2020年8月28日金曜日

副業を選ぶか、正業にこだわるか

 仕事をどう選ぶか

 これはあくまでもアメリカで暮らす、私の職業選択の事例です。

 今、沢山の人が仕事にあぶれ困っている中、この先どういう道を選ぶべきか、参考になれば幸いです。

 いままでもそうだったのですが、私は多くの時間を副業とともに過ごしてきました。日本の多くの企業が副業禁止ですが、アメリカは自由を旨とする国。かなり広範囲の分野で副業は認められています。

 私は今現在、リムジンの運転を6割、グラフィック・デザインの仕事を3割、あと一割が知人の花屋さんの配達業務などを手伝っています。車の運転が好きで、アートが好きな私には、低所得であること以外はさほど不満のない環境です。できるかぎり自由な時間が欲しい自分にとっては、理想に近いとも言えます。しかしコロナの問題が起きて、それまで6割を占めてきた運転の仕事が3割程度に下落しました。加えて広告デザインの仕事も、ぱったり途絶えてしまったのです。

 これが4月の中旬に始まり、8月に入ってやや持ち直しの兆しは見えてきたものの、このペースでは冬を越すことさえ難しい状況です。

 幸い、公立学校に勤務する家内の仕事は安定しており、夏休み中も給料が出ていたのですが、学校側の人員削減の噂はずっとついて回っています。

 この先行き不安な状況を打破すべく、私は6月から7月にかけて求職サイトindeed、UpWork、linkdInなどに登録してみました。いずれも希望職種はグラフィック・デザインとしました。まあこんな時代でも少しはデザインの仕事もあるだろうと、楽観していたのですが、それは見事に裏切られました。待てど暮らせど希望の就職先は見つからず、こちらから積極的に数件の募集先にレジメを送っても返事すらもらえません。

 嘘でしょ、そう思いました。十数年前、同じような就職活動をしたときは、贅沢を言わなければそこそこの仕事が複数選べる状況でした。広告業界が調子の良かった頃で、即戦力になると見れば、中途採用も積極的に取り入れる風潮だたのです。

 でも今回は違いました。私の見通しは大甘だったのです。8月に入ってレジメを書き直し、希望要件を浅く広くしました。はじめ時給換算希望額25ドルだったのを一気に15ドルに下げ、短時間のパートタイムも可としました。それでも芳しい結果は得られません。マンハッタンで数件アート・デザイナーを募集していたのですが、あっという間に締め切られました。いわゆる有効求人倍率が何倍にも跳ね上がっている印象です。

 オンラインで登録した求人サイトも、いくつか希望に近い仕事を見つけてくれたのですが、いざレジメを出しても、面接にすら届きません。6月から8月までに私が提出したレジメは14件。全滅です。仮にも10数年グラフィック・デザインの職歴があるのに、どこにも引っかからないのです。

 焦りました。切羽詰まってフリーランスになってから唯一お付き合いのあったクライアントに泣きついて、ようやく週に一日半程度のデータ管理の仕事をもらいました。私の得意分野とはかすりもしない業種です。

 しかしこれだけではとても食っていけないので、いま流行りのUber Eatsも視野に入れています。レストランは生き残りをかけて、デリバリー・サービスを急拡大中なのです。運転に自信がある方ならチャレンジの価値はあります。

 私の会社は、最近ようやくリムジンのお客さんがぽつぽつ戻ってきたので、ちょっと様子見となりそうです。しかし仕事のバックアップの確保は絶対あったほうがいいでしょう。これまでも浮沈の多い、フリーな仕事をしてきたので準備は怠りません。

 先月、むかし同じ広告印刷会社に勤務していた私の元同僚も、私に仕事はないかと問い合わせてきました。困っているのは私だけではないと、変なふうに安堵してしまいました。そのさい彼から、公務員の求職がいいという話をききました。コロナの影響で事務職の仕事量が激増中で、猫の手も借りたいそうです。今なら各地方役所で臨時職員を募集しているはずだから、問い合わせてみればと言うのです。

 お役所仕事はあまり気乗りがしませんでしたが、背に腹は変えられません。ネットで近くの町のローカルな求人広告を探しているとありました。「急募、刑務所勤務」「急募、厩舎にて積み荷の運搬作業」「秋から募集予定、湿地帯の水質検査要員」確かに仕事はありました。

 が、しかしとうてい私に務まるような業種ではありません。頭クラックラしました。先日、元同僚に文句を言ったら、彼はちゃっかり病院のウェブデザインの仕事を確保したと自慢気に言っておりました。それ私にも分けてくれ、と言いたい気分でしたね。

 そんなわけで、いまアメリカでやりたい仕事は、簡単に見つかる状態ではありません。求人サイトもあまり期待しないほうがいいでしょう。

 わたしの結論から申し上げると、今は仕事を選べない時期。ウィズ・コロナの時代を見越して、むしろコロナで人手不足になっている医療関係が穴場かと存じます。まだまだこれから医療関係は人手不足で忙しくなるであろう。これはCVSの薬局に務める薬剤師の人が言っていたことですから間違いありません。いまから医療関係の仕事を探しても遅くはないでしょう。資格のある人、やれる人はこの分野をオススメします。

 私はもう少し粘り強く運転業務とデザイン業にこだわります。どうしても駄目だったら、医療関連。大きな病院には様々な業種がついてまわります。それこそ救急搬送の運転要員だってなくはないのです。そのことは頭に入れて就職活動を続けていきたいと思います。少なくとも日本よりアメリカのほうが転職・副業のチャンスは多いのは事実。ともにがんばって明るい未来を目指しましょう!

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