2020年7月26日日曜日

オフィスの便利グッズ

仕事部屋の便利なアイテム



 夏の暑い季節ですが、仕事は待ってくれません。そんな時、作業の捗るアイテムがあれば、助けになります。私が使っている机周りのものを、少しづつご紹介させていただきます。今回は3つばかり取り上げてみました。ご参考になれば、幸いです。


腰を守るクッション
長時間デスクワークをしていると、腰に負担がかかります。ついついしがちなのが、猫背や浅い座り方。座ったときの姿勢がいちばん大事なのは言うまでもないこと。その次に椅子の作りにも、腰への負担は大きく左右されると言います。とはいえ、椅子を変えるのはちょっと大ごとです。そんな場合に、クッションを試してみるのはいかがでしょうか。
 私が最終的に選んだのが、この品です。

Everlasting Comfort Seat Cushion for Office Chair


 このクッションは、ほとんどのタイプのデスク・チェアでも対応できると思います。至ってシンプルなアイデアで、椅子の上に乗せるだけでOKです。形状はご覧のとおり  、背骨の延長部分がくり抜かれた形で、圧力を開放しています。表面はお尻の形に合わせてお椀型に湾曲しています。中の素材は形状記憶クッションでやや固めな感触ですが、体型にフィットして均等に沈んでくれます。

 これに座って背もたれに身を傾けると、背骨のバランスが程よく保たれ、腰への負担が最小限に緩和されます。このクッションを使ってみて、あると無いとでは、長時間のデスクワークに差が出ます。私の場合、明らかにこのクッションは疲労を軽減してくれます。それまで一般的な四角く平たいクッションや、薄手の柔らかい枕を敷いていたのですが、しばらくするとスグに居心地が悪くなって、知らずに背中が丸くなったりしていました。しかしこのメモリー・フォームの素材は体型に合わせて圧力を緩和してくれるので、無理なく座り続けられます。
 表面の黒い部分は通気性のよいクッションカバーで、肌に優しいフェルトタッチの素材です。洗濯機で水洗いできるのは好都合です。底の部分は小さなドットのゴムがついていて、椅子からずれたりすることもありません。
 他もメーカーから類似の商品が出回っていますが、材質や形状、大きさも違ってきます。いずれも後追いの感は免れません。こちらのメーカーはいち早くこのタイプのクッションを発売し、改良を重ねていますので、安心して購入できるかと存じます。

お次は最小サイズの掃除用具です。

Cute Portable Beetle Ladybug Cartoon Mini Desktop Vacuum Desk Dust Cleaner


 こちらは超小型の卓上掃除機です。ご覧のように見た目が可愛くて、インテリアとしても見てるだけで、こころ和みます。ケーブルもなく、乾電池で駆動するので気が向いた時、さっと手にとって、机やパソコンの上を掃除できます。私は鉛筆で手描きのスケッチをよくやるので買ってみましたが、消しゴムのカスもしっかり吸引してくれます。

 大きなゴミは無理ですが、吸引する底面には小さなブラシが放射状についているので、埃っぽい棚やキーボードなどのダストなら簡単に拭き取れます。赤いテントウムシの他に、みどりの奴や、ユーモラスな変顔のバージョンもあります。部屋のどこに置いてもじゃまにならないスグレモノです。

今日の三つ目は、暑い夏に欠かせないアイテムです。
SODIAL Portable Folding Fan Laptop Coolong Pad

 夏の暑い部屋でノート・パソコンを使っていると、PC内部の熱が半端なく上がってきます。とくに回転するディスクのある部分の表面、私のパソコンの場合は、手を置くタッチパッドの横あたりが、ぐんぐん熱上昇するので、いつクラッシュするか、気が気ではありません。去年はアイスパッドを底に敷いていたのですが、座りがよくないし机が濡れてしまいます。なによりいちいち取り替えたりが手間でした。
 そこで数年前に使っていた、小型扇風機をパソコンの横に置いたのですが、底を触ると、熱は以前プラスティックの底面を溶かしそうな暑さでした。やむなく代替品を探すと出てきたのがコレ。
 ちょっと貧弱で頼りない作りに思えたのですが、使ってみると、たしかにパソコンの底面の温度は低減しました。机とパソコンの間に隙間ができることで、ファンの風が流れ出てくれるのです。これは電池もいらず、パソコンのUSBにつないで自動的にファンが回る仕組みです。つまりパソコンをオフにしない限りまわりつづけるのです。じつに効率的で今はほとんど使いっぱなし。華奢に見えてけっこうよく働いてくれます。
 足が折りたたみ式になっていて、十七インチごらいの大きめのパソコンから十一インチの小型パソコンまで対応できます。軽量コンパクトで持ち出しやすいのも重宝します。夏には欠かせない一品です。

