2020年8月3日月曜日

雑草と戦う夏

危ない! そのWeedsの対処法
 

 春先から秋の初めまで、家の周りは雑草との戦いです。とにかく生えては刈り、生えては刈るのエンドレスゲーム。都会やアパートに住んでいる人にはわからない、田舎暮らしの悩みです。
 特にウチの庭は広いわけではないのですが、放っておくとあっという間にちょっとしたジャングルになってしまいます。繁殖力の強い雑草が多いのですね。土壌の良さも却って仇になります。昔は芝生がきれいに生え揃っれいたのですが、年々雑草がはびこるようになり、ついに雑草の天下となりました。
 これはひとえに私の怠慢の致すところであり、大いに反省しなければなりません。昔のわたしは、庭は自然界の掟に任せておれば良い、的な放任主義を標榜していました。植物の世界でも、弱肉強食。人間の干渉は最低限にすべしだったのです。
 しかしその結果、庭は荒れ放題になりました。毎年春に目を楽しませてくれた、ツツジもげっそり痩せ、花も咲きにくくなりました。ガーデニングのプロが聞くと開いた口が塞がらないでしょうね。改めて気づきましたが、雑草は大事に育てた木や花の生命力を奪っていくのです。
 今は考えを改めました。庭は公的景観の一部です。地域社会で野放しになった庭は見苦しいだけではなく、不必要な種子を撒き散らす、迷惑な存在なのです。特に住宅街では各々が庭をしっかり管理して、調和に務めなければいけないのです。そんな基本的な社会常識をわきまえなかった私は愚か者です。
 しかし気づいたときはすでに遅し。私の庭は根深く雑草に支配され、庭に植えられた観葉植物のテリトリーを大半征服しておりました。
 見かねた我が娘が、前庭を手始めに手入れし始めました。彼女は丁寧に雑草を一つ一つスコップで掘り返し、根っこごと排除する、まさに根こそぎ作戦に出ました。表面に出ている葉と茎は十センチ足らずなのに、根は20センチ以上あったりします。予想外の駆除作業に娘はかなり苦戦していました。しかし数日かけて畳12畳分ぐらいの前庭はきれいに土だけに生まれ変わったのです。
 私もそれをただ見ていたわけではありません。私と息子は、遥かに広い裏庭のジャングルと格闘していたのです。去年までは、手押し式の草刈り機だけでテキトーに、生えたら刈るの繰り返しをシーズン中、3ないし5回ほど繰り返していたに過ぎません。ご近所はほとんどみんな電動式の草刈り機を週末ごとにやっていたので、その差は歴然です。

 
 今年は心機一転、ウィードワッカーを買い、手押し草刈り機との二段作戦で雑草に挑みました。手押し草刈り機は手入れをしていなかったので、刃がサビサビで切れ味がまったくひどいのです。新品のウィードワッカーが頼りで、それをサポートするように、私は手で一本一本目立つ雑草から引き抜いていきました。持病の腰痛に気をしながらで、作業はなかなかはかどりません。
 それを見かねた知り合いのご夫婦が、助っ人をかって出てくれました。ご主人は家の修理を職業としている方です。よくじつ電動草刈機を持ってきてさっそく作業が始まりました。作業はまたたく間でした。さすが文明の利器。持つべきものは良き隣人です。謝礼に手数料と日本の緑茶をお渡しし、笑顔でお別れしました。
 
