2020年8月23日日曜日

ニュージャージーの海にて

 アメリカで海水浴

 

 ニュージャージー州にあるロングビーチアイランドに行って来ました。ここはよくニューヨークのロング・アイランドと間違えられるのですが、全く別の島です。ニュージャージー州の沖合に浮かぶ棒のように細長い島です。南北の全長が30キロメートルに対し、横幅が平均400メートルしかないのです。人口9000人余りのこの島の産業の9割が観光で保っています。しかも冬シーズンは信号も停止するほど、閑散とし人がいなくなります。

 多くの住居が州外に住む人達の別荘で、観光シーズンをすぎるとぱたっとひと気が途絶えるのです。しかし例年6月下旬から9月上旬までは大変な人手で賑わいます。もちろん目当ては大西洋に面した雄大なビーチ。島の東側ほぼ全部が延々と続く砂浜です。日本本土のビーチのように芋を洗うような混雑にはなりませんが、最盛期で一日数万人がこの砂浜に押し寄せます。今年は例外中の例外で、かなり観光客は少なめ。それでもビーチ沿いの宿泊施設は8割がた埋まっていたといいます。

 今回この地を訪れるにあたって下調べをし、滞在や遊泳に問題の無いことを確認していきました。これまでほぼ毎年行っていた場所なので土地勘はありました。隣町のマナホーキンに親戚が住んでいるので、情報収集には事欠きません。検討の結果、今年は義母や従兄弟の世話をかけないように、ホリデーインに滞在することにしました。

 全米各所にあるホリデーインは格安でかつシンプルな簡易宿泊施設。ホテルとしてはサービス十分とは言えないかも知れませんが、必要最低限の設備はあり、評判も悪くありません。


 しかしいざ到着して見たマナホーキンのホリデーインは、既存の概念を覆す充実ぶりでした。やはりここが観光地だとということでしょう。都会のただ宿泊するだけのホテルではありませんでした。エンターテイメント施設がかなりアップグレードされていたのです。

 まず敷地に入って誰もが目を見張るのが、高さ10数メートルのフィールド•アスレティックス•ジムです。昔ながらのデザインを踏襲し、木製でできたりっぱなものです。こういうのはプラスチックぽい作りだと興が冷めるもの。あえてクラシカルなジムにしたのは正解でしょう。安全ハーネスを装着して塔を登り、綱渡りする本格的なアスレチック•ワークが楽しめます。そばにはゴーカート•コースがあり、有料でゴーカートを走らせることができます。


 一般的なジムや屋内プール、バスケットコートも清潔に管理されています。南洋を意識した屋外レストランも上品で、きれいに植え込みされた花とみどりのガーデンもなかなか目に麗しい出来です。

 ロビーは閑散としており、目につくのは従業員だけ。ソーシャルディスタンシングは十分に保たれ、エレベーターも家族だけで行き来できました。当初は人の接触を避けるべく、階段で部屋までスーツケースを運ぶことも覚悟していたので、やや拍子ぬけでした。地理的にアイランドの外だということで、今年の客足は例年の六割り程度と案内係の人が話しておりました。混み合う島内のホテルより、こちらを選んで正解のようです。ここから島までは10分そこそこで行けるので問題ありません。

 部屋はいたってシンプルで、一通りのものは揃っています。ベッドの寝心地は家のそれを超えており満足。窓からの景色は、海こそ見えないものの、遊泳ビーチのある湖が見える見晴らし良好の部屋でした。

 ここまでは良かった。

 ところが部屋で一休みし寛いであたところ、テレビの横のデスクにあったスナック菓子のまわりに二匹のアリを発見。ニューヨークではあまり見かけない、ちっちゃな焦げ茶色のアリです。すぐに排除したのですが。その後、壁を這うもう一匹を発見。嫌な予感がしていたのですが、結局翌日チェックアウトするまで、20匹あまりのアリを潰す羽目になりました。おかげでうかうか食事もできず、外へディナーを食べに行くことになりました。

