2021年1月8日金曜日

ペット写真の撮り方:入門編

我が家のペットを可愛く撮る:犬編




 動物写真の撮影は楽しいものです。特に自分が飼っているペットに対しては思い入れが強いので、いかに魅力的に撮ってやれるか、みんな苦心惨憺しています。我が家にも二匹(二羽?)のウサギと一匹のヤドカリくんがいますが、なかなか思うように撮影させてくれません。

 その点、ワンちゃんや猫ちゃんは表現が豊かで、動きも千変万化。いろんな状況から思わぬハプニングで奇跡の一枚が撮れる瞬間もあるでしょう。

 最近のスマホカメラや入門機にはシーン別設定の中で動物に特化したモードも普通に用意されています。それでも時や場所によって対応できず、けっきょくマニュアルで撮った方がうまく行く場合もあるでしょう。とはいえ、初心者にとってのみならず、動きの予想できない動物の一瞬をとらえるのはけっこうな忍耐も必要。人間の子供なら言い聞かせて、動きを抑えることもできますが、動物にはなかなかむつかしいことです。


 そこで今回はペット写真を撮影するときに、知っておくと役立つ(かもしれない)アイデア集をまとめてみました。必ずしもこれが正解、というものではありませんが、私が実践してみて、なるほどと思ったものを中心に並べてみました。ご参考にしていただければ幸いです。





今回は「犬編」です

犬の写真を撮ることは、カメラの前でペットを快適にさせる方法と、高品質の写真をクリエイティブに撮る方法を理解すれば、それほど難しいことではありません。以下にヒントをご紹介します。




撮るタイミングを計る

写真ビギナーがあなたのワンちゃんを一番撮影しやすいのはいつでしょうか。ずばり愛犬が眠たい時です。動きが単調で、優しい表情になるので、ゆったりした環境下で撮るのが良いです。ただし寝るのはだいたいケージにいるときなので、背景や前景が邪魔になりやすい弱点もあります。縁側やベランダがあれば日向ぼっこするお昼寝時にシャッターチャンスはやってきます。撮影は被写体だけに注目せず、背景のごちゃごちゃしていない場所を選ぶ方がいい写真になります。



自然光を利用する

犬の写真を撮るときは、必ずしもフラッシュや複雑な照明設定を心配する必要はありません。まるで人間のモデルさんを撮るような、ライティングに凝る人もときおりみかけます。十分すぎる光量はたしかに犬の毛並みを際立たせたり、あいまいな部分をしっかり描写する手助けになりますが、時としてあざとい作りに見られがちです。ペットを主人公にしたカレンダーを作るのならそれもよいかもしれません。しかし慣れない人工灯で落ち着きを失うワンちゃんもいます。ときには怖がったり、赤目になったりすることもあるので、できれば自然な光を使うのがベストです。なにより太陽の光が動物を一番生き生きとさせるエネルギーをもっています。

細かいことですが、被写体に十分なキャッチライト(目の中の白い光の反射)があるとないでは印象がかなり違ってきます。この光を入れ込むよう何度も試してみてください。写真が変わりますよ。




シャッタースピードが肝

さて、ここでペットの写真を撮るのが非常に難しい理由が一つあります。多くの場合、アクションをフリーズさせるためには、速いシャッタースピードを提供するカメラを使用する必要があります。つまり、マニュアルモードでのカメラの設定方法も知っておく必要があります。


動物写真で一番肝心な要素の一つがシャッタースピードであることはお判りいただけると思います。写真を知らない人が生き物を撮るとほとんどこの被写体ブレに躓きます。
シャッタースピードの使い方次第ではしゃぎまわる子犬もぴアリと止めることができます。

1/500以上のものはシャッタースピードが速いとされていますが、本当に素早いワンちゃんのためには1/1000以上が求められます。この速度で十分な絞りをマスターできれば、ペットが躍動する瞬間をクリアなストップモーションで撮ることができます。ただ成功のためには、ひたすら愛犬をファインダーで追い続けることとなるでしょう。


カメラ任せもあり

デジタルカメラの中には、プログラムされたペットモードを提供しているものもありますが、通常はそれだけでは露出の高いシャープな画像を撮影することはできません。デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラ、または少なくともマニュアル設定を調整できる専用アプリを使用するのが最善の方法です。



