2021年5月2日日曜日

アクションカメラ購入

 AKASO EK7000 PRO



アクションカメラに何を期待して購入するのか。それは人それぞれでしょうが、今回は初めての人にも気軽の楽しめる入門機の一台をご紹介します。

私はかつてGoPro HERO5を使って、ハイキングの撮影をしていましたが、購入わずか半年で、山の谷底に落としてしまいました。なんとか拾い上げたのですが、レンズに致命的な傷ができてしまい、使用を断念した経緯があります。それ以来、どうにも新しいものを買うモチベーションが失せてしまい、野外にはマイクロフォーサーズのカメラを持参することが多くなりました。

今回は、そのリベンジマッチです。(なんのマッチだかよくわかりませんが。笑)

昨今は、あの6年前HERO5が一人チャンピオンで輝いてた頃のようにGoPro一択ではなくなってきています。より廉価で機能も向上著しいと言われる新興カメラメーカーのものより選ぶことにしました。

いろいろ悩んだ挙句、今回私が選んだのは、「安くて」「そこそこの性能」「手ブレ・防水性能あり」の条件を満たした、

ASASO EK7000 PROです。お値段なんとアマゾンで79ドル。激安カメラです。


AKASOのアクションカメラはどれも安く、そのリーズナブルさにおいて、今では最も知られているアクションカメラブランドの一つです。その中でもEK7000は、全米でいまだに最多販売台数を記録しています。そして今日まで、信じられないほどの人気を誇っています。

しかし、このEK7000が発売されたのは何年も前のことで、その間に技術は格段に進歩しました。そして、その技術を使ったハードウェアは、より安価になっています。そういうわけでAKASOはその人気モデルをバージョンアップさせて発売しました。それがEK7000 PROです。

今回は新たに動画の画質を向上させ、電子式手ブレ補正機構を搭載しました。そして何よりも、価格が変わらないのが魅力です。しかし、すでにオリジナルモデルを持っている人がアップグレードする価値はあるのでしょうか? スペックは以下の通りです。


技術仕様

寸法 63.3×41.8×31.5mm (2.5×1.6×1.2″)

重量: 61 g / 2.2 oz

センサー センサー:OV4689CD

チップセット サンプラス

視野角 170°

ビデオ解像度 4K 25fps、2.7K 30fps、1080p 60fps、720p 120fps

写真: 16 MP

モード シングルショット、バースト、タイムラプス、ダイビング、ループビデオ

機能 WiFi、2型IPSタッチスクリーン、電子手ブレ補正、調整可能な視野角

ポート ポート:マイクロUSB、マイクロHDMI、マイクロSDカードスロット

メモリ MicroSD(クラス10およびSDXCカード対応)、最大64GB

バッテリー:1050mAhのリチウムイオン

バッテリー駆動時間:1080p、60fpsで90分

同梱物

AKASO EK7000 Pro

WiFiリモートコントロール

2個の1050 mAhバッテリー

40m/131フィートまでの防水ハウジング

自転車スタンド、7つのマウント、2つのクリップ

ヘルメットマウント

バンデージ1個、テザー5個

保護用バックドア

マイクロUSB-USBケーブル

レンズクロス


この中で嬉しいのはバッテリーが二個入っていて、しかも付属のチャージャーで二個同時に充電できるという事です。おそらく一日中外出する際は2個でも足りないでしょうが、最初から2個充電できるのはありがたいです。


デザイン

AKASOはハードウェアをアップグレードしただけでなく、デザインも向上させました。

まああからさまにGoProの模倣なのですが、それなりにカッコいいです。 外観は、前バージョンとは全く異なります。確かに、同じ長方形の形をしていますが・・・。アクションカメラの外観をよりモダンにし、プラスチックの品質を向上させた感じです。

全体のサイズは標準的なものです(63.3×41.8×31.5mm)。重量はたったの61gでプラスチッキーであることは間違いありません。それを補うかのように、側面と前面の両方にテクスチャーを加えています。前面にテクスチャーを使用することは通常ありません。なぜ誰も考えつかなかったのか、ちょっとしたアイデアですがおしゃれです。前面のテクスチャーは、手に持ったときのグリップ感も向上させます。また、見た目にも高級感があり美しいです。

タッチスクリーンになったAKASO EK7000 Proですが、側面のナビゲーションボタンも残っています。これは、防水ケースを装着した状態でもナビゲーションが使えるようにとの配慮でしょう。


ポート類も、Micro USB、Micro HDMI、MicroSDカードスロットを搭載しています。フラッグシップ機にはUSB-Cが搭載されていますが、この機では省かれています。

なお、ポート部にはカバーがありません。水辺で使用する場合は、必ず防水ケースを使用します。その肝心の防水ケースですが、風呂場で試したところ、完全に機密状態を保ってくれました。当然と言えばそれまでですが、格安商品にありがちな危険性は回避された事を確認しました。これで安心して雨や水のある場所へも持ち出せます。

全体的なビルドクオリティは問題なし。まずまずの合格点です。すべてのポートが動作し、コネクターも緩んでいません。密閉処理されたボタンはクリック感があり、押したときの圧感もあります。スクリーンも非常によくできていて、タッチしたときの反応もいい。携帯電話を使うのと変わらないですね。


アクセサリー

残念ながらAKASO EK7000 Proには、ケースにねじ式の三脚マウントが内蔵されていません。GoProシリーズなら標準装備なのでこれは痛いです。つまり、どこかに取り付けたい場合は、防水ケースかフレームのどちらかを使用する必要があります。その代わりというのでしょうか。パッケージにはこれでもかというほど、驚くほどたくさんのアクセサリーが詰め込まれています。その大半が私には必要ないものですが。

これら全部付属品として同梱されます


マウントはもちろん、リモコンも付属しています。初心者の方にはうってつけのパッケージだと思います。これを使えば、どこにでもカメラを取り付けることができます。自転車やバイクの人にもいいですね。


映像と機能

マニュアル書によると、AKASO EK7000 Proは4K解像度での動画撮影が可能です。確かに可能ではあるのですが、完全にはそうではありません。このカメラは残念ながら、実際にネイティブ4Kに対応できるハードウェアを持っていません。その代わりに補間を行っています。アクションカメラは基本的に1080pで撮影し、それを内部で4Kにスケールアップしています。こういったことは実際使用してみないとわからないので、メーカーは十分な説明をサイト上でやって欲しいところです。


AKASO EK7000 Proで撮影した動画は、決して期待したわけではありませんが、これならば価格相応と言ったところでしょうか。GoProHero5と比べるのは酷です。なにせあれは今でも300ドル以上しますからね。このEK7000 Proは79ドル。そう思えば価格差ほどの違いはないとも言えます。

