2021年4月27日火曜日

注目の次世代SUV

サムズアップ・アメリカ!
ベールを脱いだキャデラック電気車




いま行われている上海オートショーでは世界の自動車メーカーから次世代のクルマがぞくぞく紹介されています。これまでもハイブリッドや電気自動車のコンセプトカーは各オートショーにて紹介されてきましたが、今年はもう各社本気を出して脱ガソリンの動きを本格化させている印象です。

アメリカではすでにテスラ車が本格普及をはじめ、ちょっとした町の片隅にも給電施設が見られるようになってきました。

電化に向けて動きの鈍かったアメリカの自動車メーカーもテスラの成功を見て確信したのでしょうか、ここへきて一気に方向転換してきたような印象を受けます。

今年の上海オートショーでは近未来を先取りしたような新型車が次々と登場しています。
この中で今回注目したのは、GM系列で初の本格SUVエレクトリックカーです。

その名もLyriq

アメリカ自動車業界最大手のジェネラルモーター社の高級車部門キャデラックから発表されたラグジュアリータイプの完全電池燃料で動くSUVです。
自分自身、いま仕事でキャデラックに乗っているので、いやがうえにも注目させられます。
キャデラックと言えば、いまでも多くの人が、60- 70年代のあの角ばったやたら平たく幅広い巨大な乗用車を思い浮かべるのではないでしょうか。下のキャデラック・フリートウッドは70年代に人気を博した高級自家用車で、アメリカではお金持の象徴のように扱われた時代もあります。




この独特のゴリゴリしたデザインは以後現代まで引き継がれるキャデラックの伝統です。
しかし車のモデルチェンジは年々加速されていき、キャデラックも変革を余儀なくされています。私の乗る2015年製のSRXももはや旧車に属するように、ここ数年厳しい時代の流れの晒されています。
そんな中、出る出ると噂されていた、完全電化のSUVが上海の地でついにベールを脱いだのが「Lyriq」です。リリックと呼ぶそうですが、これまでのキャデラック車にはない響きのモデル名です。
いったいどんな車なのでしょうか。SUVファンならずとも興味が湧くのではないでしょうか。




ファーストインプレッション

キャデラックがついに初めて高級電気自動車市場に参入しました。シャープなスタイリングとモダンなキャビンを備えたSUV「Lyriq」です。
キャデラックは、シングルモーターの後輪駆動とデュアルモーターの全輪駆動の両方のモデルを提供し、300マイル以上の走行距離を持つ新しいSUVになると述べています。
Lyriqは、ゼネラルモーターズ社の新しいスケーラブル・バッテリー・アーキテクチャーに基づいてゼロから設計されており、EV専用アーキテクチャーの利点として、低重心と広いキャビンを挙げています。Lyriqは、2023年モデルとして、2022年初頭に発売される予定です。




2023年が勝負の年

Lyriqは、キャデラックにとって新しいブランド名であるだけでなく、キャデラック初のオール電化製品でもあります。発売されれば、Audi e-tron、Jaguar I-Pace、Tesla Model Xなどの大物と真っ向勝負することになります。


キャデラックは今のところ、Lyriqのベース価格を59,995ドルという魅力的な価格でしか明らかにしていません。そのため、上位のトリムレベルの価格を推測しています。また、Lyriqのラインアップや、さまざまな標準装備、オプション装備については、発売日に近い時期に明らかになると思われます。まだどのようなラインアップがどういった構成で出されるのか不明ですが、本格普及は2023年になると見られます。






エンジン、トランスミッション、パフォーマンス

Lyriqは、リアアクスルに電気モーターを搭載した後輪駆動が標準仕様で、全輪駆動はオプションとなり、フロントに第2のモーターを搭載して車輪を駆動します。キャデラックはこれまで、Lyriqの全輪駆動のパワートレインについて詳細を明らかにしてこなかったため、どのくらいの馬力が出るのかはわかりません。
いずれにしても、電気モーターの即効性により、少なくとも低速域での加速が活発になることは間違いありません。例えば、I-Paceの場合、時速60kmまでわずか4.3秒で到達しましたが、Lyriqも同様のパフォーマンスを発揮することが期待されます。
私はキャデラックの中高速時の安定性能には全幅の信頼を推せていますので、この傾向は電化されても変わらないことを信じたいです。



