サムズアップ・アメリカ!学校に行かずデザイナーになりたい人へ
私はデザイン学校に行かずにデザイナーとして就職しました。
見習いのパートタイマーとして幾つかの映像関連の仕事を経験し、その間にプロの仕事を見よう見まねで、コピーしていったのが始まりです。
その後フルタイムの仕事をしながら、現場、現場で少しづつ自分自身にデザイン教育していきました。当時は今のようにネットが発達していなかったので、オンラインでチュートリアルなど皆無でした。
ただ必死で黎明期のネット情報を集めては、プリントアウトして自分なりのテキストを作っていったのです。それらの多くはグラフィックデザインに関する情報の断片でしたが、一つ一つ実行してはできる、できないの取捨選択の繰り返しで、日々、試行錯誤の連続でした。
はっきり言って、私は一流アート系大学の教育を受けたデザインエリートには到底及びません。しかし、自分の仕事をうまくこなすコツみたいなものは長年の経験で自然と身についています。
主軸は広告デザインですが依頼があれば何だって、取り敢えず自分ができる範囲で全力を尽くします。デザイン全般、よろず何でも引き受けます、みたいな器用貧乏っぽい側面は否めなせんが、何とかここまで低空飛行でも飛び続けられているだけでもありがたいです。
もしグラフィックデザイナーを目指しつつも、学費や学校に通う時間や余裕がない方は、
以下の記事はお役に立てるかもしれません。
これは、デザインを独学で学ぶためのガイドです
あくまでも参考にする一例としてお読みいただければ幸いです。
1. 見ることを学ぶ
初心者にまずありがちな最大の勘違いは、Photoshopに慌てて飛びつくことです。
絵筆を買ってもアーティストになれないのと同じように、Photoshopを学んでもデザイナーにはなれません。焦らず、まずは基礎から入っていきましょう。
とにかく、絵の描き方を学びましょう。
他のアーティストと一緒に部屋に座って、裸の女性を描こうとする必要はありません。
絵を描くのがそんなに上手になる必要もありません。ただ、ペンで快適にスケッチできるように、いくつかの基本を学ぶだけでいいです。
例えば「You Can Draw in 30 Days」みたいなのを買って、1ヶ月間、毎日30分練習することです。実際この手の教則本に優劣は少ないです。どれでもいいのですが、数あるデッサン本をの中では、本書はガッツリ基礎を学べるという点で、イチオシにさせていただきます。
グラフィックデザインの理論を学ぶ
Picture Thisという本から始めてみてください。赤ずきんちゃんのお話の本ですが、同時にグラフィックデザインの基礎も学べます。
色彩、タイポグラフィー、グリッドを使ったデザインについて学ぶことができます。地元でグラフィックデザインの基礎を学べる教室があれば、ぜひ参加してみてください。
毎日、これらのチュートリアルをいくつかこなしましょう。
ユーザーエクスペリエンスの基本を学ぶ
ユーザーエクスペリエンスに関する書籍はたくさんあります。まずは、正しい考え方を身につけるために、この2冊の速読から始めましょう。
The Design of Everyday Things
Don't Make Me Think
書き方を学ぶ
モックアップがLorem Ipsumのようなプレースホルダーテキストで埋め尽くされているのは、悪いデザイナーの確かなサインです。良いデザイナーは、良いコミュニケーターです。良いデザイナーは、体験のすべてを考え、すべての言葉を注意深く選びます。人間のために書く。学生時代の論文で自分を賢く見せるために使った学術的な口調で書かないようにしましょう。
また、Voice and Toneは珠玉の文章例でいっぱいのウェブサイトです。
2.PhotoshopとIllustratorの使い方を学ぶ
さてここまででPhotoshopを学ぶ準備ができました。でも実はまずIllustratorから始めて、その後にPhotoshopに移ることをお勧めします。Illustratorは、通常デザイナーがロゴやアイコンを作るのに使うものです。
Illustratorを学ぶ
Illustratorを学ぶための本やオンラインチュートリアル、対面式のクラスは山ほどあります。自分に合ったスタイルを選んでください。ここでは、私がIllustratorの基本を学ぶのに特に役に立ったと思う本を紹介します。
Adobe Illustrator Classroom in a Book - 退屈ですが、少なくとも半分を読破すれば、Illustratorの使い方をかなり理解できるようになります。
Vector Basic Training - Illustratorで実際に見栄えの良いものを作る方法を教えてくれる本です。
さて、次はオンラインで学べる内容です。オンラインチュートリアルに従えば、どんなものが作れるか観て直感的に理解できるはずです。ここでは、私のお気に入りの2つ、 Logoと風景描き方です。
Photoshopを学ぶ
チュートリアルは山ほどあります。それらの多くは玉石混交です。幸いなことに、本当に質の高いチュートリアルのサイトがあります。
TutsPlusのPSDTutsはその一つです。
ここには、iPhoneアプリを作るための良いPhotoshopチュートリアルがあります。
また、Webサイトのモックアップを作成するためのPhotoshopチュートリアルもあります。
毎日1時間か2時間、チュートリアルに目を通す時間を作れば、上達の速さに感動することでしょう。是非お試しください。
3. 専門分野を学ぶ
ご自身がどんなデザイン分野に進みたいのか、的を絞るべきです。
モバイルアプリのデザインをしたいのか?Webデザイン制作ですか?インフォグラフィックス?いろいろなものを見て回り、その中から好きなものを選んで上達を目指しましょう。
例えば、
ロゴデザインを学ぶ
Logo Design Loveではロゴの作り方を学ぶことができます。
将来的にロゴのみでなく、さらに一歩踏み込んでいくとしましょう。
ならばウェブサイトから名刺に至るまで、一貫したブランドを作る方法を学ぶ必要があります。
