米国版：誰でもできる家庭菜園（序）

サムズアップ・アメリカ！
家庭菜園を始める方法：準備編

夏の終わる前に家庭菜園を始めるのはいかがですか？

ステイホームが続くことが予想されるこの秋、ささやかな収穫を目指して、ご自宅で家庭菜園を始めるならば今です。

＊本記事は、家庭菜園を始めるかたに向け、計画、準備、そして植え付けを成功させる一例をご紹介するものです。


家庭菜園は、自然を身近に感じながら、お金を節約できる方法です。例えば、たった1つの植物でも、3〜5ドルと非常に手頃な価格で、シーズン中に最大4〜5キログラムのトマトを収穫することができます（市場価格にすればざっと20ドル分以上になります...）。

トマトのほかにも、好きな野菜やハーブを種から育てれば、さらにコストを抑えることができます。また、家庭菜園で育てた野菜の味や食感は、いつもスーパーで買っているものよりも格段に良いことがわかります。その上、菜園の手入れは身体のエクササイズにもなります。

今回ご紹介する方法で、ぜひ家庭菜園を成功させてください。



1. 小さなスペースから始める

菜園初心者の方は、小さなスペースから始めましょう。大規模な菜園で時間を費やして挫折するよりも、小さな菜園で自分の作ったものに感動するほうがいいでしょう。

また、時間とお金をかけて新しい趣味を始める前に、ガーデニングの基本を学んでおくのもよいでしょう。

ガーデニングにどれだけの時間がかかるかを知ることができます。

植えたり、水をやったり、草を取ったりして外で過ごすのが好きかどうかを知ることができます。夏から秋、冬にかけて自分と家族が食べられる野菜の量を知ることができる。


菜園アドバイザーは口を揃えていいます、初心者の菜園に適したサイズはズバリ6x6フィートです。

育てたい野菜を5種類まで選び、それぞれ数本ずつ植えていきます。秋の食事に必要な新鮮な野菜がたくさん手に入りますし、家事も楽にこなせます。また、コンテナを使って野菜を育てるのもよい方法です。庭がなくても、日当たりのよいデッキやベランダがあれば大丈夫です。

2. 自分の好きなものを育てる

あなたはガーデニングで何を食べるのが好きですか？

その答えによって、家庭菜園に何を植えればよいかがわかります。そのほかにも、いくつかのポイントがありますので、参考にしてください。


品種にこだわる

種子のパッケージやタグ、ラベルに記載されている説明をよく見てください。野菜の品種には、それぞれ特徴があります。ある品種は、コンテナや小さな庭に適した小さな苗を作ることができます。また、病気に強い、収穫量が多い、暑さや寒さに強いなどの特徴を持つ品種もあります。まずは自分が食べたいと思う野菜を選んで、その大きさや手入れの仕方を調べてみましょう。


生産性

自分や家族が食べる量を考え、余った野菜を冷凍したり、缶詰にしたり、人にあげたりする可能性を考えます。そして、どれくらいの数の種や苗を地面に植えればよいかを現実的に考えます。(トマト、ピーマン、カボチャなどの野菜は、シーズンを通して収穫できるので、それほど多くの苗は必要ありません。また、ニンジンやダイコン、トウモロコシなどは、1回だけ収穫してあとは植え替える必要があります。


作物の連続性

冷涼地の野菜と温暖地の野菜の両方を植えれば、春、夏、秋と連続して野菜やハーブを収穫することができます。春先には、レタス、ルッコラなどの青物、エンドウ、ラディッシュ、ニンジン、ブロッコリーなどを栽培します。涼しい季節の作物を収穫した後は、暑い季節に好まれるトマト、ピーマン、ナス、ハーブなどを植えます。秋には、ジャガイモ、キャベツ、ケールなどが収穫できます。

