
レシピの写真を撮りたいけど、何から始めたらいいかわからないという方はいませんか? フードフォトは、インスタグラム、レストラン紹介、ポスター、カレンダーなどの商品写真、など多くの需要が見込まれています。また、クリエイティブな作品作りでもあり、カメラを使って自分のスタイルを表現する楽しい趣味にもなります。このフードフォトグラフィーという魅惑の世界をご案内しましょう。
使用するカメラ
まずはカメラ選びです。これから始める方は、安価で使い勝手も良いので、まずはコンパクト・デジカメから始めてみるのも良いかもしれません。料理のためのコンデジの基本的な撮影法はすぐ覚えられます。ていうか、ほとんどのデジカメに「料理」という設定があるはずです。それに従うのが初心者には無難でしょう。
また一眼レフほどの設定項目はありませんが、絞り、スピード、ISOなどのマニュアル設定は、コンデジにもありますので、積極的に自分で操作して、写り具合を確認してみてください。
明るい画像を作る
また一眼レフほどの設定項目はありませんが、絞り、スピード、ISOなどのマニュアル設定は、コンデジにもありますので、積極的に自分で操作して、写り具合を確認してみてください。
明るい画像を作る
シャッタースピード、絞り、ISOは画像の明るさを左右する3つの要素です。ここでは、もう少し詳しく説明します。
シャッタースピード
シャッタースピード
シャッターの開く速度を遅くすることで、光が少ない状況でもセンサーに多くの光が当たるようにすることができます。私は、暗くて暗い日や秋の暗くなるのが早いときにこれを行います。ただし、シャッターを長く開けると、ブレが大きくなるので、三脚が必要になるかもしれません。私の経験則として、私は1/125秒で手持ち撮影をします。
絞り
絞りとは、レンズの開口部の幅のことです。絞りを開けると、より多くの光を取り込むことができ、被写界深度が浅くなり、背景のボケが発生しやすくなります。この効果により、カメラの焦点がどこにあるのか、見る人の目を引きつけることができます。数字が小さいほど、絞りは広くなります。そのため、背景ボケの多い一箇所にシャープなピントを合わせたい場合は、3.2や3.5などの低い数字を選ぶとよいでしょう。背景の被写体にピントを合わせたい場合は、11や14などの高い数値を選択することができます(これでは光が入らないので、シャッタースピードやISOを調整する必要があります)。
ISO
ISOとは、光に対するカメラの感度のことです。ISOが高いと画像の品質に影響を与え、特に写真の暗い部分に「ノイズ」を発生させてしまうからです。私はISOを500以下に保つようにしていますが、暗い状況では、三脚を持っておらず、絞りがすでに開放になっている場合は、ISOを高くします。
光の使いかた
食べ物の撮影には、可能な限り自然光を使いたいです。プロ用の照明は自然光を模倣することができますが、その前にカメラに慣れて自然光を使うことをお勧めします。
屋内の照明は、そのまま撮影すると被写体が黄色の光をかぶることが多いです。これではせっかくの美味しい食事が台無しです。屋内照明を使用する必要がある場合は、ホワイトバランスをオンにします。これは青を追加し、黄色を少し中和する目的で使われます。
また周囲の光源を意識することは非常に重要です。レストランでは、パティオや窓際で自然光を取り入れた撮影をしてみましょう。自宅で撮影する場合は、時間帯を変えて光の加減を変えてみましょう。折りたたみ式のバウンス反射板という小道具も役立ちますのでぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
被写体を選ぶ
食べ物を撮ってもなかなか「すごい」という実感まで行かないのはなぜでしょうか?
もしかしたら、間違ったものを撮影しているかもしれません。写真をより魅力的なものにするためには、色や質感の異なる食べ物を選びましょう。茶色い食べ物ばかりのお皿では意味がありませんし、あなたが求めている「感動」の要素が欠けているのは間違いありません。
食物には、カラフルな野菜の緑や、深みのあるチーズの黄色、ニンジンのオレンジ色など、豊かな色彩で写真を引き立てる素材がたくさんあります。そういったものから被写体を選ぶのもフード写真をうまく見せるコツと言えます。
食物には、カラフルな野菜の緑や、深みのあるチーズの黄色、ニンジンのオレンジ色など、豊かな色彩で写真を引き立てる素材がたくさんあります。そういったものから被写体を選ぶのもフード写真をうまく見せるコツと言えます。
テーブルを整理する
卓上にあるものや、背景が乱雑だと、食べ物に焦点が集まりません。撮影前に周囲を片付けて、近くの雑然としたものをすべて取り除きましょう。シンプルな背景がベストですが、背景に花瓶や食器などを入れても、見た目がすっきりしていれば、被写体に邪魔にはなりません。
寄って撮る
すべての色と詳細を捉えるためにマクロレンズで近く寄って撮影してください。撮った写真は、決してぼやけたものではなく、鮮明でクリアなものでなければなりません。いろいろな角度から撮影してみましょう。 1つの料理に20枚以上撮ってみましょう。一般的に料理自体は、全体の一部だけにピントが合っている状態がベストです。
三脚を使う
暗い食卓では、遅いシャッタースピードが必要になることがよくあります。手ブレで写真が台無しになることもままあるものです。三脚を使ってカメラを安定させることで、写真を最高の状態で撮影することができます。三脚は、お皿の配置を変えたり、食材をぴったりの場所に配置したりと、料理を素早く調整したいときにも便利です。
