2021年4月26日月曜日

おススメ:最初の単焦点レンズ

サムズアップ・アメリカ!
プライムレンズで行こう




初めて一眼レフカメラを買った方なら、ほとんどは同梱のキットレンズを持っている事でしょう。最近のキットレンズはひと昔前より性能が増し、カメラ本体との相性も抜群なので、当面はそれほど不自由しないかもしれません。しかし、撮影の幅が広がり、目が肥えてくるとだんだんキットレンズでの限界を感じるようになります。
カメラの世界には、レンズ沼という素晴らしくも恐ろしい領域が待ち受けています。どこで踏みとどまるかは、人それぞれの撮影へのこだわり、コミットメント等に関わってくるものですが、中には借金をしてでもウン十万円もするレンズに手を出す人もいます。

それも生き方の一つでしょうが、撮影を職業としてやる(あるいはやっていくつもり)以外の人は、十分熟慮してレンズ購入プランを練るべきです。

初めてキット以外のレンズを求める方には、それぞれの用途に応じて必要と感じるレンズが必然的に出てくると思います。

野鳥やモータースポーツを撮る人なら、超望遠レンズが欲しくなるでしょうし、広大な景色や建築物を撮りたいなら広角レンズが必要でしょう。

それを踏まえたうえで、それ以外に必ず持っておいた方がよいレンズというものがあります。それが単焦点レンズです。

単焦点レンズはすべてのカメラメーカー、レンズメーカーが細心の注意を払って作り上げた基準となるレンズです。焦点距離は様々ありますが、基本設計はズームを考慮しない分、シンプルで明るくコンパクトなものが大半です。



カメラのレンズを選ぶとき、一般的には「プライム」と「ズーム」の2つの選択肢があります。

プライムレンズは1つの焦点距離(例:50mm)のみをカバーし、ズームレンズは複数の焦点距離(例:24-70mm)をカバーします。

そのため、ズームの方が良い選択のように思えるかもしれませんが、実際にはプライムを選ぶ理由がたくさんあります。その理由を以下に挙げてみましょう。







1. 光量が多い

プライムレンズを使用する大きなメリットは、開放F値が広いため、より多くの光をカメラに取り込むことができることです。簡単に言うと、レンズの穴が大きく開くので、シャッターが開いている間、より多くの光をカメラに取り込むことができます。ですから、光量の少ない状況で撮影する場合、プライムレンズを使えば、ISO感度を上げたり、シャッタースピードを下げたりしなくても、必要な露出を確保することができます。




2. 浅い被写界深度

先ほど、ズームレンズに比べてプライムレンズは開放F値が大きいという話をしました。絞りを開けると、被写界深度が浅くなる(ピントが合う範囲が狭くなる)というメリットもあります。背景がボケて、被写体がシャープな写真を撮りたい場合は、プライムレンズを使うとその効果が得られます。




3. よりシャープな画像

一般的に、ズームレンズよりもプライムレンズの方がシャープに写ります。レンズ設計上、対応できる焦点距離が少ない方が、シャープな画像が得られるレンズを作りやすいのです。ヒント:多くのレンズは開放ではソフトな描写となるため、一般的にはレンズを少し絞る(=絞り値を大きくする)必要があります。しかし、プライムレンズの場合は、少し絞っても絞り開放となり、光がたくさん入ってきて被写界深度が浅くなり、シャープな画像が得られます。




4. 画質の向上

さらに、プライムレンズには画質面でもメリットがあります。一般的に、レンズメーカーは1つの焦点距離を制御するだけでよいので、歪みや色収差が少ないです。このように、便利で小さなプライムレンズから、非常に優れた品質を得ることができるのです。




5. お得感

プライムレンズの価格には大きな差があります。
例えば、キヤノンの50mm F1.8のプライムレンズ(通称「nifty 50」)と、キヤノンの50mm F1.2のプライムレンズを比較すると、後者は約10倍の価格です。
このように、高級レンズになると、価格が大きく跳ね上がります。
しかし、一般的には、画質に対する価格を考えると、ズームよりもプライムレンズの方がお得だと思います。




