2020年8月31日月曜日

日米クルマ対決

Cadillac VS Subaru


  現在、私がリムジン業務で最もよく使用しているのはキャディラックのSRX、2016年型です。6シリンダー、3.6リッター、308hp@6800rpmとこのクラスでは申しぶんないスペック。走行は静かでスムーズ、特に時速50−80キロ前後での加速性能は素晴らしく、特筆に値します。仕事柄、大人三人にスーツケース4個ほど詰め込んだ状態で長距離を走ることもよくあるのですが、粘り強い走りで、制動力もほとんど落ちることはありません。底力のある車といいましょうか、アクセルを踏み込んだときの加速する手応えは、勾配のあるのぼり坂などでこそ発揮され、後続のクルマを置いてきぼりにするのはお手の物です。乗客からの評判も上々で、バックシートの座り心地もよく褒めていただきます。内装は至って堅実な作りで、日本車のちゃちなものとは素材が違います。ゆったりとした座り心地は日本の中型車にはない高級感が漂っています。

 そんなどっしりした実力派のキャデラックSRXにも注文をつけたい点はいくつかあります。ステアリングの遊びがやや大きめで、ヘアピンカーブが連続する山道や、タイトな高速道路、たとえばマンハッタンの西側を走るFDRなどで(ちょっとしたハンドルさばきのミスが前後左右のクルマとの接触を招きかねない道です)、このアメ車はコンマ数秒ハンドルの取り回しが甘いのです。ほんの僅かキモチ的な誤差ですが、運転者の意図より遅れて反応するので、今ではそれを見越した運転をするのが癖になってしまいました。

 あと、これは設計上の誤算だと思うのですが、後部座席のみ窓を開けて走行すると、入ってくる空気が必要以上に振動をもたらします。速度を上げるほどその振動はバタバタと大きくなり、高速では運転者の鼓膜に圧迫感を覚えるほどに、空気の振動をモロに受けてしまいます。解決策は前の窓を開けるとおさまる、と知っているのですが、冬の寒い日などは外気をモロに受け、厳しい状況となります。このような欠点もあるキャデラックSRXですが、概ね故障やトラブルもなく、3年余り気に入って使用させてもらっています。

 これ以前に主力で使っていた車はリンカーンのMKTや、MKXでした。今使っているキャデラックと並び、いずれもアメ車の高級車のラインアップからの車です。格で言うとベンツやBMWのミドルクラスに対抗すべく作られたものすが、正直人気、実力ではヨーロッパ車に一歩譲るような立ち位置だと思います。総合的な評価ではレクサス、インフィニティあたりの主力SUVと張り合う立場ですが、売上はいまのところ日本車に軍配が上がりそうです。

 そんな仕事周りの車事情ですが、個人で今移動に使っているのは2014年のスバル・アウトバックです。古くから北米で大人気のSUVで、東海岸では広くマイカーとして使用され、その性能の良さには定評があります。

 私もかれこれこのアウトバックを5年以上使用していますが、目立った故障はありません。おもに娘が大学の通学に使っていたのですが、今学期はオンライン授業ということで、スバルの活躍の場は減りそうです。家内も買い物にこのアウトバックを愛用します。

 このアウトバック、スバルだから当然4WDで雪道にも強く、CVTの安定した無段階ギアチェンジが使うだに気に入ってきます。アメ車の多くはギアチェンジ時にガクンと、いかにもギア変わりましたよ的なリアクションがあるのですが、スバルの場合、じつに加速もスムーズで、時速90キロ前後でも、高級車に引けを取らない走りを見せてくれます。毎日キャデラックを運転する私が、アウトバックに乗り換えてもパワー感以外はまったく遜色なく、むしろ総合力ではスバルに軍配が挙がるのではとさえ思っています。もちろん内装のコストのかけ方は一目瞭然ですが、車にとっていちばん大事なのは、運転全体でいかにストレスが少ないかが重要です。その点スバル・アウトバックは秀逸で、アメリカのいかなる道を走っても、堂々胸を張って運転できる素晴らしい車だと思います。

 そういうわけで、日米それぞれの車を公私それぞれ使い分けて運転しています。ミニバンもアメ車と日本製を交互に乗り変えたりするのですが、改めて日本車の優秀さを再確認することが多いです。その上で、アメ車も乗り続けていて感じるのですが、性能はどんどん良くなってきています。じわじわと日本車との差は減ってきているというのが実感。車種によって開きはありますが、年々良くなっていくアメ車も多いです。

 もはやアメ車だからってナメてる時代ではありません。日本勢も引き締めていかないと、今後アメリカのメーカーからも、どんどんいい車が出てくる、そんな予感がしています。

 

2020年8月30日日曜日

アメリカ観光:トレイル編

 壮大なるアパラチアン・トレイル


 この季節、たくさんのハイカーがうちの近くの山野を訪れます。ハドソン川に沿ったこの界隈の自然は美しく雄大で、観るものを魅了します。全米各地から老若男女のハイカーたちが集って来るのですが、中でもゴリゴリのプロ級ハイカーが挑むのが、世界最大級の自然遊歩道、Appalachian Trailです。

 このスケールのトレイルは大陸でなければ体感できません。アメリカ東部にあるアパラチア山脈という長大な山々に沿ってつないだ長距離自然歩道です。北はメイン州から南はジョージア州まで全長3529キロメートルの山道です。あまり長くて実感がわきませんね。北海道北端の稚内駅から鹿児島駅まで車とフェリーで走ると最短2721キロだそうです。そうですこのトレイルは日本列島よりはるかに長いのです。それはもう気の遠くなりそうなほど。

 


 当然大半の人はこのトレイルの部分部分を半日ほど歩いて満足しています。ところが中には猛者がいて、このトレイルを全部歩き通すスルー・ハイカーという人達がいるのです。彼らは一日50キロから100キロ前後歩きます。起伏の激しい山道が多いので、容易なことではありません。それを嬉々として楽しむのが筋金入りのハイカーというわけです。こんな人がアメリカにはたくさんいて、毎年2000人ほどがこのスルー・ハイキングに挑むそうです。しかしその殆どが途中リタイア。完全踏破できるのは年に20人に満たないといいます。

 宿泊は自前のテントとか山小屋やロッジがあればいいのですが、なければ山を降りて近隣の宿泊施設を使う事になります。けっこうその行ったりきたりに手間と時間がかかります。私は依頼があれば4輪駆動車でハイカーの待つところまで行き、B&Bなどにお運びします。ほかにもこの壮大なスルー・ハイカーを支援する人たち(道案内や食料、物資の調達係など)が地域ごとにいて、こういったサポーターはトレイル・エンジェルと呼ばれています。全行程歩くには半年から一年かかると言われていますから、単独で全て成し遂げるのは不可能に近いのです。

 私はこのアパラチアン・トレイルに属する山道の一部を何度か歩き回りました。デイ・ハイクといって、すべて日帰り旅なので30キロが限界です。これ以上歩くと次の日の仕事に差し障ります。これはごく一般的ライトなハイキングになりますが、それでもそれなりの装備で行かないと、泣きを見ることになります。しっかりしたトレイル・シューズはもちろんのこと、GPSが利用できない場所に備えて、紙の地図も現地で手に入れてから望むべきです。うちの近隣でも夏場はしょっちゅう道に迷ってレンジャーに救助される人が絶えません。スマホも役に立たないと思っておきましょう。電波おn届かないところのほうが多いです。予備の水や食料、救急用具一式や発煙筒、虫除けの薬などもあったほうがいいでしょう。ひたすら山を歩くのは苦痛のほうが多いのです。

 しかしときおり、たどり着いた場所で思わぬ感動の風景を目にすることがあります。ああ、なんて美しい景色なんだ、と。それは苦労して歩かなければ観ることにできない感動です。おそらくスルー・ハイカーもそんな感動との出会が忘れられないから、挑み続けるのだと思います。

 先日ハイカーからの電話で、駅まで迎えに来てくれとの依頼があったので行くと、30代のカップルがフル装備で待っていました。行く先を聞くと、二人は先回途中まで歩いたアパラチアン・トレイルの地点まで行ってくれとのこと。彼らは目的地をGPSで示しました。山の中なので住所番号などないのです。彼らはあくまで地球上の座標ありきで行動するのです。今回は幸い指示された地点までカーナビが案内してくれました。というか、その地点まで車では行けないので、トレイルの入り口ポイントまでご案内しました。

 二人はこれから明日にかけて120キロ歩く予定だとか。山中で一泊し、翌日終日歩いて、夕方また近郊のトレイル・エンジェルの助けを借りて、最寄りの駅まで戻り、帰宅するのだそうです。マンハッタンからきたこの二人は、こうして休暇を利用したり、週末を活用して、少しずつこの長大なアパラチアン・トレイルを歩きつないでいるのです。こういったハイカーは結構多く、以前出会った高齢のハイカーは、3年越しでこのトレイルを行ったり来たりしているとおっしゃっていました。なんとも気の長い、壮大な趣味です。

 私も地元ばっかりうろうろしないで、いつか全行程のいいとこだけをピックアップして歩きまわりたい、などと虫の良いことを目論んでいます。アパラチアン・トレイルはそれくらい魅力に満ちたハイキングの王道なのです。皆さんにも一度はこのグレートなハイキングにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

   


2020年8月29日土曜日

B級スナック選手権

 ジャンクスナックの王様


 

 突然ですが、数あるアメリカのスナック菓子の中で、どれが一番なのか、決めるための選考食事会を開催します。

 え? 一番って何が? と思われた方、聡明です。

 実はまだ決めていません。味なのか、人気なのか、健康に一番最悪なのか、はたまた売上が最高なのか。基準はいくらでもありそうです。強いて言えば、ジャンクらしさの際立っているやつが勝ちってことになるかもしれません。

 なぜそんなことをするのか。それは近頃、うちの子供達に何かお菓子でもと買ってきたものがことごとく却下されるのに業を煮やしたからです。

 きみたち、小さい頃はダディが買ってくるお土産には、何だって大喜びではしゃぎまわっていたじゃないか。なんだよその無言のダメ出しはぁ! ってな感じです。

 実はうすうす感づいてはいます。娘たちも年頃になり、ダイエットや体型を気にする年頃です。花より団子の時代は過ぎ行き、美と健康への意欲が勝ってくるのは当然の生理です。

 でもそれだけではありません。私は最近気づいたのですが、うちの子どもたち、世の中にもっと美味しく麗しい食べ物がたくさんある事実に目覚めてしまったのです。何ということでしょうか。ひたすら隠してきた上級上品な菓子の存在がネットや口コミのよって漏洩してしまったのです。ああ、もはや隠しけれないマカロンの味ってところでしょうか。

 私の幼い頃で例えるなら、かりんとうばかり食べていた幼稚園児がはじめてプリンを食べたときの衝撃ってところやね。

 と言うくらい、我が家は昔からずっとB級のおやつばかりを与え続けてきました。うちは家内が甘いものを敵視する傾向が強く、子供の幼い頃から与えたがらなかったのです。私はその反動から買い物に行く度に不憫な子どもたちに糖分たっぷりのお菓子を持ち帰っては与えていました。当然、家内とは口論が絶えませんでした。

 とりわけウォルマートで買ってきた超巨大ロリポップなどは「そんな毒を与えて虫歯になったらどうするの!」と家内が吠えたものです。

「しっかり歯を磨けば問題ない」と突っぱねる私。菓子袋を取り上げて持ち去ろうとする子どもたちが恨めしそうに家内を見ます。

「ほうら、こんなんだから、いつも私が悪者役にされるのよ」家内は怒りをあらわに私をにらむのでした。

 そんなこんなで、ジャンク菓子にはいろいろ思い出があります。楽天的な私も健康のことを考えてそろそろジャンク菓子とは決別しなければいけない、と漠然と考えます。

 そいういった思いも込めて、過去を振り返りながら、我が家が食してきたジャンク菓子を再考し別れを告げようというのが今回の企画です。

 前置きが長くなりました。

 さて数あるアメリカのジャンク菓子の王様はどれになるのでしょう。これは全くの独断と偏見によるものです。系統立てた調査もしません。いきあたりばったり、思いついたものを取り上げて類似品と比較して、段階的にフルイをかけるがごとくに、最高のジャンク菓子を模索先行していきたいと思います。

 で第一回のエントリーは、

LIttle Debbie

出た。いきなりジャンク菓子界のキング・ブランド出しちゃりました。アメリカ在住の人はこのブランド名を聞いただけで「うわ」と思うでしょう。やはり最初はコレくらいのインパクトがなけりゃ駄目です。実はLIttle Debbie、今年でちょうど創業60年なのです。この偉業に敬意を評して一番バッターとして登場していただきました。

グロッサリーストアー最大手のウォルマートからガソリンスタンドまで、アメリカじゅうどこへ行っても売ってます。トレードマークの女の子のイラストは、可愛いんだかどうだか微妙な田舎っぽさを醸し出していますね。長方形の紙でできたパッケージがたいてい売り場の目立つ棚に並んでいます。この置き場所からもメーカーの実力、人気、力関係が読み取れます。LIttle Debbieがいかにジャンク菓子界で中心的存在であるのかがわかります。

商品は多彩。

 代表的なものに、DEVIL CREAMS、STRAWBERRY SHORTCAKE ROLLS、CHOCOLATE CUPCAKES、SWISS ROLLSなどがあります。いずれも味は似通っていて(こう言うと身も蓋もないな)ほとんど共通の原材料でつくられていることがわかります。

 これに対抗するのが、Drake's Cake、Hostessです。こちらもアメリカぐらしの長い人なら、ああ、あのチョー甘の体壊しそうなジャンクフードね。と反射的に思うでしょう。中には忌まわしいものを見るように避けて通る(失礼な)人もいるかもしれません。自慢じゃありませんが、うちの子達は小さい頃からこんなおやつを食べて育ってきたんです。あ、あんまり憐れまないでください。そこそこ素直で健康に育っていますから。(念の為)

 それにしてもDrake's CakeなんてLIttle Debbieの商品と告示し過ぎだよな、訴えられないのかな、と思って調べたら、親会社がおんなじなのですね。McKee Foodsという、たくさんの食品メーカーを傘下に抱える、巨大企業。日本で言えば、グリコやロッテみたいなもんでしょうか。ああ、だから似たような商品が多いのですね。DEVIL DOGSなんてまんまDEVIL CREAMSそっくりですわ。ついでに味の違いもわかりません。ただ甘いだけ? ええそんなモンですこの世界は。

 対抗馬のHostessは2013年に既存の旧ケーキ・ブランドを買い取って再出発しました。先行するジャンク菓子界を追い落とすような勢いで急成長を遂げています。Twinkies、CupCakesなど誰もが知るヒット商品が多々あります。が、私は溶けて固めた砂糖をこってり塗りたくったJumbo Honey Bun。この一品をみるたび、「ああこれ食べ続けたらぜったい命ないな」と思ったものです。

