルフストレージの収益性を判断するためのウェブベースの計算機を無料で提供しています。




バイクの販売・サービス・レンタル

健康面や環境面でのメリットを考えると、自転車がアメリカで参加頻度の高いアウトドアアクティビティのトップ5に入っているのも不思議ではありません。アクティビティアプリ会社「Strava Metro」によると、コロナウイルスが米国に上陸した時期には、自転車での移動が劇的に増加しており、例えばロサンゼルスでは、自転車での移動が93％も増加しています。

健康に良く、人気があり、環境にも良く、政府が大々的に推進しているものは、ビジネスとしてもかなり有望です。従来のペダル式の自転車に加えて、E-BIKEが人気を集めています。E-BIKEは、電気を使わずに漕ぐことも、電気でアシストすることもでき、2023年には販売台数が4,000万台以上になると予想されています。通常のペダル付き自転車も、専用のキットを使えばE-BIKEに変えることができます。

サイクリングが趣味で、起業家になりたいと思っている方には、ぴったりのビジネスチャンスかもしれません。




技術専門職

技能職は給料が低いという間違ったイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実際にはそうではありません。実際には、熟練工は一般的に高給取りで、満足のいくキャリアを送っています。

ベビーブーマー世代が熟練工の仕事から退き、製造業では新たな労働者の確保に苦労しています。このような労働力不足により、中小製造業では、仕事を完成させるための熟練労働者が不足しているため、仕事を断るという事態が発生している3。

このような人材不足は多くの分野に及んでおり、以下のような職種の有能な労働者に対する大きな需要を生み出しています。


溶接

大工、一般建築

配管工事、パイプフィッティング、スチームフィッティング

電気・電子制御システム

暖房、換気、空調、冷蔵（HVAC)

機械工および金属加工工

石工

鋼材加工

これらの仕事は確かに習熟と経験が必要ですが、一年余りで基礎的な技術を習得可能なものばかりです。

急がば回れ。短期間でしっかり技能を習得すれば、長期にわたって収入を確保することができます。技能職の性質は、自営業に理想的と言えましょう。

しかも多くの職種は給与がかなり高く、ほとんどの地域で経験豊富な職人の需要が高い傾向にあります。

ほとんどの職業は、仕事が顧客の現場で行われるため、ホームベースのビジネスとして運営することができます。

多くのビジネスと比較して、ほとんどの技能職はスタートアップの資本コストが比較的低く、また、ほとんどの技能職は自動化が不可能であるため、将来の雇用の安定性が保証されているのです。

人の住むところであれば、需要はどこにでもあります。経験豊富な職人の中には、遠隔地や海外での仕事を利用して、より高い報酬を得る人もいます。

ホームリノベーション

リフォーム業者は見つけるのが難しく、良い業者は常に忙しい。住宅リフォームは、経済的に不安定な時代でも、常に好調なビジネスの一つです。もしあなたに建設業の血が流れていて、顧客のホームリフォームの夢を叶えるのが好きだと思うなら、それをビジネスにしてみませんか？

HomeAdvisorによると、住宅所有者は年間平均8.305ドルを住宅改修に費やしています。これは、大工、塗装工、電気工、配管工、乾式壁工、屋根工、タイル工、その他の業者にとって、多くのビジネスになります。

住宅改修ビジネスが自営業者に適している理由はいくつかあります。

リフォームのほとんどは契約ベースで行われる。
道具や機械への初期投資が、新築の場合に比べてはるかに少なくて済む。
顧客のもとで作業を行うため、事業所が必要ない。
リフォーム業者は通常、個人または下請け業者としてサービスを提供する。また、バスルームやキッチンの改装、歴史的建造物の修復、エネルギー効率の向上、太陽光発電の設置など、特定の分野に特化することもできます。

リフォーム業者として成功するためには、以下のようなことが必要です。


・建築分野での豊富な経験があり、少なくとも1つの職種について実践的な専門知識を持ち、他の職種についても知識があること。

・必要に応じて下請け業者を呼び、専門的な作業をタイムリーに行うことができる、業界内の優れた人脈。

・地域の建築基準法や安全規制に関する最新の知識を持っている。

・管轄地域で必要とされる場合は、ライセンスおよび認証を取得していること。

・優れた組織力。




シニアケア・サービス

シニア・ケア・サービスは、小規模ビジネスの機会として引き続き注目されています。2011年に最初のベビーブーマーが65歳に達し、2030年にはベビーブーマー世代全体が65歳に達すると予想されています。2050年には、米国の全人口の4分の1がシニア世代になると言われています。

ベビーブーマーの数が増えるにつれ、高齢者向けサービスやケアギバーのニーズも高まっています。ホームヘルパーの必要性は、2018年から2020年にかけて27％増加しました。

ほとんどの場合、ベビーブーマーは自分のライフスタイルを維持するために必要なサービスにお金を払うことを望んでいます。これには、自分のコミュニティで自宅生活を続けることも含まれます。Aging In Place社の調査によると、高齢者の90％は、少なくとも今後5年から10年は自宅での生活を続けたいと考えています。

高齢者の中には、様々な健康上の問題や運動能力の問題を抱え、車の運転を含む日常生活の支援を必要とする人もいます。また、庭仕事、掃除、料理、ペットの世話などの家事をこなすことが困難になったり、できなくなったりする人もいます。また、運動能力が低下していない人でも、広い範囲を旅行したいと考えている人は、ハウスシッター、ペットシッター、不動産管理などのサービスを必要としています。

高齢者と仕事をしたいと考える起業家には、さまざまなチャンスがあります。自分でゼロからビジネスを始めることに興味がない場合は、さまざまなシニアケアのフランチャイズの機会もあります。



グルメコーヒー販売

エスプレッソ、ラテ、カプチーノなどを提供する個人経営のコーヒーショップは、スターバックスに対抗できないと思っていませんか？　いいえ、そうではありません。

グルメで高級なスペシャルティコーヒーの市場は成長を続けており、個人経営の店にも十分な余地があります。全米コーヒー協会によると、アメリカ人の10人に7人は週に1回以上コーヒーを飲み、62％は毎日コーヒーを飲むと答えています。もしかしたら、この市場でニッチなものを見つけることができるかもしれません。

事実、私のいとこもミュージシャンで全く畑違いですが、旅先で飲んだコーヒーがきっかけで、その豆を仕入れて、独自のパッケージで販売して副収入を得ています。

本当に美味しいコーヒーであれば、コーヒー好きのアメリカ国民を惹きつけることは可能なのです。

まとめ

以上が今後、発展が期待される主だった業種、業務ですが、もちろん細かくみていけばまだまだ参入の余地がある隙間産業はたくさんあります。

それらはまたの機会にご紹介したいと思います。

雇用＝被雇用の再定義が進むアメリカにおいては、誰もが事業主となって、新たな分野を開拓するチャンスがあります。みなさんも得意な分野を生かして、将来の個人事業主を目指してみてはいかがですか？