 ところがその後、とんでもない事が起こりました。
 なんと、当日素手で雑草の引っこ抜きをやってたご婦人が、雑草の毒にやられてしまったのです。庭のフェンスに絡みつく蔦を引きちぎっていたのですが、そのなかの一つが毒草、ポイズン・アイヴィーだったのです。
 その時は症状もなかったのですが、数日後、ご主人からその話を聞きました。
 奥さんは、草刈りの二日後から発熱が始まり、顔や手足の皮膚が赤く腫れ上がってきたというのです。それは日に日に悪化し、塗り薬では対処しきれなくなり、全身に炎症が広がったそうです。どうやらポイズン・アイヴィーの毒は、葉が肌に触れただけではなく、手のかすり傷の傷口から体内に入ってしまったようなのです。聞くところによると、その種の植物の毒が体内に入ると、悪い場合、臓器まで障害をひきおこすというのです。
 私は震え上がりました。
 せっかくご好意で庭掃除を助けていただいた方が、そんな重症になってしまうなんて、思いもしませんでした。ただただ、ご主人には平謝りでしたが、もう申し訳なくて当のご婦人にはお見舞いにもいけません。
 ご婦人は一週間以上も寝込んだ挙げ句、医者に行って解毒治療を受けたそうです。ようやく甲斐あって快方に向かってるとのことですが、本当に怖いと感じました。寛容なご夫婦だから良かったものの、訴えられても当然の事態でした。
 
 たかが雑草と思っていたのが甘かったです。知らないうちにそんな危険な雑草がはびこっていたなんて、予想だにしませんでした。
 先日、庭掃除のプロの方を雇って、ポイズン・アイヴィーを根絶してもらいました。ビニール袋いっぱいに詰まったその雑草をみて、改めて恐怖が蘇り、かつ反省しました。
 庭は放置してはいけない。ちゃんと見守って、管理するのがコミュニティにおけるマナーでありルールと受け止めます。今後しっかり庭と向き合って、きれいな環境づくりに留意したいと思います。


2020年8月2日日曜日

至高のワッフルを求めて

ベルギーワッフル対アメリカンワッフル



 犬歯を一本抜いただけで、食べることが如何に難しくなるか身に染みる今日このごろ、豆腐やヨーグルトで飢えをしのいでいます。
 来週からは、もう少し固形で柔らかいものを食べられる予定。そう思っただけで、さまざまな食欲が湧いてきます。ああ、あれも食いたい、これも食べたいと。

 なかでもしばらくご無沙汰だった好物のワッフルが無性に食べたくなりました。あれなら歯が悪くてもなんとか食せますからね。

 近頃は、日本でもワッフル専門店などで、とてもおいしい本格的なワッフルがいただけるそうですね。私が子供の頃、日本のワッフルといえば、これお好み焼きやんか、と舌を疑う偽物をだすレストランがあったものです。最近の日本のシェフというかパテシエは、本物志向が強く、本場の味をそのまんまを再現した上で、オリジナリティを出してくると雑誌に書かれていました。それだけ需要も高く、競争も激しいのでしょう。
 
 アメリカではもちろんワッフルといえばアメリカン・ワッフルを意味し、あのスーパーの冷凍庫で売っている四角いブロックのようなワッフルを思い浮かべるのが普通です。
 でも私がいま求めているは、美味しいベルギーワッフルです。こちらの人はベルジアン・ワッフルと呼ぶやつです。基本円形か四角で、巨大なブロック状の鋳型のあるホットプレートなどを使います。 
 なぜベルギーかと問われても、好きだからとしか答えられません。もともとパンケーキ系のデザート類に目がなくて、自分で作ったり、レストランの食事に行っても、アペタイザーのサラダとデザートのパンケーキという妙な組み合わせで済ませたりしていました。それくらいあのふっくらとした食感が好きなのです。
 
 アメリカでパンケーキといえばiHopを思い浮かべる人も多いでしょう。私も以前は月に一度くらいはiHopのパンケーキを食べに行ってました。あそこはメイプルシロップはじめトッピングが何種類もあっていろんな味が楽しめます。しかし誤解を恐れずに言えば、あそこぐらいのパンケーキならアメリカの多くの家庭が匹敵するものを自前で作っています。私のは平凡すぎてダメダメですが、たまにどこかのご家庭とか、教会などの催しで出るパンケーキが美味いのなんのって!
 アメリカン・ホームメイドを舐めちゃいけませんね。
 
