2020年9月27日日曜日

コーヒー消費大国アメリカ

 流れはもうKEURIG



 自宅で飲むアメリカでのコーヒーメーカー選び。

コーヒーはKEURIGの一人勝ち。

 これがもう結論です。

 いやいやあんなのは豆を挽くコーヒーにはかなわんよ。そういう声も聞こえてきそうですが、味はともかくトータル的にみると、キューリグ・コーヒーの主流化、もはやこの流れは変えられないと思います。

 自宅のコーヒーはコーヒーメーカーで。日米ともに確かにその通りなのですが、家族共同生活であっても「個」を優先するアメリカにおいては、KEURIGの利便性が受け、急速に広ががるのは当然の流れでした。

 はじめはオフィスや銀行、各種専門店の顧客待合室などで見かけたものですが、気が付くと各家庭にもじわじわ浸透し、いまや一家に一台もそう遠くないほど、いたるところに普及しています。日本ではまだこれほどではないでしょうが、本家アメリカにおいては、Green Mountain Coffee社というセルフサービス型コーヒーでシェア・トップのメーカーに買収されて以来、雪だるま式に巨大企業となったキューリグ社。


 当初は選択肢の乏しいコーヒー種で味もいまいちだったのですが、大手から中堅、新進のコーヒーメーカーと次々に提携してからは怒涛の勢いでたちまちコーヒー界を席巻しました。「一人一杯分のコーヒーを手間かけずに一分でできる」。このコンセプトが大ヒットの要因です。

 以前は我が家もコーヒー豆を挽いて入れる、ドリップ式のコーヒーメーカーを使っていて、今もキッチンに並んでいます。が、KEURIGを購入してから、その使用頻度はガクッと落ちてしまいました。豆を挽くと確かに味や香りはコーヒーショップに近い、一番好みのコーヒーになるのですが、やはり利便性で一歩譲ってしまいます。

 ドリップ式を使いにくいもう一つの理由。それはうちのは電動式なので、豆を挽くときの騒音があります。私が朝起きるのは、早いときで4時5時なので、ガーっというあの音で家族を起こしてしまうことを躊躇してしまうのです。加えて朝はとても忙しいので、悠長にコーヒーの一滴一滴を待つことができません。

 そういうわけで、ドリップ式は休みの日にゆっくりといただくことにして、普段は粉専用のコーヒーメーカーで作ってきました。これだと一日二杯はいただく私も家内も含め、六杯分ぐらいは一気に作っておくことができます。長年我が家はこれで事足りていました。

 ところがKEURIGが登場すると、事態は一変したのです。それまで家族それぞれ妥協しながら、たった一種類のコーヒーを分け合って飲んでいたのですが、KEURIGを導入することで、はじめてコーヒーの選択という概念が生じたのです。

 幸いうちはみんな濃い目のコーヒーが好きで、朝シャキッと目覚めるダークコーヒーを共有していました。しかし息子がコーヒーの味にうるさくなってからは、いくつかのメーカーを買い替えとっかえ、試行錯誤が始まっていました。

 私は長年愛飲してきた「Folger」の Black Silkというダーク・コーヒー一択だったのですが、家内は「Chock full o'Nuts」のイタリアン・ロースト、息子は「Death Wish Coffee」のヴァルハラ・JAVAが好き、といった具合に微妙に好みが異なるのです。

 しかしキューリグにしてからは、数十種以上のコーヒー・ブランドのなかから日替わりでいろいろ楽しめるので、みんなコーヒーの好みの枠が拡張されました。(ちなみに二〇二〇年現在、アメリカではキューリグ一社だけでコーヒーブランド60以上、400種類を超える飲料をポッド化し販売中だそうです)


 なんといってもカプセル型のK-Cupというポッドの発明が革命的です。今は数人分のコーヒーも作れたり、お茶やほかの飲料まで取り込んでと、発展の一途をたどるキューリグ。この独り勝ち状態の牙城を崩すことは、もはや困難だと思います。ポッド使用後のごみ処理問題が指摘されていますが、すでに再生可能プラスティック容器もできていて、随時改良開発中だそうです。

 今後、さらに販売量が増えてK-Cupの単価が引き下がられたら、もう鬼に金棒です。いちど使ったらもう後戻りできない、キューリグのコーヒー。どこまで快進撃が続くのか目が離せません。

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