2020年9月19日土曜日

ノーラン監督のTENET

 IMAXでド迫力の映像体験



 今アメリカで話題沸騰! かどうかイマイチよくわからんのですが、少なくとも映画ファンの間でギュンギュンと勢いよく話題になっている「TENET」を観てきました。

 コロナの影響下で映画館は軒並み閉鎖状態のなか、 IMAXシアターは満席時の25%の客席を用意して公開を断行しました。強気で劇場公開を決定したワーナー・ブラザースおよびIMAXシアターはいい度胸してますね。「ムーラン」のようにディズニー+のネット視聴で30ドルも取られることを思うと、大博打ですが劇場選んでくれて正解だと思いました。とにかく観客の度肝を抜く映像体験がウリの映画ですから、自宅のカウチでくつろいで観てる場合ではないのです。

 とはいえ、ニューヨークの片田舎に住んでる私は、近くにIMAXシアターなんてありません。自宅の半径50キロ圏内で「TENET]を上映しているIMAXはたった3件です。以前そのうちの一つで観た映画は確か2009年の「AVATER」。それ以来となります。

 予告編以外、ほとんど予備知識なしで見に行ったのですが、それはもう圧倒的な大迫力と観たこともない映像体験でした。2時間半の大長編でその映画館では一日に3回した上映されていませんでした。午後10時の部に行ったので、帰宅は翌日の日付になってしまいました。

 そこまでして観に行った理由は、もともとSFが大好物ということ、長い間劇場映画を観られなかったフラストレーション、そして今の停滞した世の中の閉塞感から脱出したくて、なにか突破口となるような現実逃避を試みようと思ったためです。

 結果、大変満足のいくエネルギーを浴びてきた、そんなしびれるような感覚がいま脳内で谺しています。

 物語はいたってシンプルで、主人公が世界の破滅を阻止すべく、アクション、アクションで大活躍して問題解決にたどり着く、という冒険モノの典型のようなお話です。

 ところがその内容がぶっ飛んでいます。クリストファー・ノーラン監督作は、2005年の「バットマン・ビギンズ」以来すべて観てきました。どの作品も非常に独創性溢れる作風で、観た者同士を議論させるのがうまいのです。

 が、今回の「TENET]の関しては、その難解さゆえに、必ずもう一度、観ることを促す厄介な作りになっているのです。いやもうこれは間違いなく確信犯的に、監督は観客に今作を二度見させるよう促す作り方をしているのです。

 なぜかというと、観ていてあとでそうかと納得させられる伏線が散りばめられており、一度観ただけではそれがどういうつながりで、どんな意味を持っているのか、絶対にわからない仕組みになっているのです。

 見る側はどうしても派手なバトルシーンや爆破、破壊シーンに目を奪われて、細かい伏線まで見通せないのです。監督はそんなストーリーを追う側の観客心理を巧みに刺激し、わかりにくい登場人物の言動で煙に巻いていくのです。

 要は時間の逆行にまつわる戦いの話なのですが、それはいままで観たことのない映像表現で、なんの説明もないまま突き進んでいきます。フィルムの逆回しなんて素人でもできるこのご時世、ノーラン監督はとても意表を突く時間逆行シーンを繰り出してきます。その奇妙な感覺と言ったら、まさに悪夢のようなもの。赤と青で時間の進む方向を表現したり、主人公の視点と観客の視点をつないで、作中の出来事を強く視覚化したりするのですが、それが却ってミスリードされてるような印象を受けてしまいます。まさに敵の術中にハマった忍者のような気分に陥るのです。

 ところどころ、劇中でなにが起こっているのかさえつかめなくなり、置いてきぼりになりかけました。そういった意味で非常に不親切な映画なのですが、なぜか観ていて飽きないどころか、ぐいぐい引き込まれるのです。このあたりは「インセプション」や「インターステラ」と似通っていて、主人公の行く末が気になって仕方なくなりました。

 とにかく観るものを強引に引き込む映像の迫力が素晴らしく、それだけでもIMAXの3Dで観る価値はあります。ただ繰り返しますが、この映画は一回では決して理解できない仕様になっています。ズルいとも思いました。もう少し親切な伏線を用意して欲しかったというのが本音です。今の所、二度目は確認のためにブルーレイが出るまで待ちます。しかし結構多くの人が再び映画館に足を運んでいるとききます。だとしたら監督の狙いは成功ですね。