 ただし本格的なベルギー・ワッフルは家庭で作る人も少ないようで、まだ直接頂いたことはありません。ベルギー・ワッフルの特徴は、イースト菌を使い、一晩ねかせてから作るのが定番なので、ちょっと手間がかかるんですね。
 なので目下、ベルギー系のワッフルは外食頼りなのですが、十数年前にニュージャージーのとあるダイナーで頂いたワッフルが、とんでもない美味しさでした。
 表面はうっすら固めに焼いていて中はふわふわのワッフル。しかし直径18センチの二段重ね。厚さが4センチほどもあるやつです。しかもこれでもかというほどホイップクリームを塗り重ね、そのなかに大粒のイチゴがどかどか投入されているのです。食べきれるかな、と案じたのですがその美味に驚愕しつつ、あっという間に平らげていました。その時からです。ベルギー・ワッフルのファンになったのは。
 
 あのときの至福感はいまでも私の舌に残っています。口中でとろけるようなワッフルの食感を堪能しながら、これはみんなにおすすめしようと、決意したものです。
 ところがあれから年月がたち、その店へ行く機会はいちどもありませんでした。かわりに近くのレストランでベルギー・ワッフルを注文することもありましたが、あのときあのダイナーで味わった感動にはなかなか出会えません。しかも最近は主治医のきつい指示で、甘いものを控えないと、高血圧治りませんよと脅され、ワッフルからどんどん遠ざかる日々なのです。
 
 このあいだ久しぶりに、あの感動のワッフルを味わったダイナーの町に立ち寄ったのですが、なぜかどうしても見つけられませんでした。ひょっとしたら移転したのかもしれません。なにせ十数年前のことですから。それいらい、あの味に匹敵するワッフルを探し求めるようになりました。健康と引き換えのギャンブルみたいなものなので、あまり積極的ではありませんが。
 最近やっと主治医から、日々精進していれば、月に一度ぐらいは甘いものもOKと言われました。(検査でコレステロール値ちょっとさがったぜ、イエイ!)
 チャンスが有れば、また美食探求の旅に出ましょう。いまは虫歯のアフターケアに努め、いつか再びあのワッフルの感動と再会したいものです。

2020年8月1日土曜日

おすすめ商品

身の回りの便利グッズ



 ふだん日常的に使用している便利な小物をご紹介するコーナーです。今回は以下の三品をおすすめいたします。

iPad用キーボード
 
 仕事に趣味にと毎日のように使うiPad。Apple Pencil を導入し、新しいiOSにアップデートし、ますます便利になってゆくiPadですが、長文あるいはちょっと長めの文章を書くことだけは、苦手でした。思い余って調べた挙げ句、iPad用のキーボードを購入して使うようになりました。
 Apple純正の Smart Keyboardが無難だろうと思ったのですが、定価159ドルと聞いて即除外しました。そこまで投資する余裕はありません。ネットで探すとサードパーティ製のキーボードが星の数ほど出てくるのですが、どれがいいのか全く見分けが付きません。
漠然とキーボードとケースが一体になったやつがよかろうと思ったのですが、それでもたくさんありすぎて絞りきれません。



 思案の末、最初に買ったのはコレ。




iPad Keyboard Case 9.7 for iPad 2018 6th Gen, iPad Pro 9.7" 2017 5th Gen, iPad Air 2/Air, Wireless Detachable Keyboard, Multiple Angle Stand Honeycomb Cover with Pencil Holder

 
 サイズが気になりましたが、標準9.7インチ・モニターのiPadにぴったりと収まります。キーボードとケースは磁石でくっつくタイプのもので、着脱も可能。キーボードの位置を任意の場所に動かせるのが強みです。しかししばらく使っているうちに、キーボードのブルートゥース認識が、しづらくなってきました。バッテリーの問題かと思われますが、いちいちキーボードの電源をオン、オフしてブルートゥースを繋がなければならず、煩わしくなってきました。キーボードとケースが分離できるのも便利ですが、作業のたびに位置をずらさねばなりません。

