2020年9月14日月曜日

人気沸騰! アメリカのハイキング

 混雑必至のニューヨーク:ウォーキング編



 ニューヨークもようやく暑さがおさまり、行楽の季節へと向かっています。例年なら遠方の知人やかつて仕事でお付き合いのあった方々にも、また来てください、いまがご旅行にほどよい季節ですよと、ご案内をお送りするのですが、今年はちょっとためらっています。

 もちろんコロナの件が一番ですが、それに付随してもっと懸念される事態がわが町で起こっているからです。

 ニューヨーク州のコールド・スプリングという小さな町なのですが、ココ数週間、週末ともなれば異常なくらい大勢の観光客が押し寄せます。とりたててランドマークというほどのものもない場所なのに、ウォーキング、ハイキング、サイクリング、さらにモーターバイクの群れがものすごい勢いで殺到してくるのです。

 勝手な分析ですが、これはコロナ・ウィルスで夏場、外出を控えていた人たちが、状況の緩和とともに一斉に外に飛び出した結果ではないかと思えます。私でも夏の間、マスクを掛けてまで他の町へ出かけるのは、安全のため控えていましたが、気候が良くなるにつれて開放的な気分を味わいたくなってきました。

 特にニューヨーク市内の大都会やその他、地方の市街地に暮らす人達にとっては、自然豊かで美しい光景の場所に憧れを抱くのも当然の心理です。

 私は人混みを避けるために、週末は朝のうちにカメラ片手にぶらりと郊外の散歩を楽しんでいます。車で時間をかけてどこかへ行かなくても、家の周りは風光明媚な場所でいっぱいなのです。ハドソン川沿いは展望施設として、広場とガジーボがあり、ヨットハーバーもあります。

 メインストリートにはおしゃれなショップが立ち並び、ぶらぶら歩きながらウインドウ・ショッピングするだけでも楽しいものです。安全で清潔な町並みはカメラが趣味の人達にとっても、スナップショットを撮るのにうってつけの場所です。

 いっぽう町の外れには沼沢地を見渡せるファウンドリーという自然公園があり、野鳥や鹿、リスなどがそこかしこで見られます。健康のために歩こう、走ろうという人は、ぜひこちらに来てほしいものです。

 ではなぜ今、この地が問題となっているかと言うと、町の北側ハドソン川沿いにあるハイキング・コースがヤバいのです。ここが週末、度を越した人手で混雑するので、これからの時期、こちらに来られる方はぜひとも注意してください。

 トリップアドバイザーなどの旅行ガイドやSNSで広まったここの地域情報は、全米各地からの旅行客をもたらしました。なにせガイド評価が高いもので、人気に拍車がかかり、大混雑となっているのです。

大人気のブレイクネック・リッジ。眺めは最高です。

 具体的には、ルート9Dブレークネック・リッジ付近なのですが、とにかくハイカーの停める車が数珠つなぎ、所狭しとごったがえします。もともとそんな車を駐車するスペースはなく、みんな狭い道路の路肩に駐車してしまうので、通行は危険極まりないのです。通常は制限速度55マイルの道路ですが、とてもそんなスピードで走れたものではありません。人々は道路にはみ出し、前後を見ませんし、家族連れで小さな子供などが立っていると、おもわずヒヤリとしてしまう危険状態です。そのうえマナーの悪い人たちが落とすゴミが路肩に氾濫し、美観もあったものではありません。せっかく美しい景色を見に来たのにこれでは本末転倒です。

かなり急な岩山。登りきると気分爽快です。


 この町で行楽を楽しんでいただくのは大いに歓迎なのですが、いまはちょっとタイミングを図った上で、来られたほうがいいかと存じます。いつもとは限りませんが、人手が集中するとツイッターで混み具合を発信する人もいるので、事前にチェックするのも手かと思います。

 もう一つ。コールドスプリングに来られる方は、どうしても街の中心部、メインストリート近辺に車を駐車しがちです。が、週末はほぼ不可能と思ってください。殆どの通りはフリーパーキングなのですけど、もともと地元住民がストリートに駐車している上に、観光客が殺到して、朝から夕暮れまで通りという通りは、車で一杯になるのです。駐車場探しだけで貴重な時間が失われます。メインストリートから一マイル以上出れば、空きは見つかると思いますので、ここも一つご考慮くださいね。

 皮肉なもので、こんな風光明媚な土地に住んでいながら、私は週末どこかに行きたくなります。でもちょっと車を出すと、もう帰ってきても置き場所がなくなっています。地元の者が自宅から離れた別のブロックに駐車して数分歩いて帰宅する。そんなことをしなければならないのです。それほどの人気のスポットに住んでいる私の悩み。こんなのは贅沢だと思うべきなのでしょうか。



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