 ええ、この業界のお菓子に「健康」とか「栄養」などのワードはタブーです。ひたすら甘く、ひたすら思考停止でその味に溺れるのが正しい食べ方なのです。だから売れ続けるのです。

 まさに現代のヘルシー志向一辺倒の風潮のさなか、真逆を突っ走り奈落に向かう潔さです。

 食の安全? どんな成分で出来てるの? そんなのパッケージ見て腰抜かせ。ええ、もうどうにでもなれ、の業界なのです。今だからこそ敢えて讃えましょう。ジャンク菓子バンザイ。

 そういうわけで、このシリーズこれからしばらく思いついたときに続きます。アメリカにあまたあるアブナイお菓子の世界にネタは尽きません。

 ではまた次回お会いしましょう。



 


2020年8月28日金曜日

副業を選ぶか、正業にこだわるか

 仕事をどう選ぶか

 これはあくまでもアメリカで暮らす、私の職業選択の事例です。

 今、沢山の人が仕事にあぶれ困っている中、この先どういう道を選ぶべきか、参考になれば幸いです。

 いままでもそうだったのですが、私は多くの時間を副業とともに過ごしてきました。日本の多くの企業が副業禁止ですが、アメリカは自由を旨とする国。かなり広範囲の分野で副業は認められています。

 私は今現在、リムジンの運転を6割、グラフィック・デザインの仕事を3割、あと一割が知人の花屋さんの配達業務などを手伝っています。車の運転が好きで、アートが好きな私には、低所得であること以外はさほど不満のない環境です。できるかぎり自由な時間が欲しい自分にとっては、理想に近いとも言えます。しかしコロナの問題が起きて、それまで6割を占めてきた運転の仕事が3割程度に下落しました。加えて広告デザインの仕事も、ぱったり途絶えてしまったのです。

 これが4月の中旬に始まり、8月に入ってやや持ち直しの兆しは見えてきたものの、このペースでは冬を越すことさえ難しい状況です。

 幸い、公立学校に勤務する家内の仕事は安定しており、夏休み中も給料が出ていたのですが、学校側の人員削減の噂はずっとついて回っています。

 この先行き不安な状況を打破すべく、私は6月から7月にかけて求職サイトindeed、UpWork、linkdInなどに登録してみました。いずれも希望職種はグラフィック・デザインとしました。まあこんな時代でも少しはデザインの仕事もあるだろうと、楽観していたのですが、それは見事に裏切られました。待てど暮らせど希望の就職先は見つからず、こちらから積極的に数件の募集先にレジメを送っても返事すらもらえません。

 嘘でしょ、そう思いました。十数年前、同じような就職活動をしたときは、贅沢を言わなければそこそこの仕事が複数選べる状況でした。広告業界が調子の良かった頃で、即戦力になると見れば、中途採用も積極的に取り入れる風潮だたのです。

 でも今回は違いました。私の見通しは大甘だったのです。8月に入ってレジメを書き直し、希望要件を浅く広くしました。はじめ時給換算希望額25ドルだったのを一気に15ドルに下げ、短時間のパートタイムも可としました。それでも芳しい結果は得られません。マンハッタンで数件アート・デザイナーを募集していたのですが、あっという間に締め切られました。いわゆる有効求人倍率が何倍にも跳ね上がっている印象です。

 オンラインで登録した求人サイトも、いくつか希望に近い仕事を見つけてくれたのですが、いざレジメを出しても、面接にすら届きません。6月から8月までに私が提出したレジメは14件。全滅です。仮にも10数年グラフィック・デザインの職歴があるのに、どこにも引っかからないのです。

 焦りました。切羽詰まってフリーランスになってから唯一お付き合いのあったクライアントに泣きついて、ようやく週に一日半程度のデータ管理の仕事をもらいました。私の得意分野とはかすりもしない業種です。

 しかしこれだけではとても食っていけないので、いま流行りのUber Eatsも視野に入れています。レストランは生き残りをかけて、デリバリー・サービスを急拡大中なのです。運転に自信がある方ならチャレンジの価値はあります。

 私の会社は、最近ようやくリムジンのお客さんがぽつぽつ戻ってきたので、ちょっと様子見となりそうです。しかし仕事のバックアップの確保は絶対あったほうがいいでしょう。これまでも浮沈の多い、フリーな仕事をしてきたので準備は怠りません。

 先月、むかし同じ広告印刷会社に勤務していた私の元同僚も、私に仕事はないかと問い合わせてきました。困っているのは私だけではないと、変なふうに安堵してしまいました。そのさい彼から、公務員の求職がいいという話をききました。コロナの影響で事務職の仕事量が激増中で、猫の手も借りたいそうです。今なら各地方役所で臨時職員を募集しているはずだから、問い合わせてみればと言うのです。

 お役所仕事はあまり気乗りがしませんでしたが、背に腹は変えられません。ネットで近くの町のローカルな求人広告を探しているとありました。「急募、刑務所勤務」「急募、厩舎にて積み荷の運搬作業」「秋から募集予定、湿地帯の水質検査要員」確かに仕事はありました。

 が、しかしとうてい私に務まるような業種ではありません。頭クラックラしました。先日、元同僚に文句を言ったら、彼はちゃっかり病院のウェブデザインの仕事を確保したと自慢気に言っておりました。それ私にも分けてくれ、と言いたい気分でしたね。

 そんなわけで、いまアメリカでやりたい仕事は、簡単に見つかる状態ではありません。求人サイトもあまり期待しないほうがいいでしょう。

 わたしの結論から申し上げると、今は仕事を選べない時期。ウィズ・コロナの時代を見越して、むしろコロナで人手不足になっている医療関係が穴場かと存じます。まだまだこれから医療関係は人手不足で忙しくなるであろう。これはCVSの薬局に務める薬剤師の人が言っていたことですから間違いありません。いまから医療関係の仕事を探しても遅くはないでしょう。資格のある人、やれる人はこの分野をオススメします。

 私はもう少し粘り強く運転業務とデザイン業にこだわります。どうしても駄目だったら、医療関連。大きな病院には様々な業種がついてまわります。それこそ救急搬送の運転要員だってなくはないのです。そのことは頭に入れて就職活動を続けていきたいと思います。少なくとも日本よりアメリカのほうが転職・副業のチャンスは多いのは事実。ともにがんばって明るい未来を目指しましょう!

室内フィットネス機器 3種

体を鍛えよう

 


 夏の間、運動不足で困りませんでしたか? 
今年の夏は熱中症にコロナのダブルパンチでした。ジムは閉鎖、猛暑で外は歩くのも危険。
私も日課の朝散歩を何度も断念した、悔しい夏が終わろうとしています。
おかげで運動不足は体中、顕著に現れています。肩はコリコリで、中高年特有の出腹体型はますます強調され、足はむくむようになり、しびれも感じます。腰がズシンと重く感じ、ちょっとした労働で疲労が夜に蓄積されてぐったりしがちなのです。
 これはもう典型的な運動不足と栄養不足の結果です。このままでは体力はガタ落ち、贅肉ブヨブヨの無気力人間に堕してしまいそうです。
 なんとかしなければ。せめて気候の良くなる秋頃、颯爽と外をジョギングできる程度にまで体力を回復させたいのです。
 
 そこで思いついたのが、以前息子が筋力強化に使っていたフィットネスマシン、
Gazelle Freestyleを借りるということです。



 以前は狭い子供部屋にあったのですが、今は庭の片隅に休眠状態。少し錆びついていましたが、まだまだ健在です。以前息子はランニング・マシンを使用していたのですが、膝を壊したときにこのGazelleの存在を知り、 乗り替えました。この機は膝に負担をかけることなく、腰回りや足の筋力を鍛え上げるのに最適の筋トレマシンです。膝を伸ばしたまま、足を前後にスウィングすることで、リズミカルな勢いが付き、体幹機能を高めることにも役立ちます。ジョギングしたいがちょっと苦手、そんな人にも簡単に扱えます。もちろ有酸素運動としても効果的で、まだまだ残暑きびしい中、室内でできる体力アップに最適のマシンとしておすすめです。
 
 これに対し、私の義兄が選んだのは、LifePro Turbo 3Dです。



私同様、持病の腰痛を抱えているので、過度なエキソサイズは避けたい身。そんな人に絶好の運動マシンがコレです。
 アメリカではGazelle同様、インフォマーシャルで強力なイチオシ・キャンペーンをしていました。自ら動かずして運動できる、究極のダイエット・マシンとして、かなりのベストセラーとなりました。
 こちらは強力なヴァイブレーションによる、筋力の強化、贅肉の除去が可能と謳われています。運動に自身がない人でも、この機の上に立っているだけで、腹筋運動200回分の効果があると言われています。試しに私も義兄が購入したばかりのLifePro Turbo 3Dを借りて体験してみました。おもったより強力なモーターを使っているのか、かなり強力な振動が体全体に伝わってきます。緩んだおしりの筋肉がぶるぶる揺れて、腰骨までしゃきっとしてきます。説明書にはこれを用いた様々な運動法が解説されていますが、ただ立っているだけでも十分効果はありそうだと感じました。お年寄りや体力のない人、何をやっても長続きしない人には、格好のエキソサイズ・マシンではないでしょうか?
 
 3つ目のオススメは、超シンプルです。
Back Stretching DeviceあるいはBack Massagerと呼ばれるもので、文字通り、背中ストレッチとツボ・マッサージを同時に行えるスグレものです。



 機構は至って簡単で、この器具の上に仰向けに寝転ぶだけ。しかしボツボツがついた表面が適度に背中のツボを刺激し、同時に背骨がぐいぐいと伸びる爽快感がたまりません。猫背や姿勢の矯正にも効果があるとされ、ストレッチされた体はシャキッとなって即効性を体感することができます。ソリ具合は4段階に調整することができ、体に合わせて無理なくストレッチができます。私はこれに足裏刺激マットと併用して肩こりや腰痛疲労の解消に役立てています。



 上記いずれも本格的な運動ができない環境や体調の人にも、それぞれに見合った運動ができるのが特徴。かつ室内の僅かなスペースでも毎日続けられるので、挫折しにくい点が重要なポイントかと思われます。
 運動の秋に向けて、あなたにふさわしい運動、フィットネス環境を作ってみてはいかがでしょうか。

2020年8月27日木曜日

素人カメラ好きが思うこと

 いいデジカメを手にしたい

 キャノンのPowershot G3Xを購入して、いろいろ試し撮りの最中です。2015年に発売された旧型機ですが、その後Mark IIとかも出ることなく、ひっそりと製造が停止されました。

 このカメラ、キャノンのパワーショット・シリーズの中でも1インチ・センサーを搭載するハイグレードなコンデジです。G1XからG7Xまでそれぞれ異なる特徴を持ち、幅広いニーズに応える人気シリーズです。いずれも後継機種としてMark II、Mark IIIとバージョンアップを重ねてきているのですが、G3Xに限ってなかなか後継機種が出ないまま今日に至っています。ココ数年、今か今かとMark IIの発表を待っていたのですが、しびれを切らしているうちに製造中止、在庫切れとなってしまいました。

 非常に癖のあるカメラで、人を選ぶ機種だけに、もう市場に出回らない可能性も考えられます。そこで思い切って、マーケットから姿を消す前に、マップ・カメラで中古品を購入することにしたのです。アメリカの中古屋は懲りていたので、信頼のマップさんに望みを託しました。結果、望外の優良品を手に入れることが出来ました。

 これはいわゆる高級コンデジの部類に入るものですが、1インチセンサーに25倍ズームを搭載した異色のカメラです。ライバルにSONY RX10やPanasonic FZ1000がありますが、携帯性では一歩抜きん出ています。とにかく望遠性能に優れ、はるか遠くの物体を高画質で撮影できる、私にとって唯一無双のカメラなのです。

 ちなみにPowershotシリーズで今一番人気はG7x Mark III。私はズームが足りないので敬遠しましたが、基本性能はピカイチ。レンズはF1.8-2.8、最新の画像処理エンジンDIGIC 8で、動画にも強くコンパクト。万人にオススメの一台です。


 これまで一眼機はSONY a58やCanon EOS 60Dなどを長年使用してきましたが、いま一歩思うような撮影ができませんでした。 腕が未熟なのをカメラのせいにしてはいけませんが、現代の最新技術から見ると、エントリークラスのデジイチやはり十分なスペックではなかったのです。オートフォーカスは遅いし不正確、ISOはちょっと上げると画質ザラザラ、手ブレ補正もなく、交換レンズも不十分なカメラが主流だったのです、ハイエンドを除けば。

 それから10年近くたって、ようやく素人でもいい写真の取れる機種が出始めました。しかしまだまだ十数万もする高値だったので、価格がこなれるのを待たねばなりませんでした。数年前にアメリカの中古カメラ店で、Canonの名機といわれたEOS 50Dというミドルクラスのデジイチを見つけました。

 格安だったので思わず購入したのですが、そのときのカメラがひどい傷物で、後悔したことがあります。撮影自体に問題はなかったのですが、明らかに落っことしたであろう凹みがグリップ部分にあるし、塗装は所々ハゲ落ち、モニターは曇ってぼやけるし、レンズや操作系のすきまにホコリが詰まりまくっていたのです。写り自体はほぼ期待どおりだったのですが、どうしても愛着がわかず、半年ほどで手放してしまいました。それ以来中古には手を出さず、コンデジの新品を買い替えては、写りのイマイチ感にがっくりする日々でした。

 そんななかで気付いたのは、自分はさほど画質に拘るタチではない、ということでした。最低限、狙い通りに焦点が合い、気に入った色合いが出せれば満足なのです。それよりシャッターチャンスを逃すことのほうが、問題でした。いつもかさばる一眼を持ち出して出歩くわけではないのに、そんなときに限って撮りたい風景に出会う。しかし中途半端なコンデジではそれを捉えることさえできないのです。

 そういった試行錯誤のなか、知人の一人からPanasonicのマイクロフォーサーズを紹介されました。たしかLumix GX7だったと思いますが、パソコン画面でみた写真の出来にびっくりしました。あんな小さなカメラで一眼に迫る画質が出るとは知らなかったのです。しかもその後継機種以降、パナソニックのマイクロフォーサーズには当時珍しい4K撮影が可能になっていたのです。これはシャッターチャンスに極めて有利でした。しかも軽量小型でレンズも望遠に強いときています。いわゆるお散歩カメラとしては理想に近いものでした。

 そこで出たばかりのLumix G8を購入。付属の標準レンズでも私には十分納得のいく写りでした。ボケの効果が薄い以外は何の不満もありません。ただ一つ、望遠レンズがそこそこ高価で手が出ないのが無念でした。それを埋めるのが今回買ったCanon G3Xなのです。

 趣味の写真を撮っていて思うことは、どだい一台のカメラですべての理想を実現することは出来ないということ。複数カメラの使い分けをするしか道はないのです。私はそういう結論に至りました。そこで今回打ち出したのが、3カメ体制です。