 そこで次に買ったのが、これ。


 
 本品の最大の特徴は、キーボード部とiPadカバーの部分とが、マグネットで着脱式になっている点です。いわば2つの貝殻が合わさって完全に閉じた形態になることです。これは本体を守る上でとても有効です。しかも開閉が一般のラップトップと変わらぬワンアクションでできるのです。
 マグネットはとても強力でラップトップのヒンジと同じ感覚で扱えます。
 カバーの開閉と同時にiPadの電源が反応し、瞬時に使用可能が可能。閉じればオートでスリープモードに入ります。キーピッチはさすがに狭いけれど、少し慣れるとさほど窮屈を感じません。さらにキーボードがバックライト付きなので暗いところでも、タイピング・ミスが少なくて済みます。キータッチも程よい反発感で長時間の使用にも耐えます。非常にコンパクトにまとまっており、材質もまずまずで堅牢性もOK。とくに背面はラバー樹脂ですべりにくく、片手で気軽に持ち運べます。あえてひとつ懸念を挙げれば重量でしょうか。全体で1キロを超えてしまうので、せっかくのiPadの軽量感は失われます。それさえ目をつぶれば、どこと言って不満点のない優秀なキーボードです。しかもお財布に優しいサードパーティ価格。ピンからキリまであまたあるメイドイン中国でも、優秀な部類に入ると言えるでしょう。キーボード重視で文章を打つ人にはぜひオススメいたします。

注:ケース、キーボードはiPadの世代ごとタイプごとにデザイン、サイズが異なるので、よく確認してからお選びください。


小型どこでも扇風機


 

 小型扇風機をお探しで、マルチな使い勝手をお望みな方にはコレが一押しです。
扇風機自体は普通の6インチ羽根で場所を取らない卓上タイプです。違いはクリップと台座の両方を兼ね備えて、どんな場所にも設置できるという点です。図解にあるように、台座が着脱式で、外すと本体はクリップ式のファンに早変わりします。これなら大抵の場所に据え付けられてじゃまになりません。低電力でサブ的な扇風機としてお部屋の片隅に置くだけで有効な暑さ対策になります。ぜひお試しを。



消せるボールペン


 

 日本ではもう常識として、どこにも転がっている「消せるボールペン」ですが、これ、アメリカ人にプレゼントしたらとても喜ばれます。日本に帰国滞在したとき、アメリカの同僚にお土産として何がいいかと思案して時、これを思いつきました。びっくりしてましたね、コレを初めて見る同僚たちは。
「まるで鉛筆みたいに字が消える! しかも消しカスがでない。なんというマジック!」と大喜びです。
 アメリカではまだ店頭で売っているのを見たことがほとんどありません。一度日本以外の類似品を使ったことがありますが、まともに消えませんでした。
 最近ようやくネットでこのパイロットの「消せるボールペン」を入手できるようになりました。やはり消せるボールペンはパイロットがダントツでしょう。私自身も常に持ち歩いていて、書き損じたときはすぐに訂正できるので、ノートはきれいに整理されています。こんな便利なものをアメリカのビジネスマンから学生まで知らないなんてもったいないです。ぜひ周りの人にプレゼントしてあげてください。きっと喜ばれますよ。
 

2020年7月31日金曜日

歯の治療現場へ行く

抜歯しました



 コロナウィルスが全米で猛威を振るう真っ最中ですが、私、歯医者に行きました。
 パンデミックを受け、行政指導で春先から三ヶ月ほど臨時閉鎖されていましたが、ようやくの再開です。通知を受け、たくさんの患者が殺到したため、再予約を申請してから二週間待たされました。
 予約の時間に行ってみると、入口の外で待つ人が数人います。その後ろに立つと、前の人が中に入るよう促します。言われるままにドアを開けると、扉にはマスク着用義務のサインがデカデカと。ソーシャルディスタンスを意識して、マスクをしつつエクスキューズミーを静かに連呼しながら、中に入りました。