とはいえ、同じような価格帯のアクションカメラでも、もっと性能の良いものはたくさんあります。映像の質は、うーんGoProと比べるとやや鮮明さに欠ける感があります。状況によっては輪郭がぼやけたり、色が飽和していたりしています。また、手ぶれ補正機能もおもったほど十分に機能しておらず、歩いて撮影していると、ときどきガクッと大きな振動が見られることもあります。これを瑕瑾と見るか大欠点とするかは人によりけりでしょう。私はこの金額では忍耐の範囲で収めておきます。



それよりじつはこのカメラ、水中での撮影に定評があります。まだ試していないのですが、複数のレビューで、先代のモデルより格段に水中映像がアップグレードされたと報告されているのです。色がきれいなだけでなく、映像が格段にクリアになったそうです。初代EK7000は水中カメラとして宣伝されていましたが、今回のプロバージョンこそ、その真価が発揮刺さるものだとのことです。ちょっと今年の夏が楽しみになりましたね。


前にも述べましたが、新しいEK7000 Proには2インチのタッチスクリーンが搭載されています。これを使って、すべてのモードや設定を直接変更することができます。その使い勝手が良いです。

カメラには物理的なボタンも搭載されているので、防水ケースを装着している場合はそちらを使うこともできます。しかも、画面はまったく問題なく使えます。アクションカメラを持ったことがない人でも、非常に使いやすいユーザーインターフェースになっています。

また、カメラとスマホも同様に接続できます。WiFiを有効にして、「AKASO」のアプリをスマホにインストールするだけです。iOSとAndroidの両方に対応しています。


結論

まだテスト試用の期間ですが、正直それほど動画画質が優れてるとは思いません。かといってひどい、使えないというほどではなく、初めてアクションカメラを手にした方ならご不満もなく使えると思います。言うなれば価格なりの性能という事です。ただ、GoProを使っていた身としては、改めてGoProの先進性、総合力に恐れ入ります。AKASOはじめ、多くの後追いメーカーが類似品を出しても、やはり本家には数歩譲るというのが現状でしょう。

AKASO EK7000 Proを手に入れることをお勧めできるのは、厳密に言えば海や湖、川などのレジャー、水中スポーツ、ダイビングなどに使用する場合です。それ以外の環境では、映像の質が特段優れているとはいいがたいです。あと20ドルほどアクションカメラにお金をかければ、格段に良い映像品質が得られますから。

確かに、たくさんのアクセサリーが付いているのはそれを補っているとも言えます。しかし、私の意見では、カメラで最も重要なのは映像の質です。だから、たとえ完成度が高くても、水辺以外での撮影には、もっと優れたアクションカメラを見つけることをお勧めします。


2021年5月1日土曜日

アメリカ人の好きなナイキ


サムズアップ・アメリカ!

最高のナイキシューズはどれか

ナイキはスニーカー業界の頂点ともいえる存在です。山で例えればエベレスト。数ある優良スニーカーメーカーの中でも特別な人気を誇り、その不動の地位は21世紀に入ってからもますます確固たるものとなっています。
特にバスケットボール界のレジェンド、マイケルジョーダンと組んでからその影響力は一つの文化を形作り、人によってはその生き方さえ左右してしまうほどです。

あなたの好きなナイキは? と問われると、答えに窮してしまう人もいます。それほど歴代作られてきたナイキスニーカーは多彩で魅力的なモデルが多いのです。
そんなナイキのスニーカーですが、日本とアメリカではその人気の種類に微妙な差があります。今回は2021年現在、アメリカ人が大好きなナイキのスニーカーのトップランキングをご紹介します。決定的な順位はつけられませんので、カテゴリー別にトップ3を並べてみました。あなたのお好きなナイキは見つかるでしょうか?



履き心地部門

Nike React Presto ナイキ リアクト プレスト



人生の究極の目標は、あなたの足に最適なスニーカーを見つけることです。そんなキャッチフレーズをどこかで見たことがあります。シューズの作り手にはそれくらいの覚悟と信念のある人があるのでしょう。
それを体現するナイキのスニーカーがコレです。ナイキエアプレストは2000年に登場して以来、快適さの定番となっています。過去20年間にナイキが行ってきた技術開発にもかかわらず、プレストは今でも存在し、時代を超越しています。最新のアップデートである「ナイキ リアクト プレスト」は、プレストのクラシックなシルエットのアッパーと、アップグレードされたリアクトソールを組み合わせ、快適性を最大限に高めています。このシューズは、どんな状況にも対応できるクリーンな外観を持ちながら、長時間立ちっぱなしの日に最適で、紛れもなく男性のための最高のナイキの一つとなっています。




Nike Air Max 270 React ナイキ エア マックス 270 リアクト



一見したところ、このスニーカーはライフスタイルカテゴリーのシューズの候補になりそうです。ほとんどのエアマックス270リアクトモデルには、ナイキの新しい鮮やかなカラーパレットが採用されており、無限の可能性を秘めています。
リアクトテクノロジーは、ナイキがこれまでに開発した最も革新的で反応の良いフォームのイノベーションであり、現在では多くのスニーカーに採用されています。ナイキ エア マックス 270 リアクトは、両方の長所を組み合わせ、ソール全体で究極の快適さを実現しているため、最高のナイキスニーカーの一つなのです。




Nike Flyknit Trainer ナイキ フライニット トレーナー



最高に快適なナイキを探す際に考慮すべき点は、シューズのソールだけではありません。シルエットの形が足の形とぶつかってしまい、すべての快適性が失われてしまうケースもあります。ナイキはフライニットテクノロジーで解決策を見つけました。ナイキ フライニット トレーナーは、ほとんどのシューズでは実現できない柔軟性をもたらし、あなたの足の形がシルエットになるようにします。シューズ自体があたかもが足に合わせて動くような作りなので、適材適所にフィットし、靴の形を選ぶ人でも満足できる柔軟性を保持します。




投資部門

Nike Air Force 1 Low Off-White
ナイキ エア フォース 1 ロー オフホワイト




最高のNIKEは、単なる靴ではなく、投資でもあります。ヴァージル・アブロー氏は、数々のナイキとのコラボレーションを通じて、スニーカーが株と同じように急激に価値が上がることを証明してきました。急速に価値を高めているシューズのひとつが、「Nike Air Force 1 Low Off-White(ナイキ エア フォース 1 ロー オフホワイト)」です。2017年にはわずか170ドルで販売されていましたが、現在では平均リセールバリューが1,625ドルとなり、856%の価格プレミアムがついています。デッドストックが少なくなってきているので、このエア フォース 1 オフホワイトも時間が経てば経つほど価値が上がり、ナイキの投資用シューズとして最適なものになっていくと思われます。