 以上、机の周りを見回してちょっと気に入った便利グッズをご紹介しました。




2020年7月25日土曜日

車はフロント・フェイスで勝負

アメリカを走る車の顔 



 仕事で使っている車が、オイル交換の時期に来ていることに気がつきました.。
 いつも利用しているのは、Mavis Discount Tireというタイヤ販売の会社が運営する自動車修理のショップです。
 通常は前もって予約をしてから行くのですけれど、 時間ができたので空いてればすぐにエンジンオイルを交換してもらえると思ったのです。
 しかし残念ながら駐車場には順番を待つ車がずらりと並んでいました。
 この店はタイヤ交換が主な仕事ですが、 車のチューンナップや、ちょっとした故障もテキパキと修理してくれるので重宝しています。 便利なだけによく繁盛していて、大抵はお客さんでいっぱいです。この日は特に混雑しており、店員さんに聞くと3時間から4時間待ちだと言われました。夕方でしたが、車は明朝まで使う予定がないので、そのまま預けることにしました。閉店までにはオイル交換してくれるというので、隣接する大規模な中古車販売店をぶらぶらと歩いて見て回ることにしました。

 わたしが去年まで使っていたリンカーンMKTも売ってました。やはりこの車、顔が目立ちます。鳥の翼をイメージしたラジエータグリルが今見てもイケてますね。

 それにしても、改めてアメリカの中古車市場を見てみると、実に多種多様な車があるもんだと思いました。日本にいるときは自動車大国アメリカは、やっぱりアメ車の天下だろうと思っていたのですが、さにあらず。
 実際にみての雑感ですが、アメリカのメーカーが占める割合は半分ほどじゃないかと思います。むしろ目立つのはトヨタ、ホンダ、日産などの日本車。ついでヨーロッパメーカーです。もちろんアメリカのフォードやGMも普通にたくさん走っているのですが、あまりの車種の多さに埋もれて目立たないのです。
 そこでふと気になったのが、自動車メーカーによる車の顔、つまりフロントグリルのことです。メーカーそれぞれに特徴のあるデザインを施しているものです。

 フロントグリル(アメリカの友人たちはそう言いますが、正確にはラジエーター・グリル)で一番有名なのは、やはり BMW のキドニーグリルと呼ばれるやつでしょう。 BMW は昔から一貫してこのデザインにこだわっています。トップブランドとしての誇りでしょうか、永遠にこのデザインは変わらない気がします。
 
 アメリカの誇る高級車リンカーン。ここは昨年全車種対象の大掛かりなモデルチェンジが行われました。リンカーンといえば、ここ十数年、鳥の翼をイメージさせるかっこいいフロントグリルがトレードマークでした。これはもう非の付けようのない優雅さと高貴さを兼ね備えており、BMW同様、末永く受け継がれるであろう伝統の印になるだろうと思っていました。ところが、昨年の全車種モデルチェンジで、あの翼のデザインは一掃されました。これにはびっくりしましたね。変わってちょっと丸みを帯びた長方形の平凡なものになっていました。仕事で数年間運転していた者として、じつにもったいないと思います。
 
 ヨーロッパ勢では、ボルボの非対称袈裟懸け斬り(と私は勝手に呼んでいます)やアウディ四輪ピック(これも勝手に命名)もラジエーターグリルに一貫性がありますよね。やはり車の顔はブランディングに欠かせないものなのでしょうか。
 
 日産は近年「Vモーショングリル」と呼ばれるメタリックなV字型のフロントデザインを基調とした車種が目につきますね。それまではいまいち特徴の薄いデザインだったので、狙いはいいかもしれません。

 ホンダも、ちかごろライトを含めたフロント全体の特徴を統一させた車種が目立ちます。こちらもなかなか精悍なイメージが良いですが、そろそろ飽きられるかも。なにせあのホンダ車の顔、アメリカのどこへ行っても見かけますから。