6. 小さくて軽い

カメラの世界で「軽さは正義」という人もいるくらい、取り回しが撮影を左右する場合が多々あります。重たいシステムを持ち運ぶのは撮影の質にも影響を与えます。ならばレンズにも同様に「小型は正義」と言ってもいいでしょう。
本当にその通りです。一般的に、プライムレンズはズームよりも小さくて軽いです。もし、あなたがスペースと重さを気にしているなら、プライムレンズは本当にぴったりなのです。パンケーキレンズと呼ばれる、女性にも人気のかわいい超小型のプライムレンズもあります。




7. 焦点距離に慣れる

プライムレンズの焦点距離は1つしかありません。ズームレンズのように焦点距離を変えることはできません。しかし、これは焦点距離を理解するのにとても役立つ方法だと思っています。写真の大きな要素のひとつは、ある風景を見て、そこに写る写真を「見る」ことができることです。ある焦点距離で撮影したときの写真のイメージがわかれば、最終的な写真のイメージがより明確になります。

つまり、50mmのプライムをよく使っていると、50mmの世界が見えてくるのです。何が写っているか、何が写っていないか、どのように線が描かれるかなど、50mmで撮影するとどのように見えるかがわかるようになるのです。


そういうわけで基本的にプライムレンズは、焦点距離に対する体感を深めるのに役立ちます。撮影者はおのずと環境に敏感になり、光の量、角度、色合いなどにも配慮するようになるでしょう。すなわちより多くの「感じる」撮影を身に着けていけるのです。



8. 動かざるを得ない

プライムレンズが創造性を発揮するもう一つの特徴は、撮影者に機動力を促すということです。
単焦点を付けると自然とフットワークがよくなります。体を動かし構図を決めていく作業は撮影を学ぶのにもってこいです。
ズームレンズだと動かずに済みますが単焦点はそうはいきません。近づきたければ、近づくしかありません。しかし、足を動かすことは、面白い構図を得るための最良の方法のひとつです。プライムレンズは、構図や効果を考えさせるのに役立ち、写真に対する理解が深まります。



9. 腕が上がったように思える

私自身、実感、そして痛感したことですが、プライムレンズを使うとこれはもう、明らかに写真の写りがよくなります。ポートレートであろうと、スナップであろうと、夜景であろうと、何を撮ろうとも、以前よりずっときれいに鮮明に、明るく立体的になることに感動を覚えます。てっきり自分の腕前が上がったような気分になり、写真を撮るのがより楽しくなること、請け合いです。すぐにそれがレンズのおかげであることに気付き、まもなくレンズの重要性に気付かされます。
そこがレンズ沼の入り口です。自分のスキルや経験不足を補ってくれるレンズのありがたさを実感し、よりよいレンズを求めてさまよい始めるのです。


というのはちょっと脅しに似て、申し訳ありませんね(笑)。カメラファンはもちろんそんな人ばかりではありませんが、いいレンズを持っておくに越したこしたことはありません。

その第一歩として、いろいろ撮影に関して気づかさせてくれるのが、単焦点レンズのいいところでしょう。趣味の世界では、そこから自分に相応しい交換レンズ数本を揃えれば、大抵は事足りるはずです。
まずはいいプライムレンズ一本を選んで、カメラの世界を拡げてください。
そこからあなたのカメラライフは新たな歴史を刻み始めるでしょう。

