2021年1月21日木曜日

ペット写真入門 その2:猫

猫を可愛く撮りたい



 

 猫のスナップ写真は誰でも撮ることができます。でも撮っても撮ってもなぜだかイマイチの写真しか撮れない。そんな弱気になることはありませんか? 動物写真家は、初めて会った猫ならまず一緒に遊んで猫の特徴を掴みます。動きだけではなく、性格まで短時間で把握してしまうのです。猫のユニークな個性を捉え、レンズを通して強いつながりを築くことができるのです。それは高価なカメラを持っているプロでなくても、正しいコツを掴めば、誰でも猫写真のスキルを向上させることができるのです。



 はじめに、愛猫の写真を撮るための簡単なコツをご紹介します。




基本は簡単

背景はシンプルに

 どんな可愛い猫ちゃんでも、写真となると、なかなかいい瞬間をとらえるのは難しい、そう思われている方は多いと思います。その一つの原因は、背景にあります。せっかくいいポーズをとってくれた猫ちゃんでも、背景に人の生活感が出ているとダメダメな写真になることがあるのです。ましてやごちゃごちゃした部屋の様子が映りこんでいると、それだけで写真の魅力は半減いやそれ以下になってしまいます。猫に限らずですがペットを部屋で撮りたい場合は、まず背景をすっきりさせましょう。できれば猫と背景の距離をなるべく離して明るいレンズで撮ってみてください。「くっきり焦点のあった猫にふんわりボケの効いた背景」これだけでも以前とは見違える印象になるはずです。



最適な照明を選ぶ

 柔らかい自然光が理想的です。屋内では大きな窓のある場所が最適です。ただし直射日光はバツ。曇りの日は最高の写真になりますが、明るい太陽は変な影をつけたり、背景を明るくしすぎたりします。明るい日に撮影している場合は、朝方夕方、太陽が低いときに最高の写真がよく撮れます。



快適な環境を選ぶ 

 特定の場所に長時間いることを強いると、猫は落ち着きがなくなることがあります。撮影する場所をリラックスして静かな場所にすると、猫がじっとしていられる可能性が高くなります。猫用の家具など、猫がすでに慣れている場所を選びましょう。



猫目線で対応

 つまり猫写真を撮るためには、撮影者は猫の目の高さに合わせて撮ることが必要です。例えば床に寝そべって写真を撮るとか。あるいは猫がくつろげるソファやテーブルなど、二人の目の高さが同じになるような場所で写真を撮ると良いでしょう。
 猫にカメラを見てもらうためには、奇妙な音を出すのもよくある手です。猫の注意を引くためには、だれかに後ろに立ってもらい、紙袋をガサガサさせたり、音の出るおもちゃで注意を引くと良いでしょう。
 猫が’安心できる高さの場所を見つけましょう。繰り返しますが、猫と目線の高さにレンズを置くのが秘訣です。猫と対面することで、猫の表情を捉えやすくなり、写真を見ている人も絆を感じることができます。また猫よりやや低いカメラ目線も新鮮なアングルになることが多く、いろんな角度を変えて、猫の特徴を捉えるようにしてください。



 それでは次に、以上の基礎の基礎を心得たうえで、一歩進んだ猫対応、ペット撮影術をご紹介いたしましょう。






より可愛さを引き立てましょう

光を味方に

 室内で猫を撮るとき、まずフラッシュは控えましましょう。直接フラッシュを当ててしまうと、毛並みは反射で見るに堪えない白飛びをします。猫の目も変な光り方をしてしまいまます。コントラストの少ない自然な明るさは、猫の写真をソフトで美しく見せるための重要な鍵です。

 家の中で一番日が当たる時間帯を中心に撮影しましょう。家の明かりをつけていてもいいですが、単一の強い光源は不快な影を作りがち。撮影場所はできるだけ日中の自然光を取り込みやすい環境を選びましょう。

 光を増やすとカメラのピント合わせがしやすくなるので、光を入れるとより鮮明で精細な写真が撮れるようになります。ただし、光を当てすぎると、写真が白っぽくなってしまうので注意しましょう。
 デジタル一眼レフカメラで撮影している場合、バウンス撮影と言って、外部フラッシュを壁や天井に当てて撮影する方法を使うと、写真スタジオっぽいの美しい写真が撮れます。絶対にフラッシュを直接被写体に向けないようにしましょう。



猫に焦点を当てる

 プロが撮った猫写真の中には、猫が浮き立つような
臨場感で迫ってくるものがあります。それらの写真に共通しているのは、極力シンプルに徹した背景の演出です。アマチュアのペット写真でも、理想的には背景の雑然としたものは避けたいものです。せっかくのゴージャスな猫の写真も、背景に洗濯物の山や汚れたカーペットがあると台無しになってしまいますからね。写真を撮り始める前にまず周辺のお片付けです。
 猫ちゃんお気に入りのカーペットやおもちゃもごてごてしたりカラフル過ぎるものは避けた方が無難です。背景の色や質感が少ないほど、猫の細部に焦点を当てることができるということを念頭に置いて、配置やフレーミングを賢く選びましょう。
 デジタル一眼レフカメラで撮影している場合は、絞りを大きくすることで美しい被写界深度を得ることができます。これはまた、背景の一部をぼかすのに役立ち、主役の猫は一層引き立つことになります。






的を絞った写真を

 素人の猫写真でよくある問題として、手ブレやシャッタースピード不足で、画像がぼやけてしまうことがあります。猫の顔の繊細な部分があいまいになって残念な写真になるのですね。これは子猫や非常に活発な猫の写真によく見られますが、そのせわしない動きは、スマホやコンデジの自動設定で撮影するには速すぎるのです。

 マニュアル設定で撮影している場合を除いて、被写体、撮る側両方の動きを少なくして、ピントの合った写真が撮れるようにしましょう。手元が安定していることを確認するか、それが難しい場合は、カメラを丈夫な場所に置いて動きを少なくしましょう。被写体を鮮明に写すには、お昼寝の直後やゆったりと座っている時など、静止している時間を選ぶとよいでしょう。また、活動的な猫が写真を撮るときには、次の注意を引くヒントを参考にして、ポーズを取ることもできます。
 動きのある猫の鮮明な写真を撮りたい場合は、オートより手動設定の方が柔軟性があります。デジタル一眼レフカメラを使用している場合、シャッタースピードを上げて、連写モードにしてみてください。数撃ちゃ当たるですが、プロも利用する手法です。



ノイズやおもちゃを使う

 気まぐれな動物ーー猫はいつも思い通りに動いてくれるわけではありませんよね。人間の幼児などはまだコントロール可能ですが、猫に限って言えばそれは不可能に近い。でも手はあります。見慣れない猫用のおもちゃをぶら下げたり、音の出る猫のおもちゃで気を引くことによって、レンズに焦点を当てる時間を稼ぐことができます。
それもぐずぐずしている暇はないかもしれません。猫はすぐに飽きてしまったり、一度音源を知ってしまうと興味を失ってしまうことが多いのです。紙を用意してカシャカシャと音を立てたり、猫のおやつの袋の音を出したり、さまざまな音源を試してみるのも必要です。奇妙な音を提供できれば、戸惑いや困惑のかわいい表情が撮れるかもしれません。

 ただし無理強いをして猫を怖がらせないように気をつけてくださいね。本当にいい猫写真は、猫が最もリラックスしている時に撮られた写真だと言います。緊張と緩和。ねこが猫らしく振舞う、自然な姿を狙うように心がけましょう。



編集:フィルターは控えめに

 ソーシャルメディアでは、フィルターを使って写真を編集したくなるかもしれませんが、やりすぎには注意しましょう。手を加えれば加えるほど、本来の自然さから離れがちになります。写真の自然さを引き立たせるために最低限の編集で済ませてください。編集ソフトウェアは、少し薄暗い写真の露出を上げたり、暖色系の画像にクールなトーンを加えたりするのに適していますが、目立つ目的でエフェクトに頼りすぎないようにしましょう。過剰な編集は、写真を安っぽいものにしたり、奇抜なものにしたりして、見ている人が被写体とのつながりを感じにくくしてしまいます。その代わり、猫の自然な美しさを生かして、思わず画面から手を伸ばしてペットを飼いたくなるような写真を目指してください。



相応しいカメラを選ぶ

 カメラ技術は日々急速に向上しているので、素晴らしい瞬間をキャッチし、良い写真を撮ることはひと昔前よりずっと簡単になりました。複数のプログラム、様々な機能、デジタル技術を備えた最新のデジタルカメラのおかげで、ペットの高品質な写真をだれでも撮影することが可能になりました。おススメのカメラはと聞かれれば、エントリーレベルの最新のもの、ということにます。

 キャノンで言えば、EOS Kiss シリーズで十分カワイイ動物写真が撮れます。取説に従って動物モードで撮ってもいいのですが、順にステップアップしてマニュアルで撮るようになっても、昔のカメラよりはずっといい写真が撮れるようになりました。最新のカメラ・テクノロジーがしっかり撮影者を支援してくれるようになっていますよ。



ペットを撮るうえでの注意点

 鳥瞰図とも呼ばれる上から撮影した写真は、動物が小さくて無力に見えることが多いです。頭は通常よりも大きく表示され、体のプロポーションは少しおかしいように見えます。人間目線のショットは赤ちゃん猫だけにしましょう。




機材と設定

正しい装備の選び方とは? 

