2021年1月7日木曜日

ストリート・フォトの撮り方

初心者でも撮れる街並み




 カメラを手にすると、腕がうずいてついつい外に飛び出したくなります。ところが出たはいいけど、いったいなにを撮ればよいのか、わからなくなるのがストリート・フォトです。単に路地に蹲る猫を撮ったり、なじみの駅前の一角を切り取るのもいいでしょう。はじめはこういった何気ない身の回りの風景を撮影するところから始まります。
 ある程度、試し撮りを続けていくと、数は少ないがなんとなく面白い写真と大量のイマイチな写真つみあげられてきます。

 徐々にですが、自分が何を撮りたいのかおぼろげながら、浮かんでくるわけです。でもそこから一歩先のいわゆる「絵」になる写真を撮るには、様々な工夫が必要になってきます。
 ここではちょっとマシになるかもしれない、ストリート・フォトのアイデアと言いますか、チップを初心者限定で記事にしてみました。自分の経験をもとに、プロの方から教わった知恵をかき混ぜで羅列したものです。ご自分で納得した事柄があれば、ぜひ撮影にご活用ください。

街並みを撮る心得

 いきなり大上段ですが、ストリートフォトの本質は、カメラで市井の日常生活や社会を記録することだと思います。ストリートフォトこそ写真撮影の原点であり、腕を磨くための格好の舞台であります。いい写真はなにも遠くの異国に行かなければ撮れないものではありません。
一般的には、通常許可なしで、自然体の被写体を撮るのが理想です。もちろんマナーとして許可を得てから撮る必要のケースはたくさんあります。が、被写体がカメラを意識し役者になっては、台無しになってしまうケースもあります。とはいえストリートフォトグラフィーは、キャスティングされた写真を全否定するものではありません。相手に撮影を知らせておいて、自分がいいと思った瞬間をキャッチし、面白いキャラクターに作り上げるのもアリだということです。
 ストリートフォトで最も重要なことは、あなたの心の好奇心を躍らせることです。やみくもにいい被写体を漁るような姿勢はやめ、自然体で景色を楽しんでください。そうするとおのずと格好の絵になる状況が向こうからやってきます。
 テクニック以前の、感性の問題ですが大切なことです。撮影する側のエモーションはカメラの写りに影響を与えるんです本当に。とにかくわくわくする気分で街に出てください。



カメラを常に持ち歩く習慣

 当たり前のことですが、どんな名写真家でもカメラなしに傑作は生まれません。皮肉なことにカメラが手元にない時に限って面白い素材に巡り合うものです。少しでも多くシャッターチャンスをものにするためには、カメラの常時持ち歩きを心がけましょう。
とくにストリート写真の場合は瞬発力が命です。さっとだしてパッと撮る。簡単なようでなかなかできるものではありません。そういう観点から、私は少しでも携帯性に優位な小型カメラを推奨しています。オリンパスのPENシリーズなどは、普段使いにも気軽に持ち歩けるコンパクトさと高性能を両立させています。肩からぶら下げて歩いてもファッショナブルでかつ軽快に被写体を追うことができます。


レンズを選ぶ

 使用するレンズを決定することは、ストリート写真のための最も重要な要因の一つです。初心者はつい、望遠レンズを使用するように誘惑されるかもしれませんが、それはあまりいい成果をもたらすものではありません。あなたは見知らぬ人から巨大なズームレンズを向けられたくないでしょう。撮られる側の身になると、バズーカ砲のような巨大レンズは威圧感ありすぎで、つい身構えてしまうものです。
 実は多くのストリートフォトグラファーは、大型のデジタル一眼レフカメラよりもコンパクトなカメラを選びます。機動性もありますが、一番の理由は被写体への影響を考慮して、装備をコンパクトにする事、なのです。
 そういった意味で私はマイクロフォーサーズで街並みを撮ることをお勧めしています。レンズも高層ビルを丸ごと撮れる広角から、ピタッとぶれない超望遠まで、軽量小型のレンズが揃っていますので、マイクロフォーサーズ機は身軽に行動するにはうってつけのサイズ感なのであります。


カメラ設定

 カメラをA設定(絞り優先モード)に切り替えて、F値(絞り)とISOを手動で選択するのが、ストリート撮影設定で最も簡単な方法です。その後、カメラが適切なシャッタースピード(露出)を決定します。晴れた日には、F値16、ISO200~400の間で撮影を開始するのが良いでしょう。カメラが1/200秒以上のシャッタースピードを表示していれば、撮影準備完了です。

 カメラが表示しているシャッタースピードをメモして、それに応じて絞りとISOを調整するといいでしょう。カメラのシャッタースピードが1/80以下の場合は、写真がぼやけてしまう可能性がありますが、それも逆に味わいに転じる効果になったりします。
 ボケを克服するには、ISOを上げたり、絞りを広くしたりするだけでいいでしょう。写真撮影に慣れていない場合は、カメラをPモード(プログラムまたはオート)に設定して、カメラが正しい設定を選択するようにしてください。家に帰ってその時の最良の設定を覚える癖をつけるといいですね。あなたの好みに合わせて露出を上げたり下げたりしたい場合は、EVで調整することができます。

 オートは時間がなくて急ぎの撮影している場合に便利ですが、カメラが何をしているかをほとんど制御できないので、これは常に最良のオプションではありません。今どきのカメラはプログラムモードでかなりいい仕事をしてくれますが、ただし暗い場所での判断は人間と違い、大ミスをすることもあるので、頼り切ることは禁物です。



被写体に近づく

 広角レンズを使用することで、被写体に近づいて撮影することができます。広角の利点は、見る人にその場にいるような臨場感をもたらすことです。また長筒のレンズで通りの向こう側に立つのではなく、環境の一部として群衆の中に溶け込むように撮影することができます。
 大抵の成功したストリートフォトは、立ち位置から数メートル、時には数センチの距離で撮影されています。人通りの多い通りや市場、公園などを歩いていても、観察力があり、面白い被写体を探すために目を開けていれば、実りある写真を撮ることができます。もしイメージと違う写真が撮れたなと感じたら、次はもっと近くで撮影することをお勧めします。臨場感を意識してファインダーを覗きましょう。



羞恥心と戦う

 始めの頃は、街中でカメラを構えることには勇気がいります。誰かにどう見られているか気になって、被写体に集中できません。とくに大型カメラでファインダーを覗くと、目立つことは避けられません。焦って設定ミスを繰り返し、大事なシャッターチャンスも見逃してしまいがちです。必要なのは繊細な観察眼と厚かましい好奇心の両方です。ならば撮影に徹するために開き直って、カメラマンっぽいファッションで臨むのも手です。
 隠し撮りと疑われないためにも、かえって「私カメラで撮影してます」と意思表示しているような、撮影モードのファッションがグッドです。カメラバッグや三脚を装備し、撮影者であえる自覚と意思表示を兼ね備えるのです。私はよく背中に「STAFF」と書かれたカメラマン・ベストを着て町を歩いたものです。なんのスタッフかわからないが、とにかく仕事で撮影してるんだろうと思わせるためのカモフラージュです。