 派手なのはレクサスです。そう、あの鼓みたいなやつ。これが出たときは、ちょっと奇抜すぎて無理かなと思いましたが売れているのか、今後も継承されていく模様です。

 あと一目でわかるのがジープです。基本的にどの車種も縦長方形を7つ並べた特徴的なグリルの意匠がもはや定着した感があります。

 さいきん躍進甚だしいのがKIAで、こちらもすべての車種に「タイガーノーズ」と呼ばれるグリルデザインを採用しています。これも一目でわかるかっこよさがありますよね。

 FORDとトヨタは目下のところ、デザインの統一性にはこだわらないポリシーなのか、車の顔はてんでんばらばらです。これもまた販売戦略の違いというものなのでしょうか。


 いずれにしても、年々進化してゆく車のデザインはこれからも見逃せません。

2020年7月24日金曜日

タオル vs 手ぬぐい

日米タオル比べ


 


 日本とアメリカでは、タオルの大きさが違う。これ皆さんは気にしたことがありませんか。そんなに大差ないように思われがちですが、このサイズの微妙な差は、国民の生活習慣に由来しているのです。


 アメリカのホテルでは、部屋にかならず三種類のタオルが用意されています。すなわちアメリカ人は日常生活の中で、主に3つのタオルを使い分けるのです。

 一番大きいのがバスタオル。二番目がハンドタオル、そしてウォッシュクロスです。

 アメリカの人はバスタオルをシャワーのあとに体を拭くだけではありません。体に巻いて、しばらくその格好でいることが多いです。なので大柄な人でもくるっと体を覆えるように日本のそれより遥かに大きく作られています。

 中間サイズのハンドタオルが、日本の手ぬぐいに相当するのですが、これも日本製より分厚くて吸水性に富んでます。いわゆるパイルと呼ばれるループ状の糸が太めのコットンを使うのが主流となっています。素地の部分もふわふわで柔らかい生地が多く、二枚ほど重ねて畳むとまくらやクッション代わりにもなりますよね。一方手ぬぐいは、ご存知のように薄い生地が多く、乾きやすい特徴があります。そうでないものもありますが、傾向としては日米のタオルのそういった違いが見られます。


 アメリカのホテルに来た日本人は大抵の人が、ハンドタオルを持ってシャワーを浴びます。風呂場で手ぬぐいを使う感覚で普通にそちらを選択するのです。そしてそれで体を洗います。

そのとき日本人はふと気になります。「このタオルちょっと短かすぎるなー」と。しかも分厚すぎて水含むと重たい!

 一方でもしアメリカ人がそれを見たら戸惑うでしょう。体を洗うのは四角いちっちゃなタオル、すなわちウォッシュクロスが常識です。「あいつなんでシャワーにハンドタオル持ち込むんだ」って思うこと間違いなしです。


 どうしてこんな違いが出るのでしょうか。

 アメリカのハンドタオルは、平均24インチx15インチです。面積は360 sq in.

 日本人が最も日常で多く使う手ぬぐい。それは34 in x 13.5 in。面積は 459 q in.です。

 日本のほうが長く、面積も大きいです。なぜでしょう?

 日本人はこのサイズにこだわります。なぜなら、体を洗うのに丁度いいサイズだからです。

 なぜ? とアメリカ人に聞かれたらどう答えますか。小さな体の日本人が、なぜアメリカより長いタオルをつかうのか?


 それはズバリ、背中を洗う習慣があるからです。そう言うと、当然アメリカ人はムッとするでしょう。勘違いされたくないので言いますが、決してアメリカ人を見下しているのではありません。風習の差です。 

 背中をしっかり洗う日本人、適当に洗うアメリカ人。ここにタオルの大きさの差が出るのです。

 ある時、私は親しい知り合いのアメリカ人に手ぬぐいを渡して、言いました。

「日本製の手ぬぐいを持ってください。両端を掴んで背中に回す。のこぎりのように左右に振ってごらん。ほうら、背中を洗えるでしょう。そのために日本のタオルは長いのです」