 当然コレはクレーム案件です。朝チェックアウトの際、厳重に抗議したら、お詫びにと、次回の宿泊一泊分が無料になる、メンバーシップ・カードを作ってくれました。滅多に無いことでしょうが、こういうハプニングも旅の思い出の1ページになるのかな、などと思った次第です。

 


2020年8月22日土曜日

なんでもある便利さ

 

家具を買うなら


 なんでも屋と呼ぶとちょっと語弊があるかもしれませんが、一つの店で、いろんな種類のものが買える店が好きです。一箇所で日常品の大半をカバーし、割安で買える店は時間の節約になります。今日はその代表格、アメリカで躍進の著しい小売店舗「BIG LOTS!」のご紹介をいたします。

「BIG LOTS!」の店舗カンバンは最近都市部から地方にかけて交通の要所要所で目につきます。ここ6,7年のことだと思うのですがこの会社は急成長遂げてきたように思います。日本で言えばドンキホーテかな? いやなんか違う。店内展示方針は真逆で、ちょっとだだっ広い感があります。 

 この小売店の特徴は食料品から雑貨まで様々なジャンルの商品を格安で取り揃えているところにあります。でもそれって競合他社もけっこうあるので、特徴とはいえないな。しいていえば店舗も大きすぎず小さすぎず、中規模で広々としたスペースを使った明るい店舗が特徴かな。とにかくぎすぎすしてなくて、ゆっくり品探しできる感じ。中でも最も力を入れているのは家具関係のようで、店舗によっては売り場面積の半分を占めているところもあります。

 ベッドやソファー、テーブル、キッチン棚、アウトドアキャンプ用品など。ビーチチェアや折りたたみの万能テーブルなど様々な商品が取り揃えられています。まだクリスマスの季節にはクリスマスの飾り付けや、様々なディスプレイを展示します。ハロウィンの季節にはハロウィングッズ、夏には夏のバーベキュー用品などなど。その他キッチン、ガーデニング、掃除グッズ、ベビーカーや大型の玩具ほか育児グッズ。日用雑貨その他もろもろ日常に必要な商品は大抵揃っています。

 私も暇があれば、ついふらっと立ち寄ってしまう入りやすい店舗です。特に自分がよく行くコーナーは電化製品のコーナーです。そこにはスマホに必要なケーブルやチャージャーやケースやバッテリーなどが、とても安価な値段で手に入るようになっています。気をつけなきゃいけないのは、いわゆる有名メーカーのブランド品ではなく、それらしい類似品が多いということ。たとえばヘッドフォンなどは一見「beats」かな?と思った商品がよく見たらぜんぜん無名の海外品だったりします。値段も10分の一程度。音質の差は聞く前から明らかです。音にこだわらなければ全然問題ないのですけどね。

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家具ならお任せの品ぞろえ

 私が先日「BIG LOTS!」に立ち寄ったのは、我が家でとてもボロボロになっているソファーのセットを買い替えられないかと言うことで下見に来たときのこと。いろいろ取り揃えられていて結構デザインのほうも新しいタイプのものがありました。価格はまずまず。他の店でも同じような値段で売ってるところもあります。IKEAなどよりは2、3割位安い感覚でしょうか。

 思い切って買ってみようか、そう思ったソファーセットがあったのですが、なんとこれがSOLDと書いていたんです。これは残念至極。おそらく店員さんに聞けば取り寄せられると答えるのでしょうが、このタイミングを失ったのは何か意味があるのではないかと思い、その日のは買うの取りやめにしました。いずれにしても家のソファーはミシミシと壊れかけの感触が凄いので、早晩買い換えることになるでしょう。その時はやはり第一にこの「BIG LOTS!」に立ち寄ってみることにするつもりです。

2020年8月19日水曜日

オススメ節約カーライフ

 評価の分かれるMavisさん

 

 アメリカに住んでいる人で、車の修理はどこでやっも同じで出費がかさむ、とお悩みの方。Mavis Discount Tireを利用したことがありますか。Mavisさんはアメリカ東海岸を中心に全米規模700店舗以上を誇るタイヤ販売&車修理チェーンです。タイヤを格安で販売することから始まったお店ですが、各店舗にエキスパート・レベルのメカニックを配置し、修理サービスをするようになってから、業績は矢のごとく伸びていきました。ニューヨーク界隈では幹線道路上、どこへ行ってもMavis Discount Tireの看板を見ない日はありません。