 まあ本来、名作と言われるようないい映画は2度3度の再視聴にたえられます。ノーラン監督は凝りに凝った脚本を作って、そういった二度見必至の映画を創造しました。

 騙される覚悟で、ぜひ劇場に足を運んでください。2度見るかどうかはあなた次第。いずれにせよこの映画、決して損はしない濃密な時間を堪能できるはずです。


2020年9月18日金曜日

運転:日本人でも働ける職業

ウーバーかタクシーか

 


 アメリカで転職、あるいは今後渡米して職業を得ようとしている方。運転免許を取得して、運転の仕事をしてみませんか? 

 私はアメリカでカーサービスという仕事をしています。タクシーでもない、日本のハイヤーとも違います。もともとはリムジン専用の会社から始まったのですが、私が就職した頃には、すでに業務範囲を拡大していて、メディカル・トランスポートの業務ライセンスを有していました。小さな会社ですが、長年愛用してくださるリピーターを抱えており、新規のお客さんを呼びこまなくてもなんとかやっていける程度の安定した仕事量を保有しています(コロナ問題が起きる前までは)。

 一時は本気でタクシー会社に就職するつもりでしたが、フリーランスでグラフィック・デザインの仕事をしているので、長時間拘束されるタクシーの仕事には無理がありました。運転業はあくまでも副業としてやりたかったのです。それともう一つ、マンハッタンはともかく地方のタクシー会社は賃金が安く、仕事量の割に稼げないのが通例だったのです。パートタイムで数社のタクシー業務をこなしてきましたが、これは自分には向かないと痛感しました。

 そうこうするうちにウーバーが台頭してきて、自分も何度か説明会などに足を運び、仕事用の中古車まで買って準備を進めたのですが、直前でウーバーはやらないと決めました。周りではタクシー運転手がウーバーに鞍替えするのを見てきましたが、いずれも長続きする人がいないのです。それぞれ理由はあるのですが、全てを自営業同様にしなければならないウーバーは自由なようで、けっこう車のメンテなどを考慮すると大変なのです。結局もとのタクシー会社に戻ったほうが楽などと言う人もおりました。

 私が選んだカー・サービスというのは、それらと似て非なるものです。タクシーと違い、顧客を公道で拾えないのが最大の特徴です。あくまでも予約優先での受注業務なのです。うちの会社には顧客リストがあり、そこからのリムジン予約が6−7割。あとは飛び込みでの電話予約と、医療機関、保険会社を通しての病院ー顧客宅間の送迎業務です。

 リムジンとしてご利用される顧客の多くは空港送迎とその他の長距離移動に使われます。私が担当するプトナム・カウンティ、ダッチェス・カウンティという地域から、ニューヨーク近郊の3大国際空港、ケネディ、ラガーディア、ニューアークへの運転サービスは約1時間から2時間の運転業務です。あるいはマンハッタン内のどこかへご案内する仕事も多く、これも片道1時間半ほどを予定します。

 フリートと呼ばれる仕事車は、リンカーンとキャデラックが中心です。ほかにもシボレーやフォードの大型SUV、ミニバンではホンダ・オデセイなども用意しています。普通のリムジン会社にはベンツやサーブ、レクサス、BMWばどを使用することが多いのですが、うちの社長は、アメリカ・ブランドにこだわっています。せっかくアメリカに来てくださる海外のお客さんに、少しでもアメリカ気分を楽しんでもらうためというのが理由の一つ。格が同じぐらいのラグジュアリー・カーならアメ車のほうが、経費、維持費が抑えられるということもあります。

 実際、同レベルの高級車を比べるなら、やはり鼻の差で欧州勢が有利かと感じます。それでもしっかり管理されたアメリカのリンカーンやキャデラックは顧客満足度は高く、ほとんどのお客さんは「いい車だね」と褒めてくださいます。このあたり、タクシーをいろんなドライバーが交代で使いまわしているものとは違います。

