2020年9月15日火曜日

アメリカで日本車を買う

 日本車選びのポイント


 自動車大国アメリカで自家用車を買うとなると、その選択肢の多さゆえ、なにをどの基準で買うのかで大きく運命が別れます。せっかくアメリカに住んでいるのだから、日本にないクルマを買いたいという方もいるでしょう。特にアメ車は日本で正規の輸入ルートがかぎられていますので、日本人の殆どは今どんなアメ車が売れているのかさえ知りません。

 私は毎日朝から晩までクルマを走らせている身なので、クルマの盛衰を肌身で感じます。ちょっと前まで流行っていたクルマが、気がついたら最近みかけなくなったなあ、などということもしばしばです。そもそもアメ車の中でもラインアップの下側にある車種は、寿命がとても短いです。年数で言うと平均4年ほどでモデルチェンジしますが、旧モデルはあっというまに、中古車市場からさえ消滅の憂き目に合うこともしばしばです。

 耐久年齢で言うならば、やはり日本車、特にトヨタとホンダはずば抜けているように感じます。というのも、たとえば道を走っていて、ホンダのCR-Vなどは3、4世代前のモデルが現役で走っているのをよく見かけます。アメ車だとせいぜい2世代前くらいしか見かけません。それほど日本車の寿命は長いということです。

 なので、アメリカでクルマを長く使いたいなら、まず日本車に絞ったほうが無難ということになります。もし数年以内で帰国予定の駐在員さんならアメリカ産の新車も経験はアリだと思います。昔は壊れやすいイメージの多かったアメ車ですが、最近はかなり日本車に迫る高品質を謳う車種も出ています。アメ車一般の特徴はパワーです。セダンでも中型以上のクルマなら、呆れるくらい底力があります。例えばFordのMustangやJeepのCherokee、Dodge Chargerといった若者に人気のミッド・セダンはやたらエンジンのパワーが大きくて、高速道路などではワクワクするような加速感を味わうことができます。これは広大なアメリアならではの道路事情と関係があるのではないでしょうか。

 いっぽう日本車は小型軽量タイプのクルマに利点があります。なにしろ燃費がアメ車より圧倒的にいい。近年、日本のカローラやシビッククラスの高燃費アメ車も量産されましたが、まだまだ耐久性や安定性の点では日本車にとてもかないません。

 というわけで、アメリカでクルマを買うならやっぱり日本車がオススメとなります。

 しかし日本車といえども、アメリカで販売されている車種は日本とかなり違っているので戸惑う方もいるかと思います。

 アメリカにおける国産車のラインアップは、米国の法令と自動車業界のきめたカテゴリに準拠するため、かなり絞られております。

 トヨタのセダンを例に挙げると、日本ではセダンのカテゴリーの中に、カローラ、カローラアクシオ、アリオン、プリウス、カムリ、プレミオ、Mirai、クラウン、センチュリーと9車種もあり(ほかにカローラツーリング、カローラフィールダー、プリウスa、更にはコンパクトセダンのアクア、ヤリスなども加えると14車種)かなり豊富なラインアップです。

 いっぽうアメリカでは、ヤリス、カローラ、プリウス、カムリ、アヴァロン、Miraiの基本6車種とかなり絞ったラインアップです。(各車種ハイブリッド版は除く)。これはホンダや日産、スバルなどでも同様で、限られたラインアップというか、絞り込まれた車種編成で、アメ車ヨーロッパ車ひしめく、北米市場で勝負しているのです。

 ただし近年需要の増してきたSUV部門においては、さらなる車種の充実が必要とされ、トヨタもホンダもラインアップの拡充を計っています。

 それでは、もしアメリカで日本車を買うならこれ、というオススメをご紹介しましょう。

 まず、単身赴任や若いカップルの生活様式なら、

1 トヨタ・カローラ・ハイブリッド (23400ドルより)

 



 カローラ初のハイブリッド車はプリウスの最新型と同等の燃費(1ガロンで53マイル走る・Ford Fusion Hybridは42マイル)ながらプリウスより10万円近くもお安くなっています。このクラスにしては居住性能も良く、サスペンションも程よい固めです。7インチの大型コントロールパネルを装備しており、操作性も評価されています。安全装備として歩行者・自転車検知機能付プリコリジョンシステム、ステアリングアシスト付車線逸脱警報、オートハイビーム、アダプティブクルーズコントロール、ロードサインアシスト、道路上の車線標示を読み取るレーントレースアシストなど最新の装備にアップグレードされています。


2 ホンダ・アコード (24270ドルより)

 


 昨年フルモデルチェンジしたアコードは、北米市場で最も売れたセダンとして20年以上の実績を持ちます。近年はやや守りに入った仕様、デザインだったのですが、去年発表された最新モデルは目の醒めるようなスポーティなボディを引っさげ、大きさ、パワー、安全性すべてがグレードアップして登場しました。低重心、低慣性をうたう新型プラットフォームに、先代用をブラッシュアップした2リッター4気筒の2モーター式シリーズ、ハイブリッドユニットを搭載し、同クラスのアメ車に大幅な差をつけて評判です。その年のカー・オブ・ザ・イヤーを獲得したのもうなずける充実ぶりです。

 このクラスから北米市場でベストなセダンを選ぶとなると、間違いなくこの二台ははずせません。本当にオススメのクルマです。

 次に、四人またはそれ以上のファミリー向け乗用車のおすすめです。


3 スバル・アウトバック (26795ドルより)

 


 4輪駆動アウトドアの先駆者として、アメリカでも幅広い層に親しまれているアウトバック。CVTスバル独自のシンメトリカルAWD、水平対向エンジンで、重量バランスのよさを生かして適切な駆動力配分を行い、雨や雪の悪路から高速道路まで、どんな状況でも高い操縦安定性を実現します。それに加えて、ユーザーから高い評価を得ているアイサイトなどの安全設計思想が人気の秘密でしょう。カテゴリとしては今どきですが、あくまでもワゴン車を名乗り、SUVの座はフォレスターに譲っているところに独自性を感じます。


4 トヨタ・ハイランダー (34600ドルより)


 日本未発売なのが不思議なくらい、北米では高い評価と実績を獲得しているトヨタSUVの中核を担うミッドクラス・クロスオーバー。三列シートで8人乗り、日本車としては大柄ながらアメリカではこのサイズのSUVがもっとも激戦区で、このクラスを勝ち抜いて多くの自動車レビュー機関から絶賛されています。とくに静粛性、燃費、乗り心地、内装はライバルから一歩リード。2013年、オフロード・スタイルからアーバン・スタイルに華麗な変身を遂げて依頼、常にSUVをリードする一台として君臨しています。

 以上の4台の他にも躍進著しいマツダのCXシリーズや、日産の売れまくっているSUV、ローグなど「押し」の日本車は数あれど、上記のクルマは広い層にアピールできるトップクラスの日本製アメリカ市場車です。ご購入の際、検討の一助となれば幸いです。

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