 この店の良いところは、

1 土日でも開いていて、作業は手早い。

2 車全体の簡易チェックを無料でしてくれる、とくにタイヤ周り。

3 予約無し、飛び込みで修理依頼できる。

4 店舗同士、横のつながりがあってパーツ等の調達が迅速。

5 サーピス体系がシステム化されていて、課金内容の透明性が良好。

6 修理データはシステムを通じて全店共有なので、他支店に行っても自車の記録がわかる。

7 見知らぬ町で車がパンクしたり故障しても、最寄りのMavisにレッカー移動できる。

8 交渉により修理期間中の代車を提供してくれる。

などの利点があります。

 私の所属するリムジン会社も全車の管理をMavisさんに委託しており、どの車がいつどんなメンテをしたか、全履歴が保存されています。一般のローカルな自動車修理所ではけっこうデータ的なものが杜撰なところがあったりしがちです。とくに飛び込みで入った修理屋さんでひどい扱いを受けた、と泣き言を言うカー・オーナーは珍しくありません。その点、フランチャイズ制のMavisはお客の足元を見ることはなく、車知識の乏しい人にも優しく説明してくれます。

 そして最大の利点は、Mavisのメンバーシップに加入し、専用のカードをつくることによって、上限1000ドルの分割払いが可能になることです。個人営業のショップでは一括払いが基本なので、法外な修理代に泣かされることがあります。でもMavis Discount Tireのメンバーなら条件により六ヶ月あるいは十二ヶ月分割で無利子も可能です。支払いの負担が軽減されることは、とても助かるので、私個人もメンバーに加入しています。大掛かりな修理など、いざというときの選択肢としてあって損はないと思います。

 こう書いてくるといい事づくめのようですが、公平を期すため、ネガティヴ寄りの評判も記しておきます。よく聞くのはメカニックの技術にムラがあるという点です。各支店には必ず熟練のメカニックが一人はいますが、ほかは習いたてとか、見習いのような工員がいます。もちろんチェック体制はしっかりマニュアル化されており、マネージャーが最終確認をするので、問題はまずないでしょうが。

 また大規模なチェーン店なので、しょっちゅう顔ぶれは変わり、新しいメカニックをトレーニングしながら修理するという話も聞きます。さらに込み入った修理は嫌がる傾向があり、できないと言われ、ディーラー行きを勧められることもあります。また、やはりタイヤを売る店なのでタイヤのチェックには熱心で、早めの交換を勧められることも多いです。

 最寄りにMavisがない場合、一番いいのはプライマリー・ドクターのように、行きつけのオート・ショップを決めることです。何軒か試してみて、信頼できるメカニックを見つけることが大事。一度いい仕事をしてもらったら懇意にして、末永くテイクケアしてもらえるようにしましょう。 

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 話は変わりますが、夏の行楽シーズンもあと僅かになってきました。今年は思わぬパンデミックで、世界中どこへも逃げ場がなくなってしまいました。それでも、状況が少しでもマシになったらどこかへ行きたい、という欲求は多くの人にあるようです。

 先日、行きつけのオートショップに、車のオイル交換に行ったら、予約がいっぱいと門前払いされそうになりました。ここのオートショップは10年来の付き合いで、車が不調のときはよくお世話になります。

 オーナーに「繁盛してますね」と言ったら、いま予約中の車の半分はトラブルとか、故障ではなく、メンテナンスやチューンナップの依頼だというのです。だいたい毎年夏が始まる頃、こういうお客が増えるのだが、今年は先週頃からこうなったというのです。

 ああ、ニューヨークのみんなはコロナ感染が下降線をたどっている今、どこかにエスケープしようということか。そう思いました。わたしもこの一般的な庶民の意識はわかります。いままで数ヶ月、我慢し続けてきた「コロナひきこもり」のストレスがものすごく鬱積しているのです。このまま夏を終わらせていいのか?