なるほど、と言って納得するかと思いきや、そのアメリカ人はちょっと自尊心を傷つけられたのか、憮然として言いました。

「ぼくは毎日背中も洗ってる」と。

 はい、確かにそうです。でも残念ながら、ウォッシュクロスでは背中をまんべんに洗うのはかなり無理があるのです。背中全面に届く人は意外に少ないのです。日本人は背中も、胸や手足と同様にきっちり洗いたいと思い、そんな意識がタオルを長くしました。

 いや厳密には背中目的ではないでしょうが、自然とそういう発想でサイズが決まったのだと思います。人間の体の皮膚はどこでも同じ条件で汚れるのですから、そう思うのも自然なことじゃないでしょうか。 

 アメリカ人の多くはそこまで細かく考える必要はない、ということなの知れません。


 日本には銭湯、つまり公衆浴場というものがあります。数十人を収容できて、他人同士のコミュニケーションにも役立てる場所です。アメリカでは、かつて床屋がその役割を担っていました。古き良きアメリカでは、床屋が地域のコミュニケーションの場でした。

 最近はどうかわかりませんが、日本では昔から銭湯でよく見かけるのが、親子による背中のウォッシングです。とくに子供が親に対して背中を洗う習慣。見ていて微笑ましいですよね。それぞれ自前の手ぬぐいで洗えるのですが、敢えて親愛のコミュニケーションとして、洗いにくい背中を洗ってあげるのです。日本人にとって、それはとても心地よい光景なのです。


 誤解を承知で言わせてもらえれば、日本人は背中を大切にする民族です。それは衣服を着ていても同様です。日本人は相手の背中を見て状況を想像し、気持ちを感じ取ったりするのに敏感です。


 タオルの長さにも、民族の機微が現れている。そんな考え方も一興ではないですか?  


2020年7月23日木曜日

タブレット用の便利モノ

だらだら過ごしたい日もある

 
 仕事で長時間、椅子に座っていると、あまり体に良くないそうです。
 私も常日頃、それを実感していてます。しかしデスクワークは避けられないので、せめて休憩のときぐらいはと立ってはみるものの、結局10分も保たず、椅子に戻ってしまいます。持病で腰痛を抱えているので、なるべくそれを解消するために、なにかいい方法はないかと常々考えています。
 大抵はごろりとベッドに横になって本を読んだりするのですが、スグ腕がだるくなって、うつ伏せになったり仰向けになったり、なにかとかったるいのです。タブレットでの読書でも同様で、手を掲げたまま同じ姿勢を維持するのは、苦痛にさえなります。これでは本末転倒、なんのために休憩しているのかわかりません。
 そんなとき見つけたのが、横になりながらタブレットを見られる便利グッズです。




 これは商品名ですが、まだあまり知られていないスグレモノです。
 通常Tablet Holder で探すと、立て掛け式で、机の上に乗せるものが照会されるのですが、上記のタイプのものは、通称Spider Holderなどと呼ばれるようです。確かに、形状が巨大な蜘蛛にも見えます。私が横になって腹の上にこれを据えていると、子供がそれを見て「まるでスパイダーみたい!」
と言っておりました。一見すると子供のおもちゃみたいです。
 しかしこれが予想外に便利。とても使い勝手がいいのです。4本ある足の部分が、フレキシブルになっていて、高さも角度も自由に調整できます。折りたたみも簡単、小さく収納できるのでじゃまになりません。もちろんタブレットは背後のバンドでしっかり固定できます。



 試しにタブレットで本を読んでみましたが、じつに簡単に装着でき、好みの目の高さで快適に読書できました。これなら文字通り肩肘張らずにタブレット操作ができます。
 いやこんなの使ってたら、人間自堕落になってしまうよ、という方もいると思います。もちろんずっと終日これに依存するのはどうかと思いますが、デスクワークの者にとってはちょっした息抜きにこれはアリだと思います。仰向けに寝転がることで腰への負担もなくなり、リラックスした時間が確保できます。なので私にはとても重宝するツールです。
もちろん動画視聴も同様に助かります。いままで腕をプルプルさせて長時間ドラマなどを見ていたのが嘘のようです。


