はじめに、愛猫の写真を撮るための簡単なコツをご紹介します。
背景はシンプルに
最適な照明を選ぶ
快適な環境を選ぶ
猫目線で対応
それでは次に、以上の基礎の基礎を心得たうえで、一歩進んだ猫対応、ペット撮影術をご紹介いたしましょう。
より可愛さを引き立てましょう
光を味方に
室内で猫を撮るとき、まずフラッシュは控えましましょう。直接フラッシュを当ててしまうと、毛並みは反射で見るに堪えない白飛びをします。猫の目も変な光り方をしてしまいまます。コントラストの少ない自然な明るさは、猫の写真をソフトで美しく見せるための重要な鍵です。
家の中で一番日が当たる時間帯を中心に撮影しましょう。家の明かりをつけていてもいいですが、単一の強い光源は不快な影を作りがち。撮影場所はできるだけ日中の自然光を取り込みやすい環境を選びましょう。
光を増やすとカメラのピント合わせがしやすくなるので、光を入れるとより鮮明で精細な写真が撮れるようになります。ただし、光を当てすぎると、写真が白っぽくなってしまうので注意しましょう。
デジタル一眼レフカメラで撮影している場合、バウンス撮影と言って、外部フラッシュを壁や天井に当てて撮影する方法を使うと、写真スタジオっぽいの美しい写真が撮れます。絶対にフラッシュを直接被写体に向けないようにしましょう。
猫に焦点を当てる
プロが撮った猫写真の中には、猫が浮き立つような臨場感で迫ってくるものがあります。それらの写真に共通しているのは、極力シンプルに徹した背景の演出です。アマチュアのペット写真でも、理想的には背景の雑然としたものは避けたいものです。せっかくのゴージャスな猫の写真も、背景に洗濯物の山や汚れたカーペットがあると台無しになってしまいますからね。写真を撮り始める前にまず周辺のお片付けです。
デジタル一眼レフカメラで撮影している場合は、絞りを大きくすることで美しい被写界深度を得ることができます。これはまた、背景の一部をぼかすのに役立ち、主役の猫は一層引き立つことになります。
素人の猫写真でよくある問題として、手ブレやシャッタースピード不足で、画像がぼやけてしまうことがあります。猫の顔の繊細な部分があいまいになって残念な写真になるのですね。これは子猫や非常に活発な猫の写真によく見られますが、そのせわしない動きは、スマホやコンデジの自動設定で撮影するには速すぎるのです。
マニュアル設定で撮影している場合を除いて、被写体、撮る側両方の動きを少なくして、ピントの合った写真が撮れるようにしましょう。手元が安定していることを確認するか、それが難しい場合は、カメラを丈夫な場所に置いて動きを少なくしましょう。被写体を鮮明に写すには、お昼寝の直後やゆったりと座っている時など、静止している時間を選ぶとよいでしょう。また、活動的な猫が写真を撮るときには、次の注意を引くヒントを参考にして、ポーズを取ることもできます。
動きのある猫の鮮明な写真を撮りたい場合は、オートより手動設定の方が柔軟性があります。デジタル一眼レフカメラを使用している場合、シャッタースピードを上げて、連写モードにしてみてください。数撃ちゃ当たるですが、プロも利用する手法です。
ノイズやおもちゃを使う
気まぐれな動物ーー猫はいつも思い通りに動いてくれるわけではありませんよね。人間の幼児などはまだコントロール可能ですが、猫に限って言えばそれは不可能に近い。でも手はあります。見慣れない猫用のおもちゃをぶら下げたり、音の出る猫のおもちゃで気を引くことによって、レンズに焦点を当てる時間を稼ぐことができます。
それもぐずぐずしている暇はないかもしれません。猫はすぐに飽きてしまったり、一度音源を知ってしまうと興味を失ってしまうことが多いのです。紙を用意してカシャカシャと音を立てたり、猫のおやつの袋の音を出したり、さまざまな音源を試してみるのも必要です。奇妙な音を提供できれば、戸惑いや困惑のかわいい表情が撮れるかもしれません。
ただし無理強いをして猫を怖がらせないように気をつけてくださいね。本当にいい猫写真は、猫が最もリラックスしている時に撮られた写真だと言います。緊張と緩和。ねこが猫らしく振舞う、自然な姿を狙うように心がけましょう。
編集:フィルターは控えめに
ソーシャルメディアでは、フィルターを使って写真を編集したくなるかもしれませんが、やりすぎには注意しましょう。手を加えれば加えるほど、本来の自然さから離れがちになります。写真の自然さを引き立たせるために最低限の編集で済ませてください。編集ソフトウェアは、少し薄暗い写真の露出を上げたり、暖色系の画像にクールなトーンを加えたりするのに適していますが、目立つ目的でエフェクトに頼りすぎないようにしましょう。過剰な編集は、写真を安っぽいものにしたり、奇抜なものにしたりして、見ている人が被写体とのつながりを感じにくくしてしまいます。その代わり、猫の自然な美しさを生かして、思わず画面から手を伸ばしてペットを飼いたくなるような写真を目指してください。