 もう一つ、ストリート写真は立って歩きながら撮るものだという潜入感はありませんか? 意外に多くの傑作は座った位置からも生まれています。旅先などでは野外のカフェやレストランに座って景色を楽しみながら、面白いハプニングを待ったりします。居心地の良い場所で観察すれば、リラックスしてゆとりある写真を撮ることができます。気合入れ過ぎて通りの真ん中に立っているよりも、カメラを持ってゆったりカフェに座っている方がチャンスはやってきやすいものです。



早朝・夜間に撮影する

 早朝は人影がまばらで、普段見慣れない印象的なシーンを撮るのに格好のシチュエーションです。通りの安全を確保したうえで、大胆な画角や俯瞰、カメラ目線を試せます。昼間の雑踏では見えなかった面白い素材が見つかるもの早朝ならではの楽しみであります。
 また街中での夜の撮影は、ユニークな写真を撮る絶好のチャンスです。日中の撮影ほど簡単ではありません。ボケを避けるためにシャッタースピードを遅くしたり、ISOと絞りを使って低照度を補正したりする必要があります。でもやればやるほど経験値が上がり、絞りをコントロールする腕を磨くことができます。夜の街はカメラを学ぶ先生の役目を果たしてくれると思ってください。
 長時間露光撮影をする場合は、三脚を忘れずに。また、開放絞りのレンズを使えば、低照度のシーンを撮影しても、動きを静止させたまま撮影することができます。夜間の撮影では、面白いラインや影、構図を見つけて、画像に大胆な視覚効果を与えてみてください。シルエットになっている被写体も面白いですし、モノクロを強調して印象的な一枚に仕上げるもの面白い試みです。




脱:画質至上主義

 基本的にストリートフォトというものは、風景写真や商業写真に比べれば、画質を気にするジャンルではありません。確かに高画質に越したことはありませんが、それほど気にすることではありません。一般のフォトコンテストにおいても、ラフな画質であっても発想や瞬間の描写が優れているものが上位に受賞しています。画質よりも構図、光、ドラマ、伝えようとしているストーリーが重要だということでしょう。綺麗に収めようとはせず、感情のこもった撮り方がベストなのです。(雑に撮ってよいという意味ではありませんよ念のため)



まとめ

 ストリート写真は自由な発想が命。普通の人が見過ごしがちな小さなものから、肉眼ではとらえきれない巨大な町の空気感までさまざまな切り口があります。カメラの性能云々より、撮影者のスピリットみたいなものが、個性を際立たせ、人を魅了する写真になります。
 ぜひあなた自身の心のときめきを信じで自由な発想で街を切りとってください。




2021年1月6日水曜日

カメラの購入基準を考える

 どんなタイプのカメラを選ぶか

 



 カメラを選ぶ基準はたくさんありますが、まず第一に決めたいのは、使う目的です。何のためにカメラを買うのかによって、機種はかなり違ってきます。

 かりに人物をスマホよりきれいに撮りたいというのなら、フルサイズ・カメラと単焦点レンズの組み合わせを推す人もいるかもしれません。旅カメラとして風景中心に使いたいなら、軽量小型のマイクロフォーサーズは選択の筆頭にあげてもいいでしょう。

 このように使用目的によって、まずカメラ選定をするのが常道かと思います。

 でも意外に多いのが、「いや私は被写体を選ばず、とにかく写真を趣味としてやっていきたい。でもビギナーとして、また予算の制限も考慮しながら、できるだけ入門機としてオールマイティな、使いやすいカメラが欲しい」、そんなタイプの人です。

 なかなか贅沢な欲求ですが、カメラメーカーさんはそういったゾーンの人こそ取り込みたいと考えているはずです。カメラ人口が減少していく中で、カメラを趣味として継続的に購入してくれる新規の顧客は得難い希望の星です。そのようなビギナーが満足できるカメラをどのように選ぶのか、それが問題です。

 とりわけ重視したいのは将来性です。特に一眼レフ、ミラーレスなどのレンズ交換式のカメラは、レンズマウントがメーカーによってそれぞれ異なるので、メーカーごとに互換性がありません。(厳密には近年マウント・アダプターの発達でかなり互換性がひろがりましたが、それでも買ってみなけりゃわからない、相性などというものもあります)

 ニコンの一眼レフ、フルサイズカメラ対応のFマウントは1959年発売以来ずっとカメラの歴史を支えてきましたが、現在はフルサイズ・ミラーレス用のZマウントの開発・販売に注力しています。長年のニコンユーザーでFマウントのレンズ資産が豊富な方ならいざ知らず、これからニコンを使っていこうとする方なら、迷わずZマウントのカメラを選ぶことをお勧めします。

 とくにニコンのミラーレスはフルサイズとAPS-Cが共通のマウントなので、将来レンズやカメラを買い替えたり買い足したりしても、レンズの互換性に困ることはありません。今のところZマウントのレンズ・ラインアップは正直乏しいのですが、キットレンズでも評判が高く、今後出るレンズにも期待を寄せていいいと思います。

 キャノンのマウント・システムはちょっと複雑です。EFレンズ、EF-Sレンズ、RFレンズ、EF-Mレンズと現在4種類のマウントに分かれていて、同じキャノンでも互換性がないものがあります。たとえばEF-SレンズはAPS-C機のレンズなので、フルサイズ機には使えません。なのでレンズ購入時には注意が必要です。いま開発、生産に最も注力しているのはフルサイズミラーレス専用に開発されたRFレンズです。いまサードパーティ製も含め、様々なラインアップを構築中で、数年後にはキャノンレンズの主流となる規格です。そのあおりを受けてAPS-Cミラーレス用のEF-Mレンズの開発が停滞しているのは、ユーザーにとって誤算だったでしょう。今後の動向が注目されます。

 このようにカメラ・メーカーごとにレンズ仕様の違いがあるので、とくにこれから本格的なカメラを買おうという方は、先を見据えて、どのカテゴリーのカメラではじめるか、よく検討されることをお勧めします。

 まとめてみますと、レンズ交換式のカメラを選ぶ場合、下のような区分でカメラを選ぶことができます。

1 マイクロフォーサーズ

2 APS-Cの一眼レフ

3 APS-Cミラーレス

4 フルサイズの一眼レフ

5 フルサイズ・ミラーレス


 1から5、それぞれ敢えて一台入門機を選ぶとすると、2021年現在では、以下のようになりました。

1 Olympus OM-D M5 mark III


 小型軽量で上位機種譲りの最新センサーや手振れ補正機能が内蔵されています。定評あるコンパクトなM.ZUIKOレンズとの組み合わせでちょっとしたバッグにも納められ、常時携帯も可能な軽快さです。本体同様、レンズもリーズナブルな価格で揃えることができ、入門機としては一番扱いやすい部類のカメラです。



2 Pentax KP


 とにかくカッコいいのです。ガッツリボタンやダイアルが装備されていて、いじっているだけでも愛着がわいてきます。入門機には珍しいマグネシウム合金製で、しかも防塵防滴設計。さらに5軸5段分のボディ内手振れ補正機構内蔵。そして何といっても目玉は最高ISO 819200というけた違いの超高感度撮影が可能な事。



