2020年8月26日水曜日

アメリカのダイナー生き残り戦

 野外レストランを応援する


 3月に始まったコロナ・パニックで打撃を受けたレストラン。今も生き残りに懸命です。

 ニューヨーク市周辺では、現在どの店も店内飲食を制限し、減った座席の分を野外テーブルで補う作戦をとっています。それでも客足は以前のように復活とはいかず、それまでやらなかったオンラインによる受注、デリバリー・サービスなど、できる限りの知恵を絞って、踏みとどまっているのが現状です。

 こんな状況で生き残るのは大変なことです。日本では政府主導でGo To トラベルなる契機刺激策が打ち出されたようですが、レストランに対しても積極的な支援が望まれます。たとえば州や政府がデリバリーを促進するクーポンを発行したりできないのでしょうか。コロナ対策に積極的な優良店舗を指定し、その店でデリバリー・オーダーすると、一割引きのクーポンが使えるとか。そのクーポン代を税金で肩代わりするとかして。

 何かしないと、レストランの多くは冬まで保たないかもしれません。実際自分の周りのレストランも、閉店がぽつぽつ出始めています。もっと積極的にレストランに行こう、とは言いたいのですが、なかなか医療の観点からそうも言いにくいのが現状です。本当にむつかしい。

 今日は久しぶりに、屋外レストランに行ったのですが、客はまばらでした。レッド・ライン・ダイナーという私のお気に入りの店です。本来ここはうちの近所でも数あるレストランの中、一二を争う人気店です。以前なら連日満員御礼、外で列ができるぐらいの人気店でした。いや、いまでも人気はあるはずですが、やはり感染懸念から以前の勢いは見る影もありません。私はこの店に限らず、馴染みのあった店すべてに生き残って欲しいのです。この苦境をのりきり、次の世代まで美味しいものを食べさせてほしいと切に願っています。

 この日はコロナ始まって依頼、数ヶ月ぶりに店内での夕食をと思っていました。窓越しに少なめですが、飲食を楽しんでいる人の姿が見えます。しかし、いざ店のドアを開ける段になっって、ためらいが生じました。その前日ニュースで、エアコンの送風によって店内で空気感染が起きた可能性、なる報道を観たせいです。

 人間とは弱いもので、そういった報道や風評に踊らされるものです。一瞬の迷いの後、屋外のテーブルで夕食という判断になりました。ダイナーでの食事はメニューもさることながら、昔ながらのアメリカン・ダイナーの装飾と雰囲気に包まれて食べるのがいいのです。それがないと魅力が半減する、そんな先入観が私にはありました。しかし結果、外での食事は満足のいくものでした。

 この日はベーコンやほうれん草、モツァレラ・チーズなどをふんだんに盛り込んだオムレツとホームスタイルのポテトフライの組み合わせを所望しました。同伴した家内はツナサンドイッチとコールスローサラダ、娘はベジタブル・バーガーと野菜スープでした。

 野外テーブルは先月半ばから始まったもので、広い駐車場を効率的に活用しています。八割あまりのテーブルは巨大テントの下に配置され、雨天でも食事は可能。この日はちょうど日が沈む夕暮れ時で、夕立の直後でした。客はまばらで、テーブル間の距離も十分。これなら安心して食事ができます。加えて、雨の後ほどよい夕風がそよいで熱気が潮を引くようになくなっていきました、ここちよい外気を吸いながらの、のびのびとした外食は思いの外快適でした。この秋はもっと積極的にこの野外スタイルの食事を楽しもうと思います。

 おそらくどの店舗もまだ試行錯誤の段階かと思われます。置いたナプキンがあっというまに風に飛ばされるハプニングなどにも対応が必要です。働くサーバーの人たちも店内外を行き来せねばならず、仕事量も増えて大変なことも多いかと察します。それでも明るい雰囲気で客への配慮を怠らないスタイルは健在。今まで通りのフレンドリーなサービスについ「がんばれ」と応援の声が出そうになりました。

 いやじっさい、このスタイルはもや一過性のものでは無くなる可能性があります。すでに多くの分野で、ウィズ・コロナの経済活動を模索しており、レストランもこの例外ではないというわけです。

 ふつうにマスクをして入店し、注文の皿がきたら初めてマスクをとって食事をいただく。

 いまはなんともぎこちない風景ですが、シャッターの閉じた店舗の前を通り過ぎる光景よりはずっとましです。これからもできるだけ外食産業を応援し、美味しいものを食べ続けていきたいと願うばかりです。

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