 私もある程度仕事をこなし、ボスから信頼を得てからは、一台の車を責任持って管理するよう与えられ、自宅で管理するようになりました。はじめはシボレーのインパラというバカでかいセダンでしたが、それ以降はリンカーンのMKXやMKTという高級車を預かり、今はキャデラックのSRXというSUVを運転しています。ガソリン代、駐車料金、有料道路等、および車のメンテ代はすべて会社負担。ウーバーは全部自腹なので、ここで収入にも差ができます。

 タクシーのように客を求めて流す必要もなし。9割の仕事は前日にディスパッチャーと呼ばれる担当者が予定を組んで、一日のスケジュールを与えてくれます。当日はそれ優先に加え、飛び込みの仕事などを随時追加する形となります。慣れるとやりやすい仕事で、空いた時間を自分の好きなように使ってもいい事になっています。

 タクシー会社によっては行動を厳しく管理され、ノルマを課されることも多いのですが、ウチのようなカーサービスは自由な気風が多くて気分的にも楽でよいです。本職のグラフック・デザイン仕事にも時間を融通できることが出来、それがなにより有り難いと感じています。

 アメリカのカーサービスの定義は一部あいまいなところもあって、地域によってルールも異なります。ですが少なくともいくつかのタクシー会社を通過した私にとって、いまのカーサービスがベストなチョイスだと思っております。ご興味のある方はよく下調べをして、こういった運転の仕事をお選びされることをオススメします。


  

2020年9月17日木曜日

アメリカでウケるキャラクター

スミスキーが大人気

 


 ちかごろ日本で若い世代に「すみっこ暮らし」なるキャラクターが受けてると聞きました。映画にもなったそうですね。

 それとこれとは別物だとのことですが、数年前から我が家周辺では「スミスキー」という妖精キャラが静かな人気です。

 知ってる方も多いと思いますが、こいつは親指大くらいでしょうか、緑色の坊主頭のちっちゃいいきもので蛍光色が施されていて暗くなるとボウっと闇夜に浮かび上がります。

 なまえのとおり部屋の隅っこに隠れているキャラクターということで、いろんなポーズの彼らはそれぞれの呼び名があるようです。

 もともとうちの娘がニューヨークにある、日本からの輸入品グッズを扱う文具店で見つけてきたものです。

 もちろんアメリカでは全くの無名。

 ところが娘が友達の誕生日にプレゼントとしてあげた「トイレのスミスキー」がクラスで話題に。

「なにこれカワイくて面白い!」

 ということであげた方の娘が大喜び。年末に大量に購入し直して、昨年のクリスマスプレゼントとして仲のいい友達や親戚に配ったのです。

 そしたらやはり、この鼻をつまんだトイレのスミスキーがやたら受けたというんですね。

 なるほどこのキャラの持つゆるくて可愛いユーモア感はアメリカでも伝わるんだなと思いました。

 ほかにもいろんなポーズのスミスキーが家の隅々に増殖しつつあります。みかけるとなんだかほんわかした気分になる不思議な妖精キャラクター。あなたも部屋でも飼ってみませんか?

 それにしても「すみっこ暮らし」とはどういう関係なんでしょうかね?

2020年9月16日水曜日

アメリカで見つけたグッズ:台所編

 簡単ゆで卵製造機


 ゆで卵が食べたい。でもいちいちコンロで茹で時間を測りながら作るのはめんどくさい。思い通りのゆで具合にならない。卵の殻がうまく剥けずにボコボコになる。

 そんな方にオススメなのがこの商品です。

EGGPOD 7076 

by Emson WIreless Microwave Egg Maker, Cooker, Boiler & Steamer

 


 とにかく使い方は簡単。この卵型の容器に生卵と少量の水を入れ、電子レンジで8−9分加熱するだけです。あとは少し冷ましてから冷水をそそぎ、再び蓋を閉じます。密閉状態でこの容器をシャカシャカ10回シェイクして中の卵がひび割れたら、はいおしまい。

卵を4箇所のくぼみに乗せ、少量の水を注ぐだけ


 びっくりするほどかんたんに、ツルンと殻が剥け、ほっかほかのゆで卵の出来上がりです。

 こんなにいともアッサリとボイルドエッグができるとは、これ買うまで知りませんでした。いちどに4個まで作れますので、暇を見てはこの容器で二回計八個の卵を茹でて、冷蔵庫にしまっておきます。