3 Fujifilm X-S10

 昨年は年の前半にでたX-T200を一押ししてきましたが、今年の富士フィルムはこのクラス並みいるライバル機を抑えて、いま一番アツイ本機をご推薦いたします。まず富士フィルムミラーレスとしての転換点となるであろうインターフェース&外見の大幅刷新。本体の小ささはそのままにグリップが大型化し、ダイアル類も他メーカー同様の一般的なコマンドダイアル導入となりました。さらにボディ内手振れ補正も付き、フィルムシミュレーションも上位機X-T4などと同等の充実ぶりです。



4 CANON EOS 6D Mark II



  2017年発売のフルサイズ一眼ですが、値段もこなれてきたので、今が買い時です。フルサイズならではの圧倒的描写性能を初心者でもすぐに体感できる完成度の高いスタンダード機。2620万画素で最高ISO感度40000。大きなファインダーで生の被写体を見ながら撮るというカメラの基本を体感できるフルサイズ入門機です。豊富なレンズ・ラインアップはシグマやタムロンからも買いやすい価格で出ています。



5 SONY a7C 


  フルサイズ・カメラの常識を覆した本格コンパクト・タイプのフルサイズ・ミラーレスカメラ。兄弟機にしてベストセラーのa7 III譲りのオートフォーカス性能、シャッタースピード、低照度撮影、そして多彩な動画フォーマットが扱えるビデオ撮影機としても最優秀の部類に入る小さな巨人、それがa7Cです。本機にはコンパクトな単焦点レンズや明るい標準ズームが似合い、街中でも自撮り動画が容易に撮影できます。


カメラの特徴から選ぶ

 いっぽうカメラのプロフィールを重視する選び方もあります。

1 スナップショットに強いカメラ

2 オートフォーカスの高性能なカメラ

3 暗所性能が強いカメラ

4 手振れ補正の効くカメラ

5 動きのあるものに強いカメラ

6 野外環境に強いカメラ

7 動画性能の高いカメラ

 などです。これ以外にも操作性の高さや、軽さ、小ささを判断基準にする選び方もあるでしょう。カメラによっては通信機能の強みを謳ったり、マニアックなユーザーならシャッター音の相性で最終決断する人もいます。

 以上のカメラも個別に、また別の機会で随時ご紹介していけたらと存じます。


まとめ

 カメラの全世界総合の出荷台数は2010年の一億二千万台を超えたのが頂点でした。その年を境に出荷台数は毎年大幅に下降を続け、昨年はついに一千五百万台を切りました。これはスマホ・カメラの発達で、カメラはもういらないという一般認識が広がったためです。ゆえに若い世代には、カメラ自体使ったことがない人が急増しています。

 しかしアメリカでは複数のアナリスト、企業統計の専門家らは2020年がカメラにとってのどん底期であり、今年からわずかではあるが、業績は持ち直し、年々微増が期待されるとしています。その要因としてまず挙げられるのが、中国におけるカメラの需要です。中国では若い世代を中心に、初めてカメラを使ったのがスマホ経験という人が多く、そこからステップアップするカメラ購入者が増えるだろうというのです。輸出入の貿易規制などが緩和されるとさらに普及は拡がり、特にフルサイズ・ミラーレスの上位機種を中心にマーケットが活性化される可能性を指摘しています。

 また各社ミラーレスカメラを中心に据えた開発・販売展開で足並みがそろうのが、これから数年ということで、マーケットとしての安定期に入ると見られています。試行錯誤だったここ数年間に得たノウハウから、これから出されるカメラはかつての欠点、弱点を克服してより良いものになっていくでしょう。私が期待するポイントは、

1 画像処理エンジン

 各社の画像処理エンジンは数年ごとにバージョンアップされてきました。そのたびにISO性能が上がってノイズが減ったり、オートフォーカスの精度が向上したり、さらには色の再現加工技術ががカメラ内できたりと、これまでにない発展性が求められています。

2 インターフェース

 使い勝手の良しあしは、とくにユーザーからのフィードバックで改善されます。今もずっと議論され続けているチルトかバリアングルかもモニター問題。これはさらに両方のいい面を折衷した新スタイルの可動モニターが期待されます。

 またタッチスクリーンが標準になりつつある現在、さらなるユーザーフレンドリーなグラフィック表現が可能になったので、メーカーそれぞれのセンスが試される部位となりそうです。

3 ファームウェア

 これからのアフターケア、サービスはファームウェアが主流になってくるでしょう。これまでにない大胆な機能向上、バージョンアップが、ファームウェア上で施されていくように期待しています。数年前に技術的には難しかったことも、今はカメラにプリインストールされるコンピュータチップ次第で、いくらでも機能拡張が可能になります。あまりやりすぎると新しいカメラを買ってもらえないので、メーカー側は今は控えめですが、そのうち堰を切ってファームウェアの充実化が図られる時代が来るでしょう。

 ほかにも様々なカメラの進化、改革の可能性があります。上級機の最初搭載され、数年後に下位機種にそれが反映されるパターンが早くなり、あるいは上位から下位まで同時に新機能搭載、というような流れもできるかもしれません。

 願わくば今年はより多くの入門者がカメラを手にして、その楽しさを体験していただきたいものです。

2021年1月5日火曜日

デジタル写真の整理

 写真を管理する



 たくさん写真を撮っていくと、あっという間に膨大なデータとなってしまいます。スマホで撮った写真も撮ったきりよく見返しもしせず、だらだらためていくと、あれよあれよという間にデータストレージを占領してしまいますよね。

 デジタルカメラも同じです。SDカードにある程度溜まったら、パソコンに移し替えるのですが、ついついほったらかしにしてしまいがちです。そうなると、あとであの時撮った写真はどこへ行ったのかと、探すのも一苦労です。

 ここでは撮ったデジタル写真の整理法の一つをご紹介します。これが一番と言い切るつもりはありません。世の中にはより効率的な整理術もありますし、高機能なアプリを買って使いこなせば、データ管理もぐっとしやすくなるでしょう。

 ここでご紹介するのは、ややアナログ寄りの整理法ですが、手堅く容易にデータを管理するのはもってこいだと思います。とくに今まで、大切な写真を誤って消してしまったとか、どこへ行ったのかわからなくなったという経験のある人には役に立つかもしれません。

 ぜひご参考にしていただければ幸いです。



 まず大前提として、大切な写真をゼッタイ失くさないように、二重三重の管理保存を心がけましょう。

1 手作業で自分だけのファイル、ファルダーをパソコン内に作る。

2 写真管理アプリで自動管理させる。

3 バックアップとして、外付けストレージとクラウド、別々に利用する。

 大きくこの三つで鉄壁の写真データ管理を目指しましょう。


独自の名前でファイルを作る

 パソコンに保存する写真は、自分で撮ったものとそれ以外に分けて保存しましょう。

 仕事で使う写真または画像データ、人から送られてきた写真やその他、自分のカメラ以外の写真はすべて一括して別のファイルに振り分けましょう。

 そうして自分が撮った写真の大元となるファイルに独自に名前をつけ、パソコン内の階層の上位に置いておきましょう。またそのファイルのエイリアスをつくり、デスクトップに常に置いておきます。こうすることによって、パソコンにあげられた写真データは常に優先的にアップデートしやすくなります。