 改めて付け加えますが、猫撮影にはシャッタースピードのコントロールが非常に重要です。決定的瞬間はそう幾度もやってくるわけではありません。素早く数多くのショットを得る、これは基本です。
 動きのある写真のために、カメラは高速オートフォーカスを使う必要があります。
 またペットの写真撮影には、焦点距離も考慮しなければなりません。焦点距離が大きいと手ブレの原因になりますし、手ブレ補正機能が付いていない限り、焦点距離に応じてシャッタースピードを考慮する必要があります。焦点距離が長ければ、おそらくより速いシャッタースピードが必要になるでしょう。焦点距離は80mmから200mmの間に収めるのがベストです。
 焦点距離が長い場合は、カメラを完全に静止させるのは難しいので、三脚を使用する必要があります。また、地面やテーブルの上にカメラを置いても良いでしょう。
 走ったり遊んだりしているペットの写真を撮りたい場合は、シャッタースピードは1/500秒以上、場合によっては1/1000秒以上の超高速シャッターを使う必要があります。
 またカメラのISO設定を変更すると、カメラ内部のイメージセンサーの光に対する感度が変わります。一般的には、粒状感のない滑らかな写真を撮るためには、できるだけ低いISOを選ぶべきですが、ISOを上げると、写真の「ノイズ」や「粒状感」も増えてきます。基本的な事なので覚えておきましょう。
 周囲が少し暗い場合は、シャッタースピードを変えながら撮っていくのも良いでしょう。



写真に最適な照明を選ぶ

 原則として、光に逆らって写真を撮るのではなく、常に太陽を背にして順光で撮影するようにしましょう。ただしコントラストには注意を払ってください。せっかくのキュートな一瞬がガチガチな一枚に変わり果てます。

 夏の光の条件としては、早朝か夜遅く、日の出直後か日没直前が最適です。春と秋は、太陽が空高く昇らないので、日中の多くの時間帯に良い光を見つけることができます。もちろん、天候にもよります。
 冬もまた、写真撮影、特に風景、ポートレート、野生動物などに美しい環境を提供してくれます。


愛猫にカメラを好きになってもらうために

忍耐力を身につける

 あなたの猫ちゃんに、撮影に慣れるための時間を与えましょう。猫はあなたが何をしようとしているのか理解することはできません。カメラ、撮影の概念がないので、何かいっしょに遊んでいるような楽しい雰囲気をつくるよう心掛けてください。


ご褒美をあげましょう

 猫ちゃんのおやつは、上手く撮影出来たご褒美として用意しておきます。カメラがなんなのかわからなくても、ご褒美をもらえるパターンは学習可能です。いい写真が出来上がったら、たっぷり愛情を注ぎ、感謝の気持ちでなでなですることを忘れないでくださいね。



2021年1月20日水曜日

写真をデザインするツール

CANVA 対 FOTOR





 今や百花繚乱、数多くのオンライン・グラフィック・デザイン・アプリやソフトなどのツールがある中で、どれが自分に最適なものか、探すのも一苦労です。このレビューでは、2つの全く異なるオンライン・グラフィックデザイン・ツールと画像処理プラットフォームをチェックし、インターネット上でデザインがどれだけ可能なのか、また限界や制限があるのか、それぞれの長所と短所を見て行こうと思います。


 今回は欧米で今もっとも人気のある画像デザイン・プログラム、CANVAとFOTORです。


CANVA



 多くの人が「デザイナー御用達」と考えているCanvaの洗練されたHTML5ベースのインターフェイスと多数のテンプレートは、デザインの素人でもわかる、一般大衆向けの優しい操作法が人気の秘訣です。
 デザインに悩んだらスグ使える簡易テンプレートに加えて、制作のヒントになる膨大な数のテンプレートを提供しており、直接使用することができます。
 ここではもうゼロからデザインする必要はありません。これらのプリセットされたデザインはプロが作った素晴らしいものです。ただ注意していただきたいのは、すべてが無料ではないことです。よりによってこれが有料? とがっくりくることもありますが、それは商売ということで、あきらめましょう。ていうか、有料に入るのも悪くない、と考えさせられるほど、有料の利点は多いので、ある程度使い慣れたら、潔く有料版に乗り換えるのも十分アリ、そう思えるほどテンプレートは充実しています。
 無料であらかじめ用意されたテンプレート以上に、有料版にはユニークなオーバーレイやカスタマイズ可能なクリップアートがたくさん用意されています。これらの追加機能は幅広いテーマをカバーしており、デザインのオプションやスタイルを提供してくれます。Canvaを使えば、ソーシャルメディアのカバーやその他のデザインを簡単に作成することができるオンです。


FOTOR



 シンプルな写真編集スイートとHDRエミュレータとしてスタートしたFotorは、2012年の発売以来、大きく成長しました。豊富なデザイン機能、国際的な写真コンテストのプラットフォームと包括的なユーティリティ機能を備えたFotorの強みは、そのダイナミックな性質にあります。
 デザインの観点からは、Fotorには直接フォーマットして作品を印刷する機能こそありませんが、プラットフォームに組み込まれている豊富な編集とカスタマイズオプションはその欠点を補って余りある充実度です。
 Canvaは特定の機能を強調し、オプションを制限することで「デザイン体験」を洗練させてきましたが、Fotorは編集オプションやコンテンツの数が非常に多く、その豊富さゆえにはじめは戸惑うかもしれません。
 Fotorには、フォトエディタに必要な「ベル&ホイッスル」機能はもちろんのこと、世界をリードするHDRアルゴリズムなど、興味深い機能がいくつも搭載されています。これらの要素を組み合わせることで、Fotorは「グラフィックデザイナー」の座を勝ち取るための強力な候補となります。実際、もはやAdobe Photoshopの代用品から、独立した別の座を獲得したかにも見えます。


 成功しているオンライン・デザイナーやエンハンサーの最も重要な特徴の一つは、ユーザーフレンドリーなUIと直感的なインターフェイスではないでしょうか。
 Canvaの洗練されたHTML5インターフェイスは、ほとんどの部分で非常にユーザーフレンドリーで見栄えが良いのですが、最初はとっつきにくいと感じる場合があります。
 Canvaのインターフェイスには膨大な量のチュートリアルやコンテンツ、その他の機能が隠されており、それらを見つけるのに苦労します。
 対照的にFotorでは、いつでもアクセスできる非常にシンプルで機能的なメニューが用意されています。さらに使いやすくカスタマイズしたい場合は、Fotorには「お気に入り」機能があり、よく使う機能や効果をすぐにアクセスできるカスタマイズメニューがあります。  
 先輩格のCanvaの洗練されたプレゼンテーションほど魅力的ではないかもしれませんが、Fotorを使っていて迷うことはあまりないでしょう。



長所と短所

 この2つの優れたプラットフォームの長所と短所を理解してもらうために、Fotorの「編集」機能とデザインとイメージアップの関係を無視することはできません。一般デザイナーの理解では、Fotor は最近まで、Adobe Photoshop と同等の機能やアプリを無料でオンラインで提供するユーティリティー・サイトとアプリでした。
 デザイン機能をリリースした後、Fotor は両方の機能を同じ場所で効率化し、写真や画像を修正したり強化したりしてから、デザインページに直接インポートすることができるようになりました。その一点で、この分野では、Fotorは本当に傑出していると思います。
 使いやすさ、Photoshopスタイル編集機能の数の多さと相まって、平均的なユーザーは実質的に無制限のコントロールが可能です。さらにユーザー層の拡大を受けて、Fotorチームが提供する無料のチュートリアルやブログで豊富な知識を得ることができるようになったのは嬉しい限りです。

 比較してみると、FotorとCanvaには明確な強みと弱みがあります。最近では「プレミアム」コンテンツは「無料ではない」という意味で使われていますが、この点でこの2つのプラットフォームは最も差別化されています。
 Canvaは編集ページから直接オーバーレイ、デザイン、クリップアートを購入できる「従量課金」方式で運営されていますが、Fotorは一括更新されたコンテンツの「プレミアム」プランがあります。
 この支払い方法に加えて、Cavaには「Canva for work」として知られる法人向けの支払いソリューションもあります。年間購読料はアメリカで約120ドルで、このプレミアムプランは、仕事やアイデアを共有したい企業やグループのために設計されています。
 Fotor専用の支払いオプション「Fotor Pro」は年間39ドルとかなり安くなっていますが、社内のビジネスコミュニケーション・プラットフォームはありません。
 もしあなたが素晴らしいデザインやカバーを作るのが好きなソーシャルメディア愛好家なら、Canvaのシンプルなシステムが最適だと感じるでしょう。
 欲しい機能だけを購入できるというシステムには明らかなメリットがありますが、「クリエイティブ志向」のデザイナーはよりオープンなプランを好むだろうというのがCanva側の見方でしょう。
 厳密には金銭的な観点から見ると、Fotorは2つのプラットフォームの中で最も費用対効果が高いと言えます。現状、Canvaで2つ以上のコンテンツを購入した場合、Fotorの月額プランとほぼ同額となります。