テストガーデンのヒント1

インゲンやエンドウのようなつる性の作物を植えることで、庭の垂直方向のスペースを活用し、1平方フィートあたりの収穫量を増やすことができます。

3. 庭の場所を選ぶ

庭をどこに置くか、何を植えるかにかかわらず、最高の成功を収めるために必要な2つの基本条件があります：水と光です。


太陽の光をたくさん浴びることが大切

他の植物と同様に、野菜も光合成を始めるために太陽の光を必要とします。成長の早い野菜には、木や低木、フェンスなどに遮られない日当たりの良い場所（1日6〜8時間以上の直射日光が当たる場所）が必要です。

そのため、日陰の場所に太陽が好きな野菜を植えても、あまりうまくいきません。部分的に日陰がある場合は、レタス、ケール、チャード、ホウレンソウ、チャイブ、コリアンダー、パセリ、タイムなど、日陰に強い野菜やハーブを植えましょう。

直射日光が1日4時間以上当たる場所であれば、ニンジン、ダイコン、ビーツなどの根菜類も良いでしょう。

また、日当たりのよいパティオがあれば、コンテナガーデニングに切り替えるのもよいでしょう。トマト、キュウリ、インゲン、バジル、ディル、ローズマリーなど、太陽の光を好む野菜やハーブを上手に配置することができます。

水場の利便性を考える

プロットは水源に近い方が良いです。種子が発芽したり、苗を移植したりした最初の数週間は、もろい植物がしっかりとした根や茎を作るために、頻繁に水やりをする必要があります。

植物が定着したら、毎日少しずつ水をかけるのではなく、数日に一度、じっくりと水を与えるのがよいでしょう。

そうすれば、水が土の中に深く浸透し、根がより深く成長し、健康維持に必要な栄養分を得ることができるようになります。水の無駄遣いや水やりの時間を最小限に抑えるために、ソーカーハウスやタイマー付きのドリップ灌漑の導入を検討しましょう。

4. 菜園のレイアウトを考える

菜園のレイアウトは、連作か集約栽培のどちらかを選びましょう（どちらにもメリットがあります！）。

列作

歩きやすいように、少なくとも18インチ（約1.5cm）の間隔で一列に並べて植えます。この方法は、耕運機などの機械を使って雑草を刈るのに適しているため、大規模な菜園には最も適しています。ただし、歩道のためにスペースを確保すると、植えられる野菜の数が減ってしまうというデメリットもあります。

テストガーデンのヒント２

一般的に背の高い植物は、庭の北側が適しています。これには、トマトのようなもともと背の高い植物や、エンドウ、キュウリ、インゲンなどの垂直支柱で栽培できる植物が含まれます。野菜を育てるためのAフレームトレリスを自作して、お金を節約しましょう。


集中的な作付け

庭の生産性を高めるには、集中栽培が効果的です。

これは、幅4フィート（約1.5m）のベッドに、2〜3本の植物を近接して植え付ける方法です（別名、ワイドロウ）。種を蒔いたり、移植したりするときは、成長したときに葉がほとんど触れないようにします。

この方法は、準備した土のほぼ1インチ四方を使うので、つる性の野菜（キュウリなど）を除くほとんどの種類の野菜に適しています。

欠点は、苗が密集しているため、手で草取りをしなければならないことです。

スクエアフット法は、4x4フィートの庭のベッドを格子状にして1フィート四方に分割する方法で、集約栽培の特殊なバージョンです。高さ6インチのベッドを埋めるには、最高品質の庭土が8立方フィート必要です。植え付けの方法は簡単で、1x1フィートの正方形に特大の植物を1本、1正方形に大形の植物を4本、1正方形に中形の植物を9本、1正方形に小形の植物を16本植えます。自由に組み合わせてください。



5. 豊かな土壌で育てよう

最高の収穫を得るためには、ベジタブルガーデンに最高の土壌が必要です。豊かで健康的な土は、手にとって感じればわかるものです。

掘りやすく、水はけのよい土がベストです。手触りで土を感じてください。砂粒のように感じますか？　砂が多すぎますか？それとも粉っぽいですか？

濡れているときに粘り気がありますか？　時として粘土が多すぎてよくない場合もあります。これら3つのタイプの組み合わせとその割合によって、庭の土の質感が決まります。土の質感は、水はけや栄養分の供給に影響します。