 つぎにその大元の写真ファイルの中に、時系列のファイルを作ります。撮った時間、日時の順に月単位のファイルを作るのです。ファイル名はJanuary、Februaryなどではなく、数字が前に来るようにすると時系列を保てます。たとえば2021-01と命名したファイルに、1月に撮った写真を全部入れます。以降2021-02、2021-03と12の月別ファイルを前もって作っておくのです。

 たくさん雑多な写真を撮る人は、ここからあらためて別のファイルを作ります。今度はテーマ別のファイルなのでフォルダー名は「テーマ別写真」などとするとよいでしょう。

 例をあげれば「風景」「動物」「人物」「スポーツ」「物体」などです。次に「風景」ならその中にまた複数のファイルを作って分類します。例えば「風景」ファイルの中には、「街並み」とか「野山の風景」「公園」「夜景」など自分がよく撮る写真のためのファイルを作ります。特定のジャンルをもっと大量に撮る人はさらに下位のファイルを入れ込んでいきます。

 例えば「動物」ファイルのなかに「犬」「猫」「動物園」「鳥」「昆虫」などと分別し、さらに得意分野が「昆虫」ならその中に「蝶」「蜘蛛」「カブトムシ」「蟻」などと振り分けていくとよいでしょう。

 ほかにも独立してよく撮る特定の名詞のファイルを作ると便利です。「釣り」とか「ライブ演奏」とか「お正月」などテーマ別でもいいです。

 このように、時系列順ファイルを基本に、もう一つ、分野別のファイルを作ることによって、過去の膨大は自作写真を検索しやすくすることができるのです。

 これらはすべて手作業のようなものなので時間はかかります。効率よく処理するためにも、撮ったらこまめに必ず写真を振り分けて行ってください。こうすることによって、撮った写真を見直す機会ができ、あとでなんでこんな写真を残しておいたのかと、クズ写真にスペースを奪われるリスクも軽減できます。


写真の管理アプリ

 写真管理のアプリはいろいろありますが、ここでは他と一線を画する欧米でとても多くの写真ファンから支持されている「Flickr」をご紹介します。

 Flickrは、ユーザーが写真をアップロードして他の人に見てもらうための写真共有プラットフォームであり、写真専用のソーシャルネットワークです。
 ユーザーは無料のアカウントを作成し、自分の写真(およびビデオ)をアップロードして、友人やフォロワーとオンラインで共有することができます。
 FlickrがFacebookやInstagramのような人気のある写真共有アプリと違うのは、プロの写真家や写真愛好家が、他の人の作品を楽しみながら自分の作品を披露できるように作られた、まさに写真中心のプラットフォームだということです。
 
Flickrは他のどの主要なソーシャルネットワークよりも、写真の芸術に焦点を当てています。プロの写真家のためのInstagramと言っても過言ではありません。
 インターフェースも直感的でわかりやすく、一度馴染めば、自分と自分以外の写真を見較べて勉強したり、率直に素晴らしい写真に魅了される楽しいひと時を過ごせます。整理の仕方も多様で便利な機能も多く、ただ単に写真を管理するだけではない、写真の楽しみ方を発見できます。基本無料で利用できますので、ぜひお試しください。他の写真管理アプリについては別途ご紹介する機会を設ける予定です。


保存の重要性 

 次に、データのバックアアップですが、外付けハードディスクにしろ、SSDにしろ、クラウドにしろ、どんな媒体でも保存は完ぺきではないと思っておいて下さい。たった一つのバックアップに頼って、万が一すべてのデータを消失した時は、人生の終わりを迎えるような気分になります。そうならないために、私はすべての同一データを最低三か所に保存していくことを推奨します。

 ROWで大量のデータを保存する人はその大きさにも気を遣わねばなりませんが、先のことを考えて、大容量のストレージを確保しておいた方が身のためです。

 あまりに写真の量が多すぎる人は、前もって選別する「最優先データ」とそれ以外の「全部データ」の二つに分け「最優先」ファイルはさらにもうひとつ別のストレージに確保しておくことをお勧めします。

 わたしの場合は、過9年のすべてのデータを1テラから5テラバイトの外部ハードディスク4台(うち一つはSSD)にまったく同じ時系列ファイルとしてコピーしたものを保存しています。さらにパソコン2台に全く同様のファイルがあります。

 クラウドも、iCloud、DropBox、Google Drive、Amazon Photo、 OneDriveとじつに5つのクラウドサービスを用途に応じて使い分けています。多いように思われるかもしれませんが、多くのフォトグラファーはこのような使い方をしています。

 すべてを使いう必要はありませんが、それぞれ一長一短ありますので、用途に応じて最低二つのクラウド上に最優先の写真データだけは確保していくとよいでしょう、ネットにつながる環境ならいつでも取り出せるのでとても便利です。


プリントで保存する

 最後に、プリントして写真を保存する意義を述べておきます。

 一昔前は、私も大量のデジタル写真をコンビニなど最寄りのプリントサービスでプリントアウトしていました。その量も半端なかったのですが、あとで溜まった紙の写真を整理するのは並大抵ではありませんでした、というか、いまだに未整理のままの生フィルムが乱雑に箱の中に収められたままです。

 ここ数年、プリントは控えるようになりましたが、撮った写真をプリントアウトするのは、写真を知り考えるうえでいい教材になります。一枚一枚にコストがかかるのでやみくもに何百枚もプリントすることはなく、写真を選ぶという目を使う作業でいい写真がふるいに掛けられます。ともするとデジタル写真は大量に撮ったまま置き去り状態になりやすいので、改めて写真を見返すには、選ばれたプリント写真を見返すのがいいかと思われます。それもなるべく、A4サイズぐらいの大きめのプリントにして、テーマ別に写真を収めると、自分だけの写真集ができたようで、とても楽しくリッチな気分になれます。

 たくさんの写真の中からこれぞという一葉を選んで、少しづつ手作り写真集を増やしていくのも楽しいものですよ。

2021年1月4日月曜日

写真を上手く撮るコツ

カメラをマスターするには

 


 写真を上手く撮りたい。いろいろ迷って選んで気に入ったカメラを手に入れた人なら、必ずそう思うでしょう。でもはじめのうちはなかなか思うように撮れず、困惑するものです。それが高価なカメラであるほど、自分の腕とのギャップにへこんでしまう人もいます。私もその一人です。どうやったらい写真が撮れるのか、それは試行錯誤の繰り返しです。
 プロを目指して写真学校等で学ぶならまだしも、大半のカメラユーザーは趣味として、独学で撮影のイロハを覚えていくのが常道です。それならそれで、できるだけ効率よく写真の基礎を学んでいきたいものです。

 若い頃わたしは、ニューヨークの中心地、マンハッタンでビデオ・プロダクションの会社に勤めていました。そこではクライアントの依頼に応じて、様々な撮影を日々こなしている先輩方が働いていました。私はスタッフの一人として、撮影現場に同行するのですが、その真剣勝負のシビアな撮影作業に、プロに厳しさばかりを目にしてきました。
 以来私は、写真は趣味として、気楽にたしなむ程度がいいと割り切るようになりました。

 これから写真を趣味にしようという方も、今はなにをどうやったらいい写真が撮れるのかわからず焦っているかもしれません。
 でも基礎の基礎だけしっかりわきまえれば、あとは場数というのが正直な感想です。我流と言われようが、セオリーを無視してると叱られようが、他の芸術と同じように、表現は自由こそが命なのです。
 基本的なカメラの仕組みを理解しながら、どんどん失敗写真を積み上げていきましょう。いつの間にかカメラが自分の道具として馴染んでくるのを実感する瞬間がきます。以下の記述はそこまで行くための、ちょっとしたヒントだと思って覚えておいてください。