 Canvaのコンテンツ主導型の支払いスキームとは対照的に、Fotorはすべてのコンテンツを1つのオプションにまとめることで支払いプロセスを簡素化しています。またFotorの機能は頻繁に更新されるので、この支払い方法を利用するのは理にかなっていますが、私たちは使い始めるまで機能の有用性が分からないことが多いので、Canvaの代替案の方が良いと感じるかもしれません。要するに、オンラインデザイナーに全く慣れていない場合、Canvaは素晴らしい選択肢ですが、プロにとっては、Fotorの無数の機能を見過ごす手はないということです。


モビリティ(機動性)

 このレビューの最後に、特に重要な要素として、モビリティについて触れておきたいと思います。
 誰もが知っているように、スマートフォンからアクセスできないのであれば、おそらく存在意義はないのが現代です。実際、統計によると、大半の人がモバイルデバイスからこの記事を読んでいると思われます。では、CanvaとFotorはモバイルグラフィックデザイナーやフォトグラファーの領域で何を提供しているのでしょうか?
 Canvaは、iPadとアンドロイドタブレットには限定的なサポートを提供していますが、デザイン・プラットフォームはデスクトップ向けに合理化されており、可視性とスケール感が自由自在です。
 一方、Fotorはスマートフォン用にAndroidとiOSのバージョンを更新し、写真エディター、デザイナー、エンハンサーと同期させて合理化しています。この分野では、FotorはCanvaの上に立ってると言えるのではないでしょうか。
 またアプリのサポートに加えて、Fotorには「コミュニティ」機能があり、写真やデザインを共有したり、自分だけのギャラリーを作成したりすることができます。こういったクリエーターの遊び心をくすぐるアイデアも人気の秘密だと思います。



結局どちらがいいの?

 この2つの素晴らしいプラットフォームを比較するのは簡単なことではありません。どちらも急速に変化するデジタルの世界で独自の場所を作ることに成功しており、ユーザーの要求が高まる中で優れたサービスを提供しており、どちらも革新的であると言えます。
 グラフィックデザインや広告のすべての要素を、細部まで修正したいと考えているダイナミックなデザイナーは、Fotorを使用することで明らかな利点を見つけるでしょう。
 同様に、数分で見栄えの良い投稿を作成したい、ソーシャルメディアの愛好家は、Canvaの合理化された仕上がりを好むでしょう。
 しかし、敢えて現時点での勝敗の行方を見るならば、Fotorのダイナミックで柔軟な性質は、グラフィックデザインのプラットフォームとしてCanvaに取って代わる可能性を秘めています。その多様な機能を利用して、より良い作品を作るために、Fotorがますます使われるようになると予想します。期待を込めて。

2021年1月19日火曜日

フード・フォトグラフィーの楽しみ

食べ物を美味しく撮る




 レシピの写真を撮りたいけど、何から始めたらいいかわからないという方はいませんか? フードフォトは、インスタグラム、レストラン紹介、ポスター、カレンダーなどの商品写真、など多くの需要が見込まれています。また、クリエイティブな作品作りでもあり、カメラを使って自分のスタイルを表現する楽しい趣味にもなります。このフードフォトグラフィーという魅惑の世界をご案内しましょう。



使用するカメラ

 まずはカメラ選びです。これから始める方は、安価で使い勝手も良いので、まずはコンパクト・デジカメから始めてみるのも良いかもしれません。料理のためのコンデジの基本的な撮影法はすぐ覚えられます。ていうか、ほとんどのデジカメに「料理」という設定があるはずです。それに従うのが初心者には無難でしょう。
 また一眼レフほどの設定項目はありませんが、絞り、スピード、ISOなどのマニュアル設定は、コンデジにもありますので、積極的に自分で操作して、写り具合を確認してみてください。



明るい画像を作る

 シャッタースピード、絞り、ISOは画像の明るさを左右する3つの要素です。ここでは、もう少し詳しく説明します。


シャッタースピード

 シャッターの開く速度を遅くすることで、光が少ない状況でもセンサーに多くの光が当たるようにすることができます。私は、暗くて暗い日や秋の暗くなるのが早いときにこれを行います。ただし、シャッターを長く開けると、ブレが大きくなるので、三脚が必要になるかもしれません。私の経験則として、私は1/125秒で手持ち撮影をします。


絞り

 絞りとは、レンズの開口部の幅のことです。絞りを開けると、より多くの光を取り込むことができ、被写界深度が浅くなり、背景のボケが発生しやすくなります。この効果により、カメラの焦点がどこにあるのか、見る人の目を引きつけることができます。数字が小さいほど、絞りは広くなります。そのため、背景ボケの多い一箇所にシャープなピントを合わせたい場合は、3.2や3.5などの低い数字を選ぶとよいでしょう。背景の被写体にピントを合わせたい場合は、11や14などの高い数値を選択することができます(これでは光が入らないので、シャッタースピードやISOを調整する必要があります)。



ISO

 ISOとは、光に対するカメラの感度のことです。ISOが高いと画像の品質に影響を与え、特に写真の暗い部分に「ノイズ」を発生させてしまうからです。私はISOを500以下に保つようにしていますが、暗い状況では、三脚を持っておらず、絞りがすでに開放になっている場合は、ISOを高くします。


光の使いかた

 食べ物の撮影には、可能な限り自然光を使いたいです。プロ用の照明は自然光を模倣することができますが、その前にカメラに慣れて自然光を使うことをお勧めします。

 屋内の照明は、そのまま撮影すると被写体が黄色の光をかぶることが多いです。これではせっかくの美味しい食事が台無しです。屋内照明を使用する必要がある場合は、ホワイトバランスをオンにします。これは青を追加し、黄色を少し中和する目的で使われます。

 また周囲の光源を意識することは非常に重要です。レストランでは、パティオや窓際で自然光を取り入れた撮影をしてみましょう。自宅で撮影する場合は、時間帯を変えて光の加減を変えてみましょう。折りたたみ式のバウンス反射板という小道具も役立ちますのでぜひ検討してみてはいかがでしょうか。




被写体を選ぶ

 食べ物を撮ってもなかなか「すごい」という実感まで行かないのはなぜでしょうか?
もしかしたら、間違ったものを撮影しているかもしれません。写真をより魅力的なものにするためには、色や質感の異なる食べ物を選びましょう。茶色い食べ物ばかりのお皿では意味がありませんし、あなたが求めている「感動」の要素が欠けているのは間違いありません。

 食物には、カラフルな野菜の緑や、深みのあるチーズの黄色、ニンジンのオレンジ色など、豊かな色彩で写真を引き立てる素材がたくさんあります。そういったものから被写体を選ぶのもフード写真をうまく見せるコツと言えます。



テーブルを整理する

 卓上にあるものや、背景が乱雑だと、食べ物に焦点が集まりません。撮影前に周囲を片付けて、近くの雑然としたものをすべて取り除きましょう。シンプルな背景がベストですが、背景に花瓶や食器などを入れても、見た目がすっきりしていれば、被写体に邪魔にはなりません。



寄って撮る

 すべての色と詳細を捉えるためにマクロレンズで近く寄って撮影してください。撮った写真は、決してぼやけたものではなく、鮮明でクリアなものでなければなりません。いろいろな角度から撮影してみましょう。 1つの料理に20枚以上撮ってみましょう。一般的に料理自体は、全体の一部だけにピントが合っている状態がベストです。



三脚を使う

 暗い食卓では、遅いシャッタースピードが必要になることがよくあります。手ブレで写真が台無しになることもままあるものです。三脚を使ってカメラを安定させることで、写真を最高の状態で撮影することができます。三脚は、お皿の配置を変えたり、食材をぴったりの場所に配置したりと、料理を素早く調整したいときにも便利です。



過剰な編集を省く

 プロのカメラマンは必ずRAWで撮影します。初心者は必ずしもRAWに固執することはありませんが、RAWフォーマットで写真を撮影した場合、あとの編集がしやすくなり、結果的にいい写真を残すことができます。 jpgを卒業したらRAWフォーマットにチャレンジしてみてください。



作品を共有する

 食べ物の写真を撮影して編集したら、オンラインで共有しましょう。Flickrは、オンラインで写真を保存したり共有したりするのに最適な場所です。他にもいくつかのサイトが楽しいコミュニティを提供しています。こういった場で写真を共有することは、あなたの写真の腕を向上させるためのいいステージとなります。