 ご存知のように卵にはタンパク質が豊富に含まれておりますので、ちょっと小腹がすいたときなどは、ポテトチップやクッキーを控えてこのゆで卵をパクリとやるのがいいです。

 卵は高カロリーという人もいますが、一個あたり約80Kカロリー程度です。一日二個ぐらいならダイエットの邪魔にもなりません。むしろ糖質が少ない上に良質のタンパク質を含んでいるので、適度な運動と合わせて摂取することで、効率よくエネルギー化することができると言われています。おいしい卵は何も加えずにそのままほんのり甘い黄身の風味だけで十分です。むしろ飽きの来ない食物として末永く付き合っていけるものだと思います。

 ちなみの卵の黄身が高カロリーだからと敬遠する方もいますが、一日一個二個程度ならむしろ体にプラスな面があるという報告もあります。卵黄の中の脂質の三割を占めるリン脂質のコリン。これには肝機能や記憶力増進を促す効き目があるというのです。ほかのヘタなジャンクフードを貪るより、ずっと健康にいいですよね。

 ダイエット中の空腹でちょっとキツイなと思ったときは、冷蔵庫に常備したゆで卵が役に立ちます。腹持ちもいいし、水と合わせて摂取すれば消化吸収も簡単です。空腹によるストレスは却って体調を崩しかねないので、工夫次第で卵は体の良き味方になってくれるはずです。

 ぜひ体調の管理にもゆで卵をご活用ください。


 

2020年9月15日火曜日

アメリカで日本車を買う

 日本車選びのポイント


 自動車大国アメリカで自家用車を買うとなると、その選択肢の多さゆえ、なにをどの基準で買うのかで大きく運命が別れます。せっかくアメリカに住んでいるのだから、日本にないクルマを買いたいという方もいるでしょう。特にアメ車は日本で正規の輸入ルートがかぎられていますので、日本人の殆どは今どんなアメ車が売れているのかさえ知りません。

 私は毎日朝から晩までクルマを走らせている身なので、クルマの盛衰を肌身で感じます。ちょっと前まで流行っていたクルマが、気がついたら最近みかけなくなったなあ、などということもしばしばです。そもそもアメ車の中でもラインアップの下側にある車種は、寿命がとても短いです。年数で言うと平均4年ほどでモデルチェンジしますが、旧モデルはあっというまに、中古車市場からさえ消滅の憂き目に合うこともしばしばです。

 耐久年齢で言うならば、やはり日本車、特にトヨタとホンダはずば抜けているように感じます。というのも、たとえば道を走っていて、ホンダのCR-Vなどは3、4世代前のモデルが現役で走っているのをよく見かけます。アメ車だとせいぜい2世代前くらいしか見かけません。それほど日本車の寿命は長いということです。

 なので、アメリカでクルマを長く使いたいなら、まず日本車に絞ったほうが無難ということになります。もし数年以内で帰国予定の駐在員さんならアメリカ産の新車も経験はアリだと思います。昔は壊れやすいイメージの多かったアメ車ですが、最近はかなり日本車に迫る高品質を謳う車種も出ています。アメ車一般の特徴はパワーです。セダンでも中型以上のクルマなら、呆れるくらい底力があります。例えばFordのMustangやJeepのCherokee、Dodge Chargerといった若者に人気のミッド・セダンはやたらエンジンのパワーが大きくて、高速道路などではワクワクするような加速感を味わうことができます。これは広大なアメリアならではの道路事情と関係があるのではないでしょうか。

 いっぽう日本車は小型軽量タイプのクルマに利点があります。なにしろ燃費がアメ車より圧倒的にいい。近年、日本のカローラやシビッククラスの高燃費アメ車も量産されましたが、まだまだ耐久性や安定性の点では日本車にとてもかないません。

 というわけで、アメリカでクルマを買うならやっぱり日本車がオススメとなります。

 しかし日本車といえども、アメリカで販売されている車種は日本とかなり違っているので戸惑う方もいるかと思います。

 アメリカにおける国産車のラインアップは、米国の法令と自動車業界のきめたカテゴリに準拠するため、かなり絞られております。

 トヨタのセダンを例に挙げると、日本ではセダンのカテゴリーの中に、カローラ、カローラアクシオ、アリオン、プリウス、カムリ、プレミオ、Mirai、クラウン、センチュリーと9車種もあり(ほかにカローラツーリング、カローラフィールダー、プリウスa、更にはコンパクトセダンのアクア、ヤリスなども加えると14車種)かなり豊富なラインアップです。