光を意識する

 ライティングがいかに重要かは、プロの撮影スタジオなどを見ているとよくわかります。 シロウトが最も見落とされがちな要素がライティングなのです。 撮影の道具として様々な照明機材があり、プロはその扱いに細心の注意を払うものです。
 照明の当て方ひとつで、普段見ているものががらりと雰囲気を変えます。 被写体を掘り下げ、隠れた実相を浮き彫りにすることもできるのです。

 外でのポートレート写真でも太陽光をうまく利用して、印象的な写真に仕上げるのも、撮影者次第です。太陽は誰にも平等ですので、同じ場所、同じ被写体でも、光の向き、カメラの視点で全く違った印象の写真になるものです。
 カメラの絞りや露出調整もその場の状況で、何パターンも明るさを変えながら体で覚えていきましょう。

  風景写真では、一日の中でどの時間帯に撮影するかが重要です。 実は場数を踏んだカメラマンは、日の出や夕暮れ時にいい風景が撮りやすいと知っています。 アマチュア写真家はしばしばこの重要なポイントを見落として、日の高いうちにいい写真を撮ろうとします。 それは意外とうまく行かないものです。



適切な露出

 露出とは、写真の明るさや暗さを意味します。 写真を習い始めたばかりの人が最も注意を払うべきところです。
 写真の露出をコントロールするには、「絞り」「ISO」「シャッタースピード」の3つの方法があります。 これらは互いに連動していて、個別に切り分けることはできません。現代のカメラはオートの性能が向上して、露出バランスのいい写真をカメラ任せで決めてくれます。
 中性露出と言って、デジタルカメラのオートは中くらいの露出になることを得意としています。が実際のところ、中性露出が必ずしも最良の露出とは限りません。 例えば、晴れた日に人の写真を撮っているとします。 カメラは人物の顔を暗く、背景を明るくしすぎてしまいます。 そのため、オートでニュートラルな露出補正を施すと、顔と背景の中間の露出になります。主題の弱いどっちつかずの写真になってしまうのです。それで撮るうちに不満を覚えることも出てきます。むしろそんな気持ちが起きた時こそ、成長のチャンスです。積極的にマニュアル撮影に挑み、失敗を繰り返すことで、露出のバランス感覚は自然に身についていきます。



適切な被写界深度

被写界深度は、プロの撮る人物写真で顕著に差が出ます。 被写界深度が浅いということは、写真の被写体がシャープで背景がぼやけていることを意味します。 このテクニックを習得することで、あなたの写真をよりプロっぽいものに変えることができます。

 被写界深度の浅い(つまりよく背景や前景のぼけた)写真を撮るには、

できるだけ明るいレンズを使用する。
カメラを絞り優先に設定し、絞りは最も低く設定してください。
レンズの焦点を合わせながら、できるだけ被写体に近づけて撮影します。
被写体と背景の距離が大きいほど被写体は際立ちます。
改めて被写体にピントを合わせシャッターを切ります。



写真のテーマを意識する

 ストリート写真などを撮っていて、面白い被写体を見つけたら、どうしてもその被写体のみに集中しがちです。たとえばへんてこりんな樹木を見つけたとして、それ単体にフォーカスを当てて撮っても、なんだか味気ない写真になりがちです、それは背景となるものをただぼかしたりして、コントラストの妙を忘れているからです。奇妙な物体は知れ自体ではなく、ありふれた背景のなかに溶け込ませてこそ活きるのだと思ってください。

 もう少し言うなら、被写体にとらわれすぎないように注意しましょうということです。 被写体に夢中になりすぎると、周辺のことを忘れてしまいがちです。 面白い被写体を見つけたら、近づくのではなく、逆に下がって立ち位置を変えることで、新鮮な演出を生み出すことができるものです。



被写体の役割分担

 もしあなたの写真が構図で躓いていると思うのでしたら、それは一度に多くの被写体を選びすぎている可能性があります。 中心となる被写体を一つに絞り、周辺のものは中心を生かす役割を与えることで主題が明らかになってきます。撮るときは被写体のみならず、背景にも気を配り、その被写体を最大限に引き立てる背景位置を探っていきましょう。



カメラ視点を変える

 面白い被写体を見つけても、ただ真正面から撮影するだけでは脳はいりません。 プロの写真を見ると、けっこう凝った橋からの撮影が多いものです。 例えば、政治家や偉いの写真は、その人をよりパワフルに見せるために、下から見上げるように撮影します。 街を撮影する場合には、非常に高い位置から撮影して街全体を俯瞰する手法がとられます。




クリエイティブな構図

 構図にこだわることは、今後の撮影結果にも非常に大きな違いをもたらします。
 もしあなたがプロっぽい撮影を目指しているのであれば、少なくとも三分割法を学ぶことで構図への理解が深まります。 3分の1のルールといって、画面を九つの正方形に分割して、その線の交点に写真の主題を置くようにする構図のことです。写真や絵画で最も基本的なルールです。



収差を考える

 ここで言う写真の収差とは、実際人の目では気にならなかったものが、カメラの静止した像をみると浮かび上がる、余計な映り込みの総称とします。 収差があると、写真が粗雑に感じられ、見る人が被写体を楽しむことができなくなります。
 最もよく目にするのは、フレームの端にある収差です。 しばしば撮影者は被写体に集中しすぎて、背景のごちゃごちゃやじゃまな電線などを忘れてしまいがちです。背景の建物がゆがんだり、水平線が湾曲する絵もよく見かけます。写真は被写体だけを捉えるのではないことをわきまえましょう。



写真のシャープネスについて

 写真をくっきり撮りたい心理は誰にでもあります。写真家はピンボケをなにより嫌いますから。それをあえて、ふんわりした雰囲気にしたりするのは、初級から一歩踏み出すことになりますが、それでもシャープネスのさじ加減をコントロールする難しさには気を配る必要があります。じっさい何が原因で写真のシャープネスが低下しているのかを知るのは難しいことです。アマチュアは手振れのせいにしがちで、それも事実ではありますが、より問題なのは撮影者がピントを正確に合わせていないという基本的な事実です。
 オートフォーカスが発達した今、かえってマニュアルでピント合わせできない人が増えています。当たり前と思われるでしょうが、人の写真を撮るときには、撮影している人の目にピントを合わせることが一番です。



まとめ


 初心者が気を付けることの最初の一歩は以上です。これ以前にカメラの構え方や、構図の種類、センサーの違いなど述べるべき点はまだあるのですが、それはまたおいおい追加していきたいと存じます。
 言わずもがなですがカメラを購入したら、(紙、デジタルいずれか)必ずマニュアルがあるはずなので、一度は目を通しておくことをお勧めします。

2021年1月3日日曜日

2021のカメラ予想

 来たるべきカメラ


マイクロフォーサーズ

 昨年オリンパスがカメラ部門を切り離し、事業を他社に譲渡するという衝撃的な出来事がありました。「オリンパス・カメラはなくなるの?」という不安がファンの間でも吹き荒れ、カメラ業界全体へも暗雲が立ち込めました。