黒っぽくて、砕けやすくて、文字通り生命力にあふれた土がいいのです。幸いなことに、どのような質の土壌であっても、有機物を取り入れることで時間をかけて改善することができます。

例えば、砂地の土壌。大きな粒子で構成されているため、水や栄養分が隙間を通って流れていきます。砂質土に有機物（主に堆肥）を加えると、砂の粒子間の隙間を埋めることができ、植物が利用できるように水分と養分を保持することができます。

粘土質の土壌は、その反対です。非常に小さな粒子が密集しているため、水分を保持することはできますが、植物の根のための空気スペースはあまり確保できません。コンポストは、これらの小さな粘土粒子を分離して、水の流れを良くし、植物の根に必要な酸素を供給します。土の種類がはっきりしない場合は、州認定の土壌検査機関にサンプルを送って分析してもらいましょう。

植え付けのために土壌を準備するには、堆肥などの必要な改良材を撒き、耕運機や鋤で土に混ぜ込みます。耕したばかりの土を踏むと圧縮されてしまい、せっかくの作業が台無しになってしまうので注意しましょう。

その後、表面を滑らかにして、十分に水をやります。植え付けの数日前には、土壌改良剤が効果を発揮できるように苗床を休ませます。


テストガーデンのヒント３

土壌が痩せている場合は、高床式のガーデンベッドを使うのが簡単です。既存の芝生の上にレイズドベッドを作り、フレームの底に新聞紙を何枚か敷いて、その上に土を入れます。そうすれば、土を掘る必要はありません。

＊レイズドベッドとは、地上に設置された独立型のガーデンベッドです。"レイズド "とは、ベッド内の土壌レベルが周囲の土壌よりも高いことを意味します。「ベッド」という言葉は、実際に植栽地に足を踏み入れずに作業できる程度の大きさを意味しています。レイズドベッドは、構造的な支持と侵食防止のために、箱状のフレームで囲われることが多いです。

レイズドベッドのフレームは、レンガ、腐りにくい材木、造園用材木、コンクリートブロックなど、さまざまな材料を使って作ることができます。また、作業中に地面に屈まないようにするために、ベッドを高くすることもできます。

5. 害虫や病気に備えよう

問題によっては特別な解決策が必要な場合もありますが、一般的には、野菜から害虫を遠ざけるためのガイドラインに従ってください。


雑草を防ぐ

雑草は、光や水、栄養分を野菜と奪い合うので、最小限に抑えることが大切です。トマトのような大きな植物の周りには、きれいな藁や堆肥、プラスチックなどのマルチング材を敷くと、雑草を抑えることができます。雑草の苗が出てきたら、くわを使って阻止しましょう。


動物の侵入を防ぐ

鹿やウサギなどの大きな害虫は、エディブルガーデンに大打撃を与えます。鹿が庭に飛び込んでこないようにするには、高さ8フィートのフェンスが必要です。また、ウサギなどの穴を掘って侵入する動物を防ぐためには、土の下15cmの高さにフェンスを設置する必要があります。


昆虫を防ぐ

大きな虫や毛虫は、手でつまんで（水を張ったバケツに落として）取るのが安全で効果的な対処法です。大量に発生した場合は、ガーデンセンターなどで販売されている殺虫剤入りの石鹸を使ってみましょう。いずれの方法でも、メーカーの指示に従ってください。


菌類の病気対策

植物の葉ではなく、土に水を与えることで、カビ病の発生を防ぎます。スプリンクラーを使用する場合は、日没までに葉が乾くように日中の早い時間に行います。病気にかかってしまった植物は、速やかに取り除いてゴミ箱に捨て、コンポストの山には入れないようにしましょう。その他の予防法としては、病気に強いとされている品種を栽培することや、毎年植える場所を変えて（輪作）、病気の原因となる微生物の数を増やさないようにすることが挙げられます。

以上が家庭菜園を始める準備として必要な情報です。次回は作例をもとに、実践的な菜園方法をご紹介いたします。