 いっぽうアメリカでは、ヤリス、カローラ、プリウス、カムリ、アヴァロン、Miraiの基本6車種とかなり絞ったラインアップです。(各車種ハイブリッド版は除く)。これはホンダや日産、スバルなどでも同様で、限られたラインアップというか、絞り込まれた車種編成で、アメ車ヨーロッパ車ひしめく、北米市場で勝負しているのです。

 ただし近年需要の増してきたSUV部門においては、さらなる車種の充実が必要とされ、トヨタもホンダもラインアップの拡充を計っています。

 それでは、もしアメリカで日本車を買うならこれ、というオススメをご紹介しましょう。

 まず、単身赴任や若いカップルの生活様式なら、

1 トヨタ・カローラ・ハイブリッド (23400ドルより)

 



 カローラ初のハイブリッド車はプリウスの最新型と同等の燃費(1ガロンで53マイル走る・Ford Fusion Hybridは42マイル)ながらプリウスより10万円近くもお安くなっています。このクラスにしては居住性能も良く、サスペンションも程よい固めです。7インチの大型コントロールパネルを装備しており、操作性も評価されています。安全装備として歩行者・自転車検知機能付プリコリジョンシステム、ステアリングアシスト付車線逸脱警報、オートハイビーム、アダプティブクルーズコントロール、ロードサインアシスト、道路上の車線標示を読み取るレーントレースアシストなど最新の装備にアップグレードされています。


2 ホンダ・アコード (24270ドルより)

 


 昨年フルモデルチェンジしたアコードは、北米市場で最も売れたセダンとして20年以上の実績を持ちます。近年はやや守りに入った仕様、デザインだったのですが、去年発表された最新モデルは目の醒めるようなスポーティなボディを引っさげ、大きさ、パワー、安全性すべてがグレードアップして登場しました。低重心、低慣性をうたう新型プラットフォームに、先代用をブラッシュアップした2リッター4気筒の2モーター式シリーズ、ハイブリッドユニットを搭載し、同クラスのアメ車に大幅な差をつけて評判です。その年のカー・オブ・ザ・イヤーを獲得したのもうなずける充実ぶりです。

 このクラスから北米市場でベストなセダンを選ぶとなると、間違いなくこの二台ははずせません。本当にオススメのクルマです。

 次に、四人またはそれ以上のファミリー向け乗用車のおすすめです。


3 スバル・アウトバック (26795ドルより)

 


 4輪駆動アウトドアの先駆者として、アメリカでも幅広い層に親しまれているアウトバック。CVTスバル独自のシンメトリカルAWD、水平対向エンジンで、重量バランスのよさを生かして適切な駆動力配分を行い、雨や雪の悪路から高速道路まで、どんな状況でも高い操縦安定性を実現します。それに加えて、ユーザーから高い評価を得ているアイサイトなどの安全設計思想が人気の秘密でしょう。カテゴリとしては今どきですが、あくまでもワゴン車を名乗り、SUVの座はフォレスターに譲っているところに独自性を感じます。


4 トヨタ・ハイランダー (34600ドルより)


 日本未発売なのが不思議なくらい、北米では高い評価と実績を獲得しているトヨタSUVの中核を担うミッドクラス・クロスオーバー。三列シートで8人乗り、日本車としては大柄ながらアメリカではこのサイズのSUVがもっとも激戦区で、このクラスを勝ち抜いて多くの自動車レビュー機関から絶賛されています。とくに静粛性、燃費、乗り心地、内装はライバルから一歩リード。2013年、オフロード・スタイルからアーバン・スタイルに華麗な変身を遂げて依頼、常にSUVをリードする一台として君臨しています。

 以上の4台の他にも躍進著しいマツダのCXシリーズや、日産の売れまくっているSUV、ローグなど「押し」の日本車は数あれど、上記のクルマは広い層にアピールできるトップクラスの日本製アメリカ市場車です。ご購入の際、検討の一助となれば幸いです。

2020年9月14日月曜日

大阪なおみ、全米オープン二度目の制覇!