 現状ではバトンタッチする日本産業パートナーズ株式会社JIPが、オリンパスから映像事業を承継させたうえで、2021年1月1日付で映像新会社を発足するとのことです。カメラのブランド名がどうなるか等は不明ですが、とりあえずは、オリンパスのカメラは今年も昨年からのロードマップをもとに開発、販売が続けられていく模様です。JIPはソニーのパソコンVAIOを受け継いでいまも事業を継続中の企業なので、オリンパス・ユーザーの期待を裏切るようなことはしないと思います。順調に行けば、今後もOM-Dシリーズのカメラはバージョンアップを、好評の高性能コンパクトなズイコーレンズは、より幅広いラインアップを展開させてくれるはずです。

 もう一方のマイクロフォーサーズ陣営の雄、パナソニックは今年新たな展開が期待されています。アナウンスではハイエンド機を優先的に出していく予定だそうで、おそらくフォーサーズよりフルサイズのマーケットに的を絞っているようです。
 とはいえYouTuberの間で長らく絶対王者として支持されてきたLUMIX GH5の後継機がいよいよ発売されるという噂も現実的ではあります。長らく待たれてきたこの次世代機への期待は大きいのですが、時代はすでにフルサイズ・ミラーレス。ここ数年で多くのYouTuberはメインのカメラ機材をフルサイズにシフトしていきました。果たして一時代を築いたパナソニックのフォーサーズ・ミラーレスが市場に返り咲くことができるのでしょうか? 


AI技術を導入するカメラ

 カギを握るのはオートフォーカス。これまでずっとソニーの爆速オートフォーカスの後塵を拝してきたパナソニックですが、Lumix S5で示した被写体自動認識AFはカメラの新たな未来像を示すものでした。AIのディープラーニング技術によって、被写体を予測するカメラ。これはもはや「考えるカメラ」の嚆矢となるものです。今後カメラはAIを搭載し、撮影状況を把握、判断し、なにをどう撮るべきかを判断していくものとなるはずです。 
 これはパナソニックだけでなく、各カメラメーカー、さらにはAppleやGoogle等もすでに着目し、新たなデバイス作りを模索していると聞きます。
 カメラユーザーとしては、どこまで人の領域に取って代わるのか、それも気になるところ。今後は急速にカメラの自動化が進んでいくような予感がします。


原点回帰からその先へ

 今最も目を離せないカメラ・メーカーと言えば富士フィルムです。
 カメラのトレンドがすっかりフルサイズへと移行する中、フジは一貫してAPS-Cフォーマットに固執しています(正確には中判機からチェキまで幅広いですが)。気が付けばカメラ本体、レンズともに結構なラインアップが出そろい、今後も後継機を続出させる様相を呈しています。昨年11月に発売されたX-S10は新たなシリーズの幕開けで、カメラ入門者からミドル・ユーザーまで幅広く親しまれる、撮る楽しみにあふれたAPS-C機です。
 富士フィルムの強みは何といっても、フィルムシミュレーションでしょう。長年フィルム製造に携わってきたフィルムメーカーならではのフィルムのよさ、それが今日の富士フィルム製カメラのよさに直結しています。年配のカメラユーザーには懐かしく、若い世代にはデジタルにない暖かさ、つややかさを感じさせる富士フィルムのカメラは他社と一線を画する独自性を感じます。人とは一味違う写真を撮りたい方には、ぜひ注目していただきたいブランドです。


カメラのトレンド

 今年は去年よりさらに動画撮影を強化したVlogger向けのカメラが増えるとみています。これもスマホで簡単に撮れるビデオ映像が世界に溢れ、動く映像を見たいという需要が急成長しているためだと思われます。また影響力のあるビデオ・ブロガーの映像制作技術やセンスの向上が目覚ましく、より美しい映像を提供する必要に迫られています。
 昨年ソニーから発売されたZV-1は水準を超える美しい映像を気軽に楽しめる扱いやすさがウケています。ここアメリカでもしばしばストリート・ビデオグラファーがこのカメラ片手にスケボーの映像を撮ったりするのを見かけています。パナソニックからも同様のVloggingに特化したカメラが出ましたし、今年はどのカメラにも動画の質、操作性の良さなどが組み込まれるでしょう。昔は動画機能などオマケ程度のものでしたが、これからはカメラ単体に対する評価も動画機能の充実が大きなポイントになる時代なのです。

 
初心者にふさわしいカメラ

 最新の各メーカーのラインアップを見ると、上級者よりの高級機に力を入れているのは明白です。しかしそれに乗っかる必要はありません。はじめてカメラを手にされる方には、ずばり使いやすさ中心で選ぶことをお勧めします。多機能、高性能はいいに決まっていますが、カメラを習い始めるのに、読むのも難しいカメラマニュアルを必要とするような機種は不要です。
 各社から出ているエントリー機の最新機種を選ぶ、これがいいカメラを購入するコツです。なによりビギナーの使い勝手を第一に設計しているはずなので、操作に迷うわずらわしさもありません。新しい機種は最新の映像エンジンですし、上位機種から受け継ぐ優れた機能も期待できます。メーカーや販売店のキャンペーンの対象となることも多いので、お買い得であることも間違いありません。
 技術進歩の著しい業界ですから、どの入門機でも、5,6年前の上位機種を凌ぐ性能を得ることができます。各メーカーから出る最新情報をキャッチし、よりアップデートされたカメラの実機を店頭で確認しましょう。


ポイントは

1 手にして馴染むかどうか。
2 操作系のボタンや液晶の配置、デザインがわかりやすいか。
3 自分の求める機能を優先する。
 例えば、オートフォーカス、暗所性能、シャッタースピード、レンズの明るさ、モニター、ファインダーの認視性、バッテリーの持ちなど。
4 最後にビギナーが見落としがちなのが、メーカーの将来性です。特にレンズ交換式のカメラの場合は、選択で将来のレンズ、周辺機器の揃え方も違ってきます。どのメーカーのどのフォーマットでいくのか、今後のカメラとの付き合いを視野に入れながら、慎重に選んでください。


おススメの入門機

個人的にはいま使っているパナソニックのLumix G8はビギナーにとって普通に名機と呼べる万能型ミラーレスです。マイクロフォーサーズはフォーマットが小さめなので、不安視する方もいるようですが、パソコンモニターで見る程度なら十分に美しい写真です。操作性もシンプルですし、ソフト的なバグも少ない。マイクロフォーサーズの利点で言えば、望遠、手ブレに強く、コンパクトでどこにでも持ち歩ける気軽な高性能機です。価格もフルサイズ機の半分以下で買えるので、その分で広角や単焦点レンズを買う方が、撮影の幅を広げることになります。
 APS-C機ならフジフィルムのエントリー機、X-T200がおススメです。小型軽量で暗所にも強く、オートフォーカス性能も水準以上です。豊富なレンズ資産も選べる楽しさがあり、今後のステップアップにも役立つ一台です。
 それでもやっぱりフルサイズが夢という方には、キャノンの EOS RPがお手頃です。上位機種譲りのスペックはビギナーに必要十分。それでいて文字通り破格のお値段でフルサイズが楽しめます。アメリカでは日本よりも安い、レンズキットが出ています。本体に24-105mmのRFズームレンズがついて$1299。クリスマスセールではそこからさらにディスカウントもあったようで、飛ぶように売れたそうです。


