2021年1月4日月曜日

写真を上手く撮るコツ

カメラをマスターするには

 


 写真を上手く撮りたい。いろいろ迷って選んで気に入ったカメラを手に入れた人なら、必ずそう思うでしょう。でもはじめのうちはなかなか思うように撮れず、困惑するものです。それが高価なカメラであるほど、自分の腕とのギャップにへこんでしまう人もいます。私もその一人です。どうやったらい写真が撮れるのか、それは試行錯誤の繰り返しです。
 プロを目指して写真学校等で学ぶならまだしも、大半のカメラユーザーは趣味として、独学で撮影のイロハを覚えていくのが常道です。それならそれで、できるだけ効率よく写真の基礎を学んでいきたいものです。

 若い頃わたしは、ニューヨークの中心地、マンハッタンでビデオ・プロダクションの会社に勤めていました。そこではクライアントの依頼に応じて、様々な撮影を日々こなしている先輩方が働いていました。私はスタッフの一人として、撮影現場に同行するのですが、その真剣勝負のシビアな撮影作業に、プロに厳しさばかりを目にしてきました。
 以来私は、写真は趣味として、気楽にたしなむ程度がいいと割り切るようになりました。

 これから写真を趣味にしようという方も、今はなにをどうやったらいい写真が撮れるのかわからず焦っているかもしれません。
 でも基礎の基礎だけしっかりわきまえれば、あとは場数というのが正直な感想です。我流と言われようが、セオリーを無視してると叱られようが、他の芸術と同じように、表現は自由こそが命なのです。
 基本的なカメラの仕組みを理解しながら、どんどん失敗写真を積み上げていきましょう。いつの間にかカメラが自分の道具として馴染んでくるのを実感する瞬間がきます。以下の記述はそこまで行くための、ちょっとしたヒントだと思って覚えておいてください。



光を意識する

 ライティングがいかに重要かは、プロの撮影スタジオなどを見ているとよくわかります。 シロウトが最も見落とされがちな要素がライティングなのです。 撮影の道具として様々な照明機材があり、プロはその扱いに細心の注意を払うものです。
 照明の当て方ひとつで、普段見ているものががらりと雰囲気を変えます。 被写体を掘り下げ、隠れた実相を浮き彫りにすることもできるのです。

 外でのポートレート写真でも太陽光をうまく利用して、印象的な写真に仕上げるのも、撮影者次第です。太陽は誰にも平等ですので、同じ場所、同じ被写体でも、光の向き、カメラの視点で全く違った印象の写真になるものです。
 カメラの絞りや露出調整もその場の状況で、何パターンも明るさを変えながら体で覚えていきましょう。

  風景写真では、一日の中でどの時間帯に撮影するかが重要です。 実は場数を踏んだカメラマンは、日の出や夕暮れ時にいい風景が撮りやすいと知っています。 アマチュア写真家はしばしばこの重要なポイントを見落として、日の高いうちにいい写真を撮ろうとします。 それは意外とうまく行かないものです。



適切な露出

 露出とは、写真の明るさや暗さを意味します。 写真を習い始めたばかりの人が最も注意を払うべきところです。
 写真の露出をコントロールするには、「絞り」「ISO」「シャッタースピード」の3つの方法があります。 これらは互いに連動していて、個別に切り分けることはできません。現代のカメラはオートの性能が向上して、露出バランスのいい写真をカメラ任せで決めてくれます。
 中性露出と言って、デジタルカメラのオートは中くらいの露出になることを得意としています。が実際のところ、中性露出が必ずしも最良の露出とは限りません。 例えば、晴れた日に人の写真を撮っているとします。 カメラは人物の顔を暗く、背景を明るくしすぎてしまいます。 そのため、オートでニュートラルな露出補正を施すと、顔と背景の中間の露出になります。主題の弱いどっちつかずの写真になってしまうのです。それで撮るうちに不満を覚えることも出てきます。むしろそんな気持ちが起きた時こそ、成長のチャンスです。積極的にマニュアル撮影に挑み、失敗を繰り返すことで、露出のバランス感覚は自然に身についていきます。



適切な被写界深度

被写界深度は、プロの撮る人物写真で顕著に差が出ます。 被写界深度が浅いということは、写真の被写体がシャープで背景がぼやけていることを意味します。 このテクニックを習得することで、あなたの写真をよりプロっぽいものに変えることができます。

