2020年9月25日金曜日

アメリカ観光:ハドソン川

 風光明媚なハドソン川沿いを行く:その1


 ニューヨーク州のシンボルとも言えるハドソン川。自由の女神が見守る河口からほぼ真北に向かって伸び、水源から先も別の川とつながり、はてはカナダのケベックまでたどり着けます。

 悠久の歴史を刻むこの大河は至るところに観光スポットがあり、川沿いに車を走らせるだけでも多くの見どころがあります。電車もアムトラック、ハドソンラインという路線がハドソン川に沿って運行していますので、電車の旅も乙なものです。

 今回はまず簡単なハドソン川の歴史と、都会から日帰りで行けるタッパンジー橋付近までを中心にその見どころをご紹介いたします。

 ハドソン・リバー。川の名の由来は、1609年にこの川の調査を行ったイギリスの探検家、ヘンリー・ハドソンから取ったものです。彼がアメリカを訪れた頃は、ここがまだアメリカが大陸であるということを誰も知りませんでした。ニューヨークあたりも群島の一部だと考えられ、ハドソン川を抜けた先に、太平洋があると考えられていたそうです。

 探検家ハドソンは船で川の流域を調査しながら遡り、水源付近まで上り詰め、ここが巨大な大陸の一部であることを証明したのです。

 全長およそ500キロと言いますから、東京からだと大阪、あるいは盛岡あたりを超える距離。アメリカの中でも大河と呼んでもいい規模の川です。

 なかでもアメリカ東部屈指の観光スポットといわるハドソン渓谷は、マンハッタンからおよそ1時間北上したあたりから始まります。

 氷河期の氷の侵食でできたと言われる川沿いの切り立った絶壁は雄大そのもの。川沿いを走る列車からの眺めがおすすめです。車でゆくなら、川を隔てたニュージャージ州のパリセード・ハイウェーが好適で、途中の展望所では絶壁の上からニューヨークの町並みが見下ろせます。

 マンハッタンから日帰りで最も身近に自然を感じられるのは、トールマン・マウンテン・ステート・パークです。ハドソン川沿いの緑豊かな森林公園で、キャンピング、バーベキュー、ハイキング、ウォーキング、サイクリング、釣り、バードウォッチングなどが楽しめます。

 近隣に ハドソン川国立海洋研究保護区に指定されたピアモント湿原があり、川べりに貴重な野生動物が生息していることでも注目されています。

 そこから20分あまりでもう一つの自然公園があります。フックマウンテン・ステート・パークです。こちらは標高わずか200メートルちょいの小高い丘みたいな山が最大の見所です。北に向かえば右にハドソン川、左側にロックランド・レイクが見渡せます。標高の割にはとても見晴らしがよく、写真バエもするので、アメリカならではの自然を満喫したいのであれば、こちらも立ち寄る価値のあるスポットです。

 せっかくこのロックランド・カウンティ界隈を訪れたなら、デフォレスト・レイクも見ていきましょう。川のように細長い湖で、近隣住民の憩いの場となっております。車でならルート9Wから304号線に乗り換えて湖の北端を走り、右側に湖を見ながらもう一度コンガース・ロードを折れて湖の上の橋を渡るといい見晴らしを楽しめます。

 ここまで来たら、休憩にパリセーズ・モールへ行くのがいいです。この界隈で随一の規模を誇る巨大ショッピング・モールで、大抵の買い物はここで全て揃います。メイシーズやターゲットなどの大型小売店を始め、H&M、GAP、Old Navy、Zara、Abercrombieなどのブランドショップもひしめいています。食事や休憩の空間もゆったり取られていますし、三層にわたる広大なアーケードなので、平日なら混み合う懸念もありません。

 ココまではハドソン川沿いの旅のほんの入り口に過ぎません。それでも一日たっぷり楽しめるほど見どころは満載。都会からもっとも近くて自然を味わえるロックランド近辺をぜひチェックしてみてください。

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