 かつてはなかった受付専用の窓口が設置され、その場所に先客がいて係の人と話をしています。椅子は通常通り10脚ほどあるのですが、間隔を開けて座っているのは二人のお年寄りのみ。その間に座れるような空気ではありません。患者は互いに視線をチラチラと寄せて、距離感を図り合っている感じです。狭い待合室には5人ほどしかいないのになんだか息苦しい雰囲気。
 私が受付申請を待つ間に、すぐに後ろに二人加わり列ができました。ますます圧迫感のあるシチュエーションです。ようやく受付の女性に私の名前を告げると、彼女が額の温度を測り、直近2週間で他州に行ったかとか、グループで集まったかとかの問診がありました。その後、受付の女性は待合室が混み合ってきたことに気づき、私を含め数人に外で待機するよう言いました。
「え?」と思いました。この日は摂氏32度を超える猛暑です。歯がズキズキする中、マスクをして外で立つのは厳しすぎます。彼女は、順番が来たらお電話しますので、車でお待ち下さいと言うのです。
 やっぱりここはアメリカですね。全員車での来院を見越しての処置です。みんな文句を言うこともなく外に出ていくので、私もやむなくエアコンの利いた待合室を出ました。
 車で待つこと20分ほどで、呼び出しがかかり、無事治療にこぎ着けました。しかしこんな経験はなかったので、これもコロナの時代の対応策かと得心した次第です。
 
 ここの歯科医は部屋が完全個室型で、各部屋にカーテンが敷かれ安全対策は基準内に見えました。治療は普段どおりで、他の患者との接触も最小限に抑えられ、まずは安心して受けられました。再開通知を受けたときは、行くのを躊躇しましたが、歯は悪化の一途をとっていたので、もう待ったなしでした。結果、行ってよかったと思っています。
 
 当初、家内は歯医者にゆくこと自体を懸念しました。たくさんの患者が出入りする室内で、治療中大きく口を開けていなければならない歯の治療はリスクが高すぎると思ったのでしょう。私も3ヶ月前なら、一も二もなく同意していました。
 
 しかし他州の感染増加を尻目に、いまニューヨーク州の感染率は大幅な減少傾向にあります。ニューヨーク州、なかんずくマンハッタンを中心とする5ボロー地域は、春の早い時期にパンデミックが起きた大都市圏ですが、その後強力なロックダウン政策の施行で大幅にピークを早まらせることができました。今、南部の州から燎原の火のように感染は全米に拡大していますが、今ならニューヨークは小康状態。いつまた他州からの流入で感染第二波が押し寄せるとも限りません。
 私は、歯の治療を受けるのは今しかないと思いました。私の虫歯はもう待ったなしの危機的状況でしたから。
 
 本来は4月初旬に治療を終えるべく予定していたこの虫歯。いやこの歯の異常は前の年の冬頃、歯のクリーニングをしてもらったときに発覚していたのです。犬歯ととなりの歯の間に虫歯ができ、知らずしらすのうちに根本まで悪化していたのです。そうと知ったときはもはや手遅れで、担当医から強力に抜歯を勧められ、やむなく予約をとったのです。
 ところが保険の適用を巡ってスグにはできず、さらに私の常用する血圧治療薬が抜歯の際、出血多量のリスクがあるとかで、かかりつけの心臓医からアドバイスとお墨付き書類を得なければならなくなりました。
 そんなこんなで歯の治療ははどんどん先延ばしとなり、ようやく4月に予約ができたのです。
 そして起きたのがコロナ騒動です。
 歯医者から予約延期の通知が予定日直前に届き、再開の今月まで待たざるを得なくなったのです。この間約3ヶ月。虫歯発見から数えると半年以上になります。
 度重なる延期の末、虫歯はどんどん悪化し、歯がぼろぼろと欠けはじめました。今日ようやく歯医者さんに診てもらったのですが、歯はもはや根っこにしか残ってなかったのです。 
 しかしこの歯医者さん、私が最も信頼のおく名医。歯科世界のブラックジャックとも言えるスーパードクターで、これまで何度もうちの家族がお世話になっています。今回も全く痛みも不快感もなく、抜歯を終えることができました。歯の傷が癒えるまでしばらく不自由ですが、長期に渡っていた懸念が払拭できて安堵しました。いつまたパンデミックが起きて、病院の門が閉ざされるかわかりません。
 歯だけでなく、健康に関することで先延ばししていい案件などありません。みなさんにも、できるときに、できるだけのことはやっておくことをオススメします。