 #1 常時持ち歩く高性能コンデジ。

 #2 気軽に持ち出せるマイクロフォーサーズ。

 #3 ここ一番、目的があって使用する本格一眼。

 今後この3カメ体制で、写真の趣味を充実させていきたいと考えています。

 今回購入したCanon Powershot G3Xはこの#1に相当する新体制の第一歩です。#2のマイクロフォーサーズは今後買い替えるとしたら、たぶんG9になるでしょうか。

 そして最後に#3の座を埋めるのが、いま巷のカメラ・ファンの間でざわついているフルサイズ・ミラーレス一眼です。

 これについては、書き始めるとまとめるのが大変になりそうです。Canon Rシリーズ、NikonのZシリーズ、 SONYのa7やa9、はたまたPanasonic Sシリーズなど。いずれもハイスペック化はどんどん進んでいくばかりの様子。いまはただYouTuberたちの実機レポートなどをよだれを垂らしながら見るばかり。いつか自分に見合ったカメラを見極めた際は、借金してでも手に入れたいと願っています。

 いまはただひたすら、手持ちのカメラで少しでも腕を上げて、いい被写体を撮りまくっていきたい、そんなことを考える日々でごさいます。


2020年8月26日水曜日

アメリカのダイナー生き残り戦

 野外レストランを応援する


 3月に始まったコロナ・パニックで打撃を受けたレストラン。今も生き残りに懸命です。

 ニューヨーク市周辺では、現在どの店も店内飲食を制限し、減った座席の分を野外テーブルで補う作戦をとっています。それでも客足は以前のように復活とはいかず、それまでやらなかったオンラインによる受注、デリバリー・サービスなど、できる限りの知恵を絞って、踏みとどまっているのが現状です。

 こんな状況で生き残るのは大変なことです。日本では政府主導でGo To トラベルなる契機刺激策が打ち出されたようですが、レストランに対しても積極的な支援が望まれます。たとえば州や政府がデリバリーを促進するクーポンを発行したりできないのでしょうか。コロナ対策に積極的な優良店舗を指定し、その店でデリバリー・オーダーすると、一割引きのクーポンが使えるとか。そのクーポン代を税金で肩代わりするとかして。

 何かしないと、レストランの多くは冬まで保たないかもしれません。実際自分の周りのレストランも、閉店がぽつぽつ出始めています。もっと積極的にレストランに行こう、とは言いたいのですが、なかなか医療の観点からそうも言いにくいのが現状です。本当にむつかしい。

 今日は久しぶりに、屋外レストランに行ったのですが、客はまばらでした。レッド・ライン・ダイナーという私のお気に入りの店です。本来ここはうちの近所でも数あるレストランの中、一二を争う人気店です。以前なら連日満員御礼、外で列ができるぐらいの人気店でした。いや、いまでも人気はあるはずですが、やはり感染懸念から以前の勢いは見る影もありません。私はこの店に限らず、馴染みのあった店すべてに生き残って欲しいのです。この苦境をのりきり、次の世代まで美味しいものを食べさせてほしいと切に願っています。

 この日はコロナ始まって依頼、数ヶ月ぶりに店内での夕食をと思っていました。窓越しに少なめですが、飲食を楽しんでいる人の姿が見えます。しかし、いざ店のドアを開ける段になっって、ためらいが生じました。その前日ニュースで、エアコンの送風によって店内で空気感染が起きた可能性、なる報道を観たせいです。

 人間とは弱いもので、そういった報道や風評に踊らされるものです。一瞬の迷いの後、屋外のテーブルで夕食という判断になりました。ダイナーでの食事はメニューもさることながら、昔ながらのアメリカン・ダイナーの装飾と雰囲気に包まれて食べるのがいいのです。それがないと魅力が半減する、そんな先入観が私にはありました。しかし結果、外での食事は満足のいくものでした。

 この日はベーコンやほうれん草、モツァレラ・チーズなどをふんだんに盛り込んだオムレツとホームスタイルのポテトフライの組み合わせを所望しました。同伴した家内はツナサンドイッチとコールスローサラダ、娘はベジタブル・バーガーと野菜スープでした。

 野外テーブルは先月半ばから始まったもので、広い駐車場を効率的に活用しています。八割あまりのテーブルは巨大テントの下に配置され、雨天でも食事は可能。この日はちょうど日が沈む夕暮れ時で、夕立の直後でした。客はまばらで、テーブル間の距離も十分。これなら安心して食事ができます。加えて、雨の後ほどよい夕風がそよいで熱気が潮を引くようになくなっていきました、ここちよい外気を吸いながらの、のびのびとした外食は思いの外快適でした。この秋はもっと積極的にこの野外スタイルの食事を楽しもうと思います。

 おそらくどの店舗もまだ試行錯誤の段階かと思われます。置いたナプキンがあっというまに風に飛ばされるハプニングなどにも対応が必要です。働くサーバーの人たちも店内外を行き来せねばならず、仕事量も増えて大変なことも多いかと察します。それでも明るい雰囲気で客への配慮を怠らないスタイルは健在。今まで通りのフレンドリーなサービスについ「がんばれ」と応援の声が出そうになりました。

 いやじっさい、このスタイルはもや一過性のものでは無くなる可能性があります。すでに多くの分野で、ウィズ・コロナの経済活動を模索しており、レストランもこの例外ではないというわけです。

 ふつうにマスクをして入店し、注文の皿がきたら初めてマスクをとって食事をいただく。

 いまはなんともぎこちない風景ですが、シャッターの閉じた店舗の前を通り過ぎる光景よりはずっとましです。これからもできるだけ外食産業を応援し、美味しいものを食べ続けていきたいと願うばかりです。

ペットを守る都会の病院

 困ったときはまず相談できるところ


 あなたの大切なペットが怪我や病気に見舞われた時、信頼できる病院やドクターを想定していますか?

 多くのペット・オーナーがいざというときの準備ができていません。たいてい、ペットが危急な症状になってから慌てて動物病院を探します。そして緊急を要するため、一番近いドクター・オフィスに駆けつけることになります。多くの人がこのパターンで後悔しています。

ペットを扱う病院はたくさんありますが、小さい医院では扱えない範囲の怪我や病気がたくさんあります。ほとんどの、個人経営の獣医ができるのは応急措置までで、込み入った症状の場合は大きな病院を推薦されることがほとんどです。これではけっきょく時間だけ取られて、ペットの苦しみが長引くだけです。急がば回れという言葉のように、平時からペットのための病院を調べ決めておいて、できれば健康診断を受けておくことを勧めます。そうすれば、いざというときの手続きが迅速になります。事前の健康診断でアレルギーの有無や病歴などデータがあるのはとても有利です。またかつて知ったる医院、スタッフ、ドクターであることが安心に繋がります。

 ペットが緊急を要するときは、パニクりがちなので、信頼できる病院を確保しておきましょう。

 昨日、ニューヨーク郊外から一時間以上かけて、二匹のワンちゃんをマンハッタンのアニマル・ホスピタルに運びました。一匹は膀胱炎、もう一匹は肺を患っているとのことです。飼い主のおばあさんは一人暮らしで、八割がた目が見えない弱視のハンディキャッパーです。通常ならケアテイカーの人が付き添うのですが、この日はあいにくスケジュールが合わず、かといって三週間待った診察スケジュールをキャンセルすることもできず、私がサポートすることになりました。

 ワンちゃんいずれも中型犬で一匹はアメリカン・ブルドッグ、もう一匹はシェトランド・シープドッグの雑種だそうです。どちらも大柄でいかにも力がありそう。華奢なおばあさんがリードを持つのはかなり難しいように見えました。

 しかし病気のワンちゃん二匹とおばあさんを乗せての一時間半はなかなか手ごわい仕事でした。一匹は喘息も患っているのか、終始ゼイゼイうなりっぱなし。もう一匹は膀胱炎のため、15分に一回は下車して、放尿が必要だったのです。それを私がおばあさんの代わりのやるのです。いちいち高速道路から降りて草木の茂る場所を探すのは容易ではありませんでした。

 この一人と二匹を乗せて向かったのが、マンハッタンにあるその名もずばり、「The Animal

Medical Center」。このワンちゃんたちは持病があるとはいえ、なぜこんな一時間半もかかる病院にいくのかというと、前の犬のオーナーがここにかかりつけだったことが大きいと言います。しかしそれ以上に、この病院の医師やスタッフがとても親切で、ペット一匹一匹に向き合う姿勢が温かいとおばあさんはおっしゃるのです。私もこの病院の評判は上々だと聞いてます。数あるニューヨークの動物病院のなかでも、スタッフと設備が充実した指折りの施設だとか。マンハッタンに住むペット・オーナーにとってはオススメの動物病院と言えるかもしれません。

 おばあさんによると、電話相談にも対応しており、来院の前にまず状況を伝えるだけで、適切なアドバイスがもらえるそうです。唯一の欠点は二四時間体制でないこと。これは重要です。一刻を争う時には対応できないので、その点は考慮が必要ですね。

 それでもこの日のおばあさんは、全幅の信頼を置くお医者さんに診てもらえることを熱く語っておられました。人見知りがちな彼女のワンちゃんも、ここでは落ち着いて診察台にあがるそうです。こういった信頼関係は、物言わぬ生き物たちにとって重要なので、元気なときに医師と顔合わせしておくのはいいことでしょう。

 私は診察が終わるまで、病院の駐車場で待つことにしました。気がついたのは、人間であるペットの親の多くが、野外の待合室でたむろしていたことです。いまはコロナの影響で、できるだけ人を院内に入れない方針とのことです。待つ人のために駐車場の一部を使って特設テントが設けられていたのです。どうしてもペットに付き添いたい希望者だけ相談の上、中の待合室で待てるそうです。おばあさんは高齢ということもあり、中で待つことになりました。

 私が車中から見ていると、実にたくさんのペットが出入りしていきます。やはり犬が多く、入り口で、オーナーがリードを付けたペットをスタッフに預けます。治療が終わったペットもスタッフがビルから連れ出し、ペットの名前を連呼してオーナーを呼び出します。両者は互いに抱き合って無事を喜ぶ、そんな光景が繰り返されました。いちど、トラックが横付けされ、水槽のような大きなプラスチック・ボックスが搬入されました。搬送者のシャツに水族館のロゴが入っていたので、どうやら生き物が入っていたようです。あとでここのセキュリティに人に聞いたところ、多分カメかアザラシだろうとのこと。こうやって遠路はるばるこの病院を指名してくる患者、いや患獣がいるということを聞き、この病院の存在感をより大きく感じました。

 実は数年前も同様の仕事で、この病院に来たことがあります。そのときはラクダが病院に入っていくのを見てぎょっとしたものでした。獣医はどんな動物にも平等に対応するのが基本と聞いあことがりますが、毎日人間を相手する医師でも大変なのに、ことなるさまざまな種の動物を診るのはどんだけ困難ななことでしょうか。ほんとうにご苦労さまです。そんなことを思いながら、ワンちゃんたちの無事を祈るひとときでした。

 

2020年8月24日月曜日

ジョン・レノンを聴きたくて

ニューヨークで日本語 

 



 私が車で送迎するお客さんの八割はいわゆるリピーターで、昔から馴染みという人が多いです。そういった方は、気軽に世間話をしながら、目的地まで移動できるのですが、初乗りのお客さんの中には、どういった性格や習慣があるかわからないので、会話は少なめです。はじめこちらが話しかけて、あまり乗ってこないようだと、話したくないのだと判断し、ずっと目的地まで寡黙を通します。この日初めて乗車された初老の紳士は、地元の町からマンハッタンのミッドタウンまで行くよう依頼されたのですが、最初からむすっとした感じで、ミラー越しにみても腕を組み「話しかけるな」オーラを発しているように見えたので、こちらも言葉を発しないままマンハッタンまで1時間20分ほど走りました。

 目的地の10分ほど手前で、私が住所を確認すると、その紳士はいきなり私にどこからきたのかと聞いてきました。日本だと答えると、その人は片言の日本語で「ああ、やっぱりそうですか」と言いました。片言とはいえ、十分伝わるレベルです。彼は続けて「チャイナ人かもしれないと思いました。失礼しました」そう言うのです。

 私が「日本語が上手ですね」と褒めると、彼は昔日本に住んでいたと言いました。東京と軽井沢に数年滞在していたそうです。もう30年以上前のことだそうです。

「ワタシは、和菓子の勉強で日本にいました。生活費を稼ぐため、日本人にジャズ・ピアノを教えていました」彼はそう言いました。日本は大好きだと話は続き、次第に日本での思い出を語りだしたのです。しかしあいにく目的地はもう目の前に迫っていました。もっと早く彼の日本語に気付いて、話し相手になれれば良かったのにと思っても後の祭りです。

 ところが彼も話し足りなかったのか、急遽行く先を変えて、数ブロック先のとあるビルディングに行くよう指示してきました。私がそれに従うと、着いた先はあの有名なダコタハウスでした。

「ここにジョン・レノンが住んでいた」彼が言いました。もちろん私も知っています。

「そうですね」私が答えました。彼はマスク越しになぜかふふふと笑い、

「私はね、軽井沢で彼を見かけたんだ」紳士はそう言いました。「ヨーコ・オノも一緒だった。ふたりは仲良くコーヒーを飲んでいたね」

 彼が懐かしそうにそう言いました。

「へえ、そうですか」私が聞き耳を立てていると、「その先で下ろしてください」といきなり言われました。

 まだ話がありそうだったのに、あっけなくそう言われたのです。

「久しぶりに日本語を使いました」彼は微笑んで下車しました。

 私はなんだかコニュニケーションが尻切れトンボのようでバツが悪かったのですが、にっこり笑って「ありがとうございます」と丁寧に言いました。

 ニューヨークで日本語を話す人と会ったのは久しぶりだったので、なんだか名残惜しくなりました。もっと話せばよかった。そう思いながら、ひと仕事終えた私は、何の気なしにハンドルをとある場所に向けて走り出しました。

 ジョン・レノンという思いがけない名前を聞いて訪れたのは、セントラルパークにあるストロベリー・フィールドという記念碑のある場所でした。

 もう夕暮れ時だったので樹々の下は薄暗く、人気も少なかったのですが、敷地の歩道を歩いているとどこからともなく「パワ~トウーザ・ピーポ~!」とジョン・レノンの歌声が聞こえて来ました。おりしも止んでいた雨が小振りになり、周囲にふいに静けさが訪れました。

「幽霊? ばかな。ま、まさか、そんな」ちょっとビビりながら進んで行くと、その先にファンの聖地、ストロベリーフィールドの記念碑が現れました。碑にはきれいに花が飾られていました。
 その周囲には数人の若者がいて、スマホでビートルズの曲を流して聴いていたのです。なんというか、彼らも旅行者らしくて、ちょっとしんみりしめやかな雰囲気でした。気軽に「ハーイ!」なんて挨拶できる空気じゃありません。
 私は申し訳無さげに腰を低くして写真を1枚撮り、そろそろとその場を通過しました。
 どういう人たちか知りませんが、きっとジョンとその音楽をこよなく愛する人たちなのだと思いました。没後30数年たっても未だに愛され続けるジョン・レノン。さぞかしアーティスト冥利につきるでことでしょう。

