2021年4月23日金曜日

注目の上海オートショー

電気自動車時代、本格始動



上海オートショー2021が真っ最中です。

上海国際自動車工業展覧会は、北京モーターショー(中国国際自動車展覧会)と交互に開催される2年に1度の大規模な国際自動車展覧会です。 

中国市場における海外ブランドの存在感が大きく高まっていることもあり、Auto Shanghaiは、デトロイト、フランクフルト、パリ、東京と並ぶ国際的な自動車ショーの一つとなっています。規模ではすでに東京モーターショーを越えており、その存在感は増すばかりです。その上海オートショー、今年はこれまでになく各社、エレクトロニクス化に注力した製品を発表し、いよいよ新時代の到来を予感させるものとなっている模様です。

数あるデビューカーはどれも目移りしてしまいますが、慌てずじっくり見ていきたいと思います。

私がネットで観た限りで、まず最初に食いついたのは、トヨタのSUV最新コンセプトカーです。


 TOYOTA bZ4X




イントロダクション

トヨタは、2022年に発売するクロスオーバー車「bZ4X」で、電気自動車の分野に再参入します。前作の電気自動車「RAV4 EV」とは異なり、全国のトヨタ販売店で販売されます。今回発表されたのは「bZ4X」のみですが、トヨタは「bZ」という名称で複数の商標登録を行っており、この名称を使った電気自動車ファミリーを計画しているのではないかと考えられます。bZ4Xの生産バージョンは、2022年半ばにトヨタのショールームに登場する予定です。その際には、Chevrolet Bolt EUV、Ford Mustang Mach E、Hyundai Kona Electric、Kia Niro EV、Tesla Model Y、Volkswagen ID.4など、非高級EV SUVのグループに加わることになります。


トヨタBZ4Xのコンセプト

しばらくの間、トヨタは電気自動車への急激な変化に反対していましたが、日本の自動車メーカーはBZ4Xコンセプトでいち早く追いついたようです。意外な感じですが、プリウスでいち早くクリーンエコロジーありきのクルマに着手し成功したトヨタですが、意外にもそこから完全電気自動車への道のりは、もっさりしていました。その間にテスラがこの分野でのトップを取り、いまや全米てテスラ車を見ない日はありません。

私たちが生きているこの世界では、すべての自動車メーカーが急速に、そして急いで電気自動車へと移行しているように見えます。それがプラグインハイブリッドであれ、完全な電気自動車であれ、いずれも急速に普及しています。2030年代には、電気自動車がICEエンジンを搭載した車よりも優れたものになっているでしょう。

トヨタは初代プリウスで電動化の先駆者の一人であり、ハイブリッド車は簡単に、徐々に電気自動車の世界に移行できるようにすることを意図していました。しかし、世の中の流れが変わり、どの自動車メーカーも一刻も早く電気自動車に切り替えなければならない状況になっています。トヨタは当初、この急激な変化に反対していましたが、今はそれを受け入れており、新しいBZ4Xコンセプトは、トヨタの新型電気自動車の登場を告げるものです。






エクステリア

BZ4Xの外観は非常にシャープで個性的で、私は単純に子供心丸出しで「カッコいい!」と思っています。現行のRAV4と『ブレードランナー』のようなSF映画に登場する車との間にできた子供のようなものだと言えるかもしれません。私が予想するに、BZ4Xは製品化されたら一気に注目を浴びること間違いなしです。



E-TNGAプラットフォーム

BZ4Xの大きなニュースは、新しいプラットフォームを採用したことです。今回のコンセプトカーで初披露された「e-TNGAプラットフォーム」は、今後、トヨタのすべての電気自動車に採用されるものとみられます。このプラットフォームはスバルと共同開発したもので、スバルの電気自動車にも採用される予定で、電気車で出遅れているスバルファンにとっても朗報です。

TNGAとは、Toyota New Global Architectureの略だそうです。このプラットフォームは、他の多くのEVプラットフォームと同様に、リアアクスルに1つのモーターを搭載するか、AWDを備えた2つのモーターを搭載するかを選択できるようになっています。BZ4Xのバッテリーパックのサイズや航続距離についてはまだ発表されていませんが、2022年の製品版で明らかにされるものと思われます。






