2021年4月10日土曜日

日産、期待の新型SUV

パスファインダーとは?

日産パスファインダーはミッドサイズの3列シートSUVで、その広いキャビンと強力な牽引力は以前から評価されてきました。しかし、現行のパスファインダーは、これらの特性以外では、競合するライバルたちの中でインパクトを与えることができませんでした。今回、日産はパスファインダーのデザインを一新し、新しいトランスミッション、最新のシャシー、そしてエクステリアデザインを採用し、従来のモデルが持っていたソフトで、正直言って眠たげな印象から脱却しました。そして、従来モデルからの脱却を図るべく、多くの真価が見られます。




ここ数年、北米自動車市場においてミッドサイズのクロスオーバー / SUVは今まで前例のないくらい激戦区になっています。価格ラインでも一番魅力的なクルマを選べるセクションとあって各メーカー鎬を削って、新しいヒット商品を出そうとしています。
そんな中、どちらかというと地味な存在であった日産のパスファインダーが、今年久方ぶりにフルモデルチェンジして発表されました。当初2021年発売を予定していたのですが、先年からのコロナの影響で生産が遅れ、2022デビューとなりました。
でも待っていた甲斐があって、その新型パスファインダーは、期待を裏切らない出来上がりになっているとの評判です。

そもそもパスファインダーって何? て思う人もいるくらいアメリカで目立たな存在でした。これより下の小型(日本では中型?)のSUVローグは大ヒット商品としていまもベストセラーであるのとは対照的です。

パスファインダーの歴史は古く、初代は1985年でした。当初から北米を意識したアメリカンなっぽいオフロード車としてデビューします。エンジンや足回りは当時のアメ車ほどではないにしても、国産車としては大型の部類の入るダイナミックな作りでしたが、いかんせん武骨な外見がいまいちであまり売れたとは言えなかったようです。
以後、長い時間をかけて、さまざまなスタイルのフェイスリフトを繰り返すのですが、ついこの間まで、競合他車に埋もれて、なかなか話題にもならなかったイマイチなSUVでした。
モデルの変遷は以下の通りです。


1988



1997


2004


2007


2016

最新版 2022



時代の流れとともに外見は大きく変化してきました。しかし今度の新作はなかなか見ごたえのあるデザインとなっている様子。早く直に見てみたいものです。



とはいえ今度のパスファインダー、肝心のエンジンははどうなっているのでしょうか?

新型パスファインダーのエンジンは、先代モデルと同じ3.5リッターV6で、284馬力と259lb-ftのトルクを発揮します。しかし、だからといってハンドルを握ったときのフィーリングが同じというわけではありません。日産はこのエンジンに、自動車メーカーのZF社製9速オートマチック・トランスミッションを組み合わせ、オンロードでのフィーリングを向上させることを期待しています。密かに、先代のパスファインダーに搭載されていた無段変速オートマチックCVTが気に入っていたのですが......)。


パスファインダーには標準で前輪駆動が搭載されていますが、ドライビングモードが追加された全輪駆動システムを選択することもできます。スノー」「サンド」「マッド/ラット」「トウ」の4つのモードがあり、それぞれに異なる走行特性を持っています。AWDシステムは、後輪がスリップし始める前に後輪にパワーを送ることができ、トラクションを助けます。宣伝ではそのように書かれていますが、真のオフロード走行はテスト結果を待って判断したいと思います。
7インチのクリアランスを持つパスファインダーは、トヨタ4ランナー、スバルアセント、Kia Tellurideよりも地面に近く、けっこう車高は低いようです。



インテリア

新型パスファインダーのインテリアは、そのブロック状のエクステリアデザインと同様に、冒険的なモチーフを採用しています。大きくワイドなパネルでキャビンの広さを強調し、オプションのデジタルインストルメントパネルと中央の大型タッチスクリーンでモダンな雰囲気を演出しています。
また、従来のコンソールに設置されていたシフトレバーを廃止し、小型の電子制御式シフトレバーを採用することで、スペースを取らないようにしています。ダッシュのアップグレードを締めくくるのは、薄いアウターリムとフラットボトムを持つ新しいステアリングホイールです。垂れ下がったように見える先代のステアリングホイールに比べて、視覚的なアップグレードがなされています。

