2020年8月23日日曜日

ニュージャージーの海にて

 アメリカで海水浴

 

 ニュージャージー州にあるロングビーチアイランドに行って来ました。ここはよくニューヨークのロング・アイランドと間違えられるのですが、全く別の島です。ニュージャージー州の沖合に浮かぶ棒のように細長い島です。南北の全長が30キロメートルに対し、横幅が平均400メートルしかないのです。人口9000人余りのこの島の産業の9割が観光で保っています。しかも冬シーズンは信号も停止するほど、閑散とし人がいなくなります。

 多くの住居が州外に住む人達の別荘で、観光シーズンをすぎるとぱたっとひと気が途絶えるのです。しかし例年6月下旬から9月上旬までは大変な人手で賑わいます。もちろん目当ては大西洋に面した雄大なビーチ。島の東側ほぼ全部が延々と続く砂浜です。日本本土のビーチのように芋を洗うような混雑にはなりませんが、最盛期で一日数万人がこの砂浜に押し寄せます。今年は例外中の例外で、かなり観光客は少なめ。それでもビーチ沿いの宿泊施設は8割がた埋まっていたといいます。

 今回この地を訪れるにあたって下調べをし、滞在や遊泳に問題の無いことを確認していきました。これまでほぼ毎年行っていた場所なので土地勘はありました。隣町のマナホーキンに親戚が住んでいるので、情報収集には事欠きません。検討の結果、今年は義母や従兄弟の世話をかけないように、ホリデーインに滞在することにしました。

 全米各所にあるホリデーインは格安でかつシンプルな簡易宿泊施設。ホテルとしてはサービス十分とは言えないかも知れませんが、必要最低限の設備はあり、評判も悪くありません。


 しかしいざ到着して見たマナホーキンのホリデーインは、既存の概念を覆す充実ぶりでした。やはりここが観光地だとということでしょう。都会のただ宿泊するだけのホテルではありませんでした。エンターテイメント施設がかなりアップグレードされていたのです。

 まず敷地に入って誰もが目を見張るのが、高さ10数メートルのフィールド•アスレティックス•ジムです。昔ながらのデザインを踏襲し、木製でできたりっぱなものです。こういうのはプラスチックぽい作りだと興が冷めるもの。あえてクラシカルなジムにしたのは正解でしょう。安全ハーネスを装着して塔を登り、綱渡りする本格的なアスレチック•ワークが楽しめます。そばにはゴーカート•コースがあり、有料でゴーカートを走らせることができます。


 一般的なジムや屋内プール、バスケットコートも清潔に管理されています。南洋を意識した屋外レストランも上品で、きれいに植え込みされた花とみどりのガーデンもなかなか目に麗しい出来です。

 ロビーは閑散としており、目につくのは従業員だけ。ソーシャルディスタンシングは十分に保たれ、エレベーターも家族だけで行き来できました。当初は人の接触を避けるべく、階段で部屋までスーツケースを運ぶことも覚悟していたので、やや拍子ぬけでした。地理的にアイランドの外だということで、今年の客足は例年の六割り程度と案内係の人が話しておりました。混み合う島内のホテルより、こちらを選んで正解のようです。ここから島までは10分そこそこで行けるので問題ありません。

 部屋はいたってシンプルで、一通りのものは揃っています。ベッドの寝心地は家のそれを超えており満足。窓からの景色は、海こそ見えないものの、遊泳ビーチのある湖が見える見晴らし良好の部屋でした。

 ここまでは良かった。

 ところが部屋で一休みし寛いであたところ、テレビの横のデスクにあったスナック菓子のまわりに二匹のアリを発見。ニューヨークではあまり見かけない、ちっちゃな焦げ茶色のアリです。すぐに排除したのですが。その後、壁を這うもう一匹を発見。嫌な予感がしていたのですが、結局翌日チェックアウトするまで、20匹あまりのアリを潰す羽目になりました。おかげでうかうか食事もできず、外へディナーを食べに行くことになりました。

 当然コレはクレーム案件です。朝チェックアウトの際、厳重に抗議したら、お詫びにと、次回の宿泊一泊分が無料になる、メンバーシップ・カードを作ってくれました。滅多に無いことでしょうが、こういうハプニングも旅の思い出の1ページになるのかな、などと思った次第です。

 


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