  
 いずれのカメラであれ、最初の一台は、大げさに言えば人生を左右するかもしれない大切なもの。ぜひ検討を重ね、自分に合う最高の一台をお選びください。









 
 

2021年1月2日土曜日

カメラ業界今年の展望と期待

 2021年のカメラ予測



 新しい年を迎え、カメラの世界もいよいよ新時代に突入しようとしています。あなたは今年どんなカメラに期待していますか。

 ニコン、キャノン、ソニー、三つ巴のフルサイズ・ミラーレス競争に拍車がかかるのか、それともAPS-C機に新展開があるのか。はたまたパナソニックやオリンパス、富士フィルム、ペンタックスらがどのような戦略で上位に挑むのか、興味は尽きません。

 時代の流れから、これまで4半世紀にわたってカメラ業界を引っ張ってきた一眼レフ機が急速に開発、製造ペースを落とすとみられています。それに伴い、旧機種の販売価格も一部を除いて大幅な下落も囁かれています。決まったメーカーで一眼レフのレンズ資産が豊富な方は、機種交換のチャンスだと思います。

 一方でこれからカメラを趣味で始めようという方は、安くなったからと言って、一眼レフ機に飛びつくと後悔するかもしれません。時代はミラーレス主流へと確実に進んでおり、ミラーレスならではのビギナー向け利点もこれからどんどん発展していく時期です。最新テクノロジーの恩恵を受けるなら、やはりミラーレスで決まりでしょう。

 かねてから私の主張は「カメラは軽量小型にすべし」です。これは業務用も含め、すべてのカメラに言えることです。それに尽きると言ってもいいくらいです。いくら性能がいいカメラでも重く大きいカメラを扱えるユーザーは少数派です。ただでさえスマホにシェアを奪われて減少する一途のカメラユーザーを少しでも取り戻すには、カメラのコンパクト化しかほかにすべはないと思うのです。

 限られたプロやハイアマチュア相手に事業規模を縮小してでも、今の路線(重たい、大きい、でも高画質)を貫くというならそれも結構です。しかしもし、より多くの写真好きを取り戻したいなら(あるいは増やしたいなら)小型軽量化に路線を進めるべきです。


フルサイズ・ミラーレス

 フルサイズ一眼は確かにとても魅力的なものが多く、プロカメラマンや評論家、ユーチューバーらがこぞって絶賛するのは当然です。でもその割には売れ行きに反映されていません。むしろカメラ全体のバランスが崩れ、高額高性能のフルサイズ一辺倒、頭でっかちの販売体制が気になります。

 以前キャノンは上位機種から下位まであらゆるラインアップを全方位で揃える戦略でしたが、もはやそこまでの体力はないようです。ドル箱だったパワーショット・シリーズには欠番が増え、売れてる順にかろうじてバージョンアップしたものが数種存続している、そんな現状です。

 ミラーレスはここ数年、注目度は抜群ですがそれほどカメラ市場を活性化させたかというと、そうでもありません。CIPAによると、2019年デジカメの総出荷台数は、前年比およそ78%で約15万台。内訳はレンズ一体型が前年比78%、676万台です。レンズ交換式も同様で、前年比約78%の846万台と下降気味です。レンズ交換型では一眼レフが前年比68.0%と大きく縮小したものの、ミラーレスはなんとか95.6%と1桁減といった有様です。ちなみに交換レンズは前年比83.6%の1424万本だったとのことです。

 決算は出ていませんが、2020年の出荷見通しでは、デジタルカメラ総出荷台数を前年比76.7%の1167万台としたものの、それをやや下回る見込みです。そうなると高価格帯のフルサイズ中心でカメラ業界を回してゆくのに疑問を抱く関係者も少なくないようです。カメラ全体の発展のためにはフルサイズ機のトップエンドを発展させる必要はあります。しかしこの現状で行くと、2021年22年には息切れするメーカーも出る可能性があり、極めて危うい舵取りが続いていくのではないかと思われます。


小型フルサイズへの期待

 去年ソニーが出したa7Cはフルサイズとしては画期的なコンパクト化を図ったとして話題になりました。しかしこの記録は早晩塗り替えられるでしょう。これ以前に出ていたSIGMA fpが今のところ最小サイズのフルサイズ機(外形寸法112.6×69.9×45.3mm、質量はボディ単体370g)ですが、今後さらに小さいのが出る可能性が大です。



カメラマーケットの裏事情

 スマホカメラとフルサイズカメラの最大の違いはレンズです。カメラメーカーの重要な収益源はカメラ本体より交換レンズにあります。それぞれ特性を持ったレンズをとっかえひっかえすることで、違った写真表現ができる。この醍醐味が写真ファンを引き付けてきたわけですから、この一定数の顧客を切り捨てるわけにはいきません。カメラメーカーの矜持をもってこのレンズ制作は今後も続けられるとは思います。ただ生産コストと労力が需要に見合うかというとそれは苦しい未来が待っている現実も否めないでしょう。

 そういった見方から、カメラメーカーの中には大きく路線変更に踏み切るところも出てくるかもしれません。

 ありえないことでしょうが、個人的にはカシオあたりがカメラ事業を復活させて、スマホカメラのデジタル的特性を活かした、コンパクトな高性能機を出してくれたら面白くなるかもしれません。あるいはこれもないでしょうが、アップルが映像事業を拡張させ、iPhoneと連動させた、より高度なビデオ兼カメラ機器を開発すると、面白いものが出てくるような気がします。

 こうなってくるとカメラメーカーはますます変革を余儀なくされますね、間違いなく。

 個人的にはカメラメーカーに頑張って欲しいのですが、光学技術がソフト的処理技術に凌駕されることはないと思っていた数年前とは、もう事情が違います。あと10年、いや数年でカメラは想像もしないものに変わっているかもしれません。たとえばAI技術の導入で、素人がファインダーを覗いていても、カメラのなかに組み込まれたプロ・フォトグラファーの撮影手法がオートで作動し、プロ並みの写真が撮れてしまう、とか。


市場活性化の条件

 カメラは今後ソフト的な技術開発で差が出てくるでしょう。ソニーのAI技術、とくにオートフォーカスの進化は大方のカメラファンの予想を良い意味で裏切り、驚異的な発展を遂げました。世界最速0.02秒ってもうそれ以上要らないでしょってレベル。さらに瞳フォーカスは人から動物まで領域を拡げ中。こうなると、特定のモノ撮りにも対応し、撮影者の狙いを予測して、その物体に最適なフォーカスや明度、被写界深度で撮ってくれるカメラも出てきそうな気がします。

 さらに考えられるのは、複数レンズの搭載。これやると今度はカメラの方が、あとからスマホを追いかける形になりますが、利点があるなら、出てきても不思議ではありません。複数のカメラを連動させることによって、より目的に叶った合成写真がカメラ内で生成されるのです。問題はソフトによる処理によって生じる電力消費、熱問題などでしょうか。でもこれも技術的に不可能ではないので、少しづつクリアしていけると思います。

