2021年1月15日金曜日

双眼鏡型カメラ

 ワイルド・ウォッチングの楽しみ


 今回はちょっと変わり種のカメラをご紹介します。双眼鏡とデジタルカメラを合体させたDigital Camera Binocularsです。

 このカメラは、というより双眼鏡ですね。双眼鏡主体で、それにデジタルカメラの機能を加えたものです。アメリカでは牧場管理、野生観察、あるいはハンティング用に双眼鏡を利用する人口が一定数あり、様々なメーカーにより、高性能なものから子供向けの入門的なものまで、いろいろ出回っています。

 その背景には日本にない広大な土地柄があります。とにかく田舎はどこへ行っても延々と広がる平地ばかりで、遠くを見る機会がすごく多いのです。もちろん野外イベントなども日本とはけた違いのスケールで行われますので、双眼鏡は必須のアイテムなのです。

 そんな中で私がかねがね注目してきたのが、カメラおよびビデオ機能のついた双眼鏡です。数年前、アメリカで話題になって日本にも輸出されたのですが、当時は日本のカメラメーカーとは比較もできない低クオリティのカメラしか内蔵されておらず、普及には至りませんでした。

 アメリカでも双眼鏡ファン(特にバードウォッチャー)からは野生動物観察の本道から外れるらしくてあまり歓迎されず、排他的な見方をされる向きもありました。しかし潜在的に一定層のファンはいたようで、その後も各メーカーからニューモデルが出続けています。

 2013年にはソニーからもDEV-50Vというハイスペックな双眼デジカメも出ていたのですが、2000ドルもする上、使い勝手が悪くて不評のまま消えてしまいました。以降、この分野は日本のブランドはどこも手を出さなくなったカテゴリーです。ちなみにNikon、Canon、 Olympusは欧米でトップクラスの双眼鏡メーカーでもあります。

 ではこの双眼鏡兼デジカメ、どのような特徴があるのでしょう。

今一番注目されている機種、「KINGEAR FS608を見ればその特徴が分かります。



ーーまずKINGEARは、今日の業界では数少ない評判の良い双眼鏡会社の一つです。その中でも特にKINGEAR FS608は注目に値します。

 KINGEAR FS608の最大の特徴は、プロ用のデジタル一眼レフカメラに搭載されているようなハイエンドのカメラ技術を搭載していることです。他の機種が低レベルなスペックに安住している中、FS608は720PのHD画像を取り入れました。また、130万画素の超大型センサーを搭載しているのも特徴のひとつです。このイメージセンサーのおかげで、双眼鏡はどんな照明条件でも素晴らしい写真を撮ることができます。

 このユニットの2インチディスプレイは、様々な条件でのコントロールを提供するLCD技術を導入しています。これにより高品位な写真や高解像度のビデオをキャプチャできるようになりました。

 倍率は32ミリメートル開口部の双眼鏡システムと相まって12倍の倍率を実現。かつてない優れた画像をキャプチャすることができるようになりました。

 写真も動画もそれぞれJPEGとAVIの一般的なフォーマットで保存されます。本機は32ギガバイトまでの拡張可能なメモリスロットが付属しています。PCへの写真やビデオの転送を容易にするために2.0 USBインタフェースが付属しています。ーー

 ところでなぜ双眼鏡にデジカメなのでしょうか?


 デジカメ付き双眼鏡の利点 ーー対象物を見失いにくい

 高倍率デジカメの場合、いちど遠くの被写体を捉えても、ちょっと設定に目をそらしたすきに、対象を見逃してしまうことがよくあります。しかし両目で見る双眼鏡の特性で、ひとたび双眼鏡を通して捉えた標的はそう簡単に見失うことはありません。目をそらす隙もなく、相手に集中したまま撮影の操作を行うことができるのです。

 このさい、写真の画質云々に固執するのはやめましょう。ポイントは写真のクオリティではなく、遠くにある存在をいかにきっちり観察するか、その記録として内蔵のデジカメで視覚情報を残す、そういった趣旨の写真なのです。

 ようするにそんなに高画質、ハイクオリティの写真は期待しないということです。そう割り切って使ってみると、思ったより楽しい野生観察ができます。ネイチャー系のみならず、スポーツやイベントにも使えますし、建設現場などでは仕事にも使われています。

 何よりカメラと比べて携帯性に優れ、ストラップで首から下げてすぐ使えます。瞬時に観察ー撮影という一連の作業を一括で行えるところが便利なのです。

 あるいは、ネイチャー系カメラマンの場合、一眼カメラ撮影の前哨としてまずこの双眼鏡デジカメで標的を探し歩き、最初の一枚を撮る。ーーその後本格的撮影に入る、というプロセスを活かすのです。


  私の場合も山野などのフィールドを歩く際、この双眼鏡をよく水先案内人に用います。対象は主に野鳥、鹿、リスといった身近な野生動物です。うちの付近には、ほかにもキツネやアライグマ、オポッサムといった興味を惹かれる動物たちが多く生息し、たまには危険なコヨーテなどにも遭遇する機会があります。そんな時にも双眼鏡デジカメはとっさの一枚を残すことができるので重宝しています。

 私のはやや旧型ですが、それでもほとんどの状況で満足のいく仕事をしてくれています。


Eoncore 2" LCD Display Digital Camera Binoculars 12x32 5MP Video Photo Recorder Digital Camera Telescope


主な特徴
 双眼鏡の倍率は12倍、対物レンズの直径は32mmです。これは、12mmの出口瞳距離と2.08の直径に結合されています。1,000mでも96m相当の視野を確保できます。これは鳥のスポッティングに最適です。画像をダウンロードするためのUSBケーブルへのマイクロUSBが付属しています。
 画面サイズは2インチ、写真はJPEG、ビデオは標準AVI形式で撮影されます。イメージセンサーは1280×960の解像度を持つ1.3メガピクセルです。ここがちょっと懸念されるところです。1.3メガピクセルは、最近のライバル製品比較してやや見劣りします。購入時には画像を保存するための無料の8GB TFカードが付属しています。


  
 今後もっとカメラ性能が向上して、デジカメの速射性やフォーカス性能が向上すれば、まだまだ需要の増えるガジェットだと思います。残念ながら日本のカメラメーカーの現状ではこのような色物的なカメラは出せないでしょう。なので双眼鏡メーカーの一層の奮起を促したいものです。


