2020年7月25日土曜日

車はフロント・フェイスで勝負

アメリカを走る車の顔 



 仕事で使っている車が、オイル交換の時期に来ていることに気がつきました.。
 いつも利用しているのは、Mavis Discount Tireというタイヤ販売の会社が運営する自動車修理のショップです。
 通常は前もって予約をしてから行くのですけれど、 時間ができたので空いてればすぐにエンジンオイルを交換してもらえると思ったのです。
 しかし残念ながら駐車場には順番を待つ車がずらりと並んでいました。
 この店はタイヤ交換が主な仕事ですが、 車のチューンナップや、ちょっとした故障もテキパキと修理してくれるので重宝しています。 便利なだけによく繁盛していて、大抵はお客さんでいっぱいです。この日は特に混雑しており、店員さんに聞くと3時間から4時間待ちだと言われました。夕方でしたが、車は明朝まで使う予定がないので、そのまま預けることにしました。閉店までにはオイル交換してくれるというので、隣接する大規模な中古車販売店をぶらぶらと歩いて見て回ることにしました。

 わたしが去年まで使っていたリンカーンMKTも売ってました。やはりこの車、顔が目立ちます。鳥の翼をイメージしたラジエータグリルが今見てもイケてますね。

 それにしても、改めてアメリカの中古車市場を見てみると、実に多種多様な車があるもんだと思いました。日本にいるときは自動車大国アメリカは、やっぱりアメ車の天下だろうと思っていたのですが、さにあらず。
 実際にみての雑感ですが、アメリカのメーカーが占める割合は半分ほどじゃないかと思います。むしろ目立つのはトヨタ、ホンダ、日産などの日本車。ついでヨーロッパメーカーです。もちろんアメリカのフォードやGMも普通にたくさん走っているのですが、あまりの車種の多さに埋もれて目立たないのです。
 そこでふと気になったのが、自動車メーカーによる車の顔、つまりフロントグリルのことです。メーカーそれぞれに特徴のあるデザインを施しているものです。

 フロントグリル(アメリカの友人たちはそう言いますが、正確にはラジエーター・グリル)で一番有名なのは、やはり BMW のキドニーグリルと呼ばれるやつでしょう。 BMW は昔から一貫してこのデザインにこだわっています。トップブランドとしての誇りでしょうか、永遠にこのデザインは変わらない気がします。
 
 アメリカの誇る高級車リンカーン。ここは昨年全車種対象の大掛かりなモデルチェンジが行われました。リンカーンといえば、ここ十数年、鳥の翼をイメージさせるかっこいいフロントグリルがトレードマークでした。これはもう非の付けようのない優雅さと高貴さを兼ね備えており、BMW同様、末永く受け継がれるであろう伝統の印になるだろうと思っていました。ところが、昨年の全車種モデルチェンジで、あの翼のデザインは一掃されました。これにはびっくりしましたね。変わってちょっと丸みを帯びた長方形の平凡なものになっていました。仕事で数年間運転していた者として、じつにもったいないと思います。
 
 ヨーロッパ勢では、ボルボの非対称袈裟懸け斬り(と私は勝手に呼んでいます)やアウディ四輪ピック(これも勝手に命名)もラジエーターグリルに一貫性がありますよね。やはり車の顔はブランディングに欠かせないものなのでしょうか。
 
 日産は近年「Vモーショングリル」と呼ばれるメタリックなV字型のフロントデザインを基調とした車種が目につきますね。それまではいまいち特徴の薄いデザインだったので、狙いはいいかもしれません。

 ホンダも、ちかごろライトを含めたフロント全体の特徴を統一させた車種が目立ちます。こちらもなかなか精悍なイメージが良いですが、そろそろ飽きられるかも。なにせあのホンダ車の顔、アメリカのどこへ行っても見かけますから。

 派手なのはレクサスです。そう、あの鼓みたいなやつ。これが出たときは、ちょっと奇抜すぎて無理かなと思いましたが売れているのか、今後も継承されていく模様です。

 あと一目でわかるのがジープです。基本的にどの車種も縦長方形を7つ並べた特徴的なグリルの意匠がもはや定着した感があります。

 さいきん躍進甚だしいのがKIAで、こちらもすべての車種に「タイガーノーズ」と呼ばれるグリルデザインを採用しています。これも一目でわかるかっこよさがありますよね。

 FORDとトヨタは目下のところ、デザインの統一性にはこだわらないポリシーなのか、車の顔はてんでんばらばらです。これもまた販売戦略の違いというものなのでしょうか。


 いずれにしても、年々進化してゆく車のデザインはこれからも見逃せません。

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