過剰な編集を省く
プロのカメラマンは必ずRAWで撮影します。初心者は必ずしもRAWに固執することはありませんが、RAWフォーマットで写真を撮影した場合、あとの編集がしやすくなり、結果的にいい写真を残すことができます。 jpgを卒業したらRAWフォーマットにチャレンジしてみてください。
作品を共有する
食べ物の写真を撮影して編集したら、オンラインで共有しましょう。Flickrは、オンラインで写真を保存したり共有したりするのに最適な場所です。他にもいくつかのサイトが楽しいコミュニティを提供しています。こういった場で写真を共有することは、あなたの写真の腕を向上させるためのいいステージとなります。
スマホのカメラで撮る場合
もしあなたがインスタグラムなどソーシャルメディア向けの気軽なフード写真を撮りたいのであれば、スマホ・カメラでもいい写真は撮れます。いくつかの心得がありますので、ご参考にしてみてください。
グリッド設定
ほとんどのスマートフォンには、撮影したすべての写真にグリッドを重ね合わせることができるツールが搭載されています。これを使えば、写真の線がまっすぐになっていることを確認したり、フレームを3分の1に分割したりすることができます。iPhoneでは、写真とカメラの設定で「グリッド」のトグルを見つけてください。Android/Galaxyの場合は、カメラアプリの設定を確認してください。グリッドの切り替えが見つからない場合は、カメラ360のようなサードパーティ製のアプリをダウンロードして、グリッドをオンにすることができます。
露出スライダーを使う
デジタル一眼レフカメラ同様に、スマホで露出をコントロールできることをご存じでしょうか。カメラアプリを開いたら、指で被写体にピントを合わせてみましょう。すると、太陽の小さな画像が表示されるはずです。表示された小さなバーを指で上下にスライドさせれば、写真を撮る前から光の量をコントロールすることができます。
アングルを知る
ダイナミックな写真を撮るのに最適なアングルは、目線の高さや被写体の少し下からの撮影と、俯瞰での撮影の2つが効果的です。後者を使う場合は、椅子に座って被写体全体がフレームに収まっていることを確認し、ラインが完全にまっすぐになるようにしましょう。上から写真を撮るのは、一枚の写真で食卓の全体像を撮るための簡単な方法ですが、アップで撮ると、テーブルの上からの写真を見ることができます。アップ撮影は水分や質感、色などのディテールが出しやすいです。
自然光を利用する
被写体が窓の前にある場合は、窓からの光を利用できます。しかし、カメラ側に窓(強い光源)がある場合は、食べ物が光にさらされ過ぎて魅力を失いがちです。食べ物の陰影を狙って撮る事によって、被写体にコントラストと質感を与えられます。
もし、レストランで照明が弱い場合は、小型の照明器具を持参するのも手です。ない場合は友人のスマホのライトを使ってもいいでしょう。ただしフラッシュは避けましょう。フラッシュは食べ物のイメージを崩し、どんなに美味しい料理でも見栄えが悪くなります。被写体の上や後ろではなく横からの光を利用すること、これがポイントです。
構図の工夫
お皿に盛った料理をフレームいっぱいにとって独占するのは避けましょう。そうしたい気持ちは分かりますが、あまりにも芸がなさすぎます。というより、より料理を引き立たせたいなら、シンプルな背景をたっぷり取り込んで、柔らかなボケを作ることです。そうすることによって料理は一層引き立ちます。よりアートな感じを出したいなら、大きな背景を選んで、主題を小さくすることを恐れてはいけません。
小道具でひと工夫
フードスタイリストの演出方法を見ていると、他のオブジェクトをフレームに持ち込むことが重要なようです。ユニークな調理道具や厨房の一部、キッチンテーブルや椅子の飾りを使って、構図をより面白くすることを意識してください。ちょっとお皿の角度を変えたり、盛り付けを工夫するだけでも、写真に命を吹き込むことができます。
人も効果になる
フード写真を美味しくするもう一つの方法は人を使うことです。グラスを握っている人の手や、食器を持つ人の手先など、シンプルなものでも、料理の写真をより引き立てることができます。暗い色、特に黒やグレーなどの落ち着いた色の服は料理の引き立て役として最適です。逆に明るい服だと、料理がさえなく映る場合があります。
写真をたくさん撮る
一つの料理に対して、角度、距離、背景、明るさなどを変えた、十数パターンの写真を撮るといいでしょう。あとで後悔してデジタル編集しても、その場の空気感はなかなか再現されにくいものです。とにかくいろんなパターンを撮りまくることで、次回への対策にもなりますし、多くの場合、レストランでのフード写真は一回きりのチャンスしかないと思って、ふんだんに作例を作るつもりで、撮りまくってください。
まとめ
フード写真は撮りためていくと、食べ物のコレクターになった気分にしてくれます。あのときあんなものを食べた、あのレストランは素敵だったなど、優れた写真を見返して、食にまつわるたくさんの思い出が蓄積されます。改めて見返すと、自分の偏った食事傾向も分かりますし、他人のフードフォトを見ることで、自分が見たこともない食事に興味をそそられ、新たなチャレンジが生まれることもあります。
写真の腕は未熟でも、時として料理を実際以上に美味しそうに撮れる瞬間があります。そんな写真を撮れた日には、満腹以上の喜びを感じられるでしょう。ぜひあなただけの絶品料理と言える最高の一枚を写してみてください。
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