Nike Air Force 1 CLOT 1World ナイキ エア フォース 1ワールド



ナイキの逸品の中には、多くの人が購入しないと評価が上がらないものがあります。去年、CLOTはエアフォース1のリリースでホットなスマッシュヒットを記録しました。ナイキは瞬く間に完売したこれらの商品を見て、今日のような大々的な宣伝が行われていなかったCLOTの旧作を振り返ってみました。シルクで覆われたCLOTフォースへの評価が高まったことで、Nike Air Force 1 CLOT 1World (2018)の価値は去年に比べて478ドルも急上昇しました。これらのAF1は現在、284%のプレミアムで平均768ドルの再販価値があります。



Nike SB Dunk Low Staple Panda Pigeon



世界中がNike Dunkブームに沸いていますが、ベストNikeリストには、少なくとも1つのDunkが含まれているべきです。ダンクは歴史的な存在で、ナイキがスポンサーを務めるNCAAチームが最初に履いたバスケットボールシューズの一つとして誕生しました。
2000年代前半から中盤にかけてのダンクが主に高騰しており、中には5桁台の値段がつくものもあります。
投資の基本は、安く買って価値が上がるのを見ることですから、トレンドが上がり始めたときに参入したいものです。そういった意味で、「The Nike SB Dunk Low Staple Panda Pigeon」は、将来のキングとなる可能性を秘めています。
2019年のリリースから1年で、Panda Pigeonのトレード価値は141ドル上昇しました。これは古いダンクの増加に比べれば小さな変化のように思えるかもしれませんが、人気の衰える気配はありません。




引っ張りだこ部門


Air Force 1 Low White ’07 エア フォース 1 ロー ホワイト '07



最高のナイキシューズを選ぶ際には、クラシックが常に候補に上がります。時代に左右されず、流行に左右されない靴は特別です。ナイキ エアフォース1は、スニーカーのデザインに与えた影響と人気の持続性から、常に最もよく知られたナイキのシルエットです。この靴の売上は、約40年の歴史を持つシューズとしては天文学的な数字であり、ナイキの中で最も売れているシューズとなっています。




Nike LD Waffle Sacai ナイキLDワッフルサカイ



Nike LD Waffle Sacaiは、2019年に発売された最高のナイキシューズの中で断トツであり、それはあなたが思っている以上に重みがあります。今日の市場で真新しいデザインがトップに上り詰め、最も売れているナイキの1つになるのを見ることはめったにありません。
こういったコラボレーションで生まれる靴の需要は非常に高く、今後もナイキとSacaiのスニーカーの発売が予定されているため、すぐに下落することはないでしょう。




Nike Blazer Mid ‘77 Vintage ナイキ ブレザー ミッド '77 ヴィンテージ



エアフォース1と同様に、ナイキ ブレザーミッド '77 ヴィンテージは、時代を超えたナイキ バスケットボールのデザインであり、常にスニーカーカルチャーの主役となっています。その長い歴史と永遠の人気は、男性のための最高のナイキの靴の一つです。Nike Blazer Mid '77は、ナイキの中で3番目に売れているシューズです。どんな場面でも印象に残るように作られたこのシューズは、履き込むほどに味わい深くなります。



レアもの部門

Nike MAG Back to the Future バック・トゥ・ザ・フューチャー




バック・トゥ・ザ・フューチャーIIでマーティ・マクフライがデロリアンから飛び出したとき、私たちは銀幕を飾った最高のナイキの1つ、ナイキMAGを目にしました。その数十年後、ナイキは「Nike Mag Back To The Future (2011)」を限定数でオークションにかけ、その収益のすべてをマイケル・J・フォックス・ファウンデーション・フォー・パーキンソンズ・リサーチに寄付しました。この非公式なリリースにより、このシューズは現存するナイキの中でも最も希少価値の高いものの一つとなりました。ニューヨークのナイキ本店では
現物を見ることができます。



Nike Dunk SB Low Paris 
ナイキ ダンク SB ロー パリ




最高のNIKEは、同じ靴でも2つとも違うほど個性的です。White DunkのためにリリースされたNike Dunk SB Low Paris。パリで開催されたアートイベント「Evolution of an Icon」のために発売されました。202足限定で発売され、一足一足がユニークです。フランスの画家、ベルナール・ビュフェの作品が、シューズのために切り抜かれたキャンバスに描かれています。発売から約17年経った今でも、パリ・ダンクは再販されていますが、その数は極めて少ないものです。このダンクは非常に希少で、平均再販価格は17,626ドルだそうです。




Nike Air Yeezy 2 Red October
ナイキ エア イージー 2 レッド オクトーバー



史上最も有名なミュージシャンのひとり、
カニエ・ウェストが、これまでに発売された中で最高のナイキを持っているのは当然のことです。2013年に発売されたNike Air Yeezy 2 Red Octoberは、瞬く間に完売し、即伝説化するような現象が起きました。このYeezy 2は、カニエのナイキ・サーガにおける最後のリリースとなり、最も記憶に残るものとなります。
Red Octobersのようなレアなスニーカーは利用価値より存在価値なのです。その価値は平均6,802ドルに達し、これまでのカニエ・ウェストのスニーカーの中で最も価値の高いものとなっています。




NikeCraft Mars Yard 1.0 
ナイキクラフト マーズヤード 1.0



もし10年前に、ナイキの最高のシグネチャーにアスリートやミュージシャンが関わっていないと言われても、信じられなかったでしょう。2012年、トム・サックスはナイキと提携し、「NikeCraft Mars Yard 1.0」を発売しました。このシューズは、ニューヨークで行われたスペースプログラムのイベントでのみ販売され、オンラインでの販売は行われませんでした。Mars Yard 2.0とMars Yard Overshoeのリリースが続いた後、オリジナルのMars Yardは二次市場でさらに希少になりました。こういった販売戦略はナイキだからこそできること。
ナイキというブランドが不滅とも思える底力をもつ所以でしょう。


2021年4月30日金曜日

春の風景

サムズアップ・アメリカ!