 このスグレモノ、KindleはもちろんiPadやAndroidタブレットなど、大抵のものに対応しています。ただ、このメーカーさん、なかなか丁寧で、オーダー出してから、すぐにメールが来ました。こんな内容です。
「Tabliftご購入ありがとうございます。これから発送の準備をします。つきましてはご使用のタブレットをご確認ください。一部の購入者様から最新のiPad Proでは使えない、あるいは使いづらいというご指摘を受けました。もし当商品にご不満がございましたら、お知らせください。当社は零細企業ですが、鋭意商品の改善につくします。なにとぞよろしくお願いいたします」といった文面。
 送る前からちゃんと筋は通す姿勢に好感が持てました。
 結果、送られてきたものは満足のいくものでした。作りはしっかりしており、強化プラスチックの素材は程よく剛性を保持しているので、頻度の高い足部の折り曲げにも問題ありません。今後の要請として、足の部分をもう少し長くすれば、妊婦さんや同様の体型の人にも対応できるのではと送りました。
 とかく日常の生活には、緩急が必要なもの。デスクワークに疲れた時、Tabliftを使ってタブレットを活用するのはとても心身によいものだと思います。

 追記
 ちなみに実は私、Tablift以前に類似品を使用していました。

Tablet Stand Flexible Adjustable Spider


 いわゆるTablet Spider Holderで探した最初の商品です。
 これはこれで同様の機能なのですが、ご覧のとおり足が貧弱で、使ううちになんだかよれよれになってしまいました。こちらは逆に脚長過ぎて、不安定なベッドの上では、微調整が難しく、余計な時間ばかりかかってしまいます。そこが一番の不満ポイントでした。機能的には変わらないので、安いほうがいいという方にはこちらもセカンド・チョイスに値します。
 さらにその以前は小型タブレット用にこんなのも使っていました。

アーム部分は硬いワイヤーが入っているのですが、むりくり捻じ曲げすぎて、もうよれよれです。これはパソコンのサブみたいな使い方だったのですが、ある時、ベッドサイドに固定しようとして、顔に落下してそれ以来使っていません。
 いろいろ試行錯誤しながら、自分の納得の行くものを探す。こういう失敗から学ぶことも人間にとって大事なのかも知れませんね。

2020年7月22日水曜日

コロナ時代のマスク選び

マスクが溢れ出したアメリカ



 コロナウィルスの出現で、アメリカでもにわかにマスクの需要が高まりました。それまでは医療従事者か工事、清掃関係者ぐらいにしか使用されていなかったものですから、コロナウィルスが世の中を席巻して以来、マスクは必需品となり、あっという間に在庫は尽き、輸入に頼らざるを得なくなりました。それでも需要には到底追いつかず、この数ヶ月みんな血眼になってマスクを探し求めていたのです。
 そのときは30枚入りの使い捨てマスクが40ドルかそれ以上で売買されていました。値段がどんどん吊り上げられていったのです。しかもそれを買い占めて、さらに高値で売るという、悪徳業者まで現れました。
 さすがにそういった便乗商法はマスコミやSNSで激しく叩かれましたが、それでもないよりはマシと、購入者は跡を絶たなかったのです。
 
 こういう状況を見て市場が動かないわけはありません。気を見るに敏な事業者が生産ラインを調整してマスク制作に乗り出しました。日本ではユニクロのマスクが話題になったのも記憶に新しいですね。アメリカでも、アンダーウェア・ブランドとしておなじみのHANESなどが、いち早く自前の生地を使って布製マスクを生産・販売を開始しました。私も先月、情報を得て速攻でHANESの水洗いで再利用できるフェイス・マスク10枚入り18ドルでShopRiteにて入手しました。
 ところがです。オールインワン・サイズということで大丈夫だろうと思っての購入でしたがこれが間違いの元。小さすぎて私の顔にはフィットしなかったのです。いやギリギリ着用は可能な範囲なのですが、ヒモ部分も布製なので伸縮性に乏しく、長時間つけていると、耳の後ろが痛くなるのです。更に誤算は、洗ったあと縮んでさらにきつくなってしまうのです。しかも思いのほか通気性が悪く、呼吸も通常通りとは行かないのです。そういうわけで、マスクと言えども購入の際はいくつかの注意が必要だと学びました。

 他社製もいくつか試しました。アメリカで一番ポピュラーな青白の使い捨て紙マスク。値段もこなれてきて、いまは供給も落ち着き、Amazonなどでも即日配送可能になりました。
 メイド・イン・USAで50枚入りで30ドルぐらいなら即買います。いくつか違う業者名の物を買いましたがどれも大差なく、不良品も数枚入っているのは仕方ないと諦めています。