 夏休みシーズンが終わる前に、ちょっとでも郊外へ出て、開放感を味わいたい。

 そう思ってしまうのも仕方ありません。かく言う私の家族も、毎年夏休みには、おばあちゃんのいる、ニュージャージーの浜辺に泊まり込みで行っておりました。毎年7月の恒例行事だったのですが、さすがに今年は断念しました。でも感染状況が収まり気味な今(ニューヨーク州)になって、やっぱり行こう、行きたい、行かなきゃ! ということになり、決行の判断に至りました。

 もちろん万全の注意を払い、ソーシャル・ディスタンスは守ります。絶対人混みは避け、マスク、手洗いは徹底します。それでももし目的地が混み合っていたら、予定変更も視野に入れています。とにかくこのまま夏は終わらせられない。

 そんな家族の願いを背負って、わずか一泊の夏休み旅行に望むのであります。

2020年8月18日火曜日

ベスト・メンズ・バッグ:USA

どこでも仕事ができるバッグが欲しい


 

 長らく愛用してきたTIMBUK2のバックパック、The Authority Packが引退の時を迎えました。バッグ上部の把手が外れ、ジッパーが開きにくくなったり、バッグの底に穴が空き始めてきました。まだ使える、まだ行けると言い聞かせてきましたが、そろそろ限界です。買い替えを決意しました。

 思えばこのバッグ、けっこうベビーにこき使ってきました。毎日仕事に持ち歩き、休みの日にも車に入れっぱなしで、買い物袋代わりにも活用してきました。ちっちゃなカメラと三脚を詰め込んで趣味のハイキングというか、野歩きにもつき合わせてきました。

 もともとTIMBUK2はどのバッグも作りがしっかりしていて定評があります。私はバッグに限らず、何でもまず使い勝手と機能美を優先します。ブランドとかは二の次か三の先ですが、TIMBUK2のバッグは一般におしゃれ感が支持されてるのだと思います。見た目すっきりしていて無駄がないです。ニューヨーカーや近隣のビジネスマンたちの間でもよく見かけますからね。とりわけ都会で映えるメッセンジャーバッグが人気で、前の会社の上司もTIMBUK2の革製バッグの愛用者でした。確かにかっこよかったです。


 私もお気に入りだったこのバッグに、Macbookと必要最低限のモノを詰め込んで街を歩き回っていました。これさえあれば、どこへ行っても仕事ができる気分になります。マンハッタンで働いていたときは、地下鉄やバスを乗り継ぐことが多かったので、バックパックが便利です。かといってあまりアウトドアっぽいスタイルのバッグは着るものにそぐわなくなるので、こいつが一番無難ということになります。

 家には趣の異なるThe North Faceやノーブランドのショルダーバッグも数種類備えてはおります。しかし使用頻度ダントツはこのTIMBUK2でした。シンプルな機能美とスマートな見栄えがとても気に入っていたのです。気がつくと購入からもう7年越しになりますが、よく頑張ってくれたものです。その間仕事も変わり、マンハッタン通勤も終わったので、そろそろ別のスタイルに買い替えどきだと思います。

 近頃は腰痛不安もあるので大きいバッグは控え、小さくコンパクトに纏められるメッセンジャー・バッグを一つ買い足しました。当面はこれと、山歩き用のThe North Faceバックパックを使い分けていこうと思います。

XINCADA Mens Bag Messenger Bag Canvas Shoulder Bags Travel Bag Man Purse Crossbody Bags for Work Business



 このちっちゃな肩掛け型のバッグ、まったく無名の商品ですが、かなり自分の要求に近いものです。アマゾンでまず形状、そして大きさありきで選びました。内部の寸法を調べて、自分のiPadが入るかどうか。内側に4っつ以上のポケットないし仕切りがあるかどうか。それだけです。品質等は来てのお楽しみということにしました。

 三日後に送られてきたこのバッグ、サイズ感といい、肩にたすき掛けしたときのフィット感といい、申し分ありません。iPadにキーボード・ケースを装着した状態でもすっぽり収まり、コンパクトカメラや文庫本、スマホ、手帳類をいれても余裕でスペースがあります。