2020年7月30日木曜日

いざというときの冷凍食品

冷食フォーエヴァー!



 行動制限のおかげでみんなあまり出歩かなくなりました。

 というか外出は基本NGなので、外に出るのは食料買い足しかジョギング、散歩のみ。ランチ時、夕食どきにはドライブスルーのテイクアウト・ファストフードが長蛇の列を作る今日この頃。

 なるべく人が集まる食料品店を避けたいときはもってこいですが、毎日というわけにはいきません。ほとんどの人は数日分から1、2週間分の食料をがっつり買いだめするようになりました。

 ではいったいアメリカ人はこの時期、どんな食べ物をを買いだめするのでしょうか。ということでこちらの大手スーパーに出かけたときにふと思いついたのが冷凍食品です。冷食ならアメリカのバカでっかい家庭用冷凍庫にたっぷり溜め込んでも長持ちしますからね。

 店の冷凍庫を見てみるとやはり多くの棚が空いてました。今は非常時なので需要と供給のバランスが取りにくい。在庫を管理する店側は悩も所でしょう。

 というわけでこの店でよく売れている(であろう)メジャーな冷凍食品を幾つか取り上げてみました。

 まず筆頭に挙げられるのが「ハングリーマン」

タイトルからしてもう安易でおバカでインパクト大です。でも全米のスーパーで流通している最もメジャーな冷凍フードのひとつとなります。

 ディナー用のものが一箱平均3ドル前後という低価格。パッケージには赤丸ででっかく「39g プロテイン」と書かれていてこれが売りのようですが、成分表示表には970カロリー、塩分1370mgと書かれています。まさに不健康感満載の原材料構成。

 これは人気の「クラシック・フライドチキン」というタイトルのもので、ホームスタイル(普通のスタイルとどう違うのか不明)フライドチキンが二個、マッシュポテト、スイートコーン、チョコレート・ブラウニー(甘い砂糖菓子の一種)という構成。

 メインのフライドチキンが油ギトギトの分厚い衣に覆われ、肝心の鶏肉になんの風味も感じられないパサパサの代物です。これがなんと一番の売れ筋というのですから、アメリカ人の胃袋のいかに寛大なことか!感服いたします。

これと双璧をなすのが「バンケット」シリーズ。

「ミートローフ・ミール」という人気商品があるのですが、これもまた人工甘味料の塊のような、牛肉と豚肉と何か正体不明の肉を混ぜたとしか思えない、フニャリとした不気味な食感のミートローフ・ディナーです。

 カチカチに凍ったマッシュポテトは説明書きどおりに解凍しても、ビチャビチャかカサカサにしかならず、何が喉を通ったのかさえ判別つかない味気なさです。

 こちらも当然、体によろしくない成分表の表示で、食後は読まない方が賢明でしょう。

一方で冷凍食品のニューウェーヴと言えるのが、「Evol」というブランドの一連の冷食シリーズで、なかにはいかにもアメリカ人好みに作られた売れ筋があります。

 たとえば「バターナット・スカッシュ・アンド・セージ・ラビオリ」

 この具材だけで作られたパスタは、スーパーにあるパスタ料理の中でも最もクリーンで健康的なものの一つです。ビタミンAとたんぱく質がたっぷりのラビオリに、ローストしたバターナッツスカッシュとリコッタチーズを詰め、ローストしたトマト、ケール、セージガーリックソースをトッピングしたものだそう。