 日本語を話すお客さんに導かれるように、十数年ぶりに来てみたストロベリーフィールド。そこは相変わらず、永遠の愛を歌うように、人々の心を惹きつけてやまない場所でありました。

2020年8月23日日曜日

ロング・ビーチ・アイランドを観光

 住んでみたい島

 

 ニュージャージー州随一の観光スポット、ロング・ビーチ・アイランド。地元の人達はこの島を、親しみを込めて頭文字で「LBI」エルビーアイと呼びます。

 起伏の殆どないフラットな陸地は平均海抜わずか数メートルに過ぎず、かつて幾度か訪れたハリケーンによって壊滅的な打撃を受けています。数年前のハリケーン・サンディでは多くの住居が床まで浸水し、家を失った人も少なくありません。私の家内の姉も一階のアパートが膝上までの浸水で家具や冷蔵庫、調度品などすべて使い物にならなくなったといいます。それ以降、州の条例で島のすべての建物を底上げするよう改革がなされました。その結果、数年かけて島内の95%以上の家屋が高床式住居のようになりました。一階部分は住居に割り当ててもよいのですが、多くの家が二階を中心に生活設計されたユニークな町並みとなりました。メインストリートの商店は一階を店舗にしていますが、それ以外非常時の被害を最小限になるよう準備されています。レジャーと非常時を兼ねたボートをほとんどの住人が所有しています。住む人達の災害に対する意識は、地震大国の日本も見習うべきだと思いました。

 

 車で島の北から南まで巡りましたが、どこもとても風光明媚で、住みよい別荘地のようです。一度は住んでみたいと思ってしまう島ですね。

 太平洋に面した延々と続く白砂のビーチ。この眺めは圧巻の一言。北も南も遥かに霞んで見えなくなるまでビーチが続いています。大西洋の波はけっこう荒くて、サーフィンにもってこいです。サメの出没も珍しくないのですが、このシーズンは比較的平穏に経過しているとのこと。代わりに、アザラシやクジラを目撃したという、微笑ましいレポートも耳にしました。地元のお年寄りでしょうか、早朝からビーチチェアとパラソルを用意して、砂丘の上から海を眺める姿が印象的でした。


 島の北端にはこの島の名物、ランドマークと言える、赤と白ツートンカラーのバーネガット灯台があります。訪れてみると、ここはけっこう観光客で混み合っておりました。すかさすマスクを着用して駐車場から灯台へ。あいにくというか、予想通り灯台内部は一時閉鎖されていました。以前登ったときは強風でしたが、展望台からの眺望は一見の価値ありです。360度見渡す限り水平線と地平線だけしか見えず、アメリカの広大さを実感したものです。灯台の周りにはヨットハーバー、自然公園、そして沿岸を歩ける堤防が長々と伸びており、たくさんの観光客で賑わっていました。

 そのあと島の中ほど、大西洋の逆側に行ってみました。そこは大陸と島の間の海で、波の少ない穏やかな海辺です。ちょうど瀬戸内海の湾岸沿いを思い浮かべれば良いと思います。


 そこかしこに柵で囲われた小さな砂浜があり、小さな子どもたちも安全に遊べる浅瀬となっています。潮の干満にもよりますが、プールより浅い浜辺では幼児を連れた家族がたくさん訪れてにぎわっていました。私達家族は時間をずらして夕暮れ時に行ってみたのですが、ほとんどひと気はなく、まるでプライベートビーチのように、のびのびと遊泳を楽しめました。

 翌日は島の南端へドライブ。ここもマイカーで駐車場は満杯でしたが、なんとか隅っこに駐車しました。その先の浜に出ると、はるか水平線の彼方、あたかも蜃気楼か、海に浮かんでいるようなアトランティック・シティを見ることができました。この一体の砂丘は、野生保護区となっており、遊泳はもちろん草一本抜いてはいけない決まりがあるので注意が必要です。とはいえ、平気で浜辺で遊び回る人たちがいて、ライフガードや見回りもおらず、セキュリティ緩すぎないかー、などと思ってしまいました。

遥か彼方に見えるアトランティック・シティ


 午後には島を出て、親戚の家の庭でソーシャルディスタンスで控えめな食事をいただきました。いつもなら気軽に親戚同士、こどもたちもハグし合うのですが、今年はちょっと寂しい再会となってしまいました。

 とはいえこのささやかな一泊旅行、敢行してよかったです。不安視された観光地での混雑にもほとんど遭遇せず、安全確保しつつ、見るべきところはしっかり見て回り、海水浴も堪能。なにより雄大な海と景色が、長らく続いたステイホームのフラストレーションを洗い流してくれました。

 これでうちの子供達も心置きなく新学期を迎えることができるのではないかと存じます。

ニュージャージーの海にて

 アメリカで海水浴

 

 ニュージャージー州にあるロングビーチアイランドに行って来ました。ここはよくニューヨークのロング・アイランドと間違えられるのですが、全く別の島です。ニュージャージー州の沖合に浮かぶ棒のように細長い島です。南北の全長が30キロメートルに対し、横幅が平均400メートルしかないのです。人口9000人余りのこの島の産業の9割が観光で保っています。しかも冬シーズンは信号も停止するほど、閑散とし人がいなくなります。

 多くの住居が州外に住む人達の別荘で、観光シーズンをすぎるとぱたっとひと気が途絶えるのです。しかし例年6月下旬から9月上旬までは大変な人手で賑わいます。もちろん目当ては大西洋に面した雄大なビーチ。島の東側ほぼ全部が延々と続く砂浜です。日本本土のビーチのように芋を洗うような混雑にはなりませんが、最盛期で一日数万人がこの砂浜に押し寄せます。今年は例外中の例外で、かなり観光客は少なめ。それでもビーチ沿いの宿泊施設は8割がた埋まっていたといいます。

 今回この地を訪れるにあたって下調べをし、滞在や遊泳に問題の無いことを確認していきました。これまでほぼ毎年行っていた場所なので土地勘はありました。隣町のマナホーキンに親戚が住んでいるので、情報収集には事欠きません。検討の結果、今年は義母や従兄弟の世話をかけないように、ホリデーインに滞在することにしました。

 全米各所にあるホリデーインは格安でかつシンプルな簡易宿泊施設。ホテルとしてはサービス十分とは言えないかも知れませんが、必要最低限の設備はあり、評判も悪くありません。


 しかしいざ到着して見たマナホーキンのホリデーインは、既存の概念を覆す充実ぶりでした。やはりここが観光地だとということでしょう。都会のただ宿泊するだけのホテルではありませんでした。エンターテイメント施設がかなりアップグレードされていたのです。

 まず敷地に入って誰もが目を見張るのが、高さ10数メートルのフィールド•アスレティックス•ジムです。昔ながらのデザインを踏襲し、木製でできたりっぱなものです。こういうのはプラスチックぽい作りだと興が冷めるもの。あえてクラシカルなジムにしたのは正解でしょう。安全ハーネスを装着して塔を登り、綱渡りする本格的なアスレチック•ワークが楽しめます。そばにはゴーカート•コースがあり、有料でゴーカートを走らせることができます。


 一般的なジムや屋内プール、バスケットコートも清潔に管理されています。南洋を意識した屋外レストランも上品で、きれいに植え込みされた花とみどりのガーデンもなかなか目に麗しい出来です。

 ロビーは閑散としており、目につくのは従業員だけ。ソーシャルディスタンシングは十分に保たれ、エレベーターも家族だけで行き来できました。当初は人の接触を避けるべく、階段で部屋までスーツケースを運ぶことも覚悟していたので、やや拍子ぬけでした。地理的にアイランドの外だということで、今年の客足は例年の六割り程度と案内係の人が話しておりました。混み合う島内のホテルより、こちらを選んで正解のようです。ここから島までは10分そこそこで行けるので問題ありません。

 部屋はいたってシンプルで、一通りのものは揃っています。ベッドの寝心地は家のそれを超えており満足。窓からの景色は、海こそ見えないものの、遊泳ビーチのある湖が見える見晴らし良好の部屋でした。

 ここまでは良かった。

 ところが部屋で一休みし寛いであたところ、テレビの横のデスクにあったスナック菓子のまわりに二匹のアリを発見。ニューヨークではあまり見かけない、ちっちゃな焦げ茶色のアリです。すぐに排除したのですが。その後、壁を這うもう一匹を発見。嫌な予感がしていたのですが、結局翌日チェックアウトするまで、20匹あまりのアリを潰す羽目になりました。おかげでうかうか食事もできず、外へディナーを食べに行くことになりました。

 当然コレはクレーム案件です。朝チェックアウトの際、厳重に抗議したら、お詫びにと、次回の宿泊一泊分が無料になる、メンバーシップ・カードを作ってくれました。滅多に無いことでしょうが、こういうハプニングも旅の思い出の1ページになるのかな、などと思った次第です。

 


2020年8月22日土曜日

なんでもある便利さ

 

家具を買うなら


 なんでも屋と呼ぶとちょっと語弊があるかもしれませんが、一つの店で、いろんな種類のものが買える店が好きです。一箇所で日常品の大半をカバーし、割安で買える店は時間の節約になります。今日はその代表格、アメリカで躍進の著しい小売店舗「BIG LOTS!」のご紹介をいたします。

「BIG LOTS!」の店舗カンバンは最近都市部から地方にかけて交通の要所要所で目につきます。ここ6,7年のことだと思うのですがこの会社は急成長遂げてきたように思います。日本で言えばドンキホーテかな? いやなんか違う。店内展示方針は真逆で、ちょっとだだっ広い感があります。 

 この小売店の特徴は食料品から雑貨まで様々なジャンルの商品を格安で取り揃えているところにあります。でもそれって競合他社もけっこうあるので、特徴とはいえないな。しいていえば店舗も大きすぎず小さすぎず、中規模で広々としたスペースを使った明るい店舗が特徴かな。とにかくぎすぎすしてなくて、ゆっくり品探しできる感じ。中でも最も力を入れているのは家具関係のようで、店舗によっては売り場面積の半分を占めているところもあります。

 ベッドやソファー、テーブル、キッチン棚、アウトドアキャンプ用品など。ビーチチェアや折りたたみの万能テーブルなど様々な商品が取り揃えられています。まだクリスマスの季節にはクリスマスの飾り付けや、様々なディスプレイを展示します。ハロウィンの季節にはハロウィングッズ、夏には夏のバーベキュー用品などなど。その他キッチン、ガーデニング、掃除グッズ、ベビーカーや大型の玩具ほか育児グッズ。日用雑貨その他もろもろ日常に必要な商品は大抵揃っています。

 私も暇があれば、ついふらっと立ち寄ってしまう入りやすい店舗です。特に自分がよく行くコーナーは電化製品のコーナーです。そこにはスマホに必要なケーブルやチャージャーやケースやバッテリーなどが、とても安価な値段で手に入るようになっています。気をつけなきゃいけないのは、いわゆる有名メーカーのブランド品ではなく、それらしい類似品が多いということ。たとえばヘッドフォンなどは一見「beats」かな?と思った商品がよく見たらぜんぜん無名の海外品だったりします。値段も10分の一程度。音質の差は聞く前から明らかです。音にこだわらなければ全然問題ないのですけどね。

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家具ならお任せの品ぞろえ

 私が先日「BIG LOTS!」に立ち寄ったのは、我が家でとてもボロボロになっているソファーのセットを買い替えられないかと言うことで下見に来たときのこと。いろいろ取り揃えられていて結構デザインのほうも新しいタイプのものがありました。価格はまずまず。他の店でも同じような値段で売ってるところもあります。IKEAなどよりは2、3割位安い感覚でしょうか。

 思い切って買ってみようか、そう思ったソファーセットがあったのですが、なんとこれがSOLDと書いていたんです。これは残念至極。おそらく店員さんに聞けば取り寄せられると答えるのでしょうが、このタイミングを失ったのは何か意味があるのではないかと思い、その日のは買うの取りやめにしました。いずれにしても家のソファーはミシミシと壊れかけの感触が凄いので、早晩買い換えることになるでしょう。その時はやはり第一にこの「BIG LOTS!」に立ち寄ってみることにするつもりです。

2020年8月19日水曜日

オススメ節約カーライフ

 評価の分かれるMavisさん

 

 アメリカに住んでいる人で、車の修理はどこでやっも同じで出費がかさむ、とお悩みの方。Mavis Discount Tireを利用したことがありますか。Mavisさんはアメリカ東海岸を中心に全米規模700店舗以上を誇るタイヤ販売&車修理チェーンです。タイヤを格安で販売することから始まったお店ですが、各店舗にエキスパート・レベルのメカニックを配置し、修理サービスをするようになってから、業績は矢のごとく伸びていきました。ニューヨーク界隈では幹線道路上、どこへ行ってもMavis Discount Tireの看板を見ない日はありません。

 この店の良いところは、

1 土日でも開いていて、作業は手早い。

2 車全体の簡易チェックを無料でしてくれる、とくにタイヤ周り。

3 予約無し、飛び込みで修理依頼できる。

4 店舗同士、横のつながりがあってパーツ等の調達が迅速。

5 サーピス体系がシステム化されていて、課金内容の透明性が良好。

6 修理データはシステムを通じて全店共有なので、他支店に行っても自車の記録がわかる。

7 見知らぬ町で車がパンクしたり故障しても、最寄りのMavisにレッカー移動できる。

8 交渉により修理期間中の代車を提供してくれる。

などの利点があります。

 私の所属するリムジン会社も全車の管理をMavisさんに委託しており、どの車がいつどんなメンテをしたか、全履歴が保存されています。一般のローカルな自動車修理所ではけっこうデータ的なものが杜撰なところがあったりしがちです。とくに飛び込みで入った修理屋さんでひどい扱いを受けた、と泣き言を言うカー・オーナーは珍しくありません。その点、フランチャイズ制のMavisはお客の足元を見ることはなく、車知識の乏しい人にも優しく説明してくれます。

 そして最大の利点は、Mavisのメンバーシップに加入し、専用のカードをつくることによって、上限1000ドルの分割払いが可能になることです。個人営業のショップでは一括払いが基本なので、法外な修理代に泣かされることがあります。でもMavis Discount Tireのメンバーなら条件により六ヶ月あるいは十二ヶ月分割で無利子も可能です。支払いの負担が軽減されることは、とても助かるので、私個人もメンバーに加入しています。大掛かりな修理など、いざというときの選択肢としてあって損はないと思います。

 こう書いてくるといい事づくめのようですが、公平を期すため、ネガティヴ寄りの評判も記しておきます。よく聞くのはメカニックの技術にムラがあるという点です。各支店には必ず熟練のメカニックが一人はいますが、ほかは習いたてとか、見習いのような工員がいます。もちろんチェック体制はしっかりマニュアル化されており、マネージャーが最終確認をするので、問題はまずないでしょうが。

 また大規模なチェーン店なので、しょっちゅう顔ぶれは変わり、新しいメカニックをトレーニングしながら修理するという話も聞きます。さらに込み入った修理は嫌がる傾向があり、できないと言われ、ディーラー行きを勧められることもあります。また、やはりタイヤを売る店なのでタイヤのチェックには熱心で、早めの交換を勧められることも多いです。

 最寄りにMavisがない場合、一番いいのはプライマリー・ドクターのように、行きつけのオート・ショップを決めることです。何軒か試してみて、信頼できるメカニックを見つけることが大事。一度いい仕事をしてもらったら懇意にして、末永くテイクケアしてもらえるようにしましょう。 

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 話は変わりますが、夏の行楽シーズンもあと僅かになってきました。今年は思わぬパンデミックで、世界中どこへも逃げ場がなくなってしまいました。それでも、状況が少しでもマシになったらどこかへ行きたい、という欲求は多くの人にあるようです。

 先日、行きつけのオートショップに、車のオイル交換に行ったら、予約がいっぱいと門前払いされそうになりました。ここのオートショップは10年来の付き合いで、車が不調のときはよくお世話になります。

 オーナーに「繁盛してますね」と言ったら、いま予約中の車の半分はトラブルとか、故障ではなく、メンテナンスやチューンナップの依頼だというのです。だいたい毎年夏が始まる頃、こういうお客が増えるのだが、今年は先週頃からこうなったというのです。

 ああ、ニューヨークのみんなはコロナ感染が下降線をたどっている今、どこかにエスケープしようということか。そう思いました。わたしもこの一般的な庶民の意識はわかります。いままで数ヶ月、我慢し続けてきた「コロナひきこもり」のストレスがものすごく鬱積しているのです。このまま夏を終わらせていいのか?