 ちょっと街に出るときや、図書館やカフェで書き物したりiPadで簡単な作業をするにも便利です。当面はこれをサブバッグとし活用したいと思っています。これにアウトドア用のノースフェイス製バックパックと使い分ければ当面バッグはこと足りそうです。


参考までに:いまアメリカで人気のメッセンジャー・バッグ

1 Carhartt D89:このタイプ、数年前から大人気で、類似品も山のように出ています。レジャーに仕事にと、多目的用途で重宝する万能型バッグです。


2 Topo Designs Commuter Briefcase:スーツが映える独特のフォルムが人気のビジネスマン用バッグ。しなやかな手触りにもこだわり、毎日使ったら肌身離せなくなる心地よさです。


 

3  Samsonite Columbian Leather Flapover Case:アメリカ人はサムソナイト好きが多いかも。通勤電車や地下鉄で見かけることもままあります。無難にまとめたシンプルなデザイン、高級志向のレザー製で、縫製もしっかりしていて、タフな使い方にも耐える頑丈さには定評があります。



他にもいろいろありますが、それらはまたの機会に。

 日本のメンズ・ファッション雑誌などをみると、かなり高級志向のバッグばかり紹介されています。ヨーロッパは知りませんが、少なくともアメリカの一般的な成人男子でそこまで本格路線のバッグ持ってる人、あまり見かけません。ブランド云々よりパット見、その人に似合っっているかどうかが評価の分かれ目だと思います。そういった意味で、服の着こなし同様、バッグもその人にフィットしていれば、いいのではなかと思っています。 

2020年8月17日月曜日

アメリカ・学校再開の是非

 子供を学校に送るべきか


 アメリカでは9月の新学期を控え、学校再開の是非に関し、賛成派、反対派が激しく議論を展開しています。コロナウィルスへの対応を巡っては、感染状況の推移に伴って、賛否の優劣も変化します。州によっても対応はバラバラで、それぞれの州議会による決定に注目があつまります。現時点、全米の感染者数は500万人を突破、南部、中西部にかけ多くの州がきびしい感染状況です。

 近郊に3つの国際空港があるマンハッタンは、全米で最初にパンデミック対応を迫られた都市の一つです。4月、5月の強力な市内ロックダウンを敢行したニューヨーク市、それに呼応する対応をした、近隣地域は大幅な感染減少に成果を上げています。このまま行けば、9月の学校再開は可能なのでは、と期待感を滲ませています。

 そんな中、一貫して厳しい厳戒態勢を主張してきたクオモ州知事が、ついに学校再開の許可を公言しました。財政の逼迫が限界域に達しているニューヨークでは、子供を家において仕事に出られない親が多いのが実情。しかし学校が安心してこどもを預けられる体制を準備できるのか、いまだ不透明な点も多いのが現実です。学校だけでなく、下校後アフタースクールの子どもたちへ安全管理ができないと、感染の再拡大にも繋がりかねません。

 学校再開に向けては、いくつかのオプションが提示されました。子供の登校を強く求める保護者のために、毎日登校もOK。あるいは学生数を半分にする登校&自宅学習の半々、そして感染を懸念する人のために全部自宅でのオンライン授業も可というオプション制です。

 生徒側にとっては選択肢があっていいようには見えますが、多くの教師が反発しています。授業内容にばらつきが出るし、とにかく教育現場が混乱して、教師側の負担と感染懸念が倍増されるというのです。

 ランチの食べ方にも、問題点を指摘する声があります。マスクを外した状態で、室内で子どもたちが食事をするのは、危険を伴うという意見です。事実、大人の世界でも飲食店からの感染率が最大であることを想定すると、学校において教師の目の行き届かないランチ時間は、もっとも脅威にさらされる時間帯だということです。給食は控えてカフェテリアも閉鎖し、自前のランチを子どもたちが背中合わせで食べるいう意見も出ました。