スマホのカメラで撮る場合



 もしあなたがインスタグラムなどソーシャルメディア向けの気軽なフード写真を撮りたいのであれば、スマホ・カメラでもいい写真は撮れます。いくつかの心得がありますので、ご参考にしてみてください。


グリッド設定

 ほとんどのスマートフォンには、撮影したすべての写真にグリッドを重ね合わせることができるツールが搭載されています。これを使えば、写真の線がまっすぐになっていることを確認したり、フレームを3分の1に分割したりすることができます。iPhoneでは、写真とカメラの設定で「グリッド」のトグルを見つけてください。Android/Galaxyの場合は、カメラアプリの設定を確認してください。グリッドの切り替えが見つからない場合は、カメラ360のようなサードパーティ製のアプリをダウンロードして、グリッドをオンにすることができます。



露出スライダーを使う

 デジタル一眼レフカメラ同様に、スマホで露出をコントロールできることをご存じでしょうか。カメラアプリを開いたら、指で被写体にピントを合わせてみましょう。すると、太陽の小さな画像が表示されるはずです。表示された小さなバーを指で上下にスライドさせれば、写真を撮る前から光の量をコントロールすることができます。



アングルを知る

 ダイナミックな写真を撮るのに最適なアングルは、目線の高さや被写体の少し下からの撮影と、俯瞰での撮影の2つが効果的です。後者を使う場合は、椅子に座って被写体全体がフレームに収まっていることを確認し、ラインが完全にまっすぐになるようにしましょう。上から写真を撮るのは、一枚の写真で食卓の全体像を撮るための簡単な方法ですが、アップで撮ると、テーブルの上からの写真を見ることができます。アップ撮影は水分や質感、色などのディテールが出しやすいです。



自然光を利用する

 被写体が窓の前にある場合は、窓からの光を利用できます。しかし、カメラ側に窓(強い光源)がある場合は、食べ物が光にさらされ過ぎて魅力を失いがちです。食べ物の陰影を狙って撮る事によって、被写体にコントラストと質感を与えられます。

 もし、レストランで照明が弱い場合は、小型の照明器具を持参するのも手です。ない場合は友人のスマホのライトを使ってもいいでしょう。ただしフラッシュは避けましょう。フラッシュは食べ物のイメージを崩し、どんなに美味しい料理でも見栄えが悪くなります。被写体の上や後ろではなく横からの光を利用すること、これがポイントです。



構図の工夫

 お皿に盛った料理をフレームいっぱいにとって独占するのは避けましょう。そうしたい気持ちは分かりますが、あまりにも芸がなさすぎます。というより、より料理を引き立たせたいなら、シンプルな背景をたっぷり取り込んで、柔らかなボケを作ることです。そうすることによって料理は一層引き立ちます。よりアートな感じを出したいなら、大きな背景を選んで、主題を小さくすることを恐れてはいけません。



小道具でひと工夫

 フードスタイリストの演出方法を見ていると、他のオブジェクトをフレームに持ち込むことが重要なようです。ユニークな調理道具や厨房の一部、キッチンテーブルや椅子の飾りを使って、構図をより面白くすることを意識してください。ちょっとお皿の角度を変えたり、盛り付けを工夫するだけでも、写真に命を吹き込むことができます。



人も効果になる

 フード写真を美味しくするもう一つの方法は人を使うことです。グラスを握っている人の手や、食器を持つ人の手先など、シンプルなものでも、料理の写真をより引き立てることができます。暗い色、特に黒やグレーなどの落ち着いた色の服は料理の引き立て役として最適です。逆に明るい服だと、料理がさえなく映る場合があります。




写真をたくさん撮る

 一つの料理に対して、角度、距離、背景、明るさなどを変えた、十数パターンの写真を撮るといいでしょう。あとで後悔してデジタル編集しても、その場の空気感はなかなか再現されにくいものです。とにかくいろんなパターンを撮りまくることで、次回への対策にもなりますし、多くの場合、レストランでのフード写真は一回きりのチャンスしかないと思って、ふんだんに作例を作るつもりで、撮りまくってください。


まとめ

 フード写真は撮りためていくと、食べ物のコレクターになった気分にしてくれます。あのときあんなものを食べた、あのレストランは素敵だったなど、優れた写真を見返して、食にまつわるたくさんの思い出が蓄積されます。改めて見返すと、自分の偏った食事傾向も分かりますし、他人のフードフォトを見ることで、自分が見たこともない食事に興味をそそられ、新たなチャレンジが生まれることもあります。
 写真の腕は未熟でも、時として料理を実際以上に美味しそうに撮れる瞬間があります。そんな写真を撮れた日には、満腹以上の喜びを感じられるでしょう。ぜひあなただけの絶品料理と言える最高の一枚を写してみてください。

2021年1月18日月曜日

最強の初心者カメラ

小さな巨人:SONY a7C 




 昨年は魅力的なミラーレス・カメラが続々と登場しました。とくにフルサイズのカテゴリーではソニー、キャノン、ニコンが競ってラインアップを充実させてきたので、買う側はオプションが豊富で、うれしい悩みが増えた形です。
 そんな中で、初心者が買える(あるいは買うべき)フルサイズ機はあったでしょうか? いやフルサイズ機は経験を積んだ上級者のためのカメラだと思っている方もいるようですが、必ずしもそうではありません。今回ご紹介するソニーのa7Cはまさにビギナーにうってつけのフルサイズ・ミラーレス・カメラなのです。


SONY a7C
 いつも思うのですが、ソニーaシリーズと書くときに、アルファはaじゃなくて斜体時のαなんだよな、と思ってしまいます。元々はミノルタから受け継いだ看板みたいなものなので、変えようがないのでしょうが、書くときはちょっと面倒です。
 ともあれ2006年、ソニーから初のaを冠したカメラが発売されて以来、たゆまぬ研究と開発の結果、同社はいまやデジタルカメラのトップメーカーとして君臨するようになりました。
 その最新の成果がa7Cに凝縮されていると思うのです。いまこのカメラのボディを見てみると、改めてフルサイズ・センサーを積んだカメラでもここまでコンパクトになるのかと、感慨ひとしおです。
 中にはAPS-C機の a6000シリーズをちょっと分厚くしただけじゃないかという人もいますが、やはりここまで軽量小型にこだわった作りは大変なものだと感じます。
 
 たしかにデザインはa6000シリーズとほとんど同じで、機能や外観は非常に似通っています。
 しかし大きなフルフレームレンズを装着した状態では、全く違う感覚になるのはなぜでしょう。大きなレンズとは不釣り合いかもしれませんが、そもそもこのa7Cはそういったレンズを選ぶタイプのカメラではありません。
 明らかに動画撮影を意識した作りはバリアングル・モニターとその周辺のポート類の細かな配置具合で分かります。ポートの開閉部は小さなドアのように精巧にできています。マイクポート、オーディオジャック、USB-C、SDカードスロット、そしてマイクロHDMIポートが絶妙に配置されているのです。
 また、バッテリーとSDカードが別々のスロットに入っていて、一つのフラップの下で一緒に なっていないところも細かいけど気配りが感じられます。これにより、カメラを三脚から取り外さなくても、SDカードを素早く交換することができます。そのSDスロットを1つではなく2つにしたのも正解。これは、a7Cの記録時間を増やすだけでなく、同時バックアップを行う必要性から待望されていたスペックです。



 いろいろいい点を述べていきますが、忘れないうちに、問題点も指摘しておきましょう。多くの人から指摘されていますが、モニター上のメニューの配置がわかりづらいのです。一つの設定にたどり着くまで数回層のタッチ操作が必要で、もとに戻るのにも手間がかかりすぎます。慣れるまでとっさの操作は難しと思ってください。初めてカメラを手にする人には慣れが必要でしょう。ベストはグリップを握った状態で、親指一つで、タッチスクリーン操作ができることですが、現状これは不可能なようです。この問題はa7Cに限ったことではなく、ソニーのカメラ全体に言えることですが、なかなか改善されません。そろそろ抜本的なインターフェースの置き換えが必要ではないかと感じています。

 しかしそれを補って余りある性能を実感できるのがこのa7Cの素晴らしいところ。
 フルサイズカメラでありながら、別売のシューティンググリップを付けて、片手で動画撮影ができるんです。軽量化に加えて5軸手振れ補正ユニットが内蔵されているからできる業です。
 またフルサイズのレンズ特性を生かした高いISO性能が圧巻です。感度は100~51,200、さらに204,800まで拡張できます。APS-Cでは目立つノイズも最小限に抑えられ、5軸手ブレ補正と相まって、夜間でもほとんどオートISOで破綻のない写真に仕上がります。
 全体の性能に関しては、多くの点で大人気機種ソニーa7 IIIによく似ています。それでいて世界で最も軽く、最も小さいフルフレームカメラとして完成させたのは素晴らしいことです。
 カメラ愛好家からはSony a7cには目を見張るようなスペックはないと言われますが、個人的にはSony a7cのハンドリングがこの軽視を補って余りあると思っています。