目線を工夫する

普通に立った位置から愛犬を撮っただけではなんだか味気ない写真になりがちです。欠けているのはカメラのアングル、レンズ位置の工夫です。
よりよい効果を出すためには、犬の世界を低い位置から撮影してみましょう。膝の高さから地面すれすれまで、角度によって思わぬ愛らしさに出会うかもしれません。バリアングルやチルト式のモニターを活用して、普段見たことのないワンちゃんの表情を捉えましょう。







ワンちゃんの注意を引く

静かに遊ばせてあげて、カメラを構えてシャッターを切る準備ができたら、犬の注意を呼びましょう。「ほらこっち見なさい」声をかけると飼い主のあなたの顔にレンズがくっついている、と興味を覚えるのです。丸く光るレンズで一瞬ワンちゃんの注目を集めることができます。カメラ目線のつぶらない瞳は時に愛くるしい表情をもたらします。そのチャンスをお見逃しなく。



瞳フォーカスは正しい


最新のカメラは人への瞳フォーカスから動物への瞳フォーカスまでオートでできるようになってきました。ふわふわした体毛の中で、きらりと光るワンちゃんの瞳をぴたりと捉えることはとても重要な事と言えます。犬だけでなく、これはどんな生きている被写体にも当てはまります。犬をフレーミングするときは、目にオートフォーカスをして、目がシャープであることを確認し、犬の表情が画像のフォーカルポイントになるようにしましょう。犬がカメラ目線であろうがなかろうが、このポイントは押さえておいてください。



犬の性格をとらえる

可愛いクローズアップ写真もいいですが、そのワンちゃんの性格が伝わる写真を心がけましょう。遊び好きなタイプなら、多少ぶれても躍動感を大事にした方がいいショットのなります。愛犬がおっとりしたタイプなら、ベッドに寝そべってあくびをしているところなどがそのワンちゃんのセールスポイントをとらえたものになるでしょう。百匹いれば、百匹の個性があります。あなたのワンちゃんがどんなキャラクターか想像しながら撮ると、その個性がにじみ出てくるものです。



様々な視点のフル活用

フィルムカメラの時代は枚数に制限がありましたが、デジタルの時代ですから数を気にせず余裕のあるメモリーカードで、好きなだけ写真を撮ってみましょう。それこそ360度いろいろな角度から撮影を試みるのです。上から撮ったり、目線の高さから撮ったり、下から撮ったり、横から撮ったり、後ろから撮ったり。さらには顔のアップや肉球、尻尾だけなど、あなたの創造力を活かして、クローズアップしてみてください。動物園の動物やよそ様のペットでは不可能な撮影も、あなたのバディならOKしてくれるはずです。




忍耐強く

カメラ機材や写真撮影のノウハウはさておき、犬の写真撮影に必要なもう一つの重要なことは、忍耐力です。ペットはプロの訓練を受けていないと、具体的な指示に従うことができません。同時に、ペットは人間のエネルギーを吸収することでも知られているので、あなたがストレスを感じたり、イライラしたりすると、ペットはそれを察知して、あなたの感情を反映し始めます。逆に
あなたがリラックスしていればいるほど、良い写真が撮れる可能性が高くなります。犬にはカメラの概念は分かりませんが、不思議と撮りたいという飼い主の意思をくみ取る瞬間を感じることがあります。ワンちゃんに無理強いはせず、我慢強く、長い目で撮り続けて行ってください。




ペットへのご褒美

撮ったら撮りっぱなしは慎んでください。モデルへの支払いを忘れるのは失礼です。撮影中、ワンちゃんのモチベーションを維持し、協力を促すために、ご褒美のおやつは用意しておきましょう。食べ物以外もアリです。新しいおもちゃをあげたり、よしよしとお腹をこすったり、感謝の気持ちを伝えるのです。ご褒美を使って、撮影をより楽しいものにしましょう。


いかがですか。要はカメラを介して、主人とペットとのコミュニケーションを楽しむことです。撮る側の一方的な行為に終始せず、触れ合いの一手段としても写真撮影のひと時はいっしょに楽しむ気分で付き合ってくださいね。
撮影に慣れてくると、ワンちゃんんもカメラに心を許し、本当にモデルさんのように優雅なポーズをとってくれたりします。(いやそうならないやんちゃなワンちゃんもたくさんいますが、それはそれでカワイイもんですよね)







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