 アメリカでの報道・評価まとめ



 大坂なおみ選手、見事な逆転優勝でした。決勝の序盤は相手のアザレンカに主導権を奪われ、あわやこのまま押されていくのかと思いきや、徐々に冷静さを取り戻して、自分のペースを掴みました。

 今大会はコロナの影響で、ほぼ無観客で関係者のみという異例の大会。しかも当初大阪が注目されtのは試合内容ではなく、人種差別に対する抗議のマスクについてです。これまで大阪がテニス以外のことで意思を表明したことがなかっただけに、その思いの強さが観るものにインパクトを与えました。これは彼女が望んだ結果でしょう。試合を勝ち進むとともに、その黒マスク姿はアメリカのメディアでも大きく取り上げられ、多くの賛同を得ました。

 日本のスポーツ界ではほとんど見られない出来事です。私も彼女の強い意志と勇気に感銘を受けました。

 優勝してよりいっそう注目を浴びた大阪選手。アメリカのメディアではどのように取り上げられたのでしょうか。

 テニス界のご意見番「Tennis.com」では、記事の前半をマスクのことについて割き、説明しました。彼女の社会的な意思表明を忠実に代弁した内容です。要点は、「マスクに書かれた名前は人種差別によって失われた人の名を知ってもらうことであり、それは自身のプレーのモチベーションに繋がるものである」ということです。

 そして試合内容は、ともすると自身の凡ミスで冷静さを失う大阪が、今大会ではすぐに軌道修正できるメンタル面での成長を評価しました。「勝つことばかり考えると、自分を見失ってしまうので」というインタビューでの発言を引用し、コロナの影響で練習にも制限の多かった試合前の事に触れました。考えすぎずに自分が何をすべきかはっきりした目的意識の高さが優勝に結びついたという論調です。

大会お膝元の「ニューヨーク・タイムズ(New York Times)」は、

「大坂なおみ、社会正義を訴えながら全米オープンのタイトルを獲得」という大見出し優勝を称賛。犠牲者の名前をつけたマスクを7度、勝利のたびに披露した、と続きます。

 そして勝利の直後、ゆっくりコートに横たわった事に触れ、「私は偉大な選手が地面に倒れて空を見上げるのを見てきたすべての時間について考えていました 。私はいつも、彼らが何を見ているのか見てみたいと思っていたの」と大阪選手の弁を掲載しています。

芸能報道メディアのTMZは試合内容の合間に、ゴシップ記事的に、すべての試合に応援で付き添ってきたボーイフレンドでラッパーのコーデーに触れ、優勝の瞬間に歓喜爆発する彼の様子を伝えていました。

大手週刊誌ピープル・マガジンの見出しは「全米オープン優勝の大坂なおみ、コービー・ブライアントのジャージが「私に力を与えてくれた」と語る」です。

 今年1月26日にヘリコプター事故で非業の死を遂げたバスケットボールのレジェンド、コービー・ブライアントが大阪の心の師であるというエピソードを掲載しました。生前、コービーは大阪の才能を信じ、必ず偉大な選手になると励ましてくれたそうです。スランプのときもコービーはさりげなく気配りのメッセージを送り、彼女に感動を与えていたのです。それで今回の優勝で彼に敬意を表し、コービーの名前入りのジャージ写真を公開し、試合の後はいつもこのジャージを着ていたことを明かしています。

 今回の優勝で大阪選手は再び世界のトップ・テニス・プレーヤーとして認知されるでしょう。さらに世間のインフルエンサーとして、彼女の言動にも注目が集まります。大坂なおみのの快進撃はまだ始まったばかりと言えるのではないでしょうか。




人気沸騰! アメリカのハイキング

 混雑必至のニューヨーク:ウォーキング編



 ニューヨークもようやく暑さがおさまり、行楽の季節へと向かっています。例年なら遠方の知人やかつて仕事でお付き合いのあった方々にも、また来てください、いまがご旅行にほどよい季節ですよと、ご案内をお送りするのですが、今年はちょっとためらっています。