 夏休みシーズンが終わる前に、ちょっとでも郊外へ出て、開放感を味わいたい。

 そう思ってしまうのも仕方ありません。かく言う私の家族も、毎年夏休みには、おばあちゃんのいる、ニュージャージーの浜辺に泊まり込みで行っておりました。毎年7月の恒例行事だったのですが、さすがに今年は断念しました。でも感染状況が収まり気味な今(ニューヨーク州)になって、やっぱり行こう、行きたい、行かなきゃ! ということになり、決行の判断に至りました。

 もちろん万全の注意を払い、ソーシャル・ディスタンスは守ります。絶対人混みは避け、マスク、手洗いは徹底します。それでももし目的地が混み合っていたら、予定変更も視野に入れています。とにかくこのまま夏は終わらせられない。

 そんな家族の願いを背負って、わずか一泊の夏休み旅行に望むのであります。

2020年8月18日火曜日

ベスト・メンズ・バッグ:USA

どこでも仕事ができるバッグが欲しい


 

 長らく愛用してきたTIMBUK2のバックパック、The Authority Packが引退の時を迎えました。バッグ上部の把手が外れ、ジッパーが開きにくくなったり、バッグの底に穴が空き始めてきました。まだ使える、まだ行けると言い聞かせてきましたが、そろそろ限界です。買い替えを決意しました。

 思えばこのバッグ、けっこうベビーにこき使ってきました。毎日仕事に持ち歩き、休みの日にも車に入れっぱなしで、買い物袋代わりにも活用してきました。ちっちゃなカメラと三脚を詰め込んで趣味のハイキングというか、野歩きにもつき合わせてきました。

 もともとTIMBUK2はどのバッグも作りがしっかりしていて定評があります。私はバッグに限らず、何でもまず使い勝手と機能美を優先します。ブランドとかは二の次か三の先ですが、TIMBUK2のバッグは一般におしゃれ感が支持されてるのだと思います。見た目すっきりしていて無駄がないです。ニューヨーカーや近隣のビジネスマンたちの間でもよく見かけますからね。とりわけ都会で映えるメッセンジャーバッグが人気で、前の会社の上司もTIMBUK2の革製バッグの愛用者でした。確かにかっこよかったです。


 私もお気に入りだったこのバッグに、Macbookと必要最低限のモノを詰め込んで街を歩き回っていました。これさえあれば、どこへ行っても仕事ができる気分になります。マンハッタンで働いていたときは、地下鉄やバスを乗り継ぐことが多かったので、バックパックが便利です。かといってあまりアウトドアっぽいスタイルのバッグは着るものにそぐわなくなるので、こいつが一番無難ということになります。

 家には趣の異なるThe North Faceやノーブランドのショルダーバッグも数種類備えてはおります。しかし使用頻度ダントツはこのTIMBUK2でした。シンプルな機能美とスマートな見栄えがとても気に入っていたのです。気がつくと購入からもう7年越しになりますが、よく頑張ってくれたものです。その間仕事も変わり、マンハッタン通勤も終わったので、そろそろ別のスタイルに買い替えどきだと思います。

 近頃は腰痛不安もあるので大きいバッグは控え、小さくコンパクトに纏められるメッセンジャー・バッグを一つ買い足しました。当面はこれと、山歩き用のThe North Faceバックパックを使い分けていこうと思います。

XINCADA Mens Bag Messenger Bag Canvas Shoulder Bags Travel Bag Man Purse Crossbody Bags for Work Business



 このちっちゃな肩掛け型のバッグ、まったく無名の商品ですが、かなり自分の要求に近いものです。アマゾンでまず形状、そして大きさありきで選びました。内部の寸法を調べて、自分のiPadが入るかどうか。内側に4っつ以上のポケットないし仕切りがあるかどうか。それだけです。品質等は来てのお楽しみということにしました。

 三日後に送られてきたこのバッグ、サイズ感といい、肩にたすき掛けしたときのフィット感といい、申し分ありません。iPadにキーボード・ケースを装着した状態でもすっぽり収まり、コンパクトカメラや文庫本、スマホ、手帳類をいれても余裕でスペースがあります。

 ちょっと街に出るときや、図書館やカフェで書き物したりiPadで簡単な作業をするにも便利です。当面はこれをサブバッグとし活用したいと思っています。これにアウトドア用のノースフェイス製バックパックと使い分ければ当面バッグはこと足りそうです。


参考までに:いまアメリカで人気のメッセンジャー・バッグ

1 Carhartt D89:このタイプ、数年前から大人気で、類似品も山のように出ています。レジャーに仕事にと、多目的用途で重宝する万能型バッグです。


2 Topo Designs Commuter Briefcase:スーツが映える独特のフォルムが人気のビジネスマン用バッグ。しなやかな手触りにもこだわり、毎日使ったら肌身離せなくなる心地よさです。


 

3  Samsonite Columbian Leather Flapover Case:アメリカ人はサムソナイト好きが多いかも。通勤電車や地下鉄で見かけることもままあります。無難にまとめたシンプルなデザイン、高級志向のレザー製で、縫製もしっかりしていて、タフな使い方にも耐える頑丈さには定評があります。



他にもいろいろありますが、それらはまたの機会に。

 日本のメンズ・ファッション雑誌などをみると、かなり高級志向のバッグばかり紹介されています。ヨーロッパは知りませんが、少なくともアメリカの一般的な成人男子でそこまで本格路線のバッグ持ってる人、あまり見かけません。ブランド云々よりパット見、その人に似合っっているかどうかが評価の分かれ目だと思います。そういった意味で、服の着こなし同様、バッグもその人にフィットしていれば、いいのではなかと思っています。 

2020年8月17日月曜日

アメリカ・学校再開の是非

 子供を学校に送るべきか


 アメリカでは9月の新学期を控え、学校再開の是非に関し、賛成派、反対派が激しく議論を展開しています。コロナウィルスへの対応を巡っては、感染状況の推移に伴って、賛否の優劣も変化します。州によっても対応はバラバラで、それぞれの州議会による決定に注目があつまります。現時点、全米の感染者数は500万人を突破、南部、中西部にかけ多くの州がきびしい感染状況です。

 近郊に3つの国際空港があるマンハッタンは、全米で最初にパンデミック対応を迫られた都市の一つです。4月、5月の強力な市内ロックダウンを敢行したニューヨーク市、それに呼応する対応をした、近隣地域は大幅な感染減少に成果を上げています。このまま行けば、9月の学校再開は可能なのでは、と期待感を滲ませています。

 そんな中、一貫して厳しい厳戒態勢を主張してきたクオモ州知事が、ついに学校再開の許可を公言しました。財政の逼迫が限界域に達しているニューヨークでは、子供を家において仕事に出られない親が多いのが実情。しかし学校が安心してこどもを預けられる体制を準備できるのか、いまだ不透明な点も多いのが現実です。学校だけでなく、下校後アフタースクールの子どもたちへ安全管理ができないと、感染の再拡大にも繋がりかねません。

 学校再開に向けては、いくつかのオプションが提示されました。子供の登校を強く求める保護者のために、毎日登校もOK。あるいは学生数を半分にする登校&自宅学習の半々、そして感染を懸念する人のために全部自宅でのオンライン授業も可というオプション制です。

 生徒側にとっては選択肢があっていいようには見えますが、多くの教師が反発しています。授業内容にばらつきが出るし、とにかく教育現場が混乱して、教師側の負担と感染懸念が倍増されるというのです。

 ランチの食べ方にも、問題点を指摘する声があります。マスクを外した状態で、室内で子どもたちが食事をするのは、危険を伴うという意見です。事実、大人の世界でも飲食店からの感染率が最大であることを想定すると、学校において教師の目の行き届かないランチ時間は、もっとも脅威にさらされる時間帯だということです。給食は控えてカフェテリアも閉鎖し、自前のランチを子どもたちが背中合わせで食べるいう意見も出ました。

 なんとも切ない、肩身の狭いスクールライフになりそうです。仮にこういった厳戒態勢で授業に臨んでも、一人でも感染者が確認されると、そのクラスあるいは学級全体が2週間の自宅待機となります。現状、この可能性は大であると警告する識者が多くいます。

 さらにこどものいない家庭、とくに高齢者たちは、コロナに無自覚な子どもたちが放課後、感染を拡大するのではないかと懸念を示しています。

 人口密度の高いニューヨーク市のデブラシオ市長は、コロナウィルスの感染率が3ヶ月連続で1%台を維持していることを根拠に、学校再開に前向きです。しかし1000人規模のマンモス校が多いこの地域のことを懸念する医療関係者も少なからずいます。

 ニューヨークにしてからがこの状態。依然高い感染者数を出し続ける他州では、学校再開の議論はもっと高まって行くでしょう。

 ちなみにうちの娘が通うニューヨーク州の公立大学でも、授業の自由選択制を導入しました。ところが各教師の判断で、それぞれの学習スタイルを決定することになったため、娘の取得科目は全部オンライン一択となりました。5人の先生が揃ってオンライン講義一本に絞ってしまったのです。娘は喜ぶのかと思いきや、授業は教室での対面が一番だと主張。画面越しのオンライン授業では、まったく身につかず、試験に受かるか不安で仕方がないというのです。 生徒側、教える側双方の意見もそれぞれで、なかなか明るい見通しが見いだせないが現状であります。

 教師・生徒にとっても保護者にとっても、不安を抱えたままの新学期を迎えることになりそうです。

  

 

2020年8月16日日曜日

カレーを食べるアメリカ人

 注目される日本カレー



 いまアメリカでもカレー料理が再注目されています。カレーの香辛料ターメリックの主成分クルクミンが体にいいと評判を集めているのが一因と思われます。

 クルクミンは抗菌作用があるので、今の御時世が追い風になってる、とNew York Times誌は報じていました。それ以前から、クルクミンは鎮痛作用、高血圧や抗腫瘍、肝機能の促進、糖尿病にも効果があると喧伝されていて、サプリメントとしても注目され始めました。複数のソースを読むと、科学的裏付けは確かにあるということです。

 こういった風評はアメリカでもすぐ広まる昨今、どんな食べ物が体にいいとかも、あっという間に伝わってきます。いっときアメリカのセレブがターメリック入りのラテなどを紹介したのがきっかけで、健康志向の女性たちの噂に火が付きました。

 そんな折も折、テレビを観ていたら、料理番組でメキシコ・スタイルのカレーが紹介されていました。激辛カレーだそうですが、料理人は健康の効能をしきりに謳っていました。「ターメリックは免疫効果抜群です。アンチエイジングに欠かせない。美肌効果がある。解毒作用もあり、私が推薦した病院ではカレースープがメニューに加えられた」というのです。ここまでは納得できます。しかしさらに「うちの子は毎日、ターメリック入りの料理を食べて頭が良くなり、ハーバード大に入った」などと言われると、

ほんまかいな〜。 とつい眉につばをつけたくなりました。

 とはいえ、アメリカでもカレーといえば本場はインド。これは常識です。とくにニューヨークなどの大都会にはインド人の経営するカレー料理店がたくさんあり、人種、民族を問わず人気があります。しかしちょっと地方に行くと、様相は一変します。

「カレー? 知ってるけど食べたことない」「匂いがきつくてちょっと駄目かも」「わしゃ人生で一度もカレーなど食ったことないわい」

 思いの外、人気がないのです。一度食べるとわかってもらえるのでしょうが、なかなかとっつきにくいのが現状のようです。

 うちの家族は、私が作る日本のカレーに昔から馴染んでいます。   数年前、本場インド式のカレーをレストランでいただいたときは、子どもたち首を傾げて、「これもカレーなの?」と納得の行かない様子。日本人が日本人向けに作ったカレーをスタンダードと思い込んでいたようです。

 また私の元同僚はアメリカ人ですが、両親が生まれも育ちもイギリスはリバプールのアイリッシュ系。小さい頃から母親のつくるインド・カレーを食べていたといいます。イギリスではインドカレーが広く浸透しているのですね。しかし日本のカレーとの違いは知りませんでした。彼はうちの娘と逆の意味で、日本のインスタントカレーを食べて「これが日本のカレー?」と怪訝な表情でした。

 私が「カレーは日本の国民食だ。日本人は週に一度はカレーを食べる」とちょっと大げさに言うと彼はびっくりしていました。彼の概念では日本イコール寿司、魚なので、あのとろっとした黄色く辛いカレー・ルーとご飯の組み合わせはミスマッチに思えたのでしょう。

 とまれ彼も味に馴染んでくると、「これはカレーじゃないかもしれない、でも美味い」と言ってくれました。ちなみにその時使ったのがハウス・バーモントカレー。彼はペンシルバニア、バーモント出身なので商品名に食いついてきました。うちの田舎にそんなカレーはないぞ」って。ええ、あるはずありません。私が「りんごの産地にあやかってつけた名前だろう」と言っても納得行かない様子でした。

 そんなことはどうでもいいのですが、このあいだ、日本食料品店にいった時、このハウスのカレーを爆買するアメリカ人を見かけました。ちょうどセールの日で、特売コーナーに固形カレーのパッケージが山積みされていたのですが、その山を崩さん勢いで白人のおばさんがかき集めているのです。ショッピングカートには50個あまりのカレーが積み込まれ、他には目もくれずレジに並びました。

「そんなにお好きですか」思わずそう聞きたくなるのを抑えました。失礼ですよねそんな聞き方。

 しばらくして駐車場に行くと、そのおばさんの車らしきミニバンを見かけました。中にはおじいさんと小さな黒人と白人の子供たちがいました。勝手な想像ですが、みんな血がつながっていなように見えます。それで私はあのカレーはどこかの施設とか、給食など、そういったところで利用されるものなのだろうと推察したのです。

 こうやってじわじわ日本のカレーはアメリカにも浸透しているのかな、なんて思った次第です。

 そういえばもう一つ、いまネットフリックスやアマゾン・プライムで日本の映画やドラマがアメリカでも見られるのですが、面白いことを聞きました。娘の友だちが、日本のドラマでカレーを食べるシーンがやたら多いと指摘したそうです。

 ええ、それは言えてるかも。この間観た「ファイナルファンタジー・光のお父さん」でも毎回カレーが出ていましたからね。日本人は無自覚ですが、外から見るとちょっと異常なくらいカレー好きの民族なのかもしれません。きっと日本のカレーがアメリカでブレイクする日も遠くないのではないでしょうか。


2020年8月15日土曜日

アメリカでカメラを購入

 中古カメラが安い!

