2020年5月28日木曜日

おすすめ・アメリカで買い物

「ウォルマート・ライフ」
 



アメリカで日々のお買い物
 
 どこに住んでいようと当たり前のことですが、アメリカで暮らしていてどうしても切り離せないのが、日常生活に必要な「買い物」。
 人によって買い物のスタイルは違いますよね。食料品はこの店、雑貨はあの店、衣類はあそこでと決めてる方は多いかと思います。
 中には、私のお客さんのように、ものすごく買い物に「こだわり」のある人もいます。

 そのご婦人は一回の買い物に、複数の食料品店とそれ以外の専門店を回ります。
 彼女にはお好みのスーパーが複数の町をまたいで数軒あるのです。
 私はカー・サービス業を営んでおりますので、定期的に彼女の買い物のドライバーを務めます。
 ある日の例ですが、彼女はまずビーフとスープだけを買うためにA店に行きました。つぎに野菜、果物を求めてB店へ。さらにミルク、たまご他冷凍モノ等はC店で購入、とそれぞれ別のスーパーでショッピングするのです。それが終わると各専門店に向かいます。美容品の専門店、婦人服店、ガーデニング・ショップ、薬局。最後にチョコレート専門店でギフト商品を選びました。
 ものすごいこだわりぶりです。彼女には妥協ってものが有りません。別にセレブでもない普通の一人暮らしのご婦人なのです。
「いいお肉はあそこじゃなきゃ駄目なのよ」一事が万事その考えなのです。だから毎回すごーく買い物に時間がかかります。お供するには多少の忍耐が必要ですが、いつもとても満足そうに買い物して回られます。

  

 その反動でしょうか、ある時期、私自身はショッピングの効率化に固執していました。
 忙しい日々のなか、買い物はできるだけ一箇所で短時間に、そう考えるようになっていたのです。
 そうやってたどり着いた結論が、「ウォルマート・ライフ」です。

 そう、アメリカで最大手にして最大点数の商品を扱う大型量販店として名高い庶民の味方、ウォルマートです。
 私の家から車で十数分と地の利もよく、24時間営業している便利さもあって、もっぱら日常品の買い物といえばここ一択でした。もちろん商品によって、たまに他の店にも行きますが、私の中では買えるものはすべてウォルマートで、買えないものはネットでとシンプルな論理に向かっていました。
 事実、ウォルマートには日常生活に必要なものすべてある、といっても過言ではありません。
 広大な売り場面積にズラリ並ぶ圧倒的な物量のすごいことったらありません。しかもどれもほかのスーパーより格安。
 とくにウォルマートのオリジナルブランド「GREAT VALUE」の商品は破壊的な安さで、他のメーカーを圧倒します。たとえば野菜ジュース、スナック菓子、穀物パン、缶詰スープ、コーヒー豆など。どの商品も成分表示では一流メーカーとほぼ同じものなのに1割も2割もお安いのです。その名の通り、とってもグレートなバリュー。多少の風味の違いを差し引いても、わざわざ他店に行く必要はあるでしょうか。
 薬局コーナーでもウォルマートのオリジナル・ブランド「EQUATE」がお買い得です。いわゆるジェネリック商品ですが、中身は本家の商品に匹敵する原材料です。
 胃薬、頭痛薬からシャンプー、サプリメント、のど飴、はては育毛剤に至るまで我が家の医薬品は「EQUATE」一色です。
 さらにカジュアル衣料、下着、スポーツウェアもウォルマートに近いと言われるメーカーが多数派を占める我が家。ふと見渡せばキッチンのお皿やコーヒーメーカー、フライパンもウォルマートで買ったものです。窓際の観葉植物もウォルマート。車の中のカーアクセサリーも、寝室のパソコン、エアコンにショルダーバッグ、布団もウォルマート。ああそうだ、居間にあるテレビも掃除機もみーんなウォルマートで買ったものでしたー!(笑うしかない)
 なんというウォルマート率の高さでしょうか。ええ、いつの間にかわたしは「ウォルマーター」になっていたのです!(造語です、悪しからず)  多いときで週に五日は通ってましたので、店員さんに顔覚えられ、「うちの店長、今週限りで退職するよ」などといらない情報まで教えられました。でもほんとに便利なんです。散髪も店内のヘアサロンへ行くし、マクドナルドもあるし、ウォルマートのクレジット・カード使えば、150ドル以上のお買い物の利子はゼロになるんです。安くて便利。この言葉はわれわれ庶民のゴールデン・フレーズなのです。

 コンビニのないアメリカでもウォルマートのちからは絶大。夜中でも朝早すぎても、二十四時間いつだって開いてます。日本の醤油やカップラーメン、ポッキー、ハイチュウだって売ってます。小腹がすいたら夜間でもウォルマート。料理で火傷したときも夜遅くファースト・エイド・キットを買いに行って助かった事も。ああそうだ、こどもがキャンプ前夜に寝袋がないことに気づき、ウォルマートで買って助けられたこともありましたっけ。
 こうなると朝も夜もウォルマート。春夏秋冬365日ウォルマート・ライフ。おまえはウォルマーターだ!と言われても否定できません。どんだけ入れ込んでんだよ、と自分でツッコミしてしまいます。 
 べつに肩入れするつもりはないのですが、実際もうウォルマートなしの生活は考えられなかったほど。いまはちょっと考えも変わって、選択肢も増えていますが、ある時期のわたしはどっぷりウォルマートに浸かってしまった、真性ウォルマーターでした。それは事実です。
 ただピークは過ぎましたが、依然ウォルマート率の高い生活です。
 そういえば昨夜のディナーもウォルマートの肉屋で買った調理済みのローテッサリー・チキン。デザートは「GREAT VALUE」のバニラ・アイスクリームでした。とほほ。
 
 ちなみに、うちの年頃の娘はアンチ・ウォルマートです。特にファッション類のアイテムでウォルマート系のブランドを身につけていると、即「ダサい」の烙印を押されるという、そんな気風が学生の間にあるらしいです。だから娘は絶対、ウォルマートに足を踏みいれることはないですね。うっかり服売り場で同級生なんかと鉢合わせしたら、互いに火を吹くような羞恥に襲われるみたいです。
 だけどウォルマート、されどウォルマート。アメリカにいる限り、欲望すべてを飲み尽くすような消費者の心と、それをを満たさんとする怪物量販店との付き合いは、終わりなく続いてゆくのです。

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