 桜とともに



いまこちらはようやく桜が満開で、新緑があふれ始めました。一年中で町が最も華やぐ、美しい季節です。

ということで、ここ数日散歩がてら、カメラ片手におらが町をぶらついて、桜を中心に撮り歩いてみました。日頃見慣れた場所でも新たな発見があって、やっぱり歩くことの大切さ、楽しさを再発見しました。


駅前にあるガゼボと桜の木がいいコンビネーションで並んでいます。すぐ隣のレストランには屋外テーブルが並んでいて、桜を見ながら食事できます。この桜の木の幹はさながら盆栽の木のようにごつごつと入り組んでいて、なかなか風流な味わいをかもしていて、気に入っています。






日の光を受けて白い花びらが映えるソメイヨシノもあります。周りにはエバーグリーンの針葉樹が立ち並び、そのコントラストの妙もアメリカならではのものです。






大きな邸宅の前庭にははや散り始めた桜の木が。日が暮れかけてもその華やかさは周りの景色の主役として、ひときわ人目を惹きます。






この季節になると、胸のオレンジも鮮やかなロビンが町のいたるところの飛び交います。人が近くにいても、一定の距離でどうどうと餌をあさる姿が印象的です。





桜の花が満開になると、チアリーダーのポンポンのようにまんまるくなった大きな塊になります。大きなものはハンドボール大にもなります。






下の写真は私の大好物のSUV/クロスオーバーと桜のツーショットです。ちょっと古めのシボレー・サバーバン。8人乗りで、カーゴエリアには特大のスーツケースが6個は収納できるタイプです。いやいやこの写真の主題は桜です。家の庭にこんな桜があるといいですねえ。





おっと、路上には綿毛姿のタンポポが私も忘れないでとばかりに、ぽつねんと風待ち顔でたたずんでいました。なのでこの子の目線で一枚パチリ。





タテ構図で桜の木が映えるのは、なにか高いものと並んだ姿。という事で見つけたのがアメリカの星条旗。ううん、何ともいい組み合わせではないですか。
ええ、もちろん桜は日の丸と相性ピッタリなのですが、この色合い、星条旗ともなななか様になっております。


上の二枚目の桜と星条旗は、旗の下のさくらの枝がクロスになっていて、なにかを象徴しているようにも見えます。



組み合わせの妙と言えば、民家のはざまでひっそりと咲いていたつつじの花と桜の木。これも赤系の色違いですが、何とも微笑ましく寄り添っているようで、絵になります。桜の木の苔むしたたたずまいも風流な絵に色どりを与えています。




児童公園のそばの桜も今が満開。花の重みで垂れさがった桜の枝が風に寄れて、小さな子供たちをあやしているかのようでした。





最後は女の子と桜のコンビネーション二枚です。まずは前ボケを強調して、絵の中の女の子が春の華やかさに包まれているように撮りました。傾けることで春の躍動感も加えてみました。




最後は桜の木にもたれかかる少女。この日は曇天だったのですが、桜の花の一つ一つが光を放つかのように、彼女を優しく包み込み、肌もこころなしか桜色に生えているような雰囲気を醸しておりました。




コールドスプリングは小さな町ですが、町の要所要所の桜の木があり、道行く人を楽しませます。日本人のような、花見に習慣のないアメリカの人でも、よく桜と一緒に記念写真を撮る姿を見かけます。ほかにもたくさんの花咲くなかでも、やはり桜は特別に映るのでしょうか。そんな光景を見ていて誇らしくなります。

アメリカには日本から寄贈された桜がたくさんあって、百数十年の間にいろんな場所へと増え拡がっていきました。日米友好の象徴として、これからも桜は米国民に愛され続けるでしょう。

























2021年4月29日木曜日

人気の立ち乗り電気スクーター

サムズアップ・アメリカ!
新しい移動手段だ




いまニューヨーカーの間で大人気の立ち乗りスクーター。売れすぎて在庫がないのが悩みという販売店で、いまこの立ち乗りスクーターがどのような状況なのか、聞いてみました。

ひと昔前の電動スクーターはバッテリーの容量が少なく、パワー不足でおもちゃの域を出ないものが大半でした。でも昨今、電気自動車の開発にともない大小さまざまな企業が電力を使った移動手段に真剣に取り組んできました。その結果、思わぬ副産物と言うか、これまで見過ごされてきた、時代遅れの電動スクーターが新たな装いでパワーアップし、リニューアルを果たしたのです。よっていま売れ筋となっているスクーターは耳慣れない企業名のものが多いです。

性能の向上とともに、売り上げの追い風となっているのが、今の社会状況です。コロナの影響で、公共交通機関の衛生問題がクローズアップされ、ニューヨーカーの間でタクシーの代わりに自転車が活用されるようになりました。事業としても配送手段に、渋滞を縫って走れる自転車は重宝され、今まで以上に需要が伸びていると言われます。

マンハッタンやブルックリン、クイーンズといった大都市圏に住む人にとっては、通勤や買い物などちょとした移動手段にもこれまでは地下鉄、タクシーを使うしかなかったのですが、いまや自由に動ける二輪移動が注目の的となっているのです。

そんななかでも今、最も熱い注目を集めているのが、電動スクーターです。

利点はとにかく軽量小型で、場所要らず。アパート住まいでも駐車の心配はいらないし、自転車よりも取り扱いが簡単です。近頃は用途に応じて様々な、種類のスクーターが出ているので、それぞれの目的に応じた機種が選べます。

街で颯爽とスクーターを駆る人を見て、久々にこれは欲しいと思いました。私が購入したのは、およそ15年前、Mongoose M200という機種で、バッテリーは重いわ、ブレーキは壊れやすいわ、熱持ちかひどいわでさんざんなシロモノでした。それ以来、スクーターは使いもんにならんと断じてきたのですが、いま市場に出回っている百花繚乱のスクーターを観ていると、食指が動かずにはいられません。そこで、この道のエキスパートの意見を聞き、今後の参考にしようと思いました。いま、いったいどのようなスクーターが売れているのでしょうか? Micro Scooters U.K.協会のベンギブソン氏や電動二輪愛好家ジェイコブエマーソン氏ら数人からの意見をまとめてみました。







専門家が選ぶベスト電動スクーター


公共交通機関の魅力が薄れている今、人々はA地点からB地点まで移動できるものなら何でも手に入れようとしています。そのため、自転車、ローラーブレード、電動スクーターの在庫を確保することができません。さらに、ニューヨーク州では、4月上旬に州予算の合意が成立し、電動自転車と電動スクーターが正式に合法化されました。これにより、電動自転車での移動が容易になりました。

新しい交通手段を検討している方には、持ち運びができ、エネルギー効率が高く、乗り心地がとても良い電動スクーターは特にお勧めです。また、電動スクーターの性能は年々向上しています。Micro Scooters U.K.のマネージング・ディレクター、ベン・ギブソンは、「バッテリー技術は年々大きく進歩しており、充電時間が短く、航続距離も長くなっています」とのこと。そうなんです。私が乗っていた15年前のものと今のでは、まずバッテリーの進化が著しいのです。そこが大きなポイント。