 

 

 本日、マップカメラさんに注文していたカメラが届きました。買ったのは中古品で、Canon Powershot G3 Xというコンデジです。

 これはアメリカのeBayを通じてオンラインで購入しました。マップカメラは米国eBayと提携しており、日本店舗の在庫商品の一部をeBay上で販売しているのです。それはもう、日本に住んで日本のマップカメラのサイトで買うのと同じ感覚でショッピングができます。私がeBayでこの欲しかったPowershot G3 Xを注文したのが二日前です。それでもう今日到着!

 早い! 早すぎる!! でも間違いなく郵送便はDHLの国際郵便です。

 日本に住んでいても、こんなに早く到着することは滅多に無いです、オンラインショッピングで。アマゾン・プライムより早いよ。どうなってんの?

 梱包もしっかりしているし、肝心の中身も中古とは思えない美品。マップカメラやるじゃん! そんな感じです。

 eBayも久々に利用したのですが、昔に比べ信用度は増きた印象です。昔は注文したものと違うものが届いたり、料金振り込んだきり梨の礫、なんてトラブルで何度か痛い目にあいました。

 昨今は信用第一でオンライン・ショッピング事業を拡大、セキュリティの強化や売り手の情報開示、保証の充実と改善を重ね、以前よりずっと安心して買い物ができるようになりました。それでも時々、個人で中古品を販売する人たちは、少しでも売上を伸ばすために、過度に商品をよく見せようと、反則ギリギリの売り口上や加工した商品写真を載せることがあります。やはり過去の評判や実績をしっかり調べて、品定めをする必要はあります。いわゆる自己責任ってやつですね。

 その昔、アプリやソフトがCD-ROMなどのディスクで販売してた頃のこと。私は欲しかったホームページ作成ソフトをeBayで格安で見つけて注文しました。やったーと思って送られてきた郵便物を開けてみると、それは雑誌のおまけで付属しているおためし版CD-ROMでした。

 バカヤロー、やられたー。後悔してもすでに遅し。販売契約条件をよく読むと、小さな文字で「返品不可」とありました。たいした額ではないものの、騙された悔しさはけっこう長く尾を引いたものです。

 そんなことも幾度かあったので、私はeBayでの買い物には極力注意して、吟味してから用心深く品定めをするようになりました。決して衝動買いに走らず、競売には乗せられないよう推移を見守ります。

 とりわけカメラやパソコン類など精密機器はめったにオンラインでは買いませんが、今回はずっと狙っていた商品だったので、信用のおけるマップカメラがeBayに出店していることを知り、購入を決意しました。しかしまさかこんな状態のいいカメラを、こんなに早く入手できるとは思いませんでした。価格も中古市場でほかのセラーを圧倒する安さでした。それでいて傷一つない美品。試写しましたが、全く問題ありませんでした。いやーこんなキモチいい買い物は久しぶりです。やはり日本の信頼と実績のある店は違います。今後カメラ関係の品探しは、まずマップカメラから始めることになるでしょう。

 ところでこのCanon Powershot G3 X、聞きしに勝るすごいコンデジです。


 アメリカではブリッジ・カメラという分類で、一般的なコンパクトカメラより上位の商品です。日本では高級コンデジなどと呼ばれるものの一つです。

 カメラの性能の良さを決定する要素の一つ、センサーが一般のコンデジより大きいのです。

1インチ・センサーと言って、フィルムに相当するセンサー部分の受光面積が大きめなので、より広範囲な撮影現場に対応できるのです。このカメラはそれだけではありません。一番の特徴はなんと25倍ズームレンズが付いているということ。一インチセンサーのカメラでこれだけ倍率の高いカメラは他に数えるほどしかありません。キャノン独自の技術のより、競合他社よりも小型で防塵防滴機能備え、チルト式のタッチパネルまでついているのはこの商品だけです。発売は数年前もまえの旧型といえますが、これ以降、バージョンアップしていないので、まさにワン・アンド・オンリーの輝く性能のカメラといえます。


 昨今はハイエンドのフルサイズ・センサーのミラーレス一眼が注目を浴びていますが、それらを必要とするのは、プロ・カメラマンやセミプロ・レベルのハイ・アマチュアで、裾野の広い一般カメラ愛好家にはまだ、あこがれの存在です。安くても20万以上しますからね、そういったカメラは。

 もちろん私も最終ゴールはそういったカメラになりますが、いまはまだ高嶺の花です。

 腕が未熟な私には恐れ多いです。それに私のカメラに対する期待は画質だけではないのです。基本的にはスナップ写真が好きなので、ポケットかカバンに常にコンデジを入れ、持ち歩いています。はっと思った瞬間を切り取る、それがスナップ写真の醍醐味です。大きなカメラ機材ではしょっちゅう持ち歩けず、シャッターチャンスを逃しがち。写真の完成度より荒削りでも、二度とない瞬間を大事にしたいのです。

 それとは別に、私はズームで遥か彼方の見えないものをきれいに拡大して撮れた写真にワンダーを感じます。また虫や草花の微細な拡大写真を見てうっとりするなど、普通のカメラ趣味者とはちょっと違うカテゴリーに住む者です。

 高級、高機能のカメラはいいに決まっていますが、今はCanon Powershot G3 Xのように、幅広いシャッターチャンスに好適なカメラが私の願望を満たしてくれるのです。

 というわけで今日はとても素晴らしいカメラをゲットできたので、ウキウキしています。これからしばらくは試し撮りにあてもなくさまよい歩く日々となりそうです。


 

 

2020年8月14日金曜日

英語はYouTubeで学べ

 おすすめ英会話 on YouTube


 

 英語学習はもはやネットを通じて効率よく進める時代。近頃YouTubeを観ていて、つくづくそう感じます。

 町の英会話教室に通って、ネイティブ英語を話す先生からいくら学んでも上達しないのは、みんなわかってきています。オンライン対話形式で現地の先生と会話する式の学習も、一時は流行りましたが、週に1ー2度、一回1時間程度では到底上達は望めません。

 学習する物量的な密度がスカスカで、まず生徒を甘やかしすぎです。高い授業料を払う生徒さんを失いたくないから、つい優しく優しく接し、いつまでたっても初心者から抜け出せないレッスンを堂々巡りのように繰り返してしまうのです。

 さらにこれらは根本的に、教える側の資質に問題があります。日本人に対し教えるにあたって、何が重要、必要かを全く認識していない先生が多すぎます。英語を上達させたいなら、生徒一人ひとりの問題を把握し、それに沿って中期、長期の達成プランを組み、上達を確認しながら教えるべきなのです。せっかくの個人授業、少人数制がまったく生かされていないのが、ほとんどの英会話教室の問題です。

 こういった塾制度の英語学習にはもう見切りをつける頃でしょう。本当に英語を習得したい、そんなやる気のある人なら、今は自ら自分に合った学習を選択できる時代です。

 そんな中で、私は近ごろの英語を教えるYouTuberの充実ぶりに瞠目しています。

 まさに百花繚乱。ここ数年で英語に関するYouTubeの人気はうなぎのぼりで、どれがいいのか、目移りするほどです。もちろんやりかたも語り口も様々で、なかには「ちょっと待て、その英語」という怪しいものまで含まれます。

 そんな中で、私がワンダフル! と嫉妬を覚えるようないいチャンネルをいくつかご紹介します。

1 ニック式英会話

 東京で長年英会話教室を主催するニック先生の授業は、ただではもったいないくらい、中身が充実しています。日本語の深いところまでよく知るニック先生だからこそ、日本人の陥りがちな文法上の間違いや、発音理解の仕方を惜しげもなく披露してくれます。毎回わかりやすい例文で教える発音と文法のバランスが絶妙なのに驚きます。英会話は常に文法と発音の両輪で上達させていくべきものですが、どちらにも偏らず、理路整然とわかりやすく教えてくれる英語は、とても自然で実用的なものばかりです。

 数あるYouTube英語レッスンでどれから始めるか迷ったら、まずこれ一本に集中していいと思います。繰り返し聞けば、参考書が苦手な人にもガッツリした英語基礎知識が身につく内容となっています。本当にイチオシ。

2 Yumi's English Boot Camp

 Yumi先生は日本人が陥りがちな発音の悩みを解消してくれます。とにかく発音、発声のお手本を地で行く先生です。よくいる帰国子女のような、まんまネイティヴの現代っ子的くだけた口語ではなく、日本人がたどり着くべき理想の発音方法を学べます。自然な言い回しや句動詞の大切さも教えてくれ、日本人目線でわかりやすく、役立つ情報満載です。ここで会得したことはフォーマルでもカジュアルでも自信持って活用できます。ひろく英語社会に溶け込みたい人には、是非参考にしてほしいチャンネルです。

3 Ichiro English

 パッと見なかなか濃いルックスのIchiro先生が熱く語る英語学習法は、とにかく熱量が半端ないです。英語習得のコツを伝えようとするエネルギーが画面を通じてひしひしと伝わってきます。個性的で型破りな教え方に評価は分かれそうですが、独学で覚えたとは思えない、ネイティヴ顔負けの英語知識は本格的です。独自のスタイルで、既存の英語塾にはない新鮮さを求めるならココ。先生の強調するポイント・アドバイスはいちいちもっともなので、思わずメモしたくなるほど引き込まれます。なんだか手品師の技を、目の前で見ているような臨場感は素晴らしいものです。

4 Hapa 英会話

 2014年に始まったポッドキャスト英会話を皮切りに、音声、ビデオを駆使したインタラクティヴ英語学習の草分けです。Jun先生のネイティヴ・イングリッシュは肩のこらないリラックススタイルで、気軽に聞き流せるのが特徴。時間のない人が、毎日シャワーを浴びる気分で日課にするとよいかもしれません。英語圏ならだれでも使う、普遍的な日常会話を短い時間で無駄なく紹介してくれます。これまでに取り扱った会話例は、大型参考書一冊分を越えロングランを続けています。全くの初心者が途中から入るのはちょっと躊躇うかもしれません。これから中級を目指す、という方なら参考になるティップスがふんだんに見つかるのではないでしょうか。

5 IU-Connect 英会話

 アーサー先生はご自身、日本語を学ぶことによって、日本人が英語を学ぶ秘訣を知ったそうです。外国人にとって最難関の外国語である日本語を、完璧に近いレベルでマスターした先生だからこそ教えられる英語のメソッド。日本人が抱える、様々な英語活用の問題点をひとつひとつ丁寧に解説してくれます。それはアーサー先生が実際に見聞したであろう日本人の問題点を鋭く突いてきます。観ていると、私も知らずに使っていた文法的によくても、微妙にズレた表現が出てきました。アーサー先生はそれちょっとおかしいよって、噛み砕いて指摘されるので、まさに目からウロコでした。優しい物腰で語るスタイルも好評で、初心者でも安心して参加できるチャンネルです。


 今回は正統派のYouTuber英会話学習チャンネルをご紹介しました。これから英語を学びたい、再入門してみようか、そう思われる方はぜひチャレンジしてみてください。きっと今まで以上に英語が親しみやすく学べるはずです。


2020年8月13日木曜日

部屋にモノが多すぎる

 整理整頓・爆速進行中

  

 家にやたらモノが溜まって困っている人、結構多いです。

 そんなとき、あなたはどうしますか?

 私は日本にいた頃、運送業の知人に片付けの秘訣を教わりました。その人曰く、

「来週引っ越しだと思えばやる気になるよ」というものでした。

 まあそうなんでしょうけど、実際のところ、本当に引っ越しにでもならないとやる気は起きそうにありません。しかしその運送業の知人の家はいつ行っても、やたらきれいに片付けられているのです。それは悔しいくらいスッキリしているのです。特にモノが少ないとかではなく、やたら整理整頓されていて、余分なモノがないのです。

 私は、彼が何かまだ他に秘訣を持っているはずだと思い、食い下がりました。彼の答えは、

「明日自分が死ぬと思えばいい」でした。どんな金持ちも、モノ持ちもあの世へは何ももってけないだろ。そう思えば諦めもつき、何でも捨てられるだろう、というのです。

 さらに付け加えて、「ようするに君は執着心から抜け出せずにいる。そういう煩悩だと思え。そういう人はモノを減らすのが困難なので、別のやり方で行くしかない」というのです。

 なるほど、いくら整理整頓心がけても、人の性根が執着心に囚われた煩悩の塊では永遠に脱却できぬというわけです。

 それで私は「別のやり方」を求めてさまよい始めました。それから10数年。いま私がたどり着いた整理法があります。

 名付けて、「エイリアス作成法」

 これはネット社会の現代であるからこそ、為せる技です。私が日々行っているのは、過去に置き貯めた物品を片っ端から、デジタル化してゆく、というものです。

 できるものは限られていますが、私の場合、物量的にもっとも空間を占有しているものがデジタル化可能な対象品です。

 まず本。蔵書と言うほどでもないのですが、ざっと1000冊。それを2年ほど前から順次デジタル化しています。私は買ったまま読まずに本棚直行の積ん読本が多いので、捨てるに忍びない本が山程あったのですが、どうしても取っておきたい本から順に電子書籍を購入し、紙の本をリサイクルしています。すでに120冊以上がデジタル本に変えられ、本棚のスリム化に大きく貢献しています。すべての本が電子書籍化されてるわけではないのですが、調べたところ60%は可能とわかりました。あと1年ほどで、所蔵本のデジタル化は完了の予定です。

 次に、ビデオテープ。これは仕事の関係で、一時期、500本近くのVHSテープを溜め込んでしまいました。殆どが、レンタルビデオ店から借りたものをコピーした私的複製テープです。中身はほとんど映画ばっか。これは保存希望リストを作り、図書館でレンタル可能なものに星印をつけ、いつでも借りられることをチェックした後、ゴミ箱に捨てました。これであの場所をとってしかたがなかったビデオテープがスッキリ半減しました。

