2020年8月23日日曜日

ロング・ビーチ・アイランドを観光

 住んでみたい島

 

 ニュージャージー州随一の観光スポット、ロング・ビーチ・アイランド。地元の人達はこの島を、親しみを込めて頭文字で「LBI」エルビーアイと呼びます。

 起伏の殆どないフラットな陸地は平均海抜わずか数メートルに過ぎず、かつて幾度か訪れたハリケーンによって壊滅的な打撃を受けています。数年前のハリケーン・サンディでは多くの住居が床まで浸水し、家を失った人も少なくありません。私の家内の姉も一階のアパートが膝上までの浸水で家具や冷蔵庫、調度品などすべて使い物にならなくなったといいます。それ以降、州の条例で島のすべての建物を底上げするよう改革がなされました。その結果、数年かけて島内の95%以上の家屋が高床式住居のようになりました。一階部分は住居に割り当ててもよいのですが、多くの家が二階を中心に生活設計されたユニークな町並みとなりました。メインストリートの商店は一階を店舗にしていますが、それ以外非常時の被害を最小限になるよう準備されています。レジャーと非常時を兼ねたボートをほとんどの住人が所有しています。住む人達の災害に対する意識は、地震大国の日本も見習うべきだと思いました。

 

 車で島の北から南まで巡りましたが、どこもとても風光明媚で、住みよい別荘地のようです。一度は住んでみたいと思ってしまう島ですね。

 太平洋に面した延々と続く白砂のビーチ。この眺めは圧巻の一言。北も南も遥かに霞んで見えなくなるまでビーチが続いています。大西洋の波はけっこう荒くて、サーフィンにもってこいです。サメの出没も珍しくないのですが、このシーズンは比較的平穏に経過しているとのこと。代わりに、アザラシやクジラを目撃したという、微笑ましいレポートも耳にしました。地元のお年寄りでしょうか、早朝からビーチチェアとパラソルを用意して、砂丘の上から海を眺める姿が印象的でした。


 島の北端にはこの島の名物、ランドマークと言える、赤と白ツートンカラーのバーネガット灯台があります。訪れてみると、ここはけっこう観光客で混み合っておりました。すかさすマスクを着用して駐車場から灯台へ。あいにくというか、予想通り灯台内部は一時閉鎖されていました。以前登ったときは強風でしたが、展望台からの眺望は一見の価値ありです。360度見渡す限り水平線と地平線だけしか見えず、アメリカの広大さを実感したものです。灯台の周りにはヨットハーバー、自然公園、そして沿岸を歩ける堤防が長々と伸びており、たくさんの観光客で賑わっていました。

 そのあと島の中ほど、大西洋の逆側に行ってみました。そこは大陸と島の間の海で、波の少ない穏やかな海辺です。ちょうど瀬戸内海の湾岸沿いを思い浮かべれば良いと思います。


 そこかしこに柵で囲われた小さな砂浜があり、小さな子どもたちも安全に遊べる浅瀬となっています。潮の干満にもよりますが、プールより浅い浜辺では幼児を連れた家族がたくさん訪れてにぎわっていました。私達家族は時間をずらして夕暮れ時に行ってみたのですが、ほとんどひと気はなく、まるでプライベートビーチのように、のびのびと遊泳を楽しめました。

 翌日は島の南端へドライブ。ここもマイカーで駐車場は満杯でしたが、なんとか隅っこに駐車しました。その先の浜に出ると、はるか水平線の彼方、あたかも蜃気楼か、海に浮かんでいるようなアトランティック・シティを見ることができました。この一体の砂丘は、野生保護区となっており、遊泳はもちろん草一本抜いてはいけない決まりがあるので注意が必要です。とはいえ、平気で浜辺で遊び回る人たちがいて、ライフガードや見回りもおらず、セキュリティ緩すぎないかー、などと思ってしまいました。

遥か彼方に見えるアトランティック・シティ


 午後には島を出て、親戚の家の庭でソーシャルディスタンスで控えめな食事をいただきました。いつもなら気軽に親戚同士、こどもたちもハグし合うのですが、今年はちょっと寂しい再会となってしまいました。

 とはいえこのささやかな一泊旅行、敢行してよかったです。不安視された観光地での混雑にもほとんど遭遇せず、安全確保しつつ、見るべきところはしっかり見て回り、海水浴も堪能。なにより雄大な海と景色が、長らく続いたステイホームのフラストレーションを洗い流してくれました。

 これでうちの子供達も心置きなく新学期を迎えることができるのではないかと存じます。

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