スクーターを購入する際に考慮すべき主な要素は、重量、走行距離、そしてバッテリーです。一般的に、スクーターの重さは20〜90ポンド、時速は15〜50マイル、走行距離は15〜75マイルとなっており、これらを念頭に置いてモデルを比較する必要があります。私が話を聞いた専門家たちは、初めて購入する人には、何よりも軽いスクーターを探すことを勧めていました。「アパートやオフィスからスクーターを出し入れすることを考えてください」と、スクーターの定期購入サービス「Brooklyness」の共同設立者であるCEOのManuel Saez氏は言います。日常使用するスクーターは取り回しが重要なポイントなのです。

また、私が話を聞いた専門家の多くは、理想的なコンディションではない場合でも、スクーターがスムーズに道路を滑ることができるサスペンションの重要性を強調しています。ニューヨークの「Joulvert Electric Bikes and Scooters」のオーナーであるKC Cohen氏が言うように、十分なサスペンションがなければ、「ジャックハンマーに乗っているような感覚になる」とのことです。
Gibson氏は、E-Scooter市場には安価なモデルが氾濫しており、「堅牢性の低い部品が使われていることが多く、製品のリコールが発生しやすい」と警告しています。Greenpath Electric Bicycles社のDamon Victor氏も同意見で、「安いサスペンションのスクーターは買わないようにしましょう。スピードを出しているときにサスペンションが壊れたら、大変なことになります」。

また、Levy Electric社のCEOであるEric Levenseller氏は、「販売後のサポートがどの程度受けられるのか」という点にも注意が必要だと言います。また、初めて購入する人は、「電動スクーターを所有すると、メンテナンスがほとんど必要なく、従来の自転車と同じように長く使えると思っている」ことが多いと付け加える。しかし、電動スクーターは、そのデザインはシンプルですが、複雑な電子機器やバッテリーシステムを搭載しており、長期的には交換が必要になる可能性が高いのです」。
つまり買いっぱなしでは済まない。スクーターには定期的なメンテが必要なのです。私たちが話を聞いたほとんどすべての専門家がこの意見に同意しました。
購入する前に、あなたの電動スクーターが適切なメンテナンスを受けることができ、交換可能な部品に対する保証が充実していることを確認してください。そこで、電動スクーターの専門家4名(他に2名)に、最も評価の高い電動スクーターを聞いてみました。彼らのお勧めはこちらです。




格安電動スクーター



グリオン・ドリー   $459

Victor氏は、この製品を 「安価でめちゃくちゃ信頼性が高い」と言っています。彼によると、Dollyは軽量なので、比較的簡単に街中を運ぶことができる一方で、ハンドルを引き出して、車輪付きのキャリーバッグのように、2つの小さな専用ホイールで転がすことができる「ドーリー」機能も内蔵されています。ドリーは特にスリリングには聞こえないかもしれませんが、この機能を備えたeスクーターはリストの中で唯一です。バッテリー残量が少なくなったときには、ドーリー機構を使って充電ステーションまで転がすだけで、30ポンド近いスクーターを持ち歩かずに済むので、特に便利です。

重量:28ポンド
航続距離 15マイル
重量制限: 255ポンド
充電時間 4~6時間



ベスト軽量電動スクーター



マイクロマーリン   $800

Micro Merlinは、Micro Scooter U.K.で最も売れている電動スクーターのひとつだとGibson氏は言います。軽量で、4段階のスピード調整が可能なので、あらゆる旅に適しています。また、Merlinには、楽に走れるクルーズコントロールと、快適さのための一体型デュアルサスペンション、回生ブレーキによる3時間のフル充電、LCDディスプレイ、15マイルの航続距離 が備わっていると述べています。重量は、リストの中でも最も軽い部類に入るわずか24ポンドで、220ポンドの体重を支えることができます。

重量:24ポンド
航続距離 15マイル
重量制限: 220ポンド
充電時間 3時間




より長い距離を走るのに最適な電動スクーター



デュアルトロン・サンダー電動スクーター   $3,699

MiniMotors USAのブランドマネージャーであるJohn Klingerは、「これは電動スクーターのテスラロードスターです」と言います。重量は95ポンドと、他の推奨モデルの約3倍ありますが、「最大75マイルの航続距離を実現する巨大なバッテリーパック、最高速度50マイル以上(責任を持って走行してください)、調整可能な素晴らしいサスペンションを搭載しています」とキンガー氏は言います。
このスクーターは長距離走行に最適で、今回のリストの他のモデルの約3倍の航続距離を誇ります。また、理想的な道路状況ではない場所を移動する場合に最適な超ワイドタイヤを装備しています。「充電に50セントかかるのに、航続距離が50マイルもあるパーソナルトランスポートデバイスがあるというのは、非常に素晴らしいことです」とクリンガーは言います。

重量:95ポンド
航続距離 75マイル
重量制限:265ポンド
充電時間:20時間



通勤・通学に最適な電動スクーター



レビー電動スクーター   $499

Levenseller氏は、「主に短距離の通勤に使用する人にとって、Levyのオリジナルモデル以上の選択肢はないと思います」と述べています。バッテリーが取り外し可能な唯一の電動スクーターでもあるので、充電のためにスクーター全体を持ち歩く必要がありません。バックアップ用のバッテリーは、スクーターのステム部分、ハンドルのすぐ下に収納できます。航続距離は10マイル、充電時間は3時間、重さは約27ポンドです。つまり、地下鉄で一緒に運んだり、階段を上ったり、オフィスにしまったりすることは問題にならないということです。これは通勤など日常使う人にとっては見逃せないポイントですね。

重量:27ポンド
航続距離 10マイル
制限重量:230ポンド
充電時間 3時間




より多くの重量を運ぶのに最適な電動スクーター



マグナム・IMAX S1+   $1,000

IMAX S1は、「ハンドル上のコントロールパネル」で出力を調整できます。これにより、スピードを上げたり、坂道を登ったりするためにパワーを上げることができます。また、低めに設定することで、より遠くへ、より良い距離を走ることができます。バッテリーが満タンになるまでの時間は約3時間で、航続距離は最大20マイル、最高速度は20マイルに達します。IMAX S1は、eスクーターの中では重めの部類に入り、重さは約36ポンドです。
強力なモーターと空気入りタイヤを備えているため、長時間の快適な走行が可能です。しかし、専門家が推奨する他のモデルよりも12ポンド近く重く、これが人によっては大きな欠点となる可能性があります。