 なんとも切ない、肩身の狭いスクールライフになりそうです。仮にこういった厳戒態勢で授業に臨んでも、一人でも感染者が確認されると、そのクラスあるいは学級全体が2週間の自宅待機となります。現状、この可能性は大であると警告する識者が多くいます。

 さらにこどものいない家庭、とくに高齢者たちは、コロナに無自覚な子どもたちが放課後、感染を拡大するのではないかと懸念を示しています。

 人口密度の高いニューヨーク市のデブラシオ市長は、コロナウィルスの感染率が3ヶ月連続で1%台を維持していることを根拠に、学校再開に前向きです。しかし1000人規模のマンモス校が多いこの地域のことを懸念する医療関係者も少なからずいます。

 ニューヨークにしてからがこの状態。依然高い感染者数を出し続ける他州では、学校再開の議論はもっと高まって行くでしょう。

 ちなみにうちの娘が通うニューヨーク州の公立大学でも、授業の自由選択制を導入しました。ところが各教師の判断で、それぞれの学習スタイルを決定することになったため、娘の取得科目は全部オンライン一択となりました。5人の先生が揃ってオンライン講義一本に絞ってしまったのです。娘は喜ぶのかと思いきや、授業は教室での対面が一番だと主張。画面越しのオンライン授業では、まったく身につかず、試験に受かるか不安で仕方がないというのです。 生徒側、教える側双方の意見もそれぞれで、なかなか明るい見通しが見いだせないが現状であります。

 教師・生徒にとっても保護者にとっても、不安を抱えたままの新学期を迎えることになりそうです。

  

 

2020年8月16日日曜日

カレーを食べるアメリカ人

 注目される日本カレー



 いまアメリカでもカレー料理が再注目されています。カレーの香辛料ターメリックの主成分クルクミンが体にいいと評判を集めているのが一因と思われます。

 クルクミンは抗菌作用があるので、今の御時世が追い風になってる、とNew York Times誌は報じていました。それ以前から、クルクミンは鎮痛作用、高血圧や抗腫瘍、肝機能の促進、糖尿病にも効果があると喧伝されていて、サプリメントとしても注目され始めました。複数のソースを読むと、科学的裏付けは確かにあるということです。

 こういった風評はアメリカでもすぐ広まる昨今、どんな食べ物が体にいいとかも、あっという間に伝わってきます。いっときアメリカのセレブがターメリック入りのラテなどを紹介したのがきっかけで、健康志向の女性たちの噂に火が付きました。

 そんな折も折、テレビを観ていたら、料理番組でメキシコ・スタイルのカレーが紹介されていました。激辛カレーだそうですが、料理人は健康の効能をしきりに謳っていました。「ターメリックは免疫効果抜群です。アンチエイジングに欠かせない。美肌効果がある。解毒作用もあり、私が推薦した病院ではカレースープがメニューに加えられた」というのです。ここまでは納得できます。しかしさらに「うちの子は毎日、ターメリック入りの料理を食べて頭が良くなり、ハーバード大に入った」などと言われると、

ほんまかいな〜。 とつい眉につばをつけたくなりました。

 とはいえ、アメリカでもカレーといえば本場はインド。これは常識です。とくにニューヨークなどの大都会にはインド人の経営するカレー料理店がたくさんあり、人種、民族を問わず人気があります。しかしちょっと地方に行くと、様相は一変します。

「カレー? 知ってるけど食べたことない」「匂いがきつくてちょっと駄目かも」「わしゃ人生で一度もカレーなど食ったことないわい」

 思いの外、人気がないのです。一度食べるとわかってもらえるのでしょうが、なかなかとっつきにくいのが現状のようです。

 うちの家族は、私が作る日本のカレーに昔から馴染んでいます。   数年前、本場インド式のカレーをレストランでいただいたときは、子どもたち首を傾げて、「これもカレーなの?」と納得の行かない様子。日本人が日本人向けに作ったカレーをスタンダードと思い込んでいたようです。

 また私の元同僚はアメリカ人ですが、両親が生まれも育ちもイギリスはリバプールのアイリッシュ系。小さい頃から母親のつくるインド・カレーを食べていたといいます。イギリスではインドカレーが広く浸透しているのですね。しかし日本のカレーとの違いは知りませんでした。彼はうちの娘と逆の意味で、日本のインスタントカレーを食べて「これが日本のカレー?」と怪訝な表情でした。