 確かに日本人にもそれほど違和感のない風味。口の中でとろけるような食感で、何度でも食べたくなる一品です。カロリーも310と抑えられており、いわゆるジャンクな冷食とは一線を画しているでしょう。

 あと「Kashi」というブランドも健康志向の人にアピールしてここ最近めっきり人気を高めてきた食品会社です。

 Kashiは全粒穀物のシリアル販売で有名になった会社で、いまではシリアルやグラノラバーはじめ、穀物を中心としたいろんな分野の食品を開発販売しています。

 ここに取り上げる「ブラックビーン・マンゴ・ボール」はオーツ麦、玄米、ライ麦、硬い赤小麦、ライ小麦、大麦、そば、ゴマの栄養価の高いミックスで構成された「樫の七つの全粒穀物とゴマのピラフ」と称されるもの。

 このメニューは、最高の炭水化物の一つであるそばとゴマのピラフで構成されています。黒豆とローストした玉ねぎ、ピーマン、にんじんと一緒に食べると、たんぱく質と食物繊維の含有量がアップすると記されています。

 また、マンゴー、生姜、その他の調味料を使用しているため、Kashiは塩分を380ミリグラムに抑えることができ、これは冷凍食品では珍しい小さじ1/4の塩分よりも少ない量です。


 というわけでアメリカの冷凍食品も群雄割拠、千差万別、玉石混交の大乱戦の時代。とりわけ今この非常時とも言えるご時世、簡単に腹を満たせるこれらの食べものは、とてもみじかでかつ重要なものとなりつつあるのです。

2020年7月29日水曜日

夏休み、異常事態の子どもたち

子供のサインを見逃すな



 今年の夏休みは、子どもたちにとってかつて無い窮屈な休暇になってしまっています。
これは日本、アメリカにかかわらず、全世界で起こっている異常事態です。
私の昔からの仕事仲間で、コスタリカに転勤したアメリカ人一家も、外出制限が厳しくて、小学生、中学生二人の子供がパニック状態になっているというのです。
 パニックってどういう事、と訊くと、コレまではとても仲の良い兄弟だったのに、夏休みに入って喧嘩が絶えなくなったと言うのです。
 兄は中学校の吹奏楽部でトランペットをやっているのですが、学校側がラッパ系の楽器は感染リスクが高いので、控えるように言われたそうです。秋の演奏会目指して夏期合宿に備えていたのですが、すべてキャンセルです。
 サッカー大好きな弟の方も、夏休みの練習は見送られることになりました。ふたりとも育ち盛りで活発な性格。慣れない異国の環境で、一年かけてようやく地元のクラスメート、チームメートに馴染みはじめた矢先に、外出できなくなってしまったのです。
 快活だった二人はへやに閉じこもり、ろくに会話もしなくなったそうです。そしてリビングやキッチンで会うたびにつまらないことで、口論するようになったと言います。
 今は一日の大半、アメリカ時代の友達とゲームやチャットなどをしているようだが、何を聞いても明確に答えなくなったというのです。昔は何でも親に話す素直な子たちだったのにと、父親は嘆いています。
 
 こういった事態は今世界中で起きている可能性があります。
 夏休みは子どもたちにとって、一番自由で開放されるときです。毎年恒例の家族旅行や、友達とのキャンプやショッピング、海やプールでの水遊び。今夏はそういった思いっきり遊べる環境がいっさい塞がれてしまったのです。
 外へ出ちゃダメ、友達とも会うな、と言われるといくら素直な子でも、凹んでしまうでしょう。社交的で活発な子ほどこのダメージは大きいはずです。
 