 もう一点、いま気になっているのが、夜間赤外線機能に特化した、暗視双眼鏡です。
 こちらもカメラ機能を付けたものが発売され、ちょっとした話題になっています。

Bestguarder Night Vision Binoculars


 これはなかなかのスグレモノです。夜間ほとんど光のないところでも、本機は高感度で被写体を捉えられます。宣伝用ビデオを観たのですが、本当に真っ暗闇でも、クマやフクロウの動体を捉えていました。シカのハンティングなどにも使用する人が多いようですが、使い方次第では悪用もできてしまいそうな高性能です。もともとが軍事用途で開発されたものでその技術転用で生まれた商品ですが、撮影の領域をぐっと広げてくれるものとして期待が寄せられます。

こんな感じ



 うちの界隈はたくさんのトレッキングコースがあり、毎年のように山で夜間に迷子になる人が続出しています。これがあればわずかな光でもキャッチするので、ネイチャー・サバイバルにも活用できそうですね。
 
 

2021年1月14日木曜日

Google Photoの使い方

初めてのグーグル・フォト




 2015年にサービス開始されたGoogle Photosは、カメラやスマホで撮影した写真、動画、その他キャプチャー画像などを自由に保存できるアプリのツールです。
 
 写真の保存はこれまでPC保存が主流でした。(それ以前は、若い世代の方は驚かれるかもしれませんが、カメラで撮った写真はすべてプリントアウトしていました。どこの町にもプリント屋さんがあって、そこまでフィルムを持って行って現像、プリントアウトしてもらうのです)
パソコンの保存容量は限りがあるので、途中から外付けハードディスクなどに保存する手段が主流となりつつありましたが、それらの常識を覆したのが、クラウド・サービスです。これにより大容量のデータ保存が可能になり、その特性を生かして様々な使用法が生み出されました。例えばクラウドベースのツールなので、手持ちのスマホのスペースを解放することになりました。これらはAndroidとiOSデバイスの両方で動作します。

 ここでは、Google Photosがどのように機能するかについていくつかの知っておくべきことをご紹介します。

どのように動作するのか

Google Photosのユーザーは、新しい写真のアップロードや
フォトブックの作成、一覧表示、編集、保存、簡易ビデオ編集、アニメーション、コラージュ、フォトアルバム作りなどができます。すべての写真をダウンロードすることができます。つまり、クラウドベースのバックアップというのは、コンピュータや外付けハードドライブから簡単にバックアップすることができるものです。

 GoogleChromeなどのデバイスを持っていない人でもアプリを通して自動的にバックアップし、あなたの写真やビデオの同期選択をすることができます。Androidデバイスをお持ちの方は、バックアップデータの使用量を制限することができるので、バックグラウンドでアップロードしたデータを使い切らないようにすることもできます。

 また、Google Driveの設定で「Google Photosフォルダの作成」をオンにして保存をクリックすると、写真やビデオのコピーを保存するようにGoogle Driveを設定することもできます。写真がアカウントに追加されると、写真はカテゴリに分類されます。

 写真やアルバムは、写真が入っているかどうかに関わらず、共有機能を使って簡単に共有することができます。また、「バックアップと同期」機能をオンにしておけば、削除をクリックしてから最大60日間、ゴミ箱からファイルを取り出すことができます。また、いつでも写真をアーカイブして邪魔にならないようにすることもできますし、アカウント内で検索できるようにしておくこともできます。

 これらのサービスは無料で無制限に保存できますが、いくつかの注意点があります。

 Google Photosには無料で無制限のストレージが付属していますが、これは「高画質」の画像を保存することを選択した場合のみの話で、実際にはより高解像度のオリジナルの高画質画像ではありません。つまり、アカウントの設定でそうでない場合を除き、容量を節約するために大きなファイルは圧縮されます。写真の解像度制限は16MPですが、動画は1080pに圧縮されます。

 設定で「高画質」を選択することで、今後のアップロード時に自動圧縮を許可することができます。また、設定の中にある「ストレージの復元」をクリックすることで、過去の写真にその変更を適用することができます。

 元のファイルサイズを保持することを好む人のために、それは15GBまで無料で、それは写真からGmailまでドライブ内の他のすべてのものを含んでいます。その後からでもあなたは、アップグレードすることができます, Google Oneのサブスクリプションプランを介して, 
100GBを$1.99で始められます。

AIを搭載したアシスタント機能

 Google Photosは、ユーザーに多くの自動生成された機能を提供しています。例えば、日付、人、場所などの要素に基づいて写真をグループ化し、フォトブックコレクションを作成することができます。ユーザーには、これらの写真集を印刷して発送するオプションも与えられています(もちろん有料)。

 アシスタントは、連続して撮影した写真をGIF(アニメーション)に変換したり、個々の写真をモーションフォト(撮影前と撮影後の数秒のビデオを記録すること)として保存したりすることもできます。iPhoneユーザーにとっては、これらは「ライブフォト」と呼ばれることもあります。

その他スマートな機能

 堅牢な検索オプションは、このプラットフォームの大きな魅力です。「人」や「動物」「建物」のような一般的な被写体を検索して選択肢を絞り込むことができ、まだ写真をアルバムに分類していない場合には特に便利です。

 また、顔に名前を付けて写真に写っている人を手動で識別するオプションもあります。その後、その人が写っている写真は自動的に分類されるので、後で特定の人が写っている写真をすばやく検索することも可能。

 同様に、「ライブアルバム」を作成するように設定して、友人や家族の写真を自動的に表示することもできます。

 物理的な写真プリントをバックアップしたい人のために、携帯電話や他の写真に適したデバイスを使って写真を撮ってアップロードするために、それらを素早く「スキャン」することができます。また、紙の文書を撮影する人のために、Google Photosでは、テキストの希望する部分を強調表示したり、背景を切り抜いたりして、仕事の旅行からの領収書をアップロードしたり、経費を支出したりすることが簡単にできます。

 Google Photosは、幅広い活用性があって簡単で、強力で汎用性の高いツールです。また、写真やビデオの品質を犠牲にすることなく、無料で無制限のストレージを提供しているという事実を考えると、メディアファイルをバックアップするためのもっとも有効なオプションと言えるでしょう。