 私が「カレーは日本の国民食だ。日本人は週に一度はカレーを食べる」とちょっと大げさに言うと彼はびっくりしていました。彼の概念では日本イコール寿司、魚なので、あのとろっとした黄色く辛いカレー・ルーとご飯の組み合わせはミスマッチに思えたのでしょう。

 とまれ彼も味に馴染んでくると、「これはカレーじゃないかもしれない、でも美味い」と言ってくれました。ちなみにその時使ったのがハウス・バーモントカレー。彼はペンシルバニア、バーモント出身なので商品名に食いついてきました。うちの田舎にそんなカレーはないぞ」って。ええ、あるはずありません。私が「りんごの産地にあやかってつけた名前だろう」と言っても納得行かない様子でした。

 そんなことはどうでもいいのですが、このあいだ、日本食料品店にいった時、このハウスのカレーを爆買するアメリカ人を見かけました。ちょうどセールの日で、特売コーナーに固形カレーのパッケージが山積みされていたのですが、その山を崩さん勢いで白人のおばさんがかき集めているのです。ショッピングカートには50個あまりのカレーが積み込まれ、他には目もくれずレジに並びました。

「そんなにお好きですか」思わずそう聞きたくなるのを抑えました。失礼ですよねそんな聞き方。

 しばらくして駐車場に行くと、そのおばさんの車らしきミニバンを見かけました。中にはおじいさんと小さな黒人と白人の子供たちがいました。勝手な想像ですが、みんな血がつながっていなように見えます。それで私はあのカレーはどこかの施設とか、給食など、そういったところで利用されるものなのだろうと推察したのです。

 こうやってじわじわ日本のカレーはアメリカにも浸透しているのかな、なんて思った次第です。

 そういえばもう一つ、いまネットフリックスやアマゾン・プライムで日本の映画やドラマがアメリカでも見られるのですが、面白いことを聞きました。娘の友だちが、日本のドラマでカレーを食べるシーンがやたら多いと指摘したそうです。

 ええ、それは言えてるかも。この間観た「ファイナルファンタジー・光のお父さん」でも毎回カレーが出ていましたからね。日本人は無自覚ですが、外から見るとちょっと異常なくらいカレー好きの民族なのかもしれません。きっと日本のカレーがアメリカでブレイクする日も遠くないのではないでしょうか。


2020年8月15日土曜日

アメリカでカメラを購入

 中古カメラが安い!

 

 

 本日、マップカメラさんに注文していたカメラが届きました。買ったのは中古品で、Canon Powershot G3 Xというコンデジです。

 これはアメリカのeBayを通じてオンラインで購入しました。マップカメラは米国eBayと提携しており、日本店舗の在庫商品の一部をeBay上で販売しているのです。それはもう、日本に住んで日本のマップカメラのサイトで買うのと同じ感覚でショッピングができます。私がeBayでこの欲しかったPowershot G3 Xを注文したのが二日前です。それでもう今日到着!

 早い! 早すぎる!! でも間違いなく郵送便はDHLの国際郵便です。

 日本に住んでいても、こんなに早く到着することは滅多に無いです、オンラインショッピングで。アマゾン・プライムより早いよ。どうなってんの?

 梱包もしっかりしているし、肝心の中身も中古とは思えない美品。マップカメラやるじゃん! そんな感じです。

 eBayも久々に利用したのですが、昔に比べ信用度は増きた印象です。昔は注文したものと違うものが届いたり、料金振り込んだきり梨の礫、なんてトラブルで何度か痛い目にあいました。

 昨今は信用第一でオンライン・ショッピング事業を拡大、セキュリティの強化や売り手の情報開示、保証の充実と改善を重ね、以前よりずっと安心して買い物ができるようになりました。それでも時々、個人で中古品を販売する人たちは、少しでも売上を伸ばすために、過度に商品をよく見せようと、反則ギリギリの売り口上や加工した商品写真を載せることがあります。やはり過去の評判や実績をしっかり調べて、品定めをする必要はあります。いわゆる自己責任ってやつですね。