重量:36ポンド
航続距離: 20マイル
重量制限: 4.5kg
充電時間 3時間




快適な乗り心地のベスト電動スクーター



Inokim OX   $1,700

「これは、スクーター界のマセラティだ」とビクターは言います。1回の充電で40マイル以上走るパワフルなモーターのせい、だけではありません。
氏いわく「高度なサスペンションシステムにより、市場で最も簡単にコントロールし、扱うことができるスクーターの1つだからです」。このサスペンションのおかげで、ロングライドでも最も快適なスクーターの一つになっているとのことです。最高速度は時速15.5マイルで、エコモード設定を使用すれば68マイルの走行が可能ですが、フル充電には7時間待たなければなりません。さらに、重さはわずか27ポンドで、最大で264ポンドの重量を保持することができます。

重量:27ポンド
航続距離 68マイル
重量制限: 264ポンド
充電時間 6時間


いかがでしたか。アメリカではスーツを着たビジネスマンからラフなTシャツにジーンズのキッズまで、じつに幅広い層にこの電動スクーターは愛用されています。
あまりの人気で、現状、人気の商品は入手は予約してから1か月待ちもザラだという事です。もちろんえり好みせず、予算に余裕のある方は、明日にでも手にできます。今後はさらに需要が見込めるという事で、海外製造のメーカーでは増産を予定しているところも多いと聞きます。いまからしっかり吟味して、あなたにあったピッタリの一台を見つけてください。









2021年4月28日水曜日

異例ずくめのアカデミー賞

サムズアップ・アメリカ!
オスカーは誰の手に



第93回アカデミー賞が4月25日に開催されました。またオンラインによる盛り上がりに欠けるビデオのつなぎ番組だろうと思ってい見ていたら、予想に反するものでした。
スケールは縮小したものの、きっちり伝統の会場パーティ形式だったのです。時節柄、これはマスコミやうるさがたに叩かれるだろうと思いましたが、一夜明けた反応はさほど目立った批判はありませんでした。
主要な受賞作がどれも妥当というか、秀作揃いで、良心的で、誰もが好意的に受け止めざるを得ない作品、的なモノだったからかもしれません。
最優秀作品賞にしてもアカデミー賞にしては、地味で、華にかけるきらいは否めません。でも力作であることには異論はなく、今年随一の作品であることは、多くのレビューを見ても分かる通りです。


その『ノマドランド』は今回最多の3冠に輝きました。季節労働の現場を渡り歩くノマド(遊牧民)の姿を描いた同作は、『ファーザー』『Judas and the Black Messiah(原題)』『Mank/マンク』『ミナリ』『プロミシング・ヤング・ウーマン』『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』『シカゴ7裁判』を抑えて作品賞を獲得しました。

監督のクロエ・ジャオが、女性としては2人目、また有色人種としては初の監督賞受賞という快挙を果たし、さらにもはや名優の域に達したフランシス・マクドーマンドが主演女優賞に輝きました。





それにしても今年の米アカデミー賞授賞式はアジア系女性の活躍が目立ちました。作品賞は「ノマドランド」、監督賞は同作を手がけた中国出身のクロエ・ジャオ監督が白人以外の女性として史上初の栄誉です。
さらに助演女優賞は、韓国人移民の家族を描いた「ミナリ」に祖母役で出演したユン・ヨジョンさん。韓国人俳優として初めての獲得です。白人男性に偏っていると批判されてきた映画芸術科学アカデミーが、多様性を目指して進めてきた改革の成果が表れたとの見解ですが、中には忖度しすぎという意見もあります。公平に見てアジアの映画はアカデミー賞(らしい)候補に挙がる作品の比率は少ないです。そんななかから優れた作品を無理やり引っ張り出してきて祭り上げた、という意見があるのは致し方ないかもしれません。


今回の授賞式は、スティーブン・ソダーバーグ監督の指揮のもと、テレビ番組のプロデューサーたちが、従来の流れを変え、予定よりも早く作品賞を発表しました。(いつもなら最後にとっておくパターンですね)

あくまでも私見ですが、今回、授賞式のエンディングは主演男優賞のために用意されてたのではないでしょうか。端的に言って、故チャドウィック・ボーズマンへのオマージュで締めくくることを大方のファンが想定していたと思えるのです。
2月に開催されたゴールデングローブ賞では、ボーズマンの未亡人であるテイラー・シモーネ・リードワード氏が、癌のために43歳で亡くなる前のボーズマンの功績を称える感動的なスピーチを行いました。
同様に、ボーズマンが受賞すれば日曜日のハリウッドショーの最後を飾るにふさわしい、拍手喝さいエンディングとなったでしょう。通常の感謝の言葉やお別れの挨拶よりもインパクトのあるものになったはずです。

ところがどっこい、そうはなりませんでした。既報の通り、最優秀主演男優賞はアンソニー・ホプキンスの手に渡ったのです。
正直、「ええっ!?」と思いました。これ私だけではないでしょう。
「Father」は未見ですが、評論家や映画レビュアーから高い評価を受けていることは聞いていました。しかし円熟の機を越えた感のある高齢のアンソニー・ホプキンス、栄誉賞なら納得ですが、今年のオスカートップをもっていくほどのいい演技をしていたのでしょうか。これはもう観て判断するしかありませんね。
ただアカデミー賞運営側としては、この夜のショーのエンディングに別の盛り上がりを夢見ていたことは間違いないでしょう。でもいまヘイトクライムが批判される昨今、黒人俳優が頂点を極めるのもシナリオとしてはデキすぎかもしれません。そうなったら一部のうるさがたはやれ茶番だの出来レースだのと言いかねませんからね。






ともあれ、この盛り下がったエンディングには拍子抜けでした。なにせ当の受賞者であるアンソニー・ホプキンスの陰すら現れなかったのですから。最低でも中継で御大の一言が欲しかったところです。

いやほんとうに、今回のアカデミー賞は中途半端な肩透かしで幕を閉じました。


振り返ってみると、今年のアカデミー賞は異例ずくめでした。多くの恒例を配し演出に苦労のあとが散見されます。いつもだとオープニングからコメディアンがにぎやかに笑いを取るところですがそこも控え、できる限り映画俳優中心で場をつないでいきました。
ちょっとぎこちない場面転換もご愛敬で、そこは受賞者たちの控えめかつ率直なリアクションでうさん臭さを極力排除できたのは良かったのではないでしょうか。