 皆さんもぜひGoogle Photoを活用して、楽しく快適に写真を整理してください。

2021年1月13日水曜日

レンズ購入ガイド

レンズの見方・選び方




 初めて一眼レフカメラを買ったときは、大抵レンズキットを買うものです。標準レンズというものがついている場合がほとんどです。初心者はそれが当たり前と思うでしょう。しかし長年カメラを使い続けている人は、新しくカメラを買い替える際、キットレンズはあまり買わないものです。ボディ単体を注文するか、別個で好みのレンズを買い足すのが。通例です。初心者から見て、先輩方はなぜあんなにたくさんのレンズを買いそろえているのか、疑問に思うでしょう。しかもレンズによってはカメラ本体よりも高価なン十万するものまであったりします。カメラを使い続けていると、なぜかこのようにいわゆる「レンズ沼」というものにハマり、次々とレンズをコレクションしていく傾向があります。


 どの限度まででとどめるのかはその人次第ですが、考え出すとキリがないほど、レンズの世界は奥深いようです。

 初心者がキットレンズに飽き足りなくなって、次のレンズを求める場合、何をどのような基準で選ぶのか、迷うのは当然です。そこで、ここに基本的なレンズの特徴と用途について、簡略にまとめてみました。レンズ購入の際の検討材料として、ご活用ください。


レンズ選びの着眼点

1. 焦点距離

 写真はレンズでとらえた物体の光を、撮像素子でデジタル画像データに変換することで撮影されます。このピントを合わせた時の、レンズからセンサーまでの距離のことを焦点距離とよびます。
 レンズには広角レンズ、通常レンズ、望遠レンズがあります。焦点距離はミリメートルで示されており、それらは約10から300ミリメートルまで変化していきます。

 望遠レンズは、被写体に限りなく近づけることができ、野鳥撮影、スポーツイベントなどに使われます。望遠レンズは広角レンズに比べて被写界深度が浅いため、背景のボケ味が出やすいのが特徴です。望遠レンズは被写体の全体バランスを保つことができるので、ポートレートにも向いています。このようなレンズは、70-300mmのレンジが一般的です。

 望遠レンズは、倍率が高いほどレンズが暗くなる傾向があり、暗所、屋内撮影には不向きと言えます。また手ブレしやすい弱点も考慮に入れてF値をよく見極めて選びましょう。
 広角レンズは、旅行や建物撮影、集合写真などによく使われます。基本的には被写界深度と明るさの両方に違いがあります。このカテゴリーには、52°から82°までの視野を持つ写真用レンズが含まれています。これらのレンズは10-36mmの範囲で利用可能です。
 欠点としては、周辺のゆがみなどがあげられます。少なくともモデルさん等に向けてのポートレート撮影には適していないことを覚えておいてください。

 カメラレンズには一般的なタイプに加えて、ユニバーサルレンズやノーマルレンズという物もあります。このようなレンズは、距離と倍率に関連して、人間の目が知覚する方法と同じように捉えます。通常のレンズは、135フォーマットでは50mmが一般的です。望遠光学系はより大きな焦点距離をカバーしていますが、より小さな焦点距離を持つすべてのものを広角レンズと呼んでいます。

 3倍ズームを搭載した通常のコンパクトカメラでは、135フォーマットと相関する33mmから105mmまでの焦点距離を操作する、ということになります。焦点距離はカメラの撮像素子の大きさに関係しているので、装着したカメラに合わせてレンズの焦点距離を変えることができることを覚えておきましょう。焦点距離は、フルフレームのデジタル一眼レフを基準として表示されます。



2. 絞り
 絞りとは、光が通るレンズの絞りがどこまで開くかを示す値です。レンズは通常、f/1.4、f/2、f/2.8、f/4、f/5.6、f/8、f/11、f/16。数が多いほど、光が少なくなり、最終的な写真にマイナスの影響を与え、追加の照明が必要になります。



3. フォーカス
 カメラレンズの種類によって、オートフォーカスドライブの種類が異なります。現在のキヤノンレンズには、すべてオートフォーカスモーターが内蔵されています。ニコン、ソニー、ペンタックスのレンズは、オートフォーカスモーターを内蔵しているものと、カメラ内にあるモーターを使ってピント合わせをするネジのような駆動部を持っているものがあります。
 同様に、レンズに内蔵されているモーターも異なります。その中で最も速くて静かなのが超音波リングモーター(メーカーによってUSM、SSM、SWB、SDMなどと表記が異なる)です。これらは最も高価なレンズに使用され、実質的に静かで非常に速いピント合わせを実現します。



目的別に分かれるレンズの種類


標準レンズ
 標準レンズやユニバーサルレンズは、大抵の一般的な用途で問題なく撮影できるため、初心者カメラマンのカメラには必ず付いています。ちなみに最も高価なモデルは、フルフレームのプロ用カメラ用に設計されたものです。それらの焦点距離の範囲は通常24~75mmで、絞りはF2.8です。
 このタイプのレンズの欠点は、強いてあげれば高いコストです。それ以外はすべてのカメラユーザーがあこがれる最高スペックの写真を期待できます。


単焦点レンズ
 固定焦点距離レンズは、最高の画質を実現することができます。これらのレンズは、最も美しいボケを作り出すと信じられています。
 このレンズにはズームがないことを覚えておいてください。また、同じような焦点距離のズームの絞りよりも絞りが大きく、固定式の方が背景がぼやけてしまいます。また、これらのレンズがプレミアムレンジに属しており、比較的高価であるのが通常です。ただし各メーカー50mmレンズは予算に見合ったレンズも多く、必ず一本は持っておくべき基本のレンズです。


ポートレートレンズ
 通常、ポートレートというと、写真家はぼやけた背景を背景にした人物のイメージを指しますが、ポートレートレンズは開放絞りでは、必ずしもシャープな画像が得られるとは限りません。それはポートレートレンズの欠点というよりも、人の肌の質感を完璧に表現し、小さな欠陥やシワを強調することなく、その特性を生かすよう追及されているからです。
 これらのレンズの焦点距離は、一般的には中程度のテレレンジ(77~135mm)です。
 もしあなたが人物中心の撮影を考えているなら、ポートレートに最適なレンズを慎重に選ぶ必要があります。


ユニバーサル・レンズ
 いわゆる便利ズームレンズですが、すべての写真家が必要とする3つのレンズのうちの1つです。このようなレンズは、広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズをカバーする焦点距離の範囲を持っています。写真家志望の方には最適な選択です。レンズ交換が苦手というビギナーはとりあえずこれに手を出しがちですが、なにも卑下することはありません。この分野のレンズも日々進化しており、より高性能なものが期待されています。
ただし現状、すべてをカバーするこれらのレンズは、設計上どこかに限界があるので、絞りと光学的な品質が低いことは留意してください。