航続距離、充電時間、バッテリー寿命

ゼネラルモーターズは、LyriqとともにUltiumと呼ばれる新しいEV用バッテリー技術を発表します。この技術により、50.0kWhから200kWhの範囲でバッテリーを生産することができますが、最大のサイズは、次期GMC Hummer EV SUTのような大型EVピックアップトラックにのみ使用されると言われています。キャデラックは、Lyriqには約100kWh相当の容量のバッテリーを搭載し、1回の充電で300マイル以上の走行が可能になるはずだと主張しています。DC高速充電機能は標準装備されますが、家庭用コンセントでも充電できるようになる予定です。



燃費と実走行時のMPG

今のところ、Lyriqの推定燃費(MPGe)についてEPAからの発表はありませんが、SUVの発売日近くには発表されるものと思われます。また、今後、Lyriqを高速道路での200マイルの燃費テストが公開発表されるとのことですので、その際には改めて結果をお知らせしたいです。






インテリア・快適性・カーゴスペース

コンセプトカーでは、わずか4つのシートと、前席2つと後席2つを仕切るセンターコンソール、そして後席乗員用のタッチスクリーンを搭載したモデルが公開されていましたが、市販車ではより伝統的なリアベンチシートを採用しています。
キャデラックは、EV専用アーキテクチャーを採用することで、より風通しの良いオープンなキャビンを実現し、乗員が快適に過ごせるスペースを確保したとしています。
また、より進化したノイズキャンセリング技術により、車内のロードノイズを低減しているといいます。広々とした室内空間を実現しているようですが、実際に試乗レポートが出るのを待ちたいと思います。



インフォテイメントとコネクティビティ

Lyriqのダッシュボードは、2021年の新型エスカレードと同様に、巨大な33.0インチの湾曲した先進的なLEDディスプレイで占められており、SUVのインフォテイメントシステムとドライバーのメーターディスプレイの両方の役割を果たしています。

キャデラックのフラッグシップSUVエスカレードでは、インフォテイメントシステムをセンターコンソールのクリックホイールで操作できるようになっており、タッチスクリーンが苦手なドライバーにはありがたいシステムです。
Apple CarPlay、Android Auto、Wi-Fiホットスポットは、Lyriqがキャデラックのショールームに導入される際には、すべて標準装備される予定とのこと。また、ハイエンドオーディオのエキスパートであるAKG社製の19スピーカーステレオシステムも搭載されます。これは期待したいですね。




安全性と運転支援機能

キャデラックは、Lyriqに多くの運転支援機能を搭載することを期待しています。キャデラックによると、キャデラックの半自動運転技術「スーパークルーズ」も提供される予定です。Lyriqの衝突試験結果については、米国道路交通安全局(NHTSA)および米国道路安全保険協会(IIHS)のウェブサイトをご覧ください。主な安全装備は以下の通りとなるようです。


・歩行者検知機能付き自動緊急ブレーキを標準装備

・レーンキーピングアシスト付き車線逸脱警報を用意

・アダプティブ・クルーズ・コントロール(半自動運転モード付)を用意



同サイズのキャデラックXT5およびXT6と同様に、Lyriqにもライバルとなる他社製リムジン車に勝るパワートレイン保証が提供されると謳っています。
キャデラックは現在、最初のディーラーでのメンテナンスをカバーしていますが、I-Paceのようなライバルは、より長い期間の無料メンテナンスを提供しています。Lyriqのバッテリー保証は、シボレー・ボルトの8年または10万マイルに匹敵するものと期待しています。


今のところ、この車に関しては発表されたばかりで、詳細の定かでない面はご了承ください。この発表に際し、キャデラック社およびその系列からいきなりYouTubeはじめ、SNSなどで大量のコマーシャル映像が投入されました。それを見ても、キャデラックのエレクトリックビークルに対する取り組みが、なみなみならぬものを感じます。

私は個人的にそう遠くない未来、この車で仕事をすることになるかも、そんなことを今は夢想しています。

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