新型パスファインダーでは、センターボタンのレイアウトが洗練されており、グロスブラックの化粧板を多用するメーカーもありますが、ここでは鏡面仕上げのトリムが効果的です。少なくともパスファインダーの上位モデルでは、日産が手触りの良さを約束しているキャビン内の素材の品質を検証したいと思います。

2000年代半ばからパスファインダーの定番となっている8人乗りですが、2022年モデルではパスファインダーとして初めて2列目にキャプテンチェアを用意しています。また、取り外し可能なセンターコンソールを採用し、3列目へのアクセス性を向上させています。さらに、2列目を折りたたんだりスライドさせたりするワンタッチボタンも用意しています。先代のパスファインダーでは3列目のアクセスは十分でしたが、新型ではヘッドルームが改善されていることを期待しています。



パスファインダーのハイテク

2022年のパスファインダーは、すべてのモデルにしっかりとした技術装備が搭載されます。標準装備としては、7インチのデジタルインストルメントクラスターと、Apple CarPlayとAndroid Autoを統合した8インチのタッチスクリーンがあります。また、日産の運転支援システム「セーフティシールド360」には、自動緊急ブレーキ、ブラインドスポットモニター、車線逸脱警告などの機能が搭載されています。

パスファインダーSVにアップグレードすると、アダプティブ・クルーズ・コントロールとレーンセンタリング・アシストからなるプロパイロット・アシストが搭載されます。このシステムは運転のストレスを軽減するもので、他の日産車でも効果を発揮しており、パスファインダーでも同じことが期待できます。さらにSLでは、プロパイロットアシストを強化するために「ナビリンク」と呼ばれる機能を搭載しています。これは、急カーブを曲がるときにブレーキをかけるなど、マッピングを使ってACCの速度をその場で調整する機能です。

上位モデルには、12.3インチのデジタルインストルメントクラスターと9インチのタッチスクリーンが装備されますが、どのレベルで装備されるかについては詳細を待たなければなりません。その他のオプション装備としては、ワイヤレスApple CarPlay、ワイヤレス充電パッド、Wi-Fiホットスポット、サラウンドビューモニター、ヘッドアップディスプレイなどがあります。



収納力、牽引力、運搬力など

ほとんどのパスファインダーは、最大3,500ポンドの牽引が可能で、標準でスウェイコントロールを装備しています。SVおよびSLグレードにはオプションで、Platinumには標準で、この能力を6,000ポンドまで高める牽引パッケージがありますが、トレーラーブレーキコントローラーは含まれていません。
この容量は、Ford Explorer(5,600ポンド)やHonda Pilot(5,000ポンド)などのライバルを抑えて、Pathfinderはクラスのトップに近い位置にあります。ただし上には上がいて、ダッジ・デュランゴは8,700ポンドという強力な牽引力を持ち、すべてのライバルを凌駕しています。

荷室の広さは、先代パスファインダーの最大の不満点のひとつでしたが、日産は2022年にわずかな改善しかしていないようです。3列目の後ろのスペースは16.2立方フィートから16.6立方フィートに拡大しました。2列目と3列目の両方を折りたたんだ状態では、スペースは79.5立方フィートから80.5立方フィートに拡大しただけです。
Pathfinderの容量を詳しく判断するには、実際に手に取ってみるまで待ちたいと思いますが、紙面上の数字では、Toyota Highlander(84.3立方フィート)やVolkswagen Atlas(96.8立方フィート)を大きく引き離しています。



まとめ

2022年の日産パスファインダーは、いくつかの意欲的な取り組みがみてとれます。繊細さと新感覚的なセンスも感じられます。特にテクノロジーの分野では、このSUVはかなり成長しています。しかし実際のところ、まだまだ改善の余地も残しています。エンジンが先代のと同じで新しさはなく、老朽化したフレームの改訂版では、つぎつぎ台頭する他社の最新SUVに対抗できるのでしょうか? Kia TellurideやHonda Pilotなどの3列シートSUVセグメントでの競争は激化する一方です。それに取り残されないだけの新機軸がパスファインダーにあるのか? そのあたりのところは、お披露目されて、蓋を開けてみないとまだちょっとわからないところもあります。でも期待だけはして動向を見守っていこうと思っています。







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