今回のアカデミー賞はその慣習のなさから解放されたように感じられました。確かにソーシャルディスタンシングでガランとした感のある小ぶりなメイン会場、いつもなら場を臨場感たっぷりに盛り上げるオーケストラピットのない中、最低限の音響演出で切り抜けた感があります。
観客数を減らして、アカデミーは長年の本拠地であるハリウッドのドルビー・シアターから撤退しました。今年のUnion Stationはコンパクトでも豪華な背景となり、番組制作チームはロビーの美しい特徴と自然光を最大限に活用しました。
また、ディナーシアター形式の客席では、その場で軽音楽の演奏をすることができます。いっぽうで、ディナーシアター形式の座席は、オスカーの醍醐味であるゆるやかさや親密さを失わせてしまいました。年初に先駆けて行われたゴールデングローブ賞があまりにも物足りないものであったことを考えると、この効果は先の反省に基づくものだったのでしょう。






過去2回の授賞式と同様に、この日の授賞式には場を盛り上げる役の司会者がいませんでした。どうやら、これはあらたなる慣習として定着しそうです。うまく行ってるなと思えたのは、司会者の代わりに、プレゼンターやカメラマンが群衆の間を縫って回ること。それが観客が現場の空気感、距離感を理解するのに役立ちました。
大規模な劇場を舞台のように撮影することなく、ほぼ遠目から見ることで、演出効果は格段に上がりました。いつものようにワイドショーやカットショーではなく、美しい照明で撮影された俳優たちがクローズアップされ、より親近感のわく演出でこれは成功だったと思います。

ゲストの紹介は、簡単な経歴が紹介されることもあれば、作品について口頭で説明されることもありました。ポン・ジュノ監督が韓国から中継で監督賞を発表した際には、撮影現場での作家の静止画を見ながら各候補者のコメントを読み上げました。こういったオスカーの新たな取り組みは今後もニュースタンダードになるかもしれません。願わくば、日本映画が候補に挙がったときにも、このような国民の湧くような演出を日本人俳優とともにやって欲しいものです。


この番組の最後の15分は世間的に議論の対象になっているようです。監督のChloé Zhaoがアカデミー賞史上初の有色人種女性監督賞を受賞した『Nomadland』は、本当の意味での勝利の宴にふさわしい作品でした。そこに異論をはさむ人はあまり見受けられません。
しかしこの作品は、今年だから受賞できたと言えるかもしれません。言ってみれば近年の白人中心映画界の反省の流れで受賞に至った『ムーンライト』や『パラサイト』が作品賞のあった上での積み重ねの結果です。ようやくアジア映画の取り組みにも、ハリウッドは目を向けざるを得なくなったという事でしょう。
ほとんどが演技初心者であるという、この「ノマドランド」のキャストが受賞する姿は、アカデミー賞のいつもの練り上げられたスタッフや俳優のリアクションより新鮮でした。
これが一過性のものとなるのか、例年ハリウッド作品と競り合うことになるのかは、まだ分かりません。
番組に加われなかった最優秀男優賞のアンソニー・ホプキンスに批判の声も聞かれます。しかし高齢なうえ、今年のような異常事態でのライブ放送では、そうおいそれとアドリブを利かせることも難しいと思われます。
彼への批判は実際の受賞作を観てからにした方がよいと思います。

ともあれお祭りは滞りなく終わりました。華やかさが取り柄のアカデミー賞という見られ方もありますが、今回はいろいろ細かいところで、制作スタッフの苦心の跡も見え隠れするイベントでした。映画界を盛り上げ、ふたたび観客が映画館に詰めかける安全な日が来ることを祈り、今年もよりよい映画が見られるように願わずにはいられません。




なお各部門の受賞は以下の通りでした。


作品賞 『ノマドランド』
主演女優賞 フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』
主演男優賞 アンソニー・ホプキンス『ファーザー』
助演女優賞 ユン・ヨジョン『ミナリ』
助演男優賞 ダニエル・カルーヤ『Judas and the Black Messiah(原題)』
監督賞 クロエ・ジャオ『ノマドランド』
脚色賞 クリストファー・ハンプトン、フロリアン・ゼレール『ファーザー』
脚本賞 エメラルド・フェネル『プロミシング・ヤング・ウーマン』
衣装デザイン賞 『マ・レイニーのブラックボトム』
作曲賞『ソウルフル・ワールド』
短編アニメーション賞 『愛してるって言っておくね』
短編実写映画賞 『隔たる世界の2人』
長編ドキュメンタリー賞 『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』
短編ドキュメンタリー賞 『コレット』
国際長編映画賞 『アナザー・ラウンド』
音響賞 『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』
美術賞 『Mank/マンク』
編集賞 『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』
撮影賞 『Mank/マンク』
視覚効果賞 『TENET テネット』
長編アニメーション賞 『ソウルフル・ワールド』
メイク・ヘアスタイリング賞 『マ・レイニーのブラックボトム』
歌曲賞 「ファイト・フォー・ユー」(『Judas and the Black Messiah(原題)』)

2021年4月27日火曜日

注目の次世代SUV

サムズアップ・アメリカ!
ベールを脱いだキャデラック電気車




いま行われている上海オートショーでは世界の自動車メーカーから次世代のクルマがぞくぞく紹介されています。これまでもハイブリッドや電気自動車のコンセプトカーは各オートショーにて紹介されてきましたが、今年はもう各社本気を出して脱ガソリンの動きを本格化させている印象です。

アメリカではすでにテスラ車が本格普及をはじめ、ちょっとした町の片隅にも給電施設が見られるようになってきました。

電化に向けて動きの鈍かったアメリカの自動車メーカーもテスラの成功を見て確信したのでしょうか、ここへきて一気に方向転換してきたような印象を受けます。

今年の上海オートショーでは近未来を先取りしたような新型車が次々と登場しています。
この中で今回注目したのは、GM系列で初の本格SUVエレクトリックカーです。

その名もLyriq

アメリカ自動車業界最大手のジェネラルモーター社の高級車部門キャデラックから発表されたラグジュアリータイプの完全電池燃料で動くSUVです。
自分自身、いま仕事でキャデラックに乗っているので、いやがうえにも注目させられます。
キャデラックと言えば、いまでも多くの人が、60- 70年代のあの角ばったやたら平たく幅広い巨大な乗用車を思い浮かべるのではないでしょうか。下のキャデラック・フリートウッドは70年代に人気を博した高級自家用車で、アメリカではお金持の象徴のように扱われた時代もあります。