スポーツ写真用
 報道機関でよく目にするキヤノンなどの白い超大型望遠レンズは、スポーツ写真やルポルタージュ撮影などで、撮影者と被写体との距離をしっかりと保つ目的に使用されています。その長い焦点距離ゆえに、アートやポートレート写真で使えば背景を美麗にぼかす効果も絶大です。
 初心者は、おおむね55mmから200mm~300mmの範囲の望遠レンズを使用します。一般的にはこれで十分。もし航空機、スポーツ用途などだとさらに超望遠のランズが用意されています。
すぐれた望遠レンズはびっくりするようなプレミアム価格となりますが、驚くほどのシャープネスとよく抑えた収差を体感できるでしょう。


風景写真用
 風景写真で最高のレンズに要求されるのは高画質、高解像でしょう。言い換えれば、レンズは非常にシャープな画像を提供する必要があり、必ずしも絞り開放側にこだわる必要はありません。ほとんどの場合、風景を撮影するときには、絞りはF/8-F/11まで下がります。また、光学系が色収差の少ないものを出すのであればなお良いでしょう。
風景重視なら、焦点距離の範囲については、初心者は広角レンズから始めることをお勧めします。


マクロ撮影用
 美味しいランチを撮りたい、花や昆虫の生態を描写したい。このタイプのレンズは、非常に近い距離でピントを合わせる能力、素晴らしいシャープネス、非常に高い画像コントラストの3つの主な特徴を持っています。マクロレンズは1:1までズームすることができます。
マクロレンズの焦点距離は、30mmから300mmの間になります。焦点距離が短いほど、最短 撮影距離は短くなります。野生動物の撮影には長焦点レンズを使用する必要があり、被写体撮影には短焦点レンズを使用した方が便利です。



建築写真用
 建築撮影用のカメラレンズを選ぶとき、ポートレートで使われるものと被ることが ありますが、いくつかの違いがあることに気づくでしょう。何が違うかというと、建築写真は歪みのない真っ直ぐなラインが命だということです。
 その正反対のレンズが魚眼です。魚眼レンズを使ってフレームの外周に沿って画像を丸くすることで、真逆の効果を狙うことができます。重要なのは、そのようなレンズでは写真に直線は絶対に生まれないということを理解することです。レンズの特性を知るうえで、この両極のレンズは使う価値があります。



まとめ
 レンズには様々な特性があり、はじめのうちはその特性を見極めるのが難しいものです。同じようなスペックでもメーカーにより、レンズ構成やレンズ自体の大きさが違い、見た目も大きく変わることがあります。購入基準も人それぞれで、モーター音を気にする人もいれば、フォーカス・スピードに拘る人もいるでしょう。
 要はあなたがどんな時にどのような写真を撮りたいのかを自問し、それにふさわしい一本を検討することです。率直にいって、はじめは自分で選ぶより、詳しい店員のアドバイスを受けるか、レンズのレビュー記事などで、高い評価のものを購入の参考にするとよいでしょう。長く使うモノですので、後悔のない選択を心がけてくださいね。








2021年1月12日火曜日

2021 入門カメラ購入のヒント

今おススメのカメラ選び


 今回は、新しくカメラを買おうという方に向けたカメラ購入ガイドです。

 カメラが欲しいという人にもいろいろ理由があるでしょう。例えば、子供ができたので成長記録を撮りたい。趣味の鉄道写真にいいカメラが必要だ。インスタグラムなどネットで写真を見たり発表するのが楽しそうで自分もやってみたくなった。中には仕事で撮影する必要に迫られて、という人もいるでしょう。

 カメラの種類や機種も全くの素人向けからプロ御用達まで幅広く存在します。今回は、私が考えるカメラの存在意義を根底に、これからカメラを始めようという方に向け、タイプ別にどのような人にどんなカメラが相応しのか、考察しておススメをあげてみたいという企画です。

 特にこれまでカメラをあまり意識しなかった人に向けての記事となります。なぜなら、すでにカメラに対しある程度の造詣を持つ方は、人に言われるまでもなく、自分がどんなカメラが必要なのか心得ているからです。ここで対象とさせていただくのは、あくまでもカメラに対してこれからという人向けですので悪しからず。


 それではタイプ別カメラ購入ガイドの始まりです。Q and A 方式で行きます。


Q1 スマホカメラに限界を感じ、よりよく写せる気軽なカメラが欲しい方。

A1 Pansonic DC-TZ95



スマホカメラにないコンパクトカメラの利点。その筆頭はズームです。TZ95は高精細ファインダー&180度チルト対応タッチパネルモニター搭載。 光学30倍ズーム 高倍率コンパクトカメラです。同タイプのコンパクトカメラとして取り立てて小さいわけではありませんが、スーツのポケットや女性のショルダーバッグなどには楽勝で収まります。なんといっても光学30倍ズームはスマホにはできない芸当です。はるか遠くのものをぐっと引き寄せる快感はこのクラスのデジカメならではのもの。その豪快さをぜひとも味わっていただきたいです。

コメント:日頃ちょっと気になった情景をスマホで撮る、という習慣はホントにここ10年ほどで拡がった新しい文化です。スマホの強みはいつでもほとんど持ち歩いている、ということ。昔は外出中、面白い発見があっても手元にカメラがないので撮りようがありませんでした。そこでカメラメーカーはより身近に写真を撮ってもらおうと、小型化に取り組み、胸ポケットに入るくらいのコンパクトデジタルカメラが大流行しました。機能に制限はありますが、それを補ってあまりある携帯性には捨てがたいものがあります。このカテゴリーのカメラは今後も縮小化の恐れがあります。店頭から消える前に、手に取って試していただきたいものです。



Q2 スマホもコンデジもイマイチ不満。なんでも簡単にきれいに撮れる写真が欲しい。

A2 Canon PowerShot G7 X Mark III



いつもソニーのサイバーショットRX100シリーズを推しているのですが、キャノンのライバル機 PowerShot G7シリーズも負けていません。コンパクト機の中では大きめの1インチセンサーを採用し、ズーム全域で明るく、鮮鋭に描写するF1.8-F2.8レンズを備えています。RAWバーストモードで最高約30コマ/秒の高速連写ができ、4K動画にも対応。キャノンお得意のピクチャースタイル、シーンモードも豊富で、あれこれ操作しなくても、印象的な一枚が気軽に撮れる高性能な一台に仕上がっています。