スペック

 スペック自体は、言われるようにかなり基本的なものです。

24MPフルフレームセンサー

30pの4Kビデオ機能

100〜51,200のISO範囲

10fpsバーストモード

693点AFシステム

ファインダーカバー率100

2.36mドットEVF

3" 921kドットの多関節タッチスクリーン

Wi-FiとBluetoothを内蔵

本体424グラム

740ショットのバッテリー駆動時間


 ソニーa7cのバッテリー駆動時間は、このカメラの特筆すべき機能の一つです。これほど小型のフルフレームカメラで、1回の充電で750枚近くの撮影が可能。これはすごい。



ボディとデザイン

 このカメラはマグネシウム合金で作られています。ボディのグリップは良いですし、タッチスクリーンは、すばやく精密に反応します。バリアングル画面は、垂直方向の撮影と垂直方向へ軽快に動き、ビデオブロガーにとって最良のハンドリングが期待されます。 


 実際、ソニーのa7 IIIよりも容積は2割ほど小さく、動画には最適な取り回しができるよう設計されています。これが可能になった理由の一つは、EVFがボディ上部ではなく、カメラ背面の左側に配置されていることでしょう。ソニーのa600シリーズのカメラを使ったことがある人なら、このファインダーもすぐに慣れるでしょう。

ビデオ性能

 本機は30pまたは24pで4Kビデオを撮影できます。より良いフレームレートを必要とする場合は、最大120fpsでフルHDビデオを撮影することができます。30分以上の撮影が可能で、これからビデオブログをやる人にとっては非常に頼もしいスペックです。
 またS-LogやHLG/HDRで記録することも可能です。動画撮影中でも高速ハイブリッドAFが作動しますし、リアルタイムアイAFやAIによるリアルタイム追尾AFなども搭載されています。
 前述したように、このカメラは明らかにブロガーを意識して作られているので、のちのちレンズ選びにもそれほど困ることはないでしょう。




まとめ

 ソニーa7cは出て間もないので、当分値下げは期待できません。アメリカでa7cの価格は現在Amazonで1,800ドル程度(本体のみ)。標準キットレンズ付きで2,100ドルが相場です。個人的にはもうちょっとスペックを下げてでも、CANON EOS RPと競合するくらいの価格を期待していたのですが、それは今後の下位機種に期待するべきでしょう。価格相場は当分変わらないと思われるので、買い時は今。次のバージョンアップを待つ利点はないと思ってください。
 とにかくこのカメラはフルサイズ・デビューしたい人、高品質な動画を撮りたい人に最適なカメラです。本文では省きましたが、他の追随を許さないソニー自慢の超高速瞳オートフォーカス、リアルタイムトラッキング、最高約10コマ/秒のAF/AE追随高速連写、撮像領域の約93%をカバーする693点の像面位相差検出AFセンサー、コントラストAF枠425点、野外撮影に頼もしい防塵防滴仕様など、上位機と並ぶ機能が満載です。ぜひ店頭で手に取ってそのポテンシャルを確かめてみてはいかがでしょうか。



2021年1月17日日曜日

米国のドライブレコーダー

アメリカで選ぶDashcam



 
 日本で言うところのドライブレコーダー。欧米では通称ダッシュカム(Dashcam)と呼ばれています。日本とアメリカでは使われているものが幾分違います。同じ目的で作られたものですが、それぞれ独自の進化を遂げつつあるようです。それでは欧米ではどういったものがどういう理由で主流なのでしょうか? 


 その前に装備する目的ですが、もちろん第一は運転中もし何か起こった時の記録、という
ものです。それならGoProのようなもので事足りるのですが、今はさらに安全対策としての機能が次々と加わる時代になりました。すなわち、事故後ではなく、事故を予防する対策としての機能が求められているのです。

 日本では昨年あおり運転の問題がクローズアップされたことで、ドライブレコーダーが売れに売れました。事故後の詳細な情報はあればあるほどいいということで、日本では高画質が標準化しています。これに対してアメリカは必ずしも高画質が優先的ではありません。運転時のトラブルにまつわる裁判を念頭に置いた製品と思えるものがよく売れています。また、州によってドライブレコーダーを搭載することで保険料が安くなることもあるので、とりあえず基本性能だけで購入するドライバーも多くいます。お国柄の違いで売れる製品にもじょじょに違いが出てきているようです。

 日本製ほどではありませんが、ビデオ技術は常に進歩しており、特に画質は向上しています。最近はようやく4Kでビデオを撮影できるものも増えて、動画映像の鮮明さも向上してきました。

 実際、ダッシュカムで使用されている技術の多くは、GoProモデルはじめ最高のアクションカメラにも見られます。ビデオ解像度、フレームレート、視野角などの機能に類似点が見られるかもしれません。

 ただドライバーのニーズは若干異なるため、アクションカメラで人気のある手ぶれ補正機能はあまり見られません。しかし、売れ筋のダッシュカムは、多くの場合、代わりにナイトビジョンが搭載されています。また、ハンドルから手を離さないようにする必要があるため、ボイスコントロール付きのダッシュカムモデルも人気上昇中です。

 ダッシュ カムの取付けは簡単である場合もありますが、配線には工夫が要ります。モデルによっては内蔵バッテリーを搭載しているものもありますが、これは長持ちしないので、あまりお勧めできません。後部用カメラを増設する場合は配線がより煩わしくなります。
 そういったことを踏まえたうえで、最新の機能の搭載されたダッシュカムをご紹介いたします。



ダッシュカム選びのポイント

リアカメラ:これらは、最近の主流になりつつあるもので、後ろで何が起こっているかを記録するダッシュカムのオプションです。

音声操作:ハンズフリー操作に最適です。もちろんドライバーにとっては特に重要です。

Wi-Fi接続:ダッシュカムの映像を見たり転送したりするのに便利です。

4K ビデオ:これは、より明確にするための高解像度を提供しますが、その代償としてはるかに大きなビデオファイルを生成することになります。より大きなメモリーを用意する必要があります。

駐車中の警告:一部のハードワイヤード式ダッシュカムシステムでは、駐車中の車の衝突や衝撃を記録することができます。

緊急通報:いくつかのダッシュカムは、緊急時に自動で問題を検出し、スマートフォンを介して緊急サービスを要請することができます。

暗視機能:ナイトビジョン(暗視)モードは、夜間の運転で生じる交通トラブルを回避するのに役立ちます。

電源:製品によって電源に違いがあります。電池に内蔵されたものは便利ですが、長くは続きません。電源ソケットに差し込むことで解決しますが、配線は車によってはディーラーや整備士の助けが必要になってきます。

 これらのポイントを押さえて、いまアメリカで売れ筋の機種をいくつかご紹介します。



アメリカでおススメのダッシュカム


Garmin Dashcam 66W

 視野角が180度と超広角でありながら、かなり見やすくなった同社のヒット商品です。
映像品質:1440p、HDR 60fps、視野角:180度、画面:2.0インチ液晶、320×240

 昨年発売されたGarmin 55の後継機種です。先代モデルのコンパクトなサイズと使いやすさはそのままに、視野角が122度から180度に拡大され、車の前方や前方の道路をより広く見ることができるようになりました。また、HDR(ハイダイナミックレンジ)ビデオ録画機能も新たに搭載され、コントラストの高い照明の下でも細部まで鮮明に映し出すことができます。バッテリー駆動時間は、車の電源ソケットに接続なしで30分程度ですが、ハードワイヤード・プロのモデルをインストールを選択した場合、カメラは駐車中に作動したままになり、駐車中に誰かが不注意で車にぶつかった場合でも記録されます。




Garmin Dashcam Mini

小さくても機能十分なミニダッシュカムです。
ビデオの質: 30fps の 1080p、視野角: 140 度。
 ダッシュカムミニは、140度の視野角、1080フルHDビデオを記録できるとてもコンパクトなモデルです。ミラーの後ろにすっぽり隠れるように設計されており、とてもすっきりしたデザインです。電源はライターのソケット以外にも、車のヒューズボックスに有線で接続でき、イグニッションを回すと、それは起動し衝突を検出するときに記録されます。
 有線接続されている場合、停止中も作動警告のままになります。内部バッテリーが、コンパクトなサイズとシンプルなのも好評です。Wi-Fi接続でGarmin Driveのスマホアプリに接続すれば、必要なときにカメラから保存した映像を簡単にダウンロードすることができます。




Thinkware U1000

 本モデルは4Kダッシュカムとしての評価が高い商品です。
4K UltraHD、視野角: 150°
超シャープな4Kビデオ膨大な機能フロント&リアダッシュカムオプション高価なハードワイヤード必須内蔵スクリーンなし4Kビデオファイルは大容量になる可能性があります。