待ちわびたトヨタの完全電動化

電気自動車のクロスオーバーの一つに過ぎないと思っている人もいるかもしれませんが、この車は、特にトヨタにとって、思っている以上に重要なものです。というのも、この車は、トヨタから生まれた最初の純粋な電気自動車だからです。

前述したように、トヨタは当初、電気自動車への移行をもっと緩やかにしたいと考えており、そのためにシリーズハイブリッドモデルを推し進めていました。しかし、トヨタは、より早く移行するように圧力をかけられ、あまり準備ができないまま、プラグインハイブリッド車と、プリウスのような通常のシリーズハイブリッド車、そして水素燃料電池にもミライで再挑戦することを余儀なくされました。しかし、トヨタがようやく時代の流れに乗ってきたことは喜ばしいことです。






インテリア

BZ4Xコンセプトの車内に入ると、これまでのトヨタ車にはないインテリアが目に飛び込んできます。ダッシュボードの一部やシートなど、インテリアのほとんどの面にサステイナブル素材が使用されており、その色もなかなか素敵なクリーム色で仕上げられています。

インストルメントクラスターは、最近のプジョーのモデルのように、ダッシュボードのできるだけ前方に配置されています。中央には巨大なインフォテインメント・ディスプレイがありますが、トヨタは幸いなことに、ほとんど物理的なクライメートコントロールにとどめています。最後に、ロータリーダイヤル式のギアセレクターがあり、その両側にはたくさんのコントロールが並んでいます。BZ4Xは5人乗りですが、デュアルパネルサンルーフが装備されているのも嬉しいポイントです。

このように、オープンコンセプトのインテリアは、ドライバーの快適性と信頼性を高めるためにデザインされています。インストルメントパネルの位置を低くしたり、メーターをステアリング上部に配置するなど、細部にまでこだわって設計されており、空間の広がりを感じさせるだけでなく、視認性を高めることで安全・安心な運転をサポートします。



まとめ

トヨタ自動車は、先進的な代替燃料技術やゼロ・エミッションのパワートレイン技術を搭載した商品群を実用化することで、カーボンニュートラルを実現する未来を描いています。電動化のリーダーであるトヨタは、本日、大きな一歩を踏み出しました。それは、"Toyota bZ "ブランドの下で導入される、グローバルな電池自動車シリーズの最初のビジョンである "Toyota bZ4X Concept "の発表です。


トヨタbZ4Xコンセプトは、バッテリーエレクトリック、水素燃料電池エレクトリック、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車など、米国で販売されている代替パワートレイン車の40%以上を占める電動車両のフルラインアップに加わるものです。 

トヨタは、2025年までにグローバルで約70の電動化モデルに拡大する計画です。この将来のラインナップには、15台のBEV専用車が含まれ、そのうち7台にはbZ(Beyond Zero)ブランドの名称が付けられます。さらにトヨタは、近い将来、ピックアップトラックのラインアップに、ハイブリッドとBEVのパワートレインを含む電動化を導入する予定です。このような多様な電動化製品のポートフォリオにより、トヨタは2050年までにカーボンニュートラルを実現するという目標に向かって邁進していきます。

「トヨタのbZ4Xコンセプトは、すでに強固な電動化ポートフォリオに新たな選択肢をもたらすものです」と、TMNAの販売担当執行副社長であるボブ・カーターは述べています。
「トヨタは人間を中心とした企業であり、最終的にカーボンニュートラルな未来に向けてどの技術を導入するかを決めるのは顧客です。お客様こそが当社のCEOなのです。電動化のための投資と製品提供により、世界中のお客様の多様なニーズに応える製品と技術を提供していきたいと考えています」と述べています。


トヨタbZ4Xは、日本と中国での生産を予定しており、2022年中頃には全世界での販売を開始するものと考えられています。米国での販売については、追ってお知らせします。

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