コメント:キャノン対ソニーの熾烈な首位争いはフルサイズの上位機種から、こちらの高級コンパクトと言われるカテゴリーのカメラまで丁々発止の状態。どちらかを選ぶのも好み、相性の問題で、いずれも甲乙つけがたい性能のよさです。カメラをあまりいじりたくはないが、簡単に人とちょっと差のある写真を撮りたいのなら、このクラスに踏み込むのがよろしいかと存じます。



Q3 カメラのことはよくわからないが、自分の趣味・興味を写真に収めたい。

A3 Panasonic DC-G99


ローパスフィルターレスの20.3M Live MOSセンサーにより、高解像画質での鮮明な描写を実現。LUMIXの絵作り思想「生命力・生命美」を継承し、空と雲が織りなす繊細なグラデーション、水平線まで続く大海原の奥行き感までも忠実に表現。そこにある息吹、空気、歴史といった「感性」がとらえたものまで、しっかりと描き出します。とメーカーの公式ページにあるように、はフィールド一眼というコンセプトを明確に打ち出したパナソニックのど直球カメラです。ボディ内手ブレ補正5軸とレンズ内手ブレ補正2軸を連動して制御するDual I.S.2を搭載し初心者の不安を払しょくするブレない写真が撮れます。

コメント:スマホ、コンデジからのステップアップを図るなら、マイクロフォーサーズは格好のネクストステップとなります。パナソニックは4K撮影の新時代の皮切り役を務めたパイオニアであり、小型軽量の利点を生かして、いつでもどこでも家族みんなが手にして撮れるユーザーフレンドリーなカメラとなりました。またマイクロフォーサーズは望遠側にも強く、旅カメラとしても最適のサイズ感で好評です。



Q4 アートな写真に興味はない。記録用に利便性高い機種を探している。

A4 SONY DSC-HX99

有機ELファインダーと24-720mmの高倍率ズームレンズを搭載した本機は、数あるコンパクトカメラの中でも、ひときわ汎用性の高いカメラです。この小さいボディにマニュアルフォーカス時のピント合わせやステップズームなど、さまざまな機能を割り当てて、こだわりのマニュアル操作を可能にするコントロールリングが付きます。さらにポップアップ式の有機ELファインダーが内蔵し、タッチパネル式のモニターは180度チルト可動式で自撮りも自由。上位機種譲りの高速精密なオートフォーカス、10コマ高速連射と至れり尽くせりの多機能カメラです。

コメント:ガジェット好きならたまらないコンパクトなボディになんでも撮れる万能感満載のカメラです。ソニーカメラのいいとこどりをしたような多機能ですが、決して画質を重視しないわけではなく、お任せオートで撮っても、たいがいのスマホカメラよりは優位点が多く、さらにさまざまなマニュアル機能で、思い通りの写真が撮れるところがさすがソニーです。どの機種を買うか迷うなら、本機を手始めにカメラの基礎を学ぶのが最適化と思われます。



Q5 おしゃれでセンスの良さがひかり、かつ本格志向のカメラが好き。

A5 OLYMPUS PEN E-PL10


女性が手にして素敵、カワイイと評価されるカメラはまだそんなに多く世にでていません。そんな中、オリンパスのPENシリーズは発売以来、そのスタイリッシュなフォルムとそれに負けない高性能で多くのファンを生み出したベストセラー機です。コンパクトカメラ並みのボディでレンズ交換ができ、ふんわりとしたボケ味たっぷりの写真も簡単に撮れます。すっぽりてに収まる小ささなのに、本格的なボディ内手振れ補正、フラッシュまで内蔵し、さらに豊富なアートフィルターでプロ顔負けの印象的な写真が撮れます。

コメント:黒、シルバー、ピンクとカラーバリエーションも揃え、手にした質感までこだわったオリンパスならではの個性が光るカメラです。ストラップで肩に掛けて街や海山を軽快に撮れる、遊び心満載のミラーレス機です。


 日頃、写真の細部にこだわり、シビアな見方をするマニア的な人は、コンデジなど最初から眼中にないでしょう。それはそれでフォトグラフィーの文化を向上させるためにも必要なご意見ですが、それらはカメラを手にする人の中のほんの一握りです。8割以上のカメラユーザーはオートでさっと簡単に済ませたいというタイプの人たちです。そういった人はそもそも自分の希望や主張を発信することもなく、いい写真をとれれば満足なのです。カメラの性能にきびしい意見を言う人の声は強く大きくて影響力がありますが、カメラメーカーさんは、一方のサイレントユーザーの声なき要望にも応えて頂きたいのです。

 率直に申しあげて、スマホに負けないような、もっとキレイに簡単に撮れるカメラはできるはずです。技術云々ではなく、使い勝手の良さ、利便性などはまだまだ発展の余地があると思えるのです。高性能、高機能をウリにしてスマホとの差異化を図る戦略は理解できます。でも同時により広く間口を広げて、子供から主婦層、趣味なき高齢者まで幅広くアピールし、買いたくなるようなカメラを作っていただきたいのです。下降線をたどるカメラ販売実績の裏には、まだ必要とされるカメラが登場していないせい、そんな裏側ととれるのではないでしょうか。

 このたび改めて各カメラメーカーのカタログを見回しましたが、コンパクトカメラのラインアップがあまりにも寂しくなっているのを知って寂しくなりました。かつては各社競って様々なコンデジを出していました。あのころが懐かしいです。なので私は世の中のカメラにかかわるすべての人に訴えたい。

 コンデジの復活を!