 多機能ながらも、運転中に気を散らすモニターがない方がいいという方向けです。
150度のワイドレンズを使って、シャープな4Kビデオを撮影し、Wi-FiとGPSが内蔵されています。スピードカメラ(オービスのようなもの)の警告を提供し、位置情報と速度データを追加するために使用されます。Thinkware U1000 前方と後方のカメラ情報を統合して、メインユニットに接続することができます。2K解像度で毎秒30フレームで撮影し、背後の状況を鮮明に映し出します。強化されたナイトビジョンと広いダイナミックレンジは、昼夜を問わず高品質の映像を生成します。




Nextbase 522GW

Alexa介しての緊急SOS呼び出し設定付き、GPSおよびWi-Fi機能搭載
動画品質:1440p at 30fps / 1080p at 60fps視、野角:140度、画面:3 インチ HD、
タッチスクリーン。

 Nextbase 522GWは、Alexa、GPS、緊急SOSなどの機能を搭載しながらも、低予算で買えるドライブレコーダーです。同機は2K解像度(1440p)で30フレーム/秒、または通常の1080pフルHDで60fpsで撮影します。また、140度の視野角は必要十分な解像度で記録し、GPSにより、正確な位置、方向、速度データを表示、発信できます。さらにはAmazon Alexaを備えています。スマートフォンのインターネット接続を使えば、自宅のAlexaスマートスピーカーと同様に動作し、外出先でも音楽を再生したり、ニュースの見出しを聞いたり、道順を聞いたり、スマートホームのガジェットをコントロールしたりすることができます。緊急SOSは、衝突を感知し、ドライバーがとっさに応答できない場合は、かわりに地元の救急サービスに通報し、場所を知らせることができます。




Nextbase 622GW

最高のプラグアンドプレイができる4Kダッシュカムです。
動画品質:4K at 30fps / 1080p at 120fps、視野角:140度。3 インチ HD IPS のタッチスクリーン

 622GWは、より手頃な価格で買える522GWの後継機というよりは、さらに新機能が加わったフラッグシップ機です。映像品質の大幅な向上、手ぶれ補正、そして半径3メートル以内の被災車両をピンポイントで特定できるWhat3wordsという地理解析サービスを搭載しています。30fpsの4Kを選択すると、結果として得られる映像は、暗い状況でも、非常に鮮明な解像度と素晴らしいディテールで、まるで映画のような映像を見ることができます。これにより、ナンバープレートを特定したり、事故の見づらい要素を拾い出すのが格段に簡単になりました。
 カメラ前面に内蔵された偏光フィルターを回転させることで、フロントガラスからのまぶしさを軽減することができます。また、デジタル手ブレ補正機能は、ダッシュボードカム市場では初の機能であり、路面の凹凸揺れや手ぶれを軽減します。
 このモデルは Alexa の技術を用いるあなたの声によって制御することができますが、それはスマホのアプリがあって初めて活用できます。
 3インチの背面タッチスクリーンは、鮮明でクリアで非常に使いやすいです。



Thinkware Q800 Pro

 高解像度カメラ、オプションのリアユニットと充実した安全装備を装備
画質:1440p(前方)、1080p(背面)、視野角:140度(フロント、リア)、GPS
内蔵

 1440pの
高解像度、正確な速度制限警告(一部の機能には有線接続が必要です)。
 高度なナイトビジョン(暗視カメラ性能)を搭載した高品質な1440pでの撮影はもちろんのこと、様々な機能も充実しています。速度制限警告、車線逸脱警報、前方衝突警報、前方車両が逸脱した場合に警告するシステムなど、安全機能も充実しています。
 広いダイナミックレンジと自動露出により、低照度下でも鮮明な映像を保つことができ、視野角140度のレンズで撮影されています。2台目のThinkware Q800 Pro Front & Rearもオプションで用意されています。また、車にQ800 Proを有線で接続すると、駐車中の事故を記録するスマートパーキングモードがあります。ディスプレイがないため、Thinkware Q800 Proは、ほとんどのダッシュボード・カムよりもコンパクトなデザインになっており、フロントガラスにぴったりとフィットし、リアビュー・ミラーの下や後ろにすっきりと収まります。




BlackVue DR900S-1CH

4Kビデオ、クラウド経由のリモートアクセスが特徴。
ビデオの質: 30fps の 4K 

 BlackVue DR900S-1CHは、すっきりとした外観で、スリムでコンパクトなデザインが評判です。DR900S-1CHは、4Kビデオ録画、そのライバルのほとんど(162度)よりも広いレンズ、GPSとパーキングモードを備えています。ライブ映像と録画した映像をリモートで表示するためのクラウドベースのサブスク・パッケージがあります。
 カメラが衝突を検出したときにスマートフォンに通知をプッシュするサービスや、 車の駐車中に傷つけられた場合に便利な常時記録設定もあります。誰もがサブスクリプションサービスにお金を払いたいと思うわけではありませんが、自分の車を監視したいと考えている車のオーナーにとっては役に立つ機能です。




Nextbase 422GW

最高の画質を誇る格安ダッシュカム
ビデオの質: 30fpsで1440p/60fpsで1080p、スクリーン: 2.5インチLCD
高品質なビデオにAmazon AlexaEmergency SOS機能搭載、2.5インチの画面。

 Nextbase 422GWは、兄弟機である622GWのような4Kオプションを提供していませんが、クラス最高の画質を提供しています。1440p(30fps)と1080p(60fps)の両方で、鮮明でクリアな映像が得られます。これは、内蔵のAlexa機能による最初のダッシュボードカメラであり、事故の記録から音楽の再生、道を尋ねるなどすべて音声コントロールでできます。
 最高の機能は、緊急SOSでしょう。深刻な衝突を検出し、あなたが反応していない場合は、緊急サービスにあなたの車の正確な居場所を通知することができます。



Thinkware F800 Pro

F800 Proは、スピードカメラの警告機能付き。ナイトモード内蔵。
ビデオの質: 1080p 

 最高のパーキングモードダッシュカムをお探しなら、F800 Proをお勧めします。
 オプションのリアカメラを搭載したF800 Proは、2チャンネルシステムの中でも最高のSony STARVISセンサー(フロント+リア)とAmbarella A12チップセットを搭載し、夜間のビデオ品質は非常に印象的です。
 本機はフルHDパーキングモードのセットアップ中でも消費電力最小に抑えます。必要に応じて駐車モード用のメモリカードをパーティション設定で分割もできます。
 Proモデルでは、オールブラックのボディ、128GBのカードサポート、Thinkwareのバージョンのオーバーザクラウドなどが追加されます。
 CMOSイメージセンサーは、140度の広角レンズビューとともに、昼間も夜間も常にフロントビューとリアビューにフル1080p HD解像度の録画を可能にします。これにより死角を最小限に抑え録画することができます。
 暗い路地や駐車場などの低照度環境で撮影されたダッシュカムの映像は、はっきりと識別できない場合があります。F800 Proに搭載されているスーパーナイトビジョン2.0は、画像信号処理(ISP)技術を使用して、運転中や駐車中など、あらゆる状況下で鮮明で視認性の高い映像を記録します。

 以上のドライブレコーダーが現在もっとも注目され、売れているものの一部です。さらに詳細が知りたい方は、Wirecutterのウェブサイト、https://www.nytimes.com/wirecutter/reviews/best-da,m/で最新の情報を確かめてみてください。

2021年1月16日土曜日

GoProなどの動画カメラ

アクションカメラが開く映像体験



 日本のカメラメーカーが高性能、高画質へと進化を続けていく中、海外のカメラメーカーは技術的な内容や写真のクオリティを追求する代わりに、いかに便利に目的に応じた撮影ができるのか、そいうったニッチな分野に活路を見出そうと日々努力してまいりました。
 その中でも特に、アメリカでは動画環境を先取りする形で、アクションカムあるいはアクションカメラと呼ばれる分野がここ十年で大きく飛躍してきました。

 休日の家族写真から街角のちょっとした風景まで、スマホのカメラは日常の瞬間をカバーしてくれます。しかし、はっとするようなアクションやアドベンチャーだと、重く大きな一眼やスマートフォンのカメラではとても捉えきれないものです。そこで登場したのがアクションカメラです。

 アクションカメラは、普段目にしながら再現の手段がなかったアクションありきの現場で能力を発揮するカメラです。ポケットに入る小型、耐久性に優れたデザイン、防水ケース、最先端のイメージング機能を備え、冒険を撮影するためのまったく新しい方法を提供します。精密機器としての一般的なカメラの入りにくい分野を見事に映像化できるのがこのアクションカメラなんです。

 アクションカメラでどれを買おうか迷っている方は、この記事を読んでかつて経験したことのない映像体験に足をふみいれてみませんんか?

