2020年7月22日水曜日

コロナ時代のマスク選び

マスクが溢れ出したアメリカ



 コロナウィルスの出現で、アメリカでもにわかにマスクの需要が高まりました。それまでは医療従事者か工事、清掃関係者ぐらいにしか使用されていなかったものですから、コロナウィルスが世の中を席巻して以来、マスクは必需品となり、あっという間に在庫は尽き、輸入に頼らざるを得なくなりました。それでも需要には到底追いつかず、この数ヶ月みんな血眼になってマスクを探し求めていたのです。
 そのときは30枚入りの使い捨てマスクが40ドルかそれ以上で売買されていました。値段がどんどん吊り上げられていったのです。しかもそれを買い占めて、さらに高値で売るという、悪徳業者まで現れました。
 さすがにそういった便乗商法はマスコミやSNSで激しく叩かれましたが、それでもないよりはマシと、購入者は跡を絶たなかったのです。
 
 こういう状況を見て市場が動かないわけはありません。気を見るに敏な事業者が生産ラインを調整してマスク制作に乗り出しました。日本ではユニクロのマスクが話題になったのも記憶に新しいですね。アメリカでも、アンダーウェア・ブランドとしておなじみのHANESなどが、いち早く自前の生地を使って布製マスクを生産・販売を開始しました。私も先月、情報を得て速攻でHANESの水洗いで再利用できるフェイス・マスク10枚入り18ドルでShopRiteにて入手しました。
 ところがです。オールインワン・サイズということで大丈夫だろうと思っての購入でしたがこれが間違いの元。小さすぎて私の顔にはフィットしなかったのです。いやギリギリ着用は可能な範囲なのですが、ヒモ部分も布製なので伸縮性に乏しく、長時間つけていると、耳の後ろが痛くなるのです。更に誤算は、洗ったあと縮んでさらにきつくなってしまうのです。しかも思いのほか通気性が悪く、呼吸も通常通りとは行かないのです。そういうわけで、マスクと言えども購入の際はいくつかの注意が必要だと学びました。

 他社製もいくつか試しました。アメリカで一番ポピュラーな青白の使い捨て紙マスク。値段もこなれてきて、いまは供給も落ち着き、Amazonなどでも即日配送可能になりました。
 メイド・イン・USAで50枚入りで30ドルぐらいなら即買います。いくつか違う業者名の物を買いましたがどれも大差なく、不良品も数枚入っているのは仕方ないと諦めています。

 降って湧いたように出現した仲介業者が扱うマスク。これは見極めが難しいです。依然中国製が多いのですが、いいもの悪いもの玉石混交です。最初にネットで購入したものは、写真と違うものが送られてきました。鼻の根元まで覆う湾曲ラインだったはずが、ほぼ一直線。縫製が荒くて、所々にほつれが出ているのです。数回使用して洗うとシワシワになってしまい、再利用は諦めました。
 一方、見た目似ているのですが、店頭でビニール袋越しに、出来具合を確かめられるものを買い足しました。これはやはりメイド・イン・チャイナですが、しっかりした作りです。
Feekeという聞き慣れない仲介業者のものですが、チャコールフィルターを入れ替え可能なタイプで、通気性もまあまあ。これは使える範囲でした。
 アメリカの巷でいま目立つのは黒マスクです。日本では少数派の黒マスクが、アメリカ人の間では何故か人気で、若い人を中心に広がりを見せています。でもスーツを着たビジネスマンが黒マスクだと違和感ハンパないです。じき慣れるでしょうが。 
 
 店頭ではまだあまり見かけませんが、通販ではここ数週間で、様々なタイプのマスクが急増しています。はじめは価格と機能性が第一だったものが、ファッション性に重きをおくように変わってきました。
 確かに街を歩くと、とても個性的なフェイス・マスクを見かけるようになりましたね。明らかに手作りと思われる個性的なマスクの出現。やはりアメリカはオリジナル重視の国です。
 一方で、アメリカではまだマスクに抵抗のある人も多く、そんな人はバンダナをマスク代わりに使用しているのが目立ちます。確かにマスクよりはかっこいいです。でも終始首に回しているので、夏は暑苦しくて大変だろうと察します。