 さらにCDですがこちらもSpotifyでいつでも聴けるアーティストのアルバムは思い切ってBook-Offに売却しました。CDケース2個分浮いてスッキリ気分です。

 プリントした写真、フォトアルバム。これもパソコン・スキャナーで写真をスキャンするか、デジカメでまとめ撮りして、パソコンのデータと化しました。

 そうだ雑誌も古いのを後生大事に取っていたのですが、ある日思い切って時間を割いて、必要なページごとにデジカメで撮りまくり、デジタル化を敢行。去年からざっと80冊くらいは処分できました。昔はハサミで切り抜き糊でノートに貼っていましたが、デジタル化でそんな手間は大幅に省けました。

 同様に、取っておきたい重要書類もできるかぎり、スキャナーを使ってパソコンに移行しています。いらない書類が半年たらずで激減しました。もちろんその際同時に手作業で要不要の仕分けもしました。こういったアナログ的作業も同時進行で少しでも進めていきましょう。

 こうやってデジタル化可能なものの整理作業を、空いた時間にコツコツ進めることで、私の余分な所有物は大幅にカットできました。まだ道半ばですが、この方法なら煩悩と戦わずに安心してモノを減らすことができます。やったあとは非常に心地よいので、部屋を見渡してささやかな達成感を味わえるのがいいですね。

 ひとつ注意していただきたいのは、

デジタル化の際は必ず同じものを別の場所に複数保存しておくこと、です。たとえば、フォトアルバムのデータはパソコンとクラウドの両方に同じものを保存する、などです。用心深い私は、それに加え、外部ハードディスクにも第3のコピーを保存しています、こうすれば何かのときにデータが消失しただのという、取り返しのつかない失敗をカバーすることができます。

 みなさんもぜひお試しください。

余談:先月、向かいの住人がすごく思い切ったモノ減らしを敢行しました。

 ダンプスターを借りて、家の前に5日間ほど置き、数回に分けてドッカンドッカン大きなモノをそこに放り投げておりました。アメリカではこのダンプスター・レンタルやる人多いです。地域、容量によって値段は違いますが、ニューヨーク界隈では、ダンプカー同様の標準サイズ、ダンプスターで一回350ドルぐらいから借りられます。積み込まれた粗大ごみは然るべき処理場へ持っていってくれますので、手間暇労力を考えれば安い方です。

引っ越しのときに便利なダンプスター
引っ越しのときの必需品、レンタル・ダンプスター


 うちの向かいの人は粗大ごみを相当溜め込んでいたようです。朽ちかけた裏庭のドア、古いソファ、ベッド、便器、壊れた食器棚、タンス、椅子、テレビ、脚立、卓球台、鍵盤キーボード、電気スタンド、掛け布団、スーツケース、サーフボード、自転車、その他大きなゴミが毎日どんどん積み重ねられていきました。さすがアメリカ、粗大ゴミ処分も大スケールで短期間でさっさと済ませてしまいました。

 こういう潔さ、ぜひ私もあやかりたいです。物欲所有欲に打ち勝てない私は、つくづく自分の浅ましさを思い知りました。私もいつかはあの豪快な「ダンプスターへ放り投げ」をやってみたいものです。 



 

2020年8月12日水曜日

チーズケーキ激戦地・NEW YORK

ニューヨークで一番のCheesecakeといえば

 
 
 もう過ぎてしまいましたが、7月30日はナショナル・チーズケーキ・デーでした。例年なら各地でチーズケーキを祝うパレードなどが催され、ふんだんにチーズケーキのいただけるはずの日なのですが、今年はいずこも中止か規模縮小だったようです。
 そんな時、うちの子のママ友からチーズケーキのお土産をいただきました。ニューヨーク市内のコロナ感染率が1%台に落ち着いたことで、職場復帰がはじまったそうです。ニューヨーク、ここ数ヶ月頑張りましたからね。そういえばこの間まで駅前の駐車場ガラ空きだったのですが、今朝は結構埋まっていました。ようやくマンハッタンへの電車通勤も正常化に向かいつつあるようです。

 ママ友のご婦人からマンハッタンのお土産をいただくのははじめてです。なにかと思ったらチーズケーキ。それもマンハッタン有数のチーズケーキ人気店「アイリーンズ・スペシャル・チーズケーキ(Eileen's Special Cheesecake)」の定番プレーン・チーズケーキです。

 子どもたちは狂喜乱舞のお祭り気分です。ここは数あるニューヨークのケーキ店でも老舗で、昔ながらの「ニューヨークスタイル」といわれるズシンと食べごたえのある濃厚なチーズ感がウリの店です。店にはバラエティに富んだカラフルなトッピングのチーズケーキがたくさん並んでいて、見るだけでもハッピーな気分になります。一度行こうと思っているのですが、店の中へ入ったことはありません。とても小さくて車で行くと見落としかねない店です。しかしその人気は絶大で、マンハッタン観光するならぜひ立ち寄ってと宣伝するファンもいます。

 お土産に頂いたのは、直径15センチほどのファミリー向け定番プレーン・チーズケーキ。数年ぶりにいただきましたが、「うん、確かに美味い!」と舌鼓を打ってしまいました。ここのチーズケーキの特徴は日本人の舌に会う程よい甘さでしょうか。しっとり感は日本のものより高めで、口の中で程よく溶けます。



 とかくアメリカのケーキ類は激甘が多く、食べた瞬間に歯が痛くなるほど(いやホント)ものもあります。アイリーンズのは上品な甘さで、後味もさっぱりしています。さすが本場のニューヨーカーたちに長年支持されるだけあるな、そう思っていたら、うちの子供達はなんだか微妙な表情。「あれ、美味しくなかったの?」と聞いたら、美味しいけど、これより「チーズケーキ・ファクトリー」のほうが上、と主張しはじめました。

 ちょっと待てよ、です。「The Cheesecake Factory」は全米展開するファミリーレストランで、確かにデザートやお持ち帰りのチーズケーキがウリでファミリー層に不動の人気があります。しかしわたし的にあそこのはかなり子供を意識した、デコレート満載のお菓子というイメージなのです。良くも悪くもアメリカを代表するような甘さ第一主義のチーズケーキ。あそことアイリーンズでは格が違うと思うのは私だけでしょうか?

 そんなことを思っていたら、家内は「あら、チーズケーキのベストはやっぱりHudson Valley Bakeryよ」などと第3の意見が飛び出してきました。それはこのハドソンバレー界隈ではけっこう知られたローカルなベーカリーです。比較的新しい店ですが、あえて言えば、おばあちゃんの作った手作りケーキ、みたいなほのぼの感があります。化学添加物なしという本物志向で、味は濃厚、それでいてふんわりした食感が上品。ついつい食べすぎそうになります。とくにオススメなのが「New York Plain」。サワークリーム風味が利いたプレーン・チーズケーキが絶品で、一度食べると忘れられません。ある時期定期的に買いに行ってたこともあるくらい、病みつきになりました。誕生日やお祝いには持ってこいの商品でもあります。



 さてこれらの中からチーズケーキ・ナンバーワンを選ぶのは至難の業です。どれも確かに人気があり、よく繁盛しているのがその証拠。

 いやいや私が食べたことのない、それでいて人気のあるチーズケーキはまだまだいくらでもあるでしょう。他州は存じませんが、ことニューヨーク内のチーズケーキに関しては、かなりハイレベル、ていうかここは全米一のチーズケーキ激戦区ではなかろうかとさえ思います。

 ニューヨークへお越しの際は、ぜひこのニューヨーク・スタイルのチーズケーキをご賞味ください。きっと忘れられない至福の味を堪能できますよ。

Eileen's Special Cheesecake
17 Cleveland Place, New York, NY 10012

The The Cheesecake Factory
Ridge Hill Shopping Center, 140 Market Street, Yonkers, NY 10710
The Shops at Riverside, 390 Hackensack Avenue, Hackensack, NJ 07601
The Source at White Plains, 1 Maple Avenue, White Plains, NY 10601

Hudson Vally Baking Company

421 Waverly Avenue, Mamaroneck, New York 10543

2020年8月11日火曜日

ウォルマートの闇

アメリカで電子レンジを選ぶ 


 私は日常の買い物はウォルマートの利用率が異常に高いのを自認しています。以前は身の回りを見渡すと、その大半がウォルマートで購入したものでした。そのためいっとき私は「ウォルマーター」であることを公言していたくらいです。

 なぜウォルマートなのかというと、「近くてなんでもあって、安いから」。という単純な理由す。それはいまも変わらないのですが、数年前からじょじょにその依存度を脱却しています。品質という面では、ほかの店を選んだほうがいい買い物ができるとわかってきたからです。

 とくに今回、電子レンジ購入にあたって、ウォルマート信仰はすっぱり捨てたほうが良い、というシンプルな結論に達しました。元ウォルマーターである自分がそう思うほど、今回のショッピングは酷いものでした。

 はじめにお断りしておきますが、これは一転してウォルマート批判に転じるものではありません。これからもウォルマートは庶民の味方であることには変わりません。

 あくまでも今回の事例を参考に、買い物は賢く、慎重に。そういうことを促したくてアップさせていただくものです。

マイクロウェーヴ・オーヴン事件

 私の電子レンジが突如壊れたのは、嵐による停電が発生し、回復した翌朝です。

 コップいっぱいの水を温めようとしたら突然、レンジ内からブーンと唸る音が聞こえ、同時に火花がスパークスはじめました。ちょうど間違ってスプーンなどの銀食器を入れてしまったときのような反応です。あわてて停止ボタンを押し、開けてみると中は陶器のコーヒーカップのみ。レンジ内の壁面もきれいです。試しに空の状態でもう一度20秒レンジを稼働すると、再びブーン、バリバリとうなりながらスパークしました。時間をおいて、もう一度試しましたが、音もスパークもひどくなるばかりです。

 危険を感じ、コンセントを抜いて床に置き、周囲を点検しましたが、外部からみるかぎりどこにも異常はみられません。

 製品は日本のSharp製で使用して5年余り。


 

 毎日ハードに使っても故障知らずで、使い勝手最高でした。

Stainless Steel Sharp Countertop 1200 Watt Microwave Oven, 2.2 cu. ft

(以前使っていたGE製のは加熱ムラが不満ですぐ人手に渡りました)

 故障で考えられるのは停電の時、電流異常が起きた可能性です。あのときの停電は、なんども切れたり灯いたりを繰り返す異常なものでした。

 保証期限を過ぎているので修理屋さんに持っていけば、直るかもしれませんが、手間暇コストを考えると買い替えのほうがいいだろうということに。

 電子レンジは毎日使うものなので、一日も待てません。下調べなしにウォルマートに直行しました。

 商品棚の上にサンプルの電子レンジが並んでいました。見た目ではどれがいいのかわかりません。Hamilton Beach とGalanzというブランドの商品がやたらと安くて多く、幅を利かせていています。全体の7割くらいでしょうか。

 選ぶ基準はブランドではなく大きさとパワーです。今まで使用していたものと同レベルにしようと決めていました。電子レンジの機能差は気にしません。うちは凝った料理を作らず、ひたすら温めるだけなので、容量とワット数が足りてれば十分なのです。

 迷った挙げ句、この店の売れ筋らしいHamilton Beachの商品を買いました。99ドルとウォルマートらしいセールス価格です。いいものをゲットしたと、洋々と帰宅したのですが、箱を開けてびっくり。いきなり操作パネル下の部分が外れかけているのを見つけました。さわるとグラグラ外れそうです。よく見ると右下コーナーに大きなくぼみがあり、開閉ドアとの間に隙間ができていました。改めて梱包箱の底を見ると、角を打ち付けた痕跡が残っています。どうやら店頭に出すまでのどこかで作ったダメージのようです。おそらく一度地面に落っことしたのでしょう。もうこの時点でこの電子レンジはアウトでした。電源をつけるまでもなく、即座に返品しにいきました。

 ハズレを引いたとはいえ、こんなこともたまにはあろうと、ふたたび在庫の豊富な同じモデルを選んで交換してもらいました。こんどは箱の外観にダメージが無いことを確認済です。帰宅しこんどこそ電子レンジでお茶を飲むぞと開封すると、また同じ箇所に変な歪みがありました。そもそも、今度は床においた時点で4つの足がそろわずガタガタ傾いています。底部を見ると、明らかに外部の力で湾曲しているのです。したがってドアの開閉からしてギクシャクし、閉まりきりません。明らかに不良品です。

「ああ」

 私は天を仰ぎました。一日に2度も同じ商品で欠陥品を掴まされるとは、なんという運の無さでしょうか! この日おみくじを引いたら大凶だったに違いありません。いっそ電話でクレームをつけ、引き取ってもらおうかと思いましたが、それよりも面と向かってはっきり言いたい気持ちが勝りました。

 ふたたび梱包し直し重い箱を抱えてウォルマートへ。もう汗だくです。カスタマーサービスの担当者に説明し、当該商品の在庫も検査すべきといい添えました。担当者は熱のない顔でうなずくのみ。もうさすがにこのブランドは信用できないので、値段は張るが信頼のPanasanic製にチェンジしました。

 私はアメリカではなるべくブランド買いをしないようしてきましたが、やはりこと家電関係は、日本のブランドに利があることは否めなせん。今回それを痛感しました。

 ただ驚いたのは、この二度目の返品のときです。商品棚を見て私は目を疑いました。

 一度目に私が返品した電子レンジが棚に戻っていたのです!

 信じられますか。完全に落下で壊れた商品を再びシーリングして、値下げして売っているのです。($99→$59) 返品からわずか半日あまりのことです。

 どうなってるのでしょうか?