 本稿ではあなたが考慮すべきアクションカメラの機能について考察し、2020年の市場で話題になったアクションカメラをご紹介いたします。




悪天候でも使えるカメラ

 耐久性は、あなたの撮影環境を左右する大きな要因です。アクションカメラで成功するメーカーはいずれもここを最重要視します。
 高レベルののアクションカメラは、極端な温度、汚れ、海へのダイビング、あるいは落下による耐久性能などを厳しくテストします。防水機能は、あなたがより多くの映像領域を撮りこなすために必要な機能です。当然DJI、GoPro、ソニーなどの大手アクションカメラ企業は、防水性、耐衝撃性、過酷な環境に耐えるアクションカメラを生産しています。


手ぶれ補正機能の内蔵

 手ぶれ補正は、アクションカメラを選ぶ際に切っても切れない大きな要素となっています。公園を走るとき、スキーで山を滑り降りるときも、またモータスポーツで走るときも、その他のダイナミックなショットを記録するときも、手ぶれ補正されたビデオは映像に大きな変化をもたらします。
 ほとんどの現代のカメラには、独自の内部手ぶれ補正機能が搭載されており、ショットを気にするよりもアクションに集中できます。アクションカメラの手ぶれ補正システムに関しては、GoPro Hero 7で導入されたGoProのHyperSmooth、Osmo ActionでデビューしたDJIのRockSteadyなどが主要な競合です。異なる解像度の組み合わせについては、異なるアクションカメラの手ぶれ補正の有無をチェックすることをお勧めします。


動画の撮影・再生能力

 アクションカメラの主な機能は、どんな環境でもダイナミックで高品質な動画を撮影出来ることです。去年のアクションカメラは、いよいよHDと4Kの両方の動画を撮影できるようになったので、HDRサポート、60fpsのフレームレート、スローモーション、統合された撮影モードのようなものに注意を払う必要があります。その好例がOsmo Actionで、HDR動画、1080pまたは720pでの240fpsスローモーションモード、1080p、2.7K、4Kでのタイムラプスなどを搭載しています。


静止画像の課題

 動画に比べて、アクションカメラは静止画性能は弱いとされています。それでも最近は大きなレンズでより多くの光をキャプチャし、画像の品質を向上を図っています。インテリジェントな画像処理を提供するアクションカメラと言えばソニーです。ソニーRX0 IIは、アクションカメラの中でも高品質なカメラセンサーを搭載しており、さまざまな画像制御とダイナミックレンジモードを提供しています。 


広角レンズの性能

 アクションカメラの強みは、非常に広角な視野を確保していることです。それは自分自身と周囲のすべてを1つのフレームに収めるためのポイント・オブ・ビュー・レンズで知られています。市販されているほとんどのアクションカメラは、ワンショットですべてのアクションを捉えるのに最適な広角ショットを撮ることができます。


便利な自撮り機能

 アクションカメラの画面モニターは、購入のさい是非考慮すべき重要な機能です。画面は、アクションカメラが記録しているものを見るのに役立ちます、あなたの映像を確認し、簡単に設定を変更します。DJI Osmo Actionは、背面に2.25インチのタッチスクリーンを搭載し、前面には鮮やかな1.4インチの自撮り画面を搭載しています。


ボイスコントロール機能

 エクストリームなスポーツ活動を行っているときは、その一瞬が命です。ボイスコントロールは、手元の瞬間に集中しながらアクションカメラをコントロールすることができる素晴らしい機能です。この巧妙な機能は、記録、写真撮影、デバイスのオン/オフなどをコントロールすることができます。


考慮すべき点

 他にもアクションカメラの機能はたくさんあります。Wi-FiまたはBluetooth接続は、お使いのスマホやパソコンに画像や動画を転送するのが簡単になります。ハードウェアがどれだけ優れてても、アクションカメラを購入する際には、ソフトウェアの安定性を常に考慮する必要があります。専用アプリを使えば、映像を編集したり、ファイルをダウンロードしたり、カメラの設定を変更したりすることができます。またバッテリーの寿命も考慮すべき重要な要素です。



 それでは作年のベスト・アクションカメラをご紹介します。


GoPro Hero 8
 
  

 
 まずご紹介するのは、言わずと知れたアクションカメラ界のエースGoPro。
 GoPro Hero 7 Blackの後継機であるGoPro Hero 8 Blackです。前モデルの成功を受けて、この新しいモデルはスリムなデザイン、折りたたみ可能な内蔵マウント、より優れたマイク、更新されたEIS手ぶれ補正を特徴としています。

 GoProはHyperSmooth 2.0をHero 8 Blackで導入し、すべての解像度とフレームレートで安定化機能を提供しています。このアップデートには、カメラのブレに対抗するために異なるレベルでフレームをクロップする3つのスタビライゼーションモードが含まれています。また、HyperSmooth 2.0は、120fpsと240fpsで撮影されたスローモーション映像にも適用することができます。

 これらのアップデートに加えて、ナローレンズパースペクティブによりクローズアップ映像の撮影が可能になり、2.7Kと4Kのビデオモードは最大100Mbpsのビットレートをサポートし、ソーシャルメディアのライブストリームは1080pでの放送が可能になりました。

また、Hero 8 Blackには折りたたみ式のヒンジが内蔵されており、三脚などのアクセサリーに取り付けることができます。この便利な機能により、アクセサリー用のフレームマウントを追加する必要がなくなり、バッテリーやメモリーカードに簡単にアクセスできるようになりました。



Insta 360 One X



 この革新的なアクションカメラは、かなり印象的な機能を市場にもたらしました。Insta360 One Xは、5.7K 30fps、4K 50fps、3K 100fpsのシャープな映像を提供します。HDRモードでは、さまざまな照明条件の中でも、映像の細部まで鮮明に映し出すことができます。また、Insta360 One Xは、FlowStateと呼ばれる独自の電子式手ぶれ補正機能を搭載しており、すべてのアクションショットに安定性を提供します。

 とりわけInsta360 One Xは、アクションカメラとしての機能が充実しています。アクションカメラをアクセサリー「Drifter」に装着すると、独創的なアングルでスローモーション撮影が可能になります。エアロダイナミックなボディと衝撃に強いフレームを採用しているので、創造力を存分に発揮できます。もうひとつの便利なアクセサリーは、映像には写らずに素敵な自撮りができるインビジブルセルフィースティックです。これは映像マジックといってもよい素敵な機能です。

 また同機は、さまざまな撮影モードも魅力です。TimeShiftでは、スローモーションと安定化されたハイパーラップを使って、遠近感をコントロールすることができます。これらの機能をすべてOne Xアプリと組み合わせることで、シンプルで映画のような編集が可能になります。



DJI OSMO Action

 

 2019年5月に発売されたDJI Osmo Actionは、プロや冒険を求める人々に創造性の世界を切り開きました。DJIは、アクションカメラ市場にユニークな機能を追加し、同社初のアクションカメラをデビューさせました。

 Osmo Actionには2つの画面が搭載されており、バックスクリーンではハイパーレスポンスな表示を実現する一方で、革新的なフロントスクリーンでは自撮りやアクションショットのフレーミングを楽々と撮影することができます。また、このアクションカメラには、DJI独自のEIS(Electronic Image Stabilization)が搭載されており、RockSteady


と呼ばれています。このEIS技術は、高性能なアルゴリズムと連動して、映画のようなアクションショットを記録します。

 100Mbpsの4K/60fpsビデオに加えて、Osmo Actionは4K HDRビデオも搭載しており、映像のダイナミックレンジを向上させ、より鮮やかなディテールを表現します。このアクションカメラには、8倍速スローモーション、タイムラプス、ハイパーラップ、連写をサポートするクリエイティブな撮影モードなど
も搭載されています。

 Osmo Actionは、堅牢性も保証されており、外部ケーシングなしで最大11メートルの水深までの防水性能です。またボイスコマンド機能を備えた耐久性の高いアクションカメラであり、アクセサリーのラインナップも充実しています。
Osmoはいま最も新作に期待できるメーカーです。



Garmin VIRB XE



 こちらのアクションカメラは、チャレンジする冒険者のために作られたカメラです。Garmin VIRB XEは、コンパクトで防水性に優れたカメラで、多くの印象的な機能を備えています。1080p 60fpsの高精細な映像を撮影し、最大30fpsの12MP写真を撮影します。また、動画を同時に撮影しながら写真を撮影することもできます。VIRB XEは過酷な環境に耐えられるように設計されており、外付けケースなしで50mまでの防水性能を備えています。

 G-Metrixは、GPS、Gフォース、方位などの情報を含む、より多くのパフォーマンスデータを含む精巧な機能です。ユーザーは、加速度などをオーバーレイで表示して映像を再生できます。テンポの速いアクション撮影には、カメラの動きを検知するモーションセンサーとEIS手ぶれ補正機能を搭載し、スムーズな撮影を実現します。

 WiFiを内蔵しているので、VIRB XEをスマートフォンやタブレットに接続して、ライブビデオのコントロール、編集、再生を行うことができます。この頑丈なアクションカメラには、Bluetooth対応のHDオーディオも搭載されており、最高のオーディオを得ることができます。VIRB XEはまた、印象的なリモートコントロールアクセサリーが付属しており、ユーザーフレンドリーなデザインを特徴としているため、アクションカメラ市場への大きな追加となっています。




