2021年4月11日日曜日

史上最安値! ニコンZ50

Nikon Z50は今が買いだ!?

混戦模様のフルサイズミラーレスに注目が集まる中、APS-Cミラーレス機の動きが気になります。


ミラーレス普及の旗頭ソニーはa6000シリーズを入門機、中級機、上級向けと幅広い布陣で盤石の布陣を崩しません。筐体のベースもマイナーチェンジで変化に乏しく、飽きられるかと思いきや、やはり爆速オートフォーカスの影響か、いまでも高い人気を誇っています。
キャノンはEF-MマウントのAPS-Cを現状8機種揃えていますが、レンズの開発が停滞気味で、路線変更のうわさが絶えません。
APS-Cミラーレスで気を吐いているのがフジフィルム。いま14機種のAPS-Cミラーレスをラインアップしており、ハンディなものからプロユースまで、それぞれの特徴を生かした幅広さがウリです。加えてレンズ資産も豊富で、単焦点レンズだけで13本ものストックがあります。
こういったトップカメラメーカーがしのぎを削る中、ニコンはミラーレスカメラへのシフトが遅れ、APS-Cでは現在たった一台しか販売されていません。大手カメラメーカーとしては大誤算と言えるのではないでしょうか?

しかしこのたった一台のニコンZ50がライバル機の存在を揺るがしています。もはやその実力は折り紙付きで、発売以来どこのレビューを見てもキットレンズと合わせて絶賛に次ぐ絶賛なのです。
2019年の発売ですのでそろそろ後継機種もしくはZ30などの兄弟機種が出てもいいころ合いですが、ここにきて市場の相場価格がぐいぐい下がって、買い頃になってきたのです!

日本では発売当初標準ズームレンズキットで13万円台だったのが、今月に入って11万7千円台、最安値は10万円を切るところも出ています。アメリカではもっとエスカレートしており、このキット2021年現在最安値700ドル台にまで下がって争奪戦が始まっています。この春の行楽を狙ったセールスということで、この時期の売れ行き次第ではまた値上がりも予想されます。まさに今が買い!かもしれないという思案どころですね。






ニコンZ50は、ちょうどフルサイズのZシリーズを小型化したような、コンパクトな筐体となっています。旅行用カメラとしても最適ですし、ニコンのデジタル一眼レフカメラからの移行を考えている方や、ニコンが好きな方にもお勧めです。優れた操作性、優れたコストパフォーマンス、魅力的な機能を備えたZ50には、いくつかの点で少し物足りなさを感じるものの、多くの魅力を備えた高ポテンシャルなカメラです。

ニコンは、ミラーレス一眼の世界で「Nikon Z6」で堂々のデビューを果たし、現在ベストカメラのトップを争うオールラウンダーです。そして、APS-Cカメラでも同じことをやろうと、より小型で趣味性の高い「Nikon Z50」を発表したのです。

初心者の方に改めてご説明すると、APS-Cカメラとはデジタル一眼レフカメラの黎明期に主流となったセンサーフォーマットで、フルサイズ機の下に位置するカメラに採用されています。フルサイズよりも小さく、ニコンではDXフォーマットと呼んでいますが、普段撮りにも便利なコンパクトで手頃なボディに搭載されています。

ニコンZ50は、APS-Cカメラとしては決して小さくはありません。ニコンは、デジタル一眼レフカメラからの移行層を意識してか、富士フイルムのX-T30のような超小型ボディを犠牲にして、ゆったりとしたグリップというハンドリングを優先しました。

Z50の特徴は、Z7やZ6で採用されたZマウントを採用していることです。つまり、すでに発表されているZシリーズ用のレンズはもちろん、別売のアダプターを介して既存のFマウント(デジタル一眼レフカメラ)用レンズも使用できます。ただし、DXフォーマットのために特別に作られた2本のレンズがあり、今後もたくさんのレンズが追加されていくことでしょう。
だから今の乏しいレンズラインアップに不安を感じるかもしれませんが、そこはニコン。今後必ずハイレベルのレンズを順次増やしていくことは間違いないので、将来性は担保されていると言っても過言ではありません。




現状出ている標準のキットレンズである16-50mm F3.5-5.6のパンケーキレンズと50-250mmの望遠レンズで、これらのレンズは単品でも購入できますし、Z50とのお得なツインレンズキットの一部としても購入できます。