 今この時期、子供の様子はよく見ておいたほうがいいと思います。
 というのは、つい先日、うちの娘の通う高校から連絡があり、生徒の一人がドラッグの過剰摂取で、自宅で死亡したというのです。とても痛ましい話です。同世代の子を持つ親として、全く他人事ではない悲劇です。
 その娘さん、うちの子とは学年が違いますが、近所の子だそうです。私は知りませんでしたが、家内と娘は知ってる子でした。明るくて元気な子だったそうです。コロナの影響かどうか、短絡的に結びつけるつもりはありませんが、こんな状況でなければ防げた事態かもしれません。
 
 私の娘は一見以前と変わらぬ、のんびりした性格で、それなりに退屈な夏休みを受け入れているように思っていました。しかしよくよく振り返ると、夏休み以降、机に座って勉強する姿を見なくなっていました。けっこう勉強はする方だったのに、です。また母親と大好きだったテレビの歌番組を観なくなり、起床時間もずるずる遅くなってきています。
 暇さえあれば、「あつまれ動物の森」に没頭し、なにを聞いても、「うん」とか「ノー」とか単語だけの受け答えが増えたように思います。
 気になって家内と相談したら、娘の親友がいまノイローゼ気味なんだと、ママ友連絡網で情報を得ておりました。娘と親友は、今夏アート・キャンプとやらに参加する予定だったのです。ふたりとも絵が好きで、地元のアーティストの指導で絵画や陶芸の実体験ができる泊まり込みの催しに参加する予定だったのです。でも夏休み直前、企画自体がキャンセルになってしまいました。
 私もそのことは聞いていたのですが、娘と親友にはそれはかなりショッキングな発表だったようです。二人は落ち込んだのです。うちの子は元々喜怒哀楽をあまり表に出さない性格だったので、さほど変化を感じなかったのですが、これは親の怠慢、私の鈍感でした。娘は夏休みの目玉企画を失い、心にぽっかり穴が空いていたみたいです。家内は娘の変化に気づいていて、私に相談するタイミングを図っていたそうです。お友達の方はもっと深刻で、大好きな絵を描かなくなり、食事も頻繁に残すようになったそうです。ご両親は心配して、現在カウンセラーに相談中だとか。
 それを聞いて、私は大いに反省しました。子どもたちにとって夏休みは、希望の光なのです。それを奪われた時、どんな心の状態になるのか、私は想像もしていませんでした。

 子供の変化。それは要注意のサインです。特に会話。曖昧な返事が多くなったら、なにか抱えてる可能性がありますよ。
 
 この夏休み、子どもたちをよく観察しつつ、もっと積極的に声をかけていきましょう。なにか一緒にできることはないか考え、行動することが大切だと思います。
 みなさんも、大切なお子さんの変化に気をつけてください。こんな夏休みは過去に経験がありません。それだけに家族相互によるフォローが欠かせない。そんなふうに思うのです。

 
 

2020年7月28日火曜日

あおり、喰らいました

いわゆるJEEP問題

 

 久々に、アメリカであおり運転に遭遇しました。けっこうキツイやつです。空港に向かってニューヨーク市内に入る直前でした。支流からハイウェイに合流する際、背後からかなり早い車が接近しているのを目視しました。黒いJEEP Cherokeeです。ちかごろ人気の、スポーツタイプのSUVです。
 ミラー越しに、後ろから車間距離がぐいぐい縮まって来ているのが見えました。一瞬迷ったのですが、こちらが急加速してハイウェイに入るのは危ないと思い、そのままスムーズにハイウェイに入りました。
 ただそれだけです。
ところがその直後、後ろのJEEPは斜め後ろから猛スピードで私を追い越しました。いきなり三車線あるハイウェイの中央に躍り出たのです。ハイウェイの車がまばらだったので良かったですが、もし混み合っていたら衝突の可能性大です。