SONY RX0



 2020年のアクションカメラのリストには、ソニーRX0を抜きにしては語れません。無限のクリエイティブなインスピレーションを約束するRX0は、優れた撮像性能と耐久性を兼ね備えています。10mまでの防水と2.0mまでの耐衝撃性を備えています。

 本機はExmor RS CMOSセンサーとBIONZ Xイメージプロセッサーを搭載し、優れた描写力を発揮します。この製品の大きな特徴は、1000fpsの超スローモーション動画を撮影できることです。ゴルフのスイングからラグビーのタックルまで、これまでにないようなスローモーションのスポーツ映像を撮影することができます。また、RX0には最大1/32000秒までの歪曲収差補正シャッターが搭載されているので、動きの速い被写体もクリアに撮影できます。また、最大16fpsの撮影が可能で、ピクチャープロファイル/S-Log2では、よりプロフェッショナルな映像を撮影することができます。

 これらの優れた機能に加えて、さまざまな撮影に対応するためのアクセサリーも充実しています。ソニーRX0は、アクションカメラの中でも特に優れた機能を備えた堅牢なアクションカメラと言えます。



まとめ

 以上の次世代型アクションカメラは、最先端のテクノロジーと多彩なアプリケーションをコンテンツ制作者に提供します。スノボで山を滑り降りるときも、マウンテンバイクでジャンプするときも、最高のアクションカメラは、自分が最も快適に使えるものです。ご自身の用途に応じて、市場に出回っている競合機種をチェックしてみてください。通常のカメラやスマホでは描写できない感動的なコンテンツを作成することができるようになります。

2021年1月15日金曜日

双眼鏡型カメラ

 ワイルド・ウォッチングの楽しみ


 今回はちょっと変わり種のカメラをご紹介します。双眼鏡とデジタルカメラを合体させたDigital Camera Binocularsです。

 このカメラは、というより双眼鏡ですね。双眼鏡主体で、それにデジタルカメラの機能を加えたものです。アメリカでは牧場管理、野生観察、あるいはハンティング用に双眼鏡を利用する人口が一定数あり、様々なメーカーにより、高性能なものから子供向けの入門的なものまで、いろいろ出回っています。

 その背景には日本にない広大な土地柄があります。とにかく田舎はどこへ行っても延々と広がる平地ばかりで、遠くを見る機会がすごく多いのです。もちろん野外イベントなども日本とはけた違いのスケールで行われますので、双眼鏡は必須のアイテムなのです。

 そんな中で私がかねがね注目してきたのが、カメラおよびビデオ機能のついた双眼鏡です。数年前、アメリカで話題になって日本にも輸出されたのですが、当時は日本のカメラメーカーとは比較もできない低クオリティのカメラしか内蔵されておらず、普及には至りませんでした。

 アメリカでも双眼鏡ファン(特にバードウォッチャー)からは野生動物観察の本道から外れるらしくてあまり歓迎されず、排他的な見方をされる向きもありました。しかし潜在的に一定層のファンはいたようで、その後も各メーカーからニューモデルが出続けています。

 2013年にはソニーからもDEV-50Vというハイスペックな双眼デジカメも出ていたのですが、2000ドルもする上、使い勝手が悪くて不評のまま消えてしまいました。以降、この分野は日本のブランドはどこも手を出さなくなったカテゴリーです。ちなみにNikon、Canon、 Olympusは欧米でトップクラスの双眼鏡メーカーでもあります。

 ではこの双眼鏡兼デジカメ、どのような特徴があるのでしょう。

今一番注目されている機種、「KINGEAR FS608を見ればその特徴が分かります。



ーーまずKINGEARは、今日の業界では数少ない評判の良い双眼鏡会社の一つです。その中でも特にKINGEAR FS608は注目に値します。

 KINGEAR FS608の最大の特徴は、プロ用のデジタル一眼レフカメラに搭載されているようなハイエンドのカメラ技術を搭載していることです。他の機種が低レベルなスペックに安住している中、FS608は720PのHD画像を取り入れました。また、130万画素の超大型センサーを搭載しているのも特徴のひとつです。このイメージセンサーのおかげで、双眼鏡はどんな照明条件でも素晴らしい写真を撮ることができます。

 このユニットの2インチディスプレイは、様々な条件でのコントロールを提供するLCD技術を導入しています。これにより高品位な写真や高解像度のビデオをキャプチャできるようになりました。

 倍率は32ミリメートル開口部の双眼鏡システムと相まって12倍の倍率を実現。かつてない優れた画像をキャプチャすることができるようになりました。

 写真も動画もそれぞれJPEGとAVIの一般的なフォーマットで保存されます。本機は32ギガバイトまでの拡張可能なメモリスロットが付属しています。PCへの写真やビデオの転送を容易にするために2.0 USBインタフェースが付属しています。ーー

 ところでなぜ双眼鏡にデジカメなのでしょうか?


 デジカメ付き双眼鏡の利点 ーー対象物を見失いにくい

 高倍率デジカメの場合、いちど遠くの被写体を捉えても、ちょっと設定に目をそらしたすきに、対象を見逃してしまうことがよくあります。しかし両目で見る双眼鏡の特性で、ひとたび双眼鏡を通して捉えた標的はそう簡単に見失うことはありません。目をそらす隙もなく、相手に集中したまま撮影の操作を行うことができるのです。

 このさい、写真の画質云々に固執するのはやめましょう。ポイントは写真のクオリティではなく、遠くにある存在をいかにきっちり観察するか、その記録として内蔵のデジカメで視覚情報を残す、そういった趣旨の写真なのです。

 ようするにそんなに高画質、ハイクオリティの写真は期待しないということです。そう割り切って使ってみると、思ったより楽しい野生観察ができます。ネイチャー系のみならず、スポーツやイベントにも使えますし、建設現場などでは仕事にも使われています。

 何よりカメラと比べて携帯性に優れ、ストラップで首から下げてすぐ使えます。瞬時に観察ー撮影という一連の作業を一括で行えるところが便利なのです。

 あるいは、ネイチャー系カメラマンの場合、一眼カメラ撮影の前哨としてまずこの双眼鏡デジカメで標的を探し歩き、最初の一枚を撮る。ーーその後本格的撮影に入る、というプロセスを活かすのです。


  私の場合も山野などのフィールドを歩く際、この双眼鏡をよく水先案内人に用います。対象は主に野鳥、鹿、リスといった身近な野生動物です。うちの付近には、ほかにもキツネやアライグマ、オポッサムといった興味を惹かれる動物たちが多く生息し、たまには危険なコヨーテなどにも遭遇する機会があります。そんな時にも双眼鏡デジカメはとっさの一枚を残すことができるので重宝しています。

 私のはやや旧型ですが、それでもほとんどの状況で満足のいく仕事をしてくれています。


Eoncore 2" LCD Display Digital Camera Binoculars 12x32 5MP Video Photo Recorder Digital Camera Telescope


主な特徴
 双眼鏡の倍率は12倍、対物レンズの直径は32mmです。これは、12mmの出口瞳距離と2.08の直径に結合されています。1,000mでも96m相当の視野を確保できます。これは鳥のスポッティングに最適です。画像をダウンロードするためのUSBケーブルへのマイクロUSBが付属しています。
 画面サイズは2インチ、写真はJPEG、ビデオは標準AVI形式で撮影されます。イメージセンサーは1280×960の解像度を持つ1.3メガピクセルです。ここがちょっと懸念されるところです。1.3メガピクセルは、最近のライバル製品比較してやや見劣りします。購入時には画像を保存するための無料の8GB TFカードが付属しています。


  
 今後もっとカメラ性能が向上して、デジカメの速射性やフォーカス性能が向上すれば、まだまだ需要の増えるガジェットだと思います。残念ながら日本のカメラメーカーの現状ではこのような色物的なカメラは出せないでしょう。なので双眼鏡メーカーの一層の奮起を促したいものです。


 もう一点、いま気になっているのが、夜間赤外線機能に特化した、暗視双眼鏡です。
 こちらもカメラ機能を付けたものが発売され、ちょっとした話題になっています。

Bestguarder Night Vision Binoculars


 これはなかなかのスグレモノです。夜間ほとんど光のないところでも、本機は高感度で被写体を捉えられます。宣伝用ビデオを観たのですが、本当に真っ暗闇でも、クマやフクロウの動体を捉えていました。シカのハンティングなどにも使用する人が多いようですが、使い方次第では悪用もできてしまいそうな高性能です。もともとが軍事用途で開発されたものでその技術転用で生まれた商品ですが、撮影の領域をぐっと広げてくれるものとして期待が寄せられます。

こんな感じ



 うちの界隈はたくさんのトレッキングコースがあり、毎年のように山で夜間に迷子になる人が続出しています。これがあればわずかな光でもキャッチするので、ネイチャー・サバイバルにも活用できそうですね。