 その昔、アプリやソフトがCD-ROMなどのディスクで販売してた頃のこと。私は欲しかったホームページ作成ソフトをeBayで格安で見つけて注文しました。やったーと思って送られてきた郵便物を開けてみると、それは雑誌のおまけで付属しているおためし版CD-ROMでした。

 バカヤロー、やられたー。後悔してもすでに遅し。販売契約条件をよく読むと、小さな文字で「返品不可」とありました。たいした額ではないものの、騙された悔しさはけっこう長く尾を引いたものです。

 そんなことも幾度かあったので、私はeBayでの買い物には極力注意して、吟味してから用心深く品定めをするようになりました。決して衝動買いに走らず、競売には乗せられないよう推移を見守ります。

 とりわけカメラやパソコン類など精密機器はめったにオンラインでは買いませんが、今回はずっと狙っていた商品だったので、信用のおけるマップカメラがeBayに出店していることを知り、購入を決意しました。しかしまさかこんな状態のいいカメラを、こんなに早く入手できるとは思いませんでした。価格も中古市場でほかのセラーを圧倒する安さでした。それでいて傷一つない美品。試写しましたが、全く問題ありませんでした。いやーこんなキモチいい買い物は久しぶりです。やはり日本の信頼と実績のある店は違います。今後カメラ関係の品探しは、まずマップカメラから始めることになるでしょう。

 ところでこのCanon Powershot G3 X、聞きしに勝るすごいコンデジです。


 アメリカではブリッジ・カメラという分類で、一般的なコンパクトカメラより上位の商品です。日本では高級コンデジなどと呼ばれるものの一つです。

 カメラの性能の良さを決定する要素の一つ、センサーが一般のコンデジより大きいのです。

1インチ・センサーと言って、フィルムに相当するセンサー部分の受光面積が大きめなので、より広範囲な撮影現場に対応できるのです。このカメラはそれだけではありません。一番の特徴はなんと25倍ズームレンズが付いているということ。一インチセンサーのカメラでこれだけ倍率の高いカメラは他に数えるほどしかありません。キャノン独自の技術のより、競合他社よりも小型で防塵防滴機能備え、チルト式のタッチパネルまでついているのはこの商品だけです。発売は数年前もまえの旧型といえますが、これ以降、バージョンアップしていないので、まさにワン・アンド・オンリーの輝く性能のカメラといえます。


 昨今はハイエンドのフルサイズ・センサーのミラーレス一眼が注目を浴びていますが、それらを必要とするのは、プロ・カメラマンやセミプロ・レベルのハイ・アマチュアで、裾野の広い一般カメラ愛好家にはまだ、あこがれの存在です。安くても20万以上しますからね、そういったカメラは。

 もちろん私も最終ゴールはそういったカメラになりますが、いまはまだ高嶺の花です。

 腕が未熟な私には恐れ多いです。それに私のカメラに対する期待は画質だけではないのです。基本的にはスナップ写真が好きなので、ポケットかカバンに常にコンデジを入れ、持ち歩いています。はっと思った瞬間を切り取る、それがスナップ写真の醍醐味です。大きなカメラ機材ではしょっちゅう持ち歩けず、シャッターチャンスを逃しがち。写真の完成度より荒削りでも、二度とない瞬間を大事にしたいのです。

 それとは別に、私はズームで遥か彼方の見えないものをきれいに拡大して撮れた写真にワンダーを感じます。また虫や草花の微細な拡大写真を見てうっとりするなど、普通のカメラ趣味者とはちょっと違うカテゴリーに住む者です。

 高級、高機能のカメラはいいに決まっていますが、今はCanon Powershot G3 Xのように、幅広いシャッターチャンスに好適なカメラが私の願望を満たしてくれるのです。

 というわけで今日はとても素晴らしいカメラをゲットできたので、ウキウキしています。これからしばらくは試し撮りにあてもなくさまよい歩く日々となりそうです。