 被写界深度の浅い(つまりよく背景や前景のぼけた)写真を撮るには、

できるだけ明るいレンズを使用する。
カメラを絞り優先に設定し、絞りは最も低く設定してください。
レンズの焦点を合わせながら、できるだけ被写体に近づけて撮影します。
被写体と背景の距離が大きいほど被写体は際立ちます。
改めて被写体にピントを合わせシャッターを切ります。



写真のテーマを意識する

 ストリート写真などを撮っていて、面白い被写体を見つけたら、どうしてもその被写体のみに集中しがちです。たとえばへんてこりんな樹木を見つけたとして、それ単体にフォーカスを当てて撮っても、なんだか味気ない写真になりがちです、それは背景となるものをただぼかしたりして、コントラストの妙を忘れているからです。奇妙な物体は知れ自体ではなく、ありふれた背景のなかに溶け込ませてこそ活きるのだと思ってください。

 もう少し言うなら、被写体にとらわれすぎないように注意しましょうということです。 被写体に夢中になりすぎると、周辺のことを忘れてしまいがちです。 面白い被写体を見つけたら、近づくのではなく、逆に下がって立ち位置を変えることで、新鮮な演出を生み出すことができるものです。



被写体の役割分担

 もしあなたの写真が構図で躓いていると思うのでしたら、それは一度に多くの被写体を選びすぎている可能性があります。 中心となる被写体を一つに絞り、周辺のものは中心を生かす役割を与えることで主題が明らかになってきます。撮るときは被写体のみならず、背景にも気を配り、その被写体を最大限に引き立てる背景位置を探っていきましょう。



カメラ視点を変える

 面白い被写体を見つけても、ただ真正面から撮影するだけでは脳はいりません。 プロの写真を見ると、けっこう凝った橋からの撮影が多いものです。 例えば、政治家や偉いの写真は、その人をよりパワフルに見せるために、下から見上げるように撮影します。 街を撮影する場合には、非常に高い位置から撮影して街全体を俯瞰する手法がとられます。




クリエイティブな構図

 構図にこだわることは、今後の撮影結果にも非常に大きな違いをもたらします。
 もしあなたがプロっぽい撮影を目指しているのであれば、少なくとも三分割法を学ぶことで構図への理解が深まります。 3分の1のルールといって、画面を九つの正方形に分割して、その線の交点に写真の主題を置くようにする構図のことです。写真や絵画で最も基本的なルールです。



収差を考える

 ここで言う写真の収差とは、実際人の目では気にならなかったものが、カメラの静止した像をみると浮かび上がる、余計な映り込みの総称とします。 収差があると、写真が粗雑に感じられ、見る人が被写体を楽しむことができなくなります。
 最もよく目にするのは、フレームの端にある収差です。 しばしば撮影者は被写体に集中しすぎて、背景のごちゃごちゃやじゃまな電線などを忘れてしまいがちです。背景の建物がゆがんだり、水平線が湾曲する絵もよく見かけます。写真は被写体だけを捉えるのではないことをわきまえましょう。



写真のシャープネスについて

 写真をくっきり撮りたい心理は誰にでもあります。写真家はピンボケをなにより嫌いますから。それをあえて、ふんわりした雰囲気にしたりするのは、初級から一歩踏み出すことになりますが、それでもシャープネスのさじ加減をコントロールする難しさには気を配る必要があります。じっさい何が原因で写真のシャープネスが低下しているのかを知るのは難しいことです。アマチュアは手振れのせいにしがちで、それも事実ではありますが、より問題なのは撮影者がピントを正確に合わせていないという基本的な事実です。
 オートフォーカスが発達した今、かえってマニュアルでピント合わせできない人が増えています。当たり前と思われるでしょうが、人の写真を撮るときには、撮影している人の目にピントを合わせることが一番です。



まとめ


 初心者が気を付けることの最初の一歩は以上です。これ以前にカメラの構え方や、構図の種類、センサーの違いなど述べるべき点はまだあるのですが、それはまたおいおい追加していきたいと存じます。
 言わずもがなですがカメラを購入したら、(紙、デジタルいずれか)必ずマニュアルがあるはずなので、一度は目を通しておくことをお勧めします。

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