 いやあ、なんとも思わぬ考察となりました。今回、初心者のカメラ購入を選抜していて強くそれを感じた次第です。

2021年1月11日月曜日

写真撮影の基礎知識

初心者のためのカメラ撮影術

 


 写真撮影は初心者にとってわからないことばかりです。絞り? 焦点距離? 被写界深度・・・。いずれも基礎的な事柄ですが、スマホ写真やフルオートに近いコンデジしか触ったことのない人にとっては、何のことやらさっぱりです。
 これからデジイチ(デジタル一眼レフ、あるいはミラーレス・カメラ)を趣味や仕事で必要とする人にとっては避けられない基本要綱です。でも身構えることはありません。写真というものの本質を理解すれば、それらはいずれもまったく光学的な理にかなったものばかりで、取り立てて専門知識に頼る類のものではありません。
 本当はこれらの基礎知識をわきまえた先にある、実践現場での撮影の方が、はるかに奥深く、難しいことに満ちているのです。
 
 まずは現場に出る前に、家の中でカメラ片手にいろいろと試写してみると、見えてくるものがあります。その時に、以下の記事が多少なりとも理解の助けになる思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。



知れば上手くなる写真撮影の法則


写真の基礎は「絞り・シャッタースピード・ISO」

 露出をコントロールする3つのカメラの設定は、絞り、シャッタースピード、そしてISOです。

 それぞれの機能を簡単に説明します。
絞りをコントロールするダイヤフラム


  絞り: レンズに入る光の量をコントロールします。絞りは、使用されているF値に基づき、その幅を調整するレンズのダイヤフラムによって制御されます。F値が高いほど、絞りの開きは小さくなり、レンズに入る光は少なくなります。絞り開放というのはそのレンズの窓を最大に開いた状態のことで、数字は2.8、2、1.4などと小さくなっていきます。

シャッタースピード: レンズに到達する光の持続時間を制御します。これは、カメラのセンサーの前にあるシャッター幕によって制御されます。シャッタースピードが速いと、幕の開閉が早くなり、センサーが光にさらされる時間が短くなります。遅いとその分、光を多く取り入れることになります。動きの速い被写体を捉えるには、高速なシャッター値の設定が必要となります。

ISO: 
International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略ですが、そんなことは覚えなくても結構です。センサーに入った光に対して、カメラが感じる度合いを表すものがISOとなります。ISOが高いほど、センサーの感度が高くなります。日中ではISO100や200で程よい感度になりますが、夜間や暗所の場合、暗さに応じてISO値を400、800、1600と上げていくのですが、上げ過ぎると通常ノイズが発生しやすくなり、画質が荒れてくる特性があります。

 もちろん、これら3つの設定はそれほど単純ではありませんし、それぞれが互いに影響し合う関係なので、その調整次第で結果は大きく差が出ることになります。



 つまり、それぞれの設定には責任分担があり、適切な露出を得るために、すべての設定に気を配る必要があります。設定次第で、全くの同じ被写体が見違えるように変わった印象のものになります。そこが写真の面白いところです。


 まずは絞りから始めましょう。多くの入門書や解説では絞りモードを最初にマスターすることを推奨しています。絞りは被写界深度を制御するものであるため、被写体をより際立てて撮影することができます。いわゆる主体のわかりやすい「絵」になるのです。
(被写界深度:ピントの合う立体的範囲のことをさすことば)






 上の写真のように、被写界深度を浅くして背景をぼかしたい場合は、絞りを大きくする必要があります。
 多くの人が戸惑うのは、絞りの大きさとF値が反比例していることです。つまり、F/2は非常に大きな絞りで、F/16は非常に小さな絞りということになります。



 つぎにシャッタースピードは、写真の中でどのように動きを捉えるかをコントロールします。シャッタースピードは、1/30秒、1/100秒、1/500秒などのように、1秒単位で計測されます。


 
 当然のことながら、シャッタースピードが速くなればなるほど(たとえば1/250秒、1/500秒)、上記のように動いている対象の動きをフリーズさせてしまう可能性が高くなります。
 逆にシャッタースピードを遅くすると、写真に動きのブレが出てくるようになります。




 最後の要素であるISOは、デジタルノイズの量をコントロールします。

 デジタルノイズはフィルムの粒のようなもので、下の写真のように画像にざらざら感を与えることがあります。


ISO 800
ISO 12800



 ISOは、ほとんどのエントリーレベルのカメラでは約100~6400の範囲で測定されていますが、概して新しいカメラほどより高い数値でノイズを抑えられるようになっています。ただしISOの上限が大きい数字だからと言ってそこに頼ると、見るに堪えない写りになることがあります。最大値より数段低めのISOを設定した方が安全と言えます。



カメラの設定で撮りやすくする

 以上の三つの要素を知るにはそれぞれのモードを試すわけですが、最初からマニュアルモードで撮影する必要はありません。

 最初はフルオートで試し撮りを繰り返し、そのカメラの色合いや光の捉え方などのクセを掴むことです。ひと口にオートモードと言ってもカメラやメーカーにより、色調や設定される数値も変わってきます。ある程度オートモードの特性がつかんでから、
絞り優先、シャッター優先、プログラムへと自分で数値を調整しながら、さじ加減を理解していきましょう。フルマニュアルでの撮影に移行する前に、絞り具合など各位の特性を把握しておくことで、マニュアル時の微調整がやりやすくなります。  


 絞り優先モード(カメラのダイヤルのAまたはAv)では、絞りが優先され、その設定をコントロールすることができます(ISOもコントロールできます)。そのさいカメラは
自動的にシャッタースピードをコントロールするので、絞りの変化に応じてカメラはシャッタースピードを調整して、適正な露出が得られるようにしてくれます。これは、ポートレートのように被写界深度を重視する場合に有利です。

 シャッター優先モード(カメラのダイヤルのSまたはTv)では、カメラが絞りを制御している間にシャッターとISOを制御します。シャッタースピードを変更すると、こんどはカメラは自動的に絞りを変更して、露出の高い画像を撮影します。

このモードは、先ほどのように動体の動きを止まらせたり、川の流れをぼかしたりするなど、動きをコントロールするのに適しています。

 最後に、プログラムモード(カメラのダイヤルのP)では、カメラの設定をさらに細かくコントロールできます。
 このモードでは、ISOが優先されるので、ISOを設定すると、カメラはそれに応じて絞りとシャッタースピードを適正に調整します。



 上の写真のような夕暮れ時の撮影の場合、まずISO設定を念頭に低照度撮影するといいでしょう。プログラムモードだと、絞りやシャッタースピードの選択は、カメラに依存しますが、そのあとに露出補正をかけてより適切な写りのバランスをとってみましょう。
 プログラムモードは、実際にはマニュアルモードではなくても、マニュアルモードに一歩近づいた自由度の高いモードと思えばわかりやすいでしょうか。