 店側は私が説明した商品の欠陥を承知で、再販しているのです。おそらく直しもせず。ていうか店で直せるレベルのものではありません。

 これを買ったお客さんは、確実に私と同じ運命をたどるでしょう。使えない壊れた電子レンジを店頭に並べる神経がわかりません。店員さんによっぽど注意しようかと思いましたが、そのときは疑心暗鬼に駆られ、いま手にしたPanasanic製を早く家でチェックしたい気持ちが先になりました。

 おそらく二度目に返品した品もすぐ店頭に戻されるのでしょう。ウォルマート恐るべし。

 結局パナソニックの電子レンジは健全に機能し、我が家のキッチンに鎮座しています。

 もうこれからは商品選びには注意を払います。痛い思いをしましたが、時間の損失だけで済みました。下手なものを買って保証期間外にぶっ壊れるようなヤワなものには手を出しません。偏見とかそういうものではなく、レビューをよく調べ、実績のあるメーカーから選択するのが賢い買い物でしょう。

 今回はそういうことを学ぶ教訓多きショッピングでした。

 ちなみに購入したPanasonic電子レンジはこれです。調子良好。快適に使えます(笑)。

Panasonic NN-SU696S Microwave Oven, 1.3 Cft, Stainless Steel/Silver


2020年8月10日月曜日

介護するアメリカ

 ケアをするオプション

 今の時代、自分を守るだけで精一杯という人は少なくないでしょう。そんな中でも身内の老人、病人、怪我人の世話は待ったなしです。アメリカではどのようにこの問題と取り組んでいるのでしょうか。

 私は仕事柄、養護関連の人を病院やケア施設へお運びすることをよく行っています。そういった施設やケアセンターのスタッフ、身内の方々はいまとても大変です。ただでさえ日常生活で支えを必要とする人を、コロナから守りながら、自らも感染の危機にさらされ働いているのです。

 たくさんの人が集まる大人向けのデイ・ケアも今は多くが休業状態です。こう言っては失礼なのですが、実際の現場を見ると、介護を必要とする人の一部は、コロナ対策の自覚に乏しく、マスクをせずに他人に接近したりします。ケアをする側はすべてフォローできるわけではなく、場所によっては隙だらけの施設も見かけるのです。

 実際に老人ホームなどでの集団感染は、アメリカのどの地域でも発生しており、閉鎖をせざるを得ない施設も増加の傾向にあります。家族はもとより、介護の助けになるはずのエイドやボランティアの人達も原則訪問、入室等を禁じられたりしています。これでは介護が逼迫するのも自明のことです。

 それぞれの自治体で、助け合って人材を補う試みもありますが、持続的にできるかどうかは不透明なところが多いのが現状。

 そんな中、私の家内の母親が、老人養護施設に入るのを断念しました。去年の秋頃から入居先を度々訪れ、義母も納得していた矢先にコロナ問題が起きました。春に予定通りの入居を打診したら、待ってくれと言われました。ケア要員の人材不足と、財政難、そして安全の確保が不十分で、行政から新規入居者を制限するよう指示されていたらしいです。

 こちらもそんな不安要素の多い場所に義母を預けるわけには行きません。しかし養護施設を断念したことで、われわれは深刻な現実に直面しました。というのは、義母はすでに先月、長年住み慣れた実家を売却してしまっていたのです。

 義母にはもう帰る家がありません。思わぬ事態に家内の親族は家族会議をZOOMで始めました。なんとか他のオプションはないものかと検討を繰り返しました(私は不参加。家内に任せました)。フロリダに母のいとこで一人暮らしの大叔母さんがいるので、どうかと意見が出たのですが、それでは老老介護になってしまいます。

 家内の親戚、兄弟姉妹はいずれも相応の家を持っていますが、急に母を迎えるとなると、生活設計も大幅に変えることになるでしょう。義母は足が悪く、車椅子に対応できる家が必要なことも忘れてはいけません。毎週何度も議論が繰り返されました。そのうちコロナの情勢が好転するのではと、淡い期待もありましたが、全米規模ではまだ感染は増加傾向ということで、施設等への転居はオプションからはずさざるを得なくなりました。

 ーー誰かが母と一緒に住み、世話をする。

 やはりこれしか選択肢はありません。我が家もできることならなんとかしたいのですが、うちは借家で寝室の余分もありません。親族みんなが母を心配し、どうすべきかと、呻吟する日々が続きました。

 そしてその挙げ句、家内の姉夫婦が母と暮らすことを決断しました。決め手は「リタイヤ」です。この姉の夫は、この春定年で仕事をリタイヤしたばかりです。おりしも10年前から決めていた、田舎暮らしへの準備が進行中だったのです。引退後にはロングアイランドの大きな家を売り払い、ノースカロライナの田舎に引っ越すのが夢だったといいます。すでに彼らはノースカロライナの土地だけを購入していました。この秋には家を建てる計画が進んでいたのです。母と暮らすことで、家の設計図は速やかに見直しが始まりました。小さな家でもバリアフリーにし、応接間を削って母の寝室を作るそうです。

 姉夫婦はリタイア生活になるので、母の面倒をみる時間はありそうです。むろん二人にはそれなりのプランがあったでしょうが、今は母のことに意識を切り替えているみたいです。本当に頭が下がります。

 このように、なんとかうちの義母の生活は、姉夫婦によって守られそうです。これはまだ運のいいほうでしょう。たくさんの問題を抱える家族とその被養護者たちは全国にたくさんいます。今後はこういった、生活難民の手前にいる弱い立場の人達が、保護されるような政策を為政者に強く示していく必要があるのではないでしょうか。

 もはやこれは当事者のみの問題ではなく、国や地域のあり方から抜本的対策が急がれる課題であると私は思います。

2020年8月9日日曜日

ニューヨークでウサギを飼う

うさぎ記念日 


 8月8日は我が家にうさぎ兄弟がやってきた記念日です。ちょうどまる4年になります。

 この二匹はLion Headsという品種で、日本ではこれによく似たライオンラビットがポピュラーです。親戚のようなものですが、ごらんのとおり、耳が大きく顔の周りの毛がたてがみのようにふさふさとライオンのように伸びています。全体に毛足が長く、お尻のあたりの毛もわさわさ伸びては抜け、綿帽子のように床を漂います。ブラッシングしてやると喜ぶのですが、季節によってものすごい量の抜け毛になります。兄弟で舐めあって毛づくろいもしますが、この種は毛玉を飲み込んでお腹を壊しやすいので注意が必要です。

 凍らせたパンプキンのシャーベットが好物で、これには消化を助け、胃の中の毛玉を排出させる効果があるので、常備しています。ニンジンはさほど好物ではなく、気が乗らないと「フン!」とそっぽを向かれます。基本、ウサギは干し草と水さえあれば生きていけるのですが、野生と違ってデリケートな体なので、ペレット状の野菜やビタミン入のものを適宜与えます。

 ウサギは概ねおとなしく飼いやすいペットと言われますが、犬や猫のように人なつっこい生き物ではありません。性格はじつにマイペース。こちらからかまってやらないと距離は縮みません。かといっていきなり抱っこしたり、くすぐっても逃げられます。見た目は可愛いのですが、基本ツンデレで、じゃれついてくれたかな、と思った次の瞬間、ダッシュで隅っこに逃げ込まれたりします。根気よく付き合うことが必要な生き物です。

 とくにうちのウサギ兄弟は生い立ちにトラウマがあって、はじめは懐きにくかったのです。

 彼らは、とあるニューヨークの地方農家で生まれました。かなり変わった農夫だったそうで、牛、馬、羊、鶏などのついでにウサギも多数飼っていました。あるときあまりに増えすぎたウサギに、何を思ったのか、柵を開放して野放しにしてしまったのです。周りは野良猫、野犬をはじめキツネやラクーン、上空にはコンドルが舞う野生の世界です。飼われていたうさぎたちはどうやらそいつらに追われ、森で散り散りになったといいます。そのなかにまだ幼いウサギ・ブラザーズもいました。二匹はどんなに怖い日々を過ごしたのでしょうか。草食動物のウサギに攻撃性は一切なく、ただ逃げるだけの本能しかありません。

 近所の心ある人が動物レスキューのボランティに通報して、逃げたウサギを一羽一羽保護していったそうです。そのなかにウサギ・ブラザーズもいました。

 土手のくぼみで発見されたときは、互いにピッタリ身を寄せ合って震えていたそうです。まだ生後数ヶ月だったといいます。

 その話を人づてに聞いた家内が、ぜひ飼いたいと申し出ました。ちょうどうちの娘が思春期にさしかかり、悩み多きときだったので、癒やしを求めていたのです。

独特の警戒フォーメーション。こんな格好で互いに身を守り合うのです。


 動物レスキューの施設に保護されていた二匹を見て、妻と娘は即座にアダプトを決めました。大急ぎでケージや住むスペースを用意し、彼らを迎え入れたのが4年前の8月8日。

 二匹は兄弟ですが毛色が対照的です。白と灰色の方はストーミー、黒と茶色の方はチューウィと名付けました。スター・ウォーズのストーム・トゥルーパーとチューバッカから取ったものです。

 いまや二匹はすっかりウチの家族の一員となって、幸せに暮らしています。ときに外で犬が吠えると、条件反射でビクッと震えて、トンネルに逃げ込むのは、幼少時のトラウマのせいでしょう。いまでも二匹は頻繁に互いに身を寄せ合って、周囲を伺う癖があります。聴覚が発達しているので、人には聞き取れない音がしても嫌がって、激しく足で地面を打つ癖があります。いわゆる足ダンですね。日がな一日、腹ばいになって鼻をヒクつかせていますが、バナナやパパイヤなどのデザートが出たときは、飛び跳ねて全身で喜びを表現します。

 とっても可愛くて癒やされるこの生き物と、ニューヨークの片田舎で出会えたことはとてもラッキーでした。気難しい年頃の子供達もウサギと遊べば心が和み、家族共通の話題にも事欠きません。ウサギたちに感謝しながら、これからも大事に育てていきたいと思います。

  

2020年8月8日土曜日

変容する世界

 新時代に向けての提言(仮)



 コロナで人と人が自由に接近できなくなってはや半年あまり。ここニューヨークでも様々な場面で、生活様式に変化が見られるようになりました。


今のニューヨークの現状


 近頃、仕事でマンハッタンへ行く機会が増えてきました。週に2,3回はマンハッタンのどこかしらに車を回しています。それだけ人々がマンハッタンへの往来を復活しだしたと言えます。7月初旬にマンハッタンへ行ったときは、場所にもよりますが、至るところで、これがニューヨーク? と目を疑うほど閑散とした惨状が見られました。本当にゴースト・タウンのように人がいなくなっていたのです。

 昨日、ミッドタウンのチェルシーという地域へお客さんを迎えに行ったのですが、夕暮れ時、レストランの多くが営業していたのには驚きました。ただし大半は店内での飲食は禁止されており、店舗の表に椅子とテーブルをならべて営業していました。見る限り、多くの店がディナーどきということもあり、盛況でした。テーブル同士の間隔は6フィート余り取っていましたが、問題は通行人です。歩道にはみ出したレストランのスペース分だけ通り道が狭くなり、どうしても食事中の人と、通行人が接近してしまいます。従業員も皿を抱えて激しく行き交うので、蜜が避けられているようには見えませんでした。

 交通量も減ったとはいえ、四六時中車が行き交う排気ガスの中での食事はあまり健全には思えませんでした。

 いま食事を目当てにマンハッタンへ来ることはオススメできません。やはりそれなりのリスクを背負うことになるでしょう。


 じゃあ、どこに行けばいいんだ、こんな行楽の季節に。とフラストレーションの高まる方、たくさんいらっしゃると、思います。


都会を離れて郊外へ


 そんなときは、郊外を目指してはいかがでしょうか。アメリカは広大な自然の宝庫です。都会のレジャーに慣れた方なら、いまこそ地方の良さを知るべきです。

 ただし今現在、州を跨いでの越境レジャーはご法度です。事実、今週から警察が州境のインターチェンジなどで検問を始めています。マンハッタンから程遠くないホワイトプレーンズという小都市はコネチカット州と隣接しています。そこで事故や工事でもないのにやけに車が詰まっている、と思いきや、警察がニューヨーク以外の車のナンバーをチェックして、随時停車させていたのです。

 今は明確な必要理由がないと、容易に他州からニューヨーク入りできないので、くれぐれもご注意ください。検問の場所は随時変更されるそうです。これだけ見ても、州を挙げていかにコロナと戦っているかがわかります。


 ま、ニューヨークは広いので州内で探せば人も少なくて、自然の美を堪能できる場所はたくさんあります。これからもそういった隠れスポットなどをご紹介していければと思っています。

 とはいえ地方にゆこう! 誰かがそう言うと、地方で静かに暮らしている地元の方たちの中には眉をしかめる人もいるかも知れません。しかし敢えて申し上げれば、今は時代が大きく変わる潮時です。これまでの地方に凝り固また常識や風習から解き放たれるべきです。外部からお金を落としに来るゲストがいない地方はやせ細るだけです。日本の地方が今どれだけ人材不足にあえいでいるか、アメリカ人にも教えてあげたいです。


 今は意図的に人に接近しない限り、国立、州立公園などは穴場です。感染リスクの低い大自然の中ではのびのびと体を動かせます。注意するとすれば、目的地までの途中で、ドライブインやガスステーションでの接触の可能性。これも今まで通り、マスクと除菌をしっかりしていれば感染は防げます。少なくともマンハッタンで食事するよりも安全です。大森林の人気のないところでマスクを外して深呼吸しましょう。ストレスも飛んでいってしまいますよ。



新時代のライフスタイルが生まれている


 今はもう、日常でみんながマスクをして買い物に出歩く時代。自粛自粛で、こもり疲れの溜まる一方。もはや人々は以前の生活に戻るより、新生活を模索する段階に入っているのです。

 いや、こんな生活は一時的なもので、ウイルスが去ったら、またもとに戻るよ、と楽観的に考えているあなた、甘いかも。

 すでに多くの学者、有識者がコロナ定常化を想定しています。今の事態は収束しないとする考え方です。そんなの嫌だあ、といってもこればっかりは過ぎていかないとわかりません。いや何も私はコロナは時代の要請だなんて不謹慎なことは申しません。が現実、すでに多くの人がマスクライフを受け入れ、新時代を模索し始めているのです。もちろん私も抵抗はあります。なんとか元の世の中に戻って欲しいと。しかし同時に新しい時代に対応できる生き方も模索すべきだという内なる声が警鐘を鳴らすのです。


来たるべき時代に備えよう


 この先何が起ころうとも、フレキシブルに対応するすべを持たねばならない段階に来ているのだと思います。

 これを私は「柔軟性の時代」と命名します。

 この大感染の世、もはや国民は国家に頼らず、自治を収める地方レベルで政策を動かしてゆくべきでしょう。そうしないと手遅れになります。大きな統治体制だけでは、流動的非常事態に際し、変動のスピードに対応できないのです。

 個々においても、今後地震、洪水、ハリケーン、クーデター、経済転覆、医療崩壊、ルール変更、大企業失速、国際紛争なにかしら大それた事が起きたときに備え、柔軟に対応できる精神性、実行力が求められているのです。パニクってすべてを失ってからでは遅いです。臨機応変、フレキシブルに世の変動に対応し、自分を守るすべを身につけておきましょう。地方の自治に影響を与えうる発言、発信力もSNSの活用などで可能な時代です。

 

 もう一つ。自分を守ると同時にコミュニティ・レベルの協力体制を確立しましょう。遠くの親戚より、隣人の助けが頼りになります、日頃から友好関係を築いておけば、いざというときに助けたり助けられたりの互助精神が発揮される、そんな時代の予感がします。

 結局、信じる人は信じられることになるのです。新時代のキーポイントはコミュニティの活用、ここに尽きる、とまでは言いませんが、とても重要なファクターとなることは疑いません。


まとめ


 この先、時代はどのような放物線を描いて飛んでゆくのでしょうか。いまだだれも正確な予想はできていません。しかし時代の空気は確かにどこか指向性をもって流れているような気配を漂わせています。この空気をうまく読み取った人が、次世代をリードしてゆくのでしょう、きっと。

 みなさんも来るべき世界に備え、いまから感性を磨いておいてはいかがでしょうか?



**この記事を書いたのが2020年8月7日。それから一年後、この記事を受けて更なる心境の変化も記しています。ご興味のある方、ご覧いただければ幸いです。

https://www.amemono.com/2021/09/blog-post_14.html