それならこの本「Designing Brand Identity」が最適です。
モバイルアプリのデザインを学ぶ
モバイルアプリのビジュアルデザインを学ぶなら、このチュートリアルから始めましょう。
iPhoneのデザインについて、短いながらも非常に包括的で考え抜かれたこの本を読んでみましょう。見た目が良いだけでなく、使いやすいアプリを作る方法を教えてくれます。
ウェブデザインを一から学ぶ
「Don't Make Me Think」を読んで、人々が使いやすく、ナビゲートしやすいウェブサイトの作り方を学びましょう。
ウェブサイトを美しく見せるためのヒントが必要な場合は、「The Principles of Beautiful Web Design」を読んでください。
あなたが美しいと思うウェブサイトをリストアップしてください。その共通点に注目してください。
さて、ここでデザイナーとしてHTML/CSSの知識が必要かどうかという毛色の変わった質問です。それは仕事によって異なります。知っていれば、間違いなく就職で有利になります。ウェブデベロッパーになりたいわけではなくても、基本的なことは知っておいたほうがいいでしょう。そうすれば、何が可能で何が不可能なのかを知ることができます。
HTMLとCSSを学ぶためのリソースもたくさんあります
おすすめは無料の「Web Design Tuts」です。
無料のものではWeb Design Tuts、有料のものではTreehouse(月額$25)がお気に入りです。もし、あなたが一から始めるのであれば、そして、物事を明確かつ包括的に説明してくれる人が欲しいのであれば、Treehouseのチュートリアルにお金をかけるといいでしょう。
4. ポートフォリオを作成する
デザイナーとして仕事をするために、高級なデザイン学校に行く必要はありません。しかし、しっかりとしたポートフォリオが必要です。
初めて仕事をする場合、どのようにポートフォリオを作ればいいのでしょうか?良いニュースは、ポートフォリオを作るために実際のクライアントとの実際のプロジェクトに取り組む必要がないことです。
自分でサイドプロジェクトを立ち上げましょう。ここにいくつかのアイデアがあります。
Tシャツのデザインをする。
デザインの悪いウェブサイトを見つけ、それをリデザインする。
iPhoneアプリのアイデアがあるならば、モックアップを作る。
Startup Weekendに参加して、週末のプロジェクトにデザイナーとして参加する。
99のデザインコンテストに応募して、概要に沿ったデザインを練習する。
クリエイティブ・ワークショップの本に載っているグラフィックデザインの練習をする。
地元の非営利団体を探し、無料でデザインを提供する。
的を絞る
自分のポートフォリオに、これまでデザインしたものをすべて載せたいという誘惑に負けないこと。ここは、あなたの最も得意な作品だけを置く場所です。
ビギナーは先達の技術を盗むことに注力してください。オリジナルであることを気にする必要はありません。それは、もっと自分の技術に慣れてからでいいのです。
楽器を習うとき、自分の曲を作る前に、他の人の曲を演奏する方法を学びますよね。デザインも同じです。音楽アーティストのように盗めってことです。
5:デザイナーとして仕事をする
私がデザインを学び始めた頃、デザイナーのための就職活動ワークショップに参加したことがあります。5年、10年、15年と、私よりはるかに経験豊富なデザイナーが集まる部屋に入りました。彼らは皆、仕事を探していたのです。みんなギラギラしていて、その真剣さはとても恐ろしかったです。私は独学でデザインを学び、経験豊富なデザイナーと競争していることを思い知ったのです。
そんな私でも、最終的にはデザインの仕事に就くことができました。他の多くのデザイナーと私との間には、優位に立つための重要な違いがひとつありました。それは、開発者と一緒に仕事をする方法を知っていたことです。
開発者と一緒に仕事ができることが、採用率を上げる最大の要因です。
インタラクションデザインを学びましょう。
基本的なHTMLとCSSを学ぶ。
技術業界のデザイナー(インタラクションデザイナー、ウェブデザイナー、アプリデザイナー)は、非常に需要が高く、給料も高いです。今、仕事があるのはそこなんです。
開発者と一緒に仕事をした経験がないのであれば、経験を積むことです。
Startup Weekendやhackathonsに参加したり、プロジェクトコラボサイトで開発者を探したりしてください。
個人のウェブサイトを作り、自分のポートフォリオを中心に据える。
SNSなどを通じて知り合いに「デザイナーとして仕事を探している」と伝えましょう。誰が誰かを知っているかわかりません。
興味のありそうな会社や代理店をリサーチするのもいいです。
LinkedInで、その会社で働いている人の2次、3次コネクションを探し、紹介してもらいましょう。
仕事を得るための最良の方法は、コネクションを得ることです。コネクションがなくても、自分を有利にするためにできることはたくさんあります。
仕事に就いてからでも学び続ける!
今やググれば何でも答えが見つかる時代。グラフィックデザインの分野でも日々新たなテクニックやトレンド情報が更新されています。
私は日夜、自分よりずっと才能のあるデザイナーを探し、彼らから学んでいます。
つまるところ、この業界も。学ぶことが好きな人は上達が早いです。自分一人でどうにかしようと悩む前に、先人の叡智を拝借してください。
理解できたらそれをまた後輩のアーティストに紹介しましょう。そうやって日々刻々とアート&デザインの世界は進化し続けていきます。
これら以外にも専門のアート学校に通わずにデザインを学べる方法はたくさんあります。
デザイン教室を探す(Skillshare、General Assembly、Treehouse、TutsPlusなどのオンライン教室が良い)。
サイドプロジェクトに取り組む。
書店のデザインコーナーで勉強する。
まだまだ学ぶべきこと、改善すべきことはたくさんあるでしょう。
スキルを磨いて、常に学び続けましょう。