 露出の基本、露出の三要素、そして様々な撮影モードについて学ぶことで、段階的にオートからマニュアルモードに移行していきましょう。違いを体感するために、各モードでの違い、自分がマニュアル設定したものと、オートとの撮り比べで、その違いがだんだん分かってきます。必ずしもオートが最善であることはなく、あなたの狙い、好みに絞って、オートより味のある写真をどれだけ多く撮れるようになるか。自己チェックを怠らないようにしてください。
 そういった意味で、写真の修練は撮影時だけではなく、撮った後にいかに自分の写真を分析するかが重要です。まずは撮影枚数をこなし、自分とカメラの距離を近づけていきましょう。カメラが自分の目の一部となるくらいまで深く付き合っていくと、撮影の面白みが深まっていきます。

 次回は撮影時にありがちな疑問について考えていきます。



2021年1月10日日曜日

今年出るカメラ

2021カメラ未確認情報




 昨年はカメラ業界においては、大打撃、大誤算の年でした。はやり病のおかげで、ただでさえ縮小傾向だったマーケットはさらに追い打ちをかけられた格好です。
 本来は2018年から始まった高級路線、つまりフルサイズ・ミラーレスカメラの新製品攻勢が加速して、一定の成長株として指針を示せる年のはずでした。各社それぞれにいい製品が発売されたにもかかわらず、残念ながら爆発的なヒットに至る商品は出ませんでした。
 観光業が壊滅状態だったのは、カメラ販売にとっても大きな影響があったのです。かろうじてソニーが販売実績を維持しながら、業界全体を引っ張ってきましたが、一社だけではいかんともしがたく、今年は他メーカーの更なる追い上げが必須となってくることでしょう。

 まだまだハイエンド機の需要は十分に開拓されていませんが、ある見方によると、スマホカメラもひとわたりエンドユーザーに行き渡った昨今、スマホ画質に飽き足りなくなった写真好きが、よりよく撮れるカメラにステップアップしてくる流れを予測しています。すぐ来るとは限りませんが、その人たちが一気に最上級機に流れるとは考えられず、より入門者向けに工夫した、それでいて優れた描写性能、連射性能、オートフォーカスなどをぶち込んだ魅力的なカメラが出てこなければなりません。

 よって各メーカーがどのような新機種を打ち出してくるのかが、勝負の分かれ目となるのではないでしょうか。とはいえ規模縮小の流れの中、限られた予算でどこまで健闘できるメーカーがあるのか、今のところ不透明な要素が多すぎます。

 ひとつ確実なのは、2021年は事実上キヤノン対ソニーの戦いが激化するだろうということです。ニコンはかなり厳しい状況が続きそうですが、製品自体は高いクオリティなので、工夫次第では好結果をもたらすことは十分可能と見ています。一昨年フルサイズに参戦したパナソニックも同様で、追う側としては正攻法で攻めるだけではその差は埋まらないでしょう。それよりマイクロフォーサーズ陣営の足場を固める方が賢明だと思うのですが・・・。

 ソニー対キャノンで興味の一つは動画性能の強化です。ソニーファンは、8K Eマウントカメラを発売すると多くの人が期待しています。しかし、キャノン信者の噂によると、キヤノンは、300MPのピクセルシフト・モードというのを使って90メガピクセルのEOS-R5s(であろう)カメラをリリースすると予想しています。
 ソニーは他にも、2021年に超高解像度の新機種(これはa7RVとなるらしい)がリリースするかもという噂が飛び交っています。ソニーのこの新機種はどうやら102メガピクセルのセンサーで、6K対応のビデオ機能付きになると言われいます。ただこのセンサーのスペックはすでに2019年にリークされていたので、次世代機のa7RVはさらに8Kまでグレードアップされたバージョンになる可能性があります。

 ソニーの今年の攻勢はそれだけにとどまりません。みんなが待ちに待ったa7IV、これがどのタイミングで出てくるのかに注目が集まっています。さらには最高位機種A9III(またはA9Rもありか)も投入が十分予想されるところがソニーのすごいところ。これらがすべて実現したら、今年のソニーも安泰かもしれませんね。


 一方の、追い上げるキャノンはどうでしょう?

 2021年には、キヤノンも当然いくつかの新しいカメラが予想されています。そのほとんどがRFマウントのカメラになるでしょう。

 その筆頭がキヤノンEOS R5S。高メガピクセルのRFマウント・ミラーレス機です。

 最新の噂によると、キヤノンはEOS R5の少なくとも2倍のメガピクセルを持つRFマウントボディのEOS R5Sを発売するといわれているのです。新しいセンサーは、これまでとは違う次世代の技術を利用するととのことで、期待は大ですが詳細は明らかになっておりません。

 またAPS-Cセンサー搭載のEOS R7(仮)が本当に出るとすれば
、スポーツや野生動物、ビデオ撮影を直接ターゲットにした、APS-C RFマウントのミラーレスカメラになるはずです。これが名機EOS 7D Mark IIの後継機となればいいのにと思います。

 次にキヤノンは、EOS RとEOS RPに代わる新しいRFマウント・ミラーレスカメラ2機種を発売すると予想されています。

 そのうちのひとつは、キヤノンの最も手頃な価格のフルサイズ・ミラーレスカメラになる可能性があります。EOS RPより下位のベーシックモデルになるなら、こちらは戦略的な価格の普及機として、カメラファンのすそ野を広げる起爆剤となるかもしれません。

 もう一台のカメラも、EOS RPの後継機とEOS R6の間に位置するミッドレベルの普及機となり、こちらの価格は1,500ドル前後が見込まれています。


 そしてある意味、今年の目玉と目されるのがキヤノンEOS-R1です。このカメラはキャノンの新たなフラッグシップ機との期待を集める最上位機種。プロ機1EOS-1D X Mark IIIを超えるすごいスペックが予想されていますが、公式の発表で詳細はまだ記されておりません。

 キヤノンは動画性能に特化したシリーズも今年半ばには出してきそうです。昨年Cinema EOS C70はユニークな形状でも話題になりましたが、その後継機としてCinema EOS C50およびCinema EOS C90が連続してリリースの予定です。ビデオクリエーターのすそ野が広がる時代を見越して、新たなるマーケットを切り開く強い意欲の表れではないでしょうか。