 降って湧いたように出現した仲介業者が扱うマスク。これは見極めが難しいです。依然中国製が多いのですが、いいもの悪いもの玉石混交です。最初にネットで購入したものは、写真と違うものが送られてきました。鼻の根元まで覆う湾曲ラインだったはずが、ほぼ一直線。縫製が荒くて、所々にほつれが出ているのです。数回使用して洗うとシワシワになってしまい、再利用は諦めました。
 一方、見た目似ているのですが、店頭でビニール袋越しに、出来具合を確かめられるものを買い足しました。これはやはりメイド・イン・チャイナですが、しっかりした作りです。
Feekeという聞き慣れない仲介業者のものですが、チャコールフィルターを入れ替え可能なタイプで、通気性もまあまあ。これは使える範囲でした。
 アメリカの巷でいま目立つのは黒マスクです。日本では少数派の黒マスクが、アメリカ人の間では何故か人気で、若い人を中心に広がりを見せています。でもスーツを着たビジネスマンが黒マスクだと違和感ハンパないです。じき慣れるでしょうが。 
 
 店頭ではまだあまり見かけませんが、通販ではここ数週間で、様々なタイプのマスクが急増しています。はじめは価格と機能性が第一だったものが、ファッション性に重きをおくように変わってきました。
 確かに街を歩くと、とても個性的なフェイス・マスクを見かけるようになりましたね。明らかに手作りと思われる個性的なマスクの出現。やはりアメリカはオリジナル重視の国です。
 一方で、アメリカではまだマスクに抵抗のある人も多く、そんな人はバンダナをマスク代わりに使用しているのが目立ちます。確かにマスクよりはかっこいいです。でも終始首に回しているので、夏は暑苦しくて大変だろうと察します。

 デザイン性に目をつけたのは、オーダーメイドの名詞やグッズ、アイテムなど様々な各種印刷業務を請け負うVista Print。もともと布生地などへの印刷技術に定評のあったこの会社、今は独創性に富んだ柄のマスクを販売して大好評。特に若い人を中心に人気が広がっています。
 それに負けじと、ファッション製に優れたマスクが大手ブランドやメーカーから出始めています。

 一番のおすすめは、GAP。形状はごく一般的な使い捨てマスクを踏襲したものですが、100%コットンで肌との相性もよく、ゆったり目の作りがうれしいです。防護性にやや難点はあるものの、戸外では快適に過ごせます。プリントのデザインも控えめですが、様々なタイプを用意しており、好みのものが見つかると思います。お値段も8枚入りで36ドルと安くはないですが、しっかりした作り。水洗いで再利用できるので損はないと思います。
 
 家内は同様のマスクをOld Navyで買ってきました。デザインは違うものの、とても良く似た仕様で、製造業者はGAPと同じかと思われます。こちらもおすすめです。
 
 私が最近気に入っているのはNew Republic製の黒マスク。大ぶりで布が柔らかく通気性も上々、仕事中でも違和感なくつけていられます。ほとんど目の下から顎まで覆う巨大さが気に入りました。面積比でアベノマスクの3倍位はありそう。

 ファッション重視の人におすすめは、Redbubbleなんかいかがでしょうか。このオンライン・デザイン会社は、近年新しいスタイルのデザイン販売で赤丸急上昇中です。なにせアウトソーシングで45万人のアーティストを雇っているも同様なのです。
 油絵風のものからポップ・アート、アニメ調、加工写真など、ここではあなただけの一点物のマスクも手に入るのです。若い人ならきっとお気に入りのデザインが見つかるはず。

 高級志向のかたはやはりMacy'sのマスクに目が行くでしょう。まず生地が違います。大手アパレル製造業者と医療器具メーカーをコラボさせて作ったと言われるMacy's オリジナルマスク。これは身につけるだけで差が出そうです。機能とデザインの両面に配慮した独自のフォルムは見た目もスッキリ。入れ替え式のチャコール・フィルターまでおしゃれな装いです。マシンウォッシュでも型くずれしないと謳っており、少々値は張っても本物志向の方にはおあつらえ向きのマスクと言えるでしょう。