(注:開発担当さんゴメンナサイ。外野で言うのは簡単ですが、実作業では難関山積み、そんな簡単にはいくはずありませんよね。業種は違いますが、音響メーカーでスピーカーなどを開発している知人に夢のような未来型ヘッドフォンの話をしたら、「そんなのできるわけねーだろ!」と怒鳴られました)


PENTAXの矜持

 このようなデジタルが全盛に向かうさなか、PENTAXが打ち出した一眼カメラの原点回帰とも言える光学ファインダー維持の宣言は注目に値します。

 ペンタックスは今後もペンタプリズムを通した撮影にこだわり、「現実の光を見て、感じながら撮る」そういったカメラを作り続けることを約束してくれました。

 確かに初めて一眼レフカメラのファインダーで見た世界は本当に正直で、見たままの映像を残してくれました。昨今のデジタル処理されたカメラの写真は、実際目で見たものより、鮮やかすぎたり、逆に抑えすぎた演出が目につく傾向があります。それに慣らされると、みんなきれいな写真ばかりになって、撮る側が甘やかされてしまいます。

 昔は撮っても撮っても失敗が続き、やっと満足に撮れた一枚がやけに誇らしく感じたものです。そんな人とカメラの付き合い方が少なくなった昨今、マニュアルでアナログな撮り方を楽しむカメラはずっと存続していただきたいものです。

 ペンタックスの一眼は使ったことがありませんが、ファインダー撮影独特の臨場感を追求する姿勢は好感をもてました。今後が楽しみです。

まとめ

 さて今年期待される各社のカメラの予想はどうなっているのでしょうか。


SONY

 今年のソニーで確定しているのは、最初の四半期に新しいハイエンドカメラを発表するってことです。巷では「a9ナントカ」となるはずの新型機で、目玉はオーバーヒートなしで8k30pの動画が撮れるということ(らしい)です。4kが成熟する前にもう一足飛びで8K!

 そして第2四半期で待望のa7 IVの登場が予想されています。より高画素化が図られ、画像処理エンジンも最新、より高精細な動画性能、EVFやインターフェースもより良いものに改良されるとのことです。


CANON

 フルサイズではR5の好評を受け、よりリーズナブルな下位機種にも期待が高まります。ソニーに奪われているシェアをえぐり取るには、さらに戦略的な新機種が望まれるところです。たとえば、ハイレゾショットなどを組み込んだ初心者向けの超小型フルオート機。徹底した軽量化を図りカラーバリエーションも豊富な普及型フルサイズ・ミラーレスなんかが出るとグッドです。

 キャノンの懸念は、今後EOS Mのラインナップをどうするのでしょうか。存続か、廃止か。大方の見方は遠からず新しいAPS-Cレンズ規格が出ると予想しています。そうなると昨年末にでたEOS KISS M50 IIはどうなるんだって話です。もうこれで打ち止めでしょうか。新たなランズが出ていない現状を見ると、どうしても購入をためらってしまいそうです。


NIKON

 ミラーレス化で一番遅れを取ったニコン。去年はZ7 II、Z6 IIと同時に出したので、上位機は一休み。今はレンズのラインアップを充実化することが急務と見られています。今年はZマウント用のレンズが自社以外からも数種以上が出されるという話です。レンズを揃えるのと同時に期待されるのは、キャノン、ソニーを上回るハイエンド機もさることながら、同じマウントのレンズを共用できるDXフォーマットのAPS-C機に期待がかかります。Z50が好評だっただけに、これに連なる上位、下位両機種をぜひ見てみたいものです。


 以上、フルサイズ・ミラーレスでしのぎを削る三社の今年を展望しました。次回はそれ以外のメーカー各社の動向を見ていきたいと思います。



 

2021年1月1日金曜日

冬こそいい写真を撮る

 冬景色を楽しむ

 


 アメリカではクリスマスが過ぎると、町は急激に華やかさが失われ、新年を過ぎると、ただただ長いモノトーンの冬が続く・・・。そんなイメージがあります。日本ではお正月が控えており、またひときわ新年を祝う華やかさが、町を賑わせるのですが、アメリカはそうじゃありません。新年の祝いなんて1月1日だけで、翌日からみんな何事もなかったかのような日常に戻ります。アメリカの1月はホントに味気ないのです。

楽しかったクリスマスはあっという間に過ぎ・・・

 

 写真を撮るにしても、日本のようなあでやかな着物姿もないし、商店の新年の祝賀気分もまったく見られません。

 そのような理由から写真撮影も新年以降は撮影機会ががたっと落ちる。それがアメリカでの現状です。いずこも似たようなものでしょうが、一般的にだれでも1月半ばから二月いっぱいまで写真を撮影をする量は減るようです。でも一部のカメラ好きの人はむしろ積極的に外に出て冬景色に面白さを見出します。そこには普段見慣れない風景が現れるかもしれないからです。

突風で雪が壁を超えるシーンに遭遇!


 写真を撮る人はとにかく日頃外を出歩いていても、ものの見方が違います。常になにか面白い素材はないかと見てしまうのです。カメラに興味のない人が素通りする場面でも足を止め、ファインダーを想定して、あ、これ面白いかもと考えてしまいます。

 カメラ片手にそういった視点を持って外出すると、冬という季節は格好の素材があちこちに転がっていることに気づくのです。

 かく言う私も昔は冬が嫌いでした。冬というと野や山もモノトーンのイメージが強くてあまり綺麗な写真が撮れないだろうと思い込んでいたのです。はやく春が来て色とりどりの世界を撮りたいと、家に閉じこもっていました。しかしある時、ナショナル・ジオグラフィック誌に冬景色の特集があって、そこに掲載されていた写真の数々にいたく感銘しました。それらは氷山から吹雪の山野、氷の芸術まで様々な冬の側面を切り取っていて、冬はなんと豊かな表情があるのだろうと思いました。そして普段目にできない冬ならではの一瞬をとらえる醍醐味に魅せられたのです。

たとえばこんな写真(私に撮れるわけないです!)


 とはいえ、写真を見るのは簡単でも、いいシーンに巡り合い、じょうずに撮るのはそうたやすいものではありません。いろんなところに赴き、寒さに耐えて歩き回る覚悟も必要です。でもあくまでアマチュアの趣味です。そんなきばって芸術的な写真を撮ろうなんて思わず、氷や雪を楽しむスキーヤーやスケーターの気分でカメラを持ち出せばいいのです。悪天候で寒くなったら帰ればいい。もっと気楽に冬景色を撮ろう。アマチュアはそんなゆとりある心構えでいいと思います。


 そんな軽いノリで撮った最近の写真が以下のものです。


 え? なにこれ、と思われませんか。川辺に垂れ下がる木の枝に氷がまといついたものです。川面につくすれすれの部分が円錐状に丸くなっているのが面白いです。これも自然が作り出した天然のアートですね。



 こちらは川の上に横たわった倒木から滴り落ちる水がつららになったものです。



  普通のとんがったつららではなく、先へ行くほど太くなるバットのような形状の氷も見られました。


 氷にくるまれた木の枝が朝日でまるで宝石のように輝いていました。


 氷の張った何気ない石ころだらけの地面も、撮り方によってはこんな不思議な写真になるのが面白いです。みなさんも外に出て冬ならではの風景をカメラに収めてみませんか?