2020年7月14日火曜日

カメラ業界のゲームチェンジャー

CANONのEOS R5



 デジタルカメラの世界でいま、大きな変動が起こりつつあります。スマートフォンのカメラ性能の向上に伴い、コンパクトデジタルカメラが瀕死の状態。カメラメーカー各社は構造的な変動を余儀なくされています。大衆向けのスナップ写真市場は諦め、高付加価値があり、差別化が容易なミラーレス・フルフレーム・カメラを主戦場にする方向に舵をきったのです。もう薄利多売は捨てて、高級路線で生き残りを計るというものです。
 現についこの間、オリンパスがカメラ市場からの撤退を発表し、この業界は大いにどよめいております。フィルム時代からデジタルに移行したときに匹敵するような、カメラ市場の激変が起こり始めているのです。
 そんな中、先日キャノンから一部で先行発売が開始されたハイエンドのフルフレーム・ミラーレス・カメラが俄然注目を集めています。
 開発発表の段階から、そのスペックの高さがハイアマチュアを中心に大いにバズっておりました。蓋を開けてみると、やはりその実力は只者ではないようです。

 透けて見えるのは、まずこのカメラをプロカメラマンに使ってもらいたいという、意欲の現れです。ご存知のように、フルフレーム・ミラーレスの市場はいち早く先鞭をつけたSONYが頭一つリードしており、キャノンはなんとしても独走を阻みたいのです。EOS R5のスペック発表を受けたカメラファンはどよめきました。まさにすげえの一言です。
 このEOS R5、まずは45MPセンサーを搭載した高解像度モデルで、高感度はもちろんあらゆる撮影現場に対応できる余裕のスペックです。プロの厳しい