 もちろんコロナの件が一番ですが、それに付随してもっと懸念される事態がわが町で起こっているからです。

 ニューヨーク州のコールド・スプリングという小さな町なのですが、ココ数週間、週末ともなれば異常なくらい大勢の観光客が押し寄せます。とりたててランドマークというほどのものもない場所なのに、ウォーキング、ハイキング、サイクリング、さらにモーターバイクの群れがものすごい勢いで殺到してくるのです。

 勝手な分析ですが、これはコロナ・ウィルスで夏場、外出を控えていた人たちが、状況の緩和とともに一斉に外に飛び出した結果ではないかと思えます。私でも夏の間、マスクを掛けてまで他の町へ出かけるのは、安全のため控えていましたが、気候が良くなるにつれて開放的な気分を味わいたくなってきました。

 特にニューヨーク市内の大都会やその他、地方の市街地に暮らす人達にとっては、自然豊かで美しい光景の場所に憧れを抱くのも当然の心理です。

 私は人混みを避けるために、週末は朝のうちにカメラ片手にぶらりと郊外の散歩を楽しんでいます。車で時間をかけてどこかへ行かなくても、家の周りは風光明媚な場所でいっぱいなのです。ハドソン川沿いは展望施設として、広場とガジーボがあり、ヨットハーバーもあります。

 メインストリートにはおしゃれなショップが立ち並び、ぶらぶら歩きながらウインドウ・ショッピングするだけでも楽しいものです。安全で清潔な町並みはカメラが趣味の人達にとっても、スナップショットを撮るのにうってつけの場所です。

 いっぽう町の外れには沼沢地を見渡せるファウンドリーという自然公園があり、野鳥や鹿、リスなどがそこかしこで見られます。健康のために歩こう、走ろうという人は、ぜひこちらに来てほしいものです。

 ではなぜ今、この地が問題となっているかと言うと、町の北側ハドソン川沿いにあるハイキング・コースがヤバいのです。ここが週末、度を越した人手で混雑するので、これからの時期、こちらに来られる方はぜひとも注意してください。

 トリップアドバイザーなどの旅行ガイドやSNSで広まったここの地域情報は、全米各地からの旅行客をもたらしました。なにせガイド評価が高いもので、人気に拍車がかかり、大混雑となっているのです。

大人気のブレイクネック・リッジ。眺めは最高です。

 具体的には、ルート9Dブレークネック・リッジ付近なのですが、とにかくハイカーの停める車が数珠つなぎ、所狭しとごったがえします。もともとそんな車を駐車するスペースはなく、みんな狭い道路の路肩に駐車してしまうので、通行は危険極まりないのです。通常は制限速度55マイルの道路ですが、とてもそんなスピードで走れたものではありません。人々は道路にはみ出し、前後を見ませんし、家族連れで小さな子供などが立っていると、おもわずヒヤリとしてしまう危険状態です。そのうえマナーの悪い人たちが落とすゴミが路肩に氾濫し、美観もあったものではありません。せっかく美しい景色を見に来たのにこれでは本末転倒です。

かなり急な岩山。登りきると気分爽快です。


 この町で行楽を楽しんでいただくのは大いに歓迎なのですが、いまはちょっとタイミングを図った上で、来られたほうがいいかと存じます。いつもとは限りませんが、人手が集中するとツイッターで混み具合を発信する人もいるので、事前にチェックするのも手かと思います。

 もう一つ。コールドスプリングに来られる方は、どうしても街の中心部、メインストリート近辺に車を駐車しがちです。が、週末はほぼ不可能と思ってください。殆どの通りはフリーパーキングなのですけど、もともと地元住民がストリートに駐車している上に、観光客が殺到して、朝から夕暮れまで通りという通りは、車で一杯になるのです。駐車場探しだけで貴重な時間が失われます。メインストリートから一マイル以上出れば、空きは見つかると思いますので、ここも一つご考慮くださいね。

 皮肉なもので、こんな風光明媚な土地に住んでいながら、私は週末どこかに行きたくなります。でもちょっと車を出すと、もう帰ってきても置き場所がなくなっています。地元の者が自宅から離れた別のブロックに駐車して数分歩いて帰宅する。そんなことをしなければならないのです。それほどの人気のスポットに住んでいる私の悩み。こんなのは贅沢だと思うべきなのでしょうか。