 デザイン性に目をつけたのは、オーダーメイドの名詞やグッズ、アイテムなど様々な各種印刷業務を請け負うVista Print。もともと布生地などへの印刷技術に定評のあったこの会社、今は独創性に富んだ柄のマスクを販売して大好評。特に若い人を中心に人気が広がっています。
 それに負けじと、ファッション製に優れたマスクが大手ブランドやメーカーから出始めています。

 一番のおすすめは、GAP。形状はごく一般的な使い捨てマスクを踏襲したものですが、100%コットンで肌との相性もよく、ゆったり目の作りがうれしいです。防護性にやや難点はあるものの、戸外では快適に過ごせます。プリントのデザインも控えめですが、様々なタイプを用意しており、好みのものが見つかると思います。お値段も8枚入りで36ドルと安くはないですが、しっかりした作り。水洗いで再利用できるので損はないと思います。
 
 家内は同様のマスクをOld Navyで買ってきました。デザインは違うものの、とても良く似た仕様で、製造業者はGAPと同じかと思われます。こちらもおすすめです。
 
 私が最近気に入っているのはNew Republic製の黒マスク。大ぶりで布が柔らかく通気性も上々、仕事中でも違和感なくつけていられます。ほとんど目の下から顎まで覆う巨大さが気に入りました。面積比でアベノマスクの3倍位はありそう。

 ファッション重視の人におすすめは、Redbubbleなんかいかがでしょうか。このオンライン・デザイン会社は、近年新しいスタイルのデザイン販売で赤丸急上昇中です。なにせアウトソーシングで45万人のアーティストを雇っているも同様なのです。
 油絵風のものからポップ・アート、アニメ調、加工写真など、ここではあなただけの一点物のマスクも手に入るのです。若い人ならきっとお気に入りのデザインが見つかるはず。

 高級志向のかたはやはりMacy'sのマスクに目が行くでしょう。まず生地が違います。大手アパレル製造業者と医療器具メーカーをコラボさせて作ったと言われるMacy's オリジナルマスク。これは身につけるだけで差が出そうです。機能とデザインの両面に配慮した独自のフォルムは見た目もスッキリ。入れ替え式のチャコール・フィルターまでおしゃれな装いです。マシンウォッシュでも型くずれしないと謳っており、少々値は張っても本物志向の方にはおあつらえ向きのマスクと言えるでしょう。

 最後に、このフェイスマスクを購入に際して気をつけなければならいことを記しておきます。
ファッションも大事なのはわかります。私もグラフィック・デザインの仕事をしていますから、それは声を大にして言いたい。こういう外出時に、マスクが必要な気の滅入るときだからこそ、明るくなるような見た目も大事です。ストレス開放に役立ちます。街を歩いていて変わったデザインのマスクを見かけると、ふわっと心が和みませんか。そういう効用もあることは留意してほしいです。
 それを踏まえた上で、マスク選びには安全性第一でお願いします。品質をよく見極めた上で第一候補を数点選ぶ。その次に機能性、使い勝手。隙間ができすぎないか、息苦しくないか。着脱が簡易か、肌にやさしいか。そういった使用感は長く使うと明暗が分かれるものです。
 ちなみに、このマスク、日本人には気づかない欧米人の悩みがあります。それは、東洋人に比べて鼻が高いこと。私の知人マークくんの鼻、私が富士山だとすると彼のはエヴェレスト級です。一般的な使い捨てマスクでは隙だらけとなり、彼のメガネはいつも曇った状態となります。アメリカでマスク選びはフィット感がとても大きな選別点となるのです。

 今後、このマスク市場はますます多様化してくると思われます。飽きのこない、いろんなタイプを揃えておくのもいいいでしょう。
 ぜひ自分にあったいいマスクを探してみてください。


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