Z50の心臓部には20.9メガピクセルのセンサーが搭載され、ニコンZ6/Z7に搭載されているエンジンと同じExpeed 6プロセッサが採用されています。デジタル一眼レフカメラ「ニコンD500」と画素数は同じですが、同じセンサーではないと言われています。Expeedエンジンは、4K動画撮影などの機能や、ISO50から最高ISO25600までのネイティブISOレンジの実現に貢献しています。

また、Z6と同様にハイブリッドAFシステムを採用しており、209点のAFポイントが画面の約90%をカバーし、エッジ・トゥ・エッジのシャープネスを実現しています。暗い場所での撮影では、-4EVまでの感度を約束しています。また、人物撮影時に便利な瞳AFも搭載しています。

構図を決める際には、0.39型2360万ドットの電子ビューファインダー(Z6/Z7よりも小さく、解像度も低い)と、タッチセンサー付きの3.2型チルト式TFT液晶を選択できます。Z6/Z7とは異なり、下側のヒンジから手前に傾けることができるので、自分撮りには便利ですが、カメラを三脚に固定する際にはあまり便利ではありません。私はスチル写真8割で撮っているので、バリアングルより速射性の高いZ50のチルトの方が向いています。

現在、ほとんどのカメラには4Kビデオ撮影機能が搭載されていますが、Z50にも搭載されており、フレームレートは30fpsまで可能です。

ファイルをスマートフォンに転送するために、Wi-FiとBluetoothが内蔵されており、ニコンのSnapBridgeアプリと連携しています。また、カメラ内充電用のマイクロUSBポートを搭載しているので、ポータブルな外部バッテリーで充電を回復することができます。

最後に、本機のカードスロットは、Z6/Z7で採用されたXQD方式ではなく、SDカードに対応しています。すでにSDカードをお持ちの方には朗報ですし、そうでない方にとっても、XQDよりもSDカードの方がはるかに安価なので、お財布にも優しいですね。


ニコンZ50:構造と操作性

Z50を最初に手にした雑感は以下の通りです。

・ミニチュアのニコンZ6/Z7を使っているような感覚

・ボタンとダイヤルのバランスが良い

・ジョイスティックがない


Z50をフルサイズ機であるZ6やZ7と並べてみると、確かに親子のように思えてきます。レイアウトやファインダーの配置、ボタンの配置などは同じですが、よりコンパクトになっています。

ポケットに入れるほどではありませんが、フルサイズのカメラよりもはるかに小さなバッグにすっきりと収まります。天板には液晶がなく、背面にはジョイスティックもありません。前者はあまり気になりませんでしたが、AFポイントを変更するためのジョイスティックがあればいいなとは思いました。

また、他社のカメラのように、ファインダーを覗きながらタッチパネルを使い続けることができないため、方向キーの動作が遅くなり、適切なAFポイントを選ぶのに時間がかかってしまいます。

小型化されているにもかかわらず、ボタン類は窮屈さを感じさせません。グリップの形状もきれいに再現されており、長時間の使用でも快適に使用できます。また、ボタンの機能の一部は、拡大表示やディスプレイボタンなど、タッチスクリーン上の「バーチャル」な機能に置き換えられています。

カメラの上部にはモードダイヤルがあり、スイッチを切り替えることで動画撮影に移行したり、再び静止画に戻ったりすることができます。また、カメラ上部には、動画撮影専用ボタン、ISOボタン、露出補正ボタンがあります。

Z50の電子ビューファインダーは、フルサイズ機の水準には達していませんが、失望するほどではなく、非常に使いやすく、フルサイズ機とくらべても、画質の低下を感じにくいと思います。チルト式スクリーンも素晴らしく、新たに追加された前向きのオプションは自分撮りや動画撮影に役立ちます。(カメラを三脚に取り付けたときに使えないデザインだという批判は多くの人が言う通りですが、私は非三脚派なので気になりません)



ニコンZ50:性能

・Z6と同じAFシステム、フレームの90%をカバーする209点のポイント

・300ショット撮れるバッテリー寿命

・目測式オートフォーカス



ニコンZ50は、Z6と同じAFシステムを採用しており、209点の印象的な配列でフレーム全体の90%をカバーしています。

ほとんどのシーンで、素早く簡単に被写体をロックすることができます。オートエリアAFに設定したままでも、まれにロックすべきでない被写体を選ぶことがあります。シングルポイントAFに切り替えると、自分でAFポイントを選ぶことができます。特に暗い場所では、ロックするまでに少し時間がかかりますが、まれにピントの誤認識が表示されることがあります。