以下に、比較的リーズナブルで、初心者に優しいプライムレンズを上げておきます。
ご購入の参考にしてみてください。



Canon EF50mm F1.8 STM




キヤノンの「EF 50mm F1.8 STM」は、24年前に発売された「EF 50mm F1.8 II」を、よりスムーズなフォーカシング、より丸みを帯びた絞り羽根、より近接したフォーカシング、そしてより強固なレンズマウントでアップグレードしています。前モデルと同様に、一般的なキットズームの8倍以上の光を集めることができ、低照度下でも優れた性能を発揮し、浅い被写界深度で背景を魅力的にぼかすことができ、よりシャープな写真を撮ることができます。また、低価格なので、キヤノンのカタログの中で最も手頃なレンズであり、デジタル一眼レフカメラをお持ちの方にも、ミラーレス一眼にお使いの方にも、最もお勧めできるレンズとなっています。APS-Cのデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラに装着すれば、80mm相当となり、ポートレート撮影にも最適です。すべてのキヤノンオーナーが最初に持つべきレンズです。



Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G






Nikonの今買うべき代表的な入門単焦点と言えば、これ。古典的な50mmの焦点距離を現代風にアレンジしたレンズです。コンパクトなレンズで、フルフレームのボディで使用すると、標準的な角度の画角が得られます。しかし、APS-Cセンサーを搭載したDXカメラで使用すると、画角が狭くなり、日常的な撮影よりもポートレートに適した短めの望遠レンズになります。シャープネスや集光性の点で大きな損失はありません。
このF1.8レンズは価格がお買い得であり、それでいてニコンらしい正直な描写力が光る安心の一本です。




SONFE 35mm F1.8 SEL35F18F





SONY aシリーズのユーザーなら定番と言えるのが、このFE 35mm F1.8 です。ソニーの35mmフルサイズ用レンズの中でも得に優れた製品です。光学性能では35mm ZAの兄弟レンズを凌駕していますが、小型軽量で価格も手頃です。大口径レンズのようなボケ味は少なめです。APS-C機での像面湾曲がもっと小さくなればさらによいのですが。しかし、クローズアップ撮影時の使い勝手の良い倍率と多機能フォーカスホールドボタンは魅力的なパッケージです。ソニーの新しい35mmレンズとして推薦する声はあちこちで耳にします。



これら以外にも素晴らしいプライムレンズはサードパーティからもたくさん出ています。ただどれも上記のようなお求めやすいレンズばかりではありません。この種の交換レンズは見上げればキリがありません。
ご参考までに、たとえばキャノンからは以下のようなプライムレンズも大好評で迎えられています。



Canon EF 50mm f/1.2L USM

このキヤノンのプライムレンズは世界的にも有名です。写真家たちはこのレンズを「nifty fifty」と呼んでいますが、それはこのレンズがあらゆる状況に対応できる驚くべき汎用性を持っているからです。写真家の間では伝説的な存在となっているシロモノです。

このレンズには色収差がありません。色収差とは、それまで紫がなかったのに、写真に紫が出てくるという厄介な現象です。色収差は古いレンズや低品質のレンズに見られる問題で、キヤノンの50mmはこの問題を解決した最初のレンズの一つでした。

さらに、このレンズはF1.2まで開放できるので、大量の光を得ることができ、低光量のモンスターレンズになっています。




Canon EF35mm F1.4L II USM

数あるキヤノン・プライムレンズの中でもプロカメラマンの間で特に人気があります。光量の少ない写真を撮るために絶対的ななキヤノンの単焦点レンズです。とりわけイベント、コンサート、結婚式などの写真家たちは、このレンズの開放絞りによる非常に鮮明な描写に高評価を与えています。
キヤノンの35mmは、タムロンやシグマの35mmと比べても、圧倒的な存在感を示しています。
また、このレンズはキヤノンのLシリーズに属しているので、天候にも強く、光学系の改良により収差の少ないシャープな画像を得ることができるのが特徴です。
値段を聞いてしり込みしないでください。米ドルで$1799ぐらいが相場です。


私にはあまり縁がありませんが、カメラマンなら一度は使ってみる価値のあるレンズであることは間違いありませんね。


0 件のコメント:

コメントを投稿