 このように今年も昨年同様、ソニーとキャノンが熾烈な主導争いを続ける模様です。

フルサイズ機ではありませんが、今年もう一社、攻勢を強めてくると予想されているのがフジフィルムです。フジはここ数年APS-Cセンサー機に集中した新製品展開が活発ですが、フルサイズのさらに上を行く中判機にも力を注いできます。あえてフルサイズという主戦場を避けて展開する富士フィルムの今年はどうなるのでしょうか?
 本年早々、第一弾として間もなく発表されると言われている中判機GFX 100Sに期待が高まります。同時期に新レンズや新たなAPS-C機も発表されるとのアナウンスがあったので、今年はフジフィルムを皮切りにカメラ業界は生き残りをかけた熾烈な戦いが幕を開ける模様ですね。








2021年1月9日土曜日

おすすめカメラ用ガジェット2021

 便利で使えるカメラ機材


 カメラで撮影していると、あんな時、こんな場合、こういうものがあったらいいのにと、いろんな欲求が出てくるものです。そういったものは集めだすとキリがないので、本当に自分に必要なものか、問いただしてみる必要があります。ミニマリストになるつもりはありませんが、できるだけシンプルにカメラだけで撮影出来たらそれに越したことはありません。よって大抵は我慢して極力ガジェットなしでの撮影を心がけているのですが、ここぞという時に用意しておくと便利なものだけは少しづつ買い集めていくのもいいでしょう。

 ここでは買って後悔しない、カメラの周辺機材をいくつかご紹介していきます。アメリカ在住なもので、日本にないものもあるかもしれませんが、そこはご了承ください。


1 おすすめ:カメラバッグ

CADEN DSLR Camera Shoulder Messenger Bag


 本格的な撮影に適したバッグとなると、バックパック・タイプから選ぶのが本道でしょう。ただ私的には被写体を見つけた瞬間に、さっと取り出して素早く撮影体制に入れる、そんなバッグが一番役に立つと思うのです。いろいろ試した中で、今一番使えるなと思えるのがこのバッグです。
 多くの機材を持ち出さないならこれで十分です。基本的にレンズを装着したカメラ一台と交換レンズ一本だけしか入りません。写真の紹介文にはiPadも収納できると記されていますが、重くなるので私は持っていきません。私がこのバッグを選んだ最大の理由は、三脚をくっつけて持ち歩ける点です。三脚は、アウトドア撮影では大抵トラベル用の小型三脚しか持ち出さないので、こういったバッグにぶら下げられるのはとてもありがたい。三脚をどのように持ち歩くかいつも悩んでいただけに、見つけて本当に役に立ったバッグです。
 サイドには水筒も収納できるポケットがあるし、最低限の必需品がこれ一個に収まるのはありがたいです。肩からたすき掛けにしても邪魔にならず、長距離を歩いても負担を感じません。バッグの表面は防水加工が施されているので、不意の雨でもしっかりカメラを守ってくれます。デザインもシンプルで好感がもてますし、内装も厚めのクッションを使っているので、しっかり衝撃からガードしてくれます。アクティブに撮影を楽しみたい方には格好のバッグです。


2 おすすめ:ジンバル

FeiyuTech AK2000 3-Axis Camera Stabilizer Gimbal

 近ごろの一眼ミラーレス・カメラは軽量化が進み、動画もスムースに撮れる環境が整ってきました。ひと昔前の重たい一眼レフには不向きですが、本体とレンズを合わせても一キロ前後にしかならないミラーレス・カメラなら、ジンバル片手に自撮りや風景撮影に行くのも楽しくなってきます。

 とはいえスマホ用のジンバルとは違い、カメラ対応で作りのしっかりしたものを買おうとすると、日本では6円台が基本ラインでしょう。それがアメリカではなんと200ドル台からあるのです。大半が中華製のジンバルですが、思いのほか作りはしっかりしています。スタビライザーも普通によく効くし、使い勝手もよく初めての人でも簡単に乱れのない動画が撮れます。プロ用を使う人からはレスポンスが遅いとか、ペイロードが1.2kgしかないことを指摘される本機ですが、私がパナソニックのG8で使用してもストレスフリーで使えています。軽めのカメラには最適の入門ジンバルです。



3 おすすめ:リングライト

AFI 8" Ring Light with Tripod Extendable Stand 3 Color Modes Dimmable




 YouTuber
の影響で爆発的に需要が高まっているリングライトは今や商品ラインアップも百花繚乱でどれにすればよいのか迷ってしまうほど。家電量販店の方に訊いたら、どれもそう大差ないが、光量だけは多めの方がいいとのことでした。タイプ別ですと、スタンド式やクリップ方式のものも出ていますが、アメリカでは三脚式が圧倒的に主流です。高さや角度で自由度が高く、様々な上々に対応できるからでしょう。スマホ写真の方は直径10インチタイプのものでいいのですが、カメラ用となると、基本ラインが18インチ、55ワットのクラスがいいとのことです。わたしはたまにブツ撮りに使う程度なので、小型で済ませました。人物には小さすぎますが、食事のお皿や一つの商品にスポットを当てるには十分です。用途に合わせて光の量多めのものをお選びください。



4 おすすめ:一脚

Neewer Extendable Camera Monopod with Removable Foldable Tripod Support Base


 野山を歩きながら写真を撮るわたしにとって一脚はとてもありがたい便利グッズです。カメラ用というよりは私自身のストックがわりで重宝しています。撮影というと、通常は大きめの三脚でどっしりと撮るのが理想ですが、私の場合、もともと手持ちで撮影するという縛りでやってきたため、三脚ありきの撮影条件の時しか登場しません。

 かわりにこの一脚が旅の友です。当然三脚より軽くてコンパクト。しかもこの一脚は写真にあるようにミニ三脚のような三点支持ができるので、いざという時には三脚代わりにもなるのです。過信は禁物ですが、低めに設定すればけっこう安定的な写真が撮れます。一脚はあくまで手ブレ軽減のサポート程度ですが、それでもないよりはずっと成功率は高まります。三脚が億劫な人でもこれなら持ち歩けます。



5 おすすめ:カメラ・ホルスター

Movo MB800 Waist Camera Holster with Quick Release



 腰にカメラをぶら下げるためのベルトとアタッチメントのセットです。これがあると両手が開くのでなにか両手でつかみたいとき、手を洗う時などでも便利です。また複数のカメラを持ち歩け、カバンに入れたもう一台と使い分けるなんてこともできます。
 この便利さ、簡便性が使いだすとやめられなくなるグッズです。まるで西部劇のガンマンみたいな出で立ちになってしまいますが、写真を撮っれます、という意思表示がはっきり出せるのはいいかと。落下防止の命綱もついているので安全ですよ。