この独特のゴリゴリしたデザインは以後現代まで引き継がれるキャデラックの伝統です。
しかし車のモデルチェンジは年々加速されていき、キャデラックも変革を余儀なくされています。私の乗る2015年製のSRXももはや旧車に属するように、ここ数年厳しい時代の流れの晒されています。
そんな中、出る出ると噂されていた、完全電化のSUVが上海の地でついにベールを脱いだのが「Lyriq」です。リリックと呼ぶそうですが、これまでのキャデラック車にはない響きのモデル名です。
いったいどんな車なのでしょうか。SUVファンならずとも興味が湧くのではないでしょうか。




ファーストインプレッション

キャデラックがついに初めて高級電気自動車市場に参入しました。シャープなスタイリングとモダンなキャビンを備えたSUV「Lyriq」です。
キャデラックは、シングルモーターの後輪駆動とデュアルモーターの全輪駆動の両方のモデルを提供し、300マイル以上の走行距離を持つ新しいSUVになると述べています。
Lyriqは、ゼネラルモーターズ社の新しいスケーラブル・バッテリー・アーキテクチャーに基づいてゼロから設計されており、EV専用アーキテクチャーの利点として、低重心と広いキャビンを挙げています。Lyriqは、2023年モデルとして、2022年初頭に発売される予定です。




2023年が勝負の年

Lyriqは、キャデラックにとって新しいブランド名であるだけでなく、キャデラック初のオール電化製品でもあります。発売されれば、Audi e-tron、Jaguar I-Pace、Tesla Model Xなどの大物と真っ向勝負することになります。


キャデラックは今のところ、Lyriqのベース価格を59,995ドルという魅力的な価格でしか明らかにしていません。そのため、上位のトリムレベルの価格を推測しています。また、Lyriqのラインアップや、さまざまな標準装備、オプション装備については、発売日に近い時期に明らかになると思われます。まだどのようなラインアップがどういった構成で出されるのか不明ですが、本格普及は2023年になると見られます。






エンジン、トランスミッション、パフォーマンス

Lyriqは、リアアクスルに電気モーターを搭載した後輪駆動が標準仕様で、全輪駆動はオプションとなり、フロントに第2のモーターを搭載して車輪を駆動します。キャデラックはこれまで、Lyriqの全輪駆動のパワートレインについて詳細を明らかにしてこなかったため、どのくらいの馬力が出るのかはわかりません。
いずれにしても、電気モーターの即効性により、少なくとも低速域での加速が活発になることは間違いありません。例えば、I-Paceの場合、時速60kmまでわずか4.3秒で到達しましたが、Lyriqも同様のパフォーマンスを発揮することが期待されます。
私はキャデラックの中高速時の安定性能には全幅の信頼を推せていますので、この傾向は電化されても変わらないことを信じたいです。



航続距離、充電時間、バッテリー寿命

ゼネラルモーターズは、LyriqとともにUltiumと呼ばれる新しいEV用バッテリー技術を発表します。この技術により、50.0kWhから200kWhの範囲でバッテリーを生産することができますが、最大のサイズは、次期GMC Hummer EV SUTのような大型EVピックアップトラックにのみ使用されると言われています。キャデラックは、Lyriqには約100kWh相当の容量のバッテリーを搭載し、1回の充電で300マイル以上の走行が可能になるはずだと主張しています。DC高速充電機能は標準装備されますが、家庭用コンセントでも充電できるようになる予定です。



燃費と実走行時のMPG

今のところ、Lyriqの推定燃費(MPGe)についてEPAからの発表はありませんが、SUVの発売日近くには発表されるものと思われます。また、今後、Lyriqを高速道路での200マイルの燃費テストが公開発表されるとのことですので、その際には改めて結果をお知らせしたいです。






インテリア・快適性・カーゴスペース

コンセプトカーでは、わずか4つのシートと、前席2つと後席2つを仕切るセンターコンソール、そして後席乗員用のタッチスクリーンを搭載したモデルが公開されていましたが、市販車ではより伝統的なリアベンチシートを採用しています。
キャデラックは、EV専用アーキテクチャーを採用することで、より風通しの良いオープンなキャビンを実現し、乗員が快適に過ごせるスペースを確保したとしています。
また、より進化したノイズキャンセリング技術により、車内のロードノイズを低減しているといいます。広々とした室内空間を実現しているようですが、実際に試乗レポートが出るのを待ちたいと思います。



インフォテイメントとコネクティビティ

Lyriqのダッシュボードは、2021年の新型エスカレードと同様に、巨大な33.0インチの湾曲した先進的なLEDディスプレイで占められており、SUVのインフォテイメントシステムとドライバーのメーターディスプレイの両方の役割を果たしています。

キャデラックのフラッグシップSUVエスカレードでは、インフォテイメントシステムをセンターコンソールのクリックホイールで操作できるようになっており、タッチスクリーンが苦手なドライバーにはありがたいシステムです。
Apple CarPlay、Android Auto、Wi-Fiホットスポットは、Lyriqがキャデラックのショールームに導入される際には、すべて標準装備される予定とのこと。また、ハイエンドオーディオのエキスパートであるAKG社製の19スピーカーステレオシステムも搭載されます。これは期待したいですね。




安全性と運転支援機能

キャデラックは、Lyriqに多くの運転支援機能を搭載することを期待しています。キャデラックによると、キャデラックの半自動運転技術「スーパークルーズ」も提供される予定です。Lyriqの衝突試験結果については、米国道路交通安全局(NHTSA)および米国道路安全保険協会(IIHS)のウェブサイトをご覧ください。主な安全装備は以下の通りとなるようです。


・歩行者検知機能付き自動緊急ブレーキを標準装備

・レーンキーピングアシスト付き車線逸脱警報を用意

・アダプティブ・クルーズ・コントロール(半自動運転モード付)を用意



同サイズのキャデラックXT5およびXT6と同様に、Lyriqにもライバルとなる他社製リムジン車に勝るパワートレイン保証が提供されると謳っています。
キャデラックは現在、最初のディーラーでのメンテナンスをカバーしていますが、I-Paceのようなライバルは、より長い期間の無料メンテナンスを提供しています。Lyriqのバッテリー保証は、シボレー・ボルトの8年または10万マイルに匹敵するものと期待しています。


今のところ、この車に関しては発表されたばかりで、詳細の定かでない面はご了承ください。この発表に際し、キャデラック社およびその系列からいきなりYouTubeはじめ、SNSなどで大量のコマーシャル映像が投入されました。それを見ても、キャデラックのエレクトリックビークルに対する取り組みが、なみなみならぬものを感じます。

私は個人的にそう遠くない未来、この車で仕事をすることになるかも、そんなことを今は夢想しています。