動いている被写体の場合は、AF-Cに切り替えて連続撮影することも可能です。Z6やZ7で見てきたように、このカメラは被写体がかなり予測できる場合には良い性能を発揮し、あまり不規則に動かないものを追いかけることができますが、ソニーのAPS-Cシリーズのa9のようなカメラで達成したようなレベルではありません。

なのでスポーツやアクションを撮るのが好きな人には向いていないカメラかもしれません。しかし、ペットや子供など、時々動く被写体には十分に対応できます。

残念なのは、対応するSDカードが低速のUHS-Iのみであること。最大11コマ/秒の撮影が可能ですが、このカードを使用すると、バッファがすぐにいっぱいになってしまいます。ただし数秒程度の撮影であれば、それほど問題にはなりません。

瞳AFは、被写体の目を検出し、顔が動いても追従するという優れた機能を持っています。プロのポートレート写真家が多用するカメラではないかもしれませんが、家族のスナップ写真を撮る人にとっては、このような機能は非常に貴重なものになるでしょう。

Z50に搭載された新バッテリーEN-EL25は、300枚の撮影が可能です。この300枚という数字は控えめに見積もっても、最低でも1日の平均的な撮影には耐えられると思います。ただし、4K動画を多く撮影する方は、予備のバッテリーを購入した方が良いかもしれません。



ニコンZ50の画質

・クロップセンサーにもかかわらず、細部までよく描写されている

・ニコンらしい鮮やかな発色

・高ISO感度ではディテールが若干損なわれる


ニコンZ50は、フルサイズよりセンサーサイズが小さく、Z6やZ7に比べて解像度が低いにもかかわらず、全体的にディテールの印象が良い画像が得られます。100%の等倍で見ると、45.7メガピクセルのニコンZ7ほどディテールが細かくないことがわかると思いますが、この価格とレベルではそれを期待してはいけません。従来のAPS-C
一眼レフで言えばフラッグシップ機より下で、ミドルクラスよりは上という出来でしょうか。

センサーが生み出す色は、鮮やかさと彩度を備えたリアルなもので、万能測光はさまざまな撮影条件でバランスよく露出を判断するのに非常に適しています。同様に、オートホワイトバランスは様々な照明条件にうまく対応していますが、人工的な照明の下ではやや黄色味を帯びた色調になります。

低照度では、センサーサイズが小さいこともあり、ニコンのフルサイズ機であるZシリーズには及びませんが、十分な性能を有しています。A4サイズの画像を見ると、ISO12800以上ではスムージングが目立ち、ノイズも見られるので、ISO設定はISO6400以下にしておくのがベストです。



評 価

ニコンZ50は、兄弟機のZ6やZ7と同様に、非常に多くの魅力を持ったカメラです。決して完璧なカメラではありませんが、明らかに混戦模様のカメラ市場に新風を吹き込んだ優良品だと思います。

ニコンブランドのファンで、すでに一眼レフカメラを持っていて、ミラーレスへの移行を検討している人には、特に魅力的な一台です。また、初めての本格的なカメラをお探しの方にとっても、Z50は納得の一台となりうるでしょう。

特に魅力的なのは、その優れたフルサイズ機を小型化したような作りと操作性です。惜しむらくはジョイスティックがないため、ファインダーを覗いているときのAFポイントの選択が遅くなる事。まあこれとて以前のカメラにはなかった機能なので、必須というわけでもありません。

そういえば、ファインダーはZ6やZ7に比べて小さく、解像度も低いですが、それでも非常に使いやすく、快適に使えます。また、0.39型の2360kドットを採用した富士フイルムの「X-T30」など、Z50と競合するライバルメーカーのカメラと比較しても遜色ありません。

Z50の最大の強みは、フルサイズ機と同じZマウントを採用している事。将来的にさまざまなレンズに対応できるのですが、現状、他社のカメラのような種類の豊富さには遠く及びません。

とはいえ、Z50は2つの分野でライバルより優位に立っています。1つは価値、特に高価格のダブルレンズキットを購入した場合です。もう1つはハンドリングで、人間工学的に劣るソニーのαカメラと比較するとその差は歴然です。

Z50は、ニコンにとってAPS-Cミラーレス市場への最初の参入となる素晴らしい製品です。これは、ニコンがこの分野での開発を続けようとしていることを示しており、少なくとも趣味のレベルでは、デジタル一眼レフの歴史に終止符を打つことになるかもしれません。完璧なカメラではありませんが、非常に優れたカメラであり、今のように価格が下がり、今後多くのレンズが利用できるようになれば、さらに評価は上がるでしょう。


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