 最後に、このフェイスマスクを購入に際して気をつけなければならいことを記しておきます。
ファッションも大事なのはわかります。私もグラフィック・デザインの仕事をしていますから、それは声を大にして言いたい。こういう外出時に、マスクが必要な気の滅入るときだからこそ、明るくなるような見た目も大事です。ストレス開放に役立ちます。街を歩いていて変わったデザインのマスクを見かけると、ふわっと心が和みませんか。そういう効用もあることは留意してほしいです。
 それを踏まえた上で、マスク選びには安全性第一でお願いします。品質をよく見極めた上で第一候補を数点選ぶ。その次に機能性、使い勝手。隙間ができすぎないか、息苦しくないか。着脱が簡易か、肌にやさしいか。そういった使用感は長く使うと明暗が分かれるものです。
 ちなみに、このマスク、日本人には気づかない欧米人の悩みがあります。それは、東洋人に比べて鼻が高いこと。私の知人マークくんの鼻、私が富士山だとすると彼のはエヴェレスト級です。一般的な使い捨てマスクでは隙だらけとなり、彼のメガネはいつも曇った状態となります。アメリカでマスク選びはフィット感がとても大きな選別点となるのです。

 今後、このマスク市場はますます多様化してくると思われます。飽きのこない、いろんなタイプを揃えておくのもいいいでしょう。
 ぜひ自分にあったいいマスクを探してみてください。


2020年7月21日火曜日

ゲーム・クリエーターの祭典

GAME JAMの熱き戦い



 今年もGMTK GAME JAM がネットの世界で盛大に挙行されました。ご存知ない方も多いかも知れませんが、いまや世界中のゲームクリエーターが注目する、ゲーム制作バトル大会です。GAME JAMには主催者によっていろいろ大会はあるのですが、GMTK版は一番規模も大きく、人気のあるイベントです。GMTKというのは、Game Maker's Toolkit というイギリスのゲーム研究開発組織です。YouTuberでも有名なマーク・ブラウン氏がフロントマンとなって、毎年ゲームジャムの開催を宣伝します。とにかくゲーム制作に興味のある人はネットを通じて自由に参加できるのでとても敷居が低くかつ楽しいゲーム大会です。とりわけ今年は世界中みんな家にこもりがちなので、参加者は倍増した模様です。
 このイベントは毎年開催時に今年のお題が発表されます。それをテーマに参加者は期限内にゲームを制作してアップロードしなければなりません。今年は7月の17日から19日までの72時間で世界中から様々なオリジナル・ゲームが寄せられました。競技のあとは、それぞれ自由に参加ゲームをプレイすることができます。そうやって世界中のゲーマーやクリエーターが今大会の最優秀ゲームを選ぶのです。選出には一週間以上かかるのが通例です。
 私の息子がこのゲームジャムに毎回参戦しているのですが、今年も三日間の熱き戦いを無事終えたようです。以下の文は彼の今年のゲームジャム参戦レポートです。


2020年7月20日月曜日

マンハッタン周辺の現状

ニューヨークを走ってみた



 ここ一週間、カーサービスの仕事で、お客さんを乗せて、あちこち走り回りました。
 三ヶ月あまり閑古鳥の鳴いていたこの業界ですが、徐々にお客さんが戻りつつあるようです。ただし、これは感染拡大が収まりつつあるニューヨーク州と近隣のニュージャージー州、コネティカット州に限ったことでの話です。
 全米規模で見ると、コロナウィルスは依然拡大の傾向にあります。とりわけ南部の各州は感染者数の拡大に歯止めが効かない状態です。大きな病院でも病床不足が深刻化しつつあり、これは4月頃のニューヨークを彷彿とさせる深刻な事態です。


 ニューヨークは3月の後半から急激な拡大が始まり、あわてて市内をロックダウンしました。かなり強制力の強い官庁指示だったため、多大な犠牲者が出ましたが、かろうじて最悪の事態は回避できました。
 ひごろ、自由を最優先に生活するニューヨーカーがここまで我慢したのは、私には驚きでした。行動の自由、お上の権限からの開放、それがリベラルなニューヨーカーの基本精神なのですから。逆に言えば、それほど4月5月は逼迫した恐怖のどん底にいたということです。毎日何百人という人が重症化し、死んでいくニュースはいまでも悪夢のように蘇ります。


 4月の中頃、どうしても必要に迫られて、マンハッタンのミッドタウンの行ったのですが、そのときはまさにゴーストタウンという感じでした。昼間というのに人の通行はまばら、警官や道路管理関係者と、あとは配送トラックが目立つぐらいでした。一般の歩行者はほぼ皆無。異常な光景でした。
 とりわけタイムズ・スクエア界隈は、信じられないくらいの静けさでした。日頃はミュージカルや買い物で賑わう店などがピタッとシャッターをおろしていて、まるで白昼夢を映すホラー映画のよう。気味が悪いくらいでした。


 あれから三ヶ月、再び私が訪れたのは、マンハッタン南部のSOHOでした。朝の10時ぐらいでしたが、やや人通りは戻ってきているものの、以前のSOHOとは比べ物にならないほど、いまだ閑散としています。普通は、このあたりは車でどこへ行くにも忍耐と注意が必要な地帯です。とにかくいつでも渋滞が絶えず、しびれを切らして黄色信号を通過しようとすると、前後左右から人や自転車が飛び出してくる。もう危ないったらありゃしないのです。ただでさえ、狭くて不規則に交差点、一方通行がある場所なので、運転は冷や汗モノ。ところがこの日はどっちの方角へもスイスイと移動できます。いかに車両が減っているのか一目瞭然なわけであります。

 それはSOHOだけではありません。いつもは観光客で賑わうバッテリー・パーク周辺もバス、イエローキャブ、黒リムジンが通常の10分の1以下に見えました。
 翌々日にはセントラル・パーク近くのコロンバス・サークルへも行きました。こちらは運輸関連のトラックがけっこう目立ちましたが、やはり交通量は少なめ。通行人も行楽客らしき姿は稀で、通勤者らしき人と働く人ばかりが目立ちました。一様にマスクは着用しており、このマスク習慣のないアメリカでもかなり、定着してきた印象です。

 ただ、どこのマンハッタン地域でもたまに見られたのは、小さな群衆です。これは期せずして集まってしまったもので、たまたま数人単位のグループどうしが、狭い道や店舗の出入り口で、かち合ったものと見られます。狭いマンハッタンの歩行路ではこんな不測の事態も起きがちなので、通りを歩くときはぜひ注意してください。マスクをしていないグループもいないとはいえませんから。

 ところで、いまアメリカではこのマスクを巡って、必要、不要論が激しく対立しています。
 いらない派は、外気のあるところでマスクはナンセンス。空気は四方八方へ飛ぶのでなんの効果もない、というのです。必要派はこれまでのマスク着用の実効性を元に擁護します。広いアメリカですから、いまだマスクをしていない地方もたくさんあります。地獄を垣間見たニューヨーカーだからこそ、最低の義務として公共の場ではマスクをするようになっているのでしょう。

 ニューヨーク近郊の空港へも仕事で行きました。ラガーディア空港とジョン・F・ケネディ国際空港です。両空港とも、やはり便数自体が激減している現在、交通量も以前の比ではないくらい閑散としていました。しかし確実に国内便飛行機利用者は増えているので、今後の水際対策が、第二波の抑止に大きく関わってくるものと見られます。
 特にニューヨーク州は他州からの流入が、例外的に多い州なので、まだまだ安心はできない状況です。

 ブロンクスの町も仕事で行きましたが、町は平静が見られるものの、昔のような活気はみられませんでした。マンハッタンとはちょっと違う活気のなさです。
 多くの商業施設はカテゴリーに分けられ、段階的に再開が許可されているのです。にもかかわらずブロンクスの店は閉じたまま。すでに数ヶ月にわたるロックダウンの影響で持ちこたえられず潰れてしまった店が多いのです。閉じられた商店街のシャッターが痛々しく映りました。

 都心近くはこのように、まだとても今までどおりとはいえません。ニューヨークの他の地方では大型店舗が開き始めています。場所によっては出入り口が混雑している商業施設も散見しました。ですから今、買い物に行くには要注意です。本当に必要なものだけに的を絞って買い物の回数を制限するほうが賢明です。
 このように7月中旬、この時点でもニューヨーク近辺はそこかしこに緊張が漂っています。外へ出たいのは誰しもが持つ心理ですが、いまはもう少し我慢が必要な時期であります。
 ニューヨークへお越しの用がある方はご注意を。とくに人気の観光地はまだ安全とは言えません。外出にはよく場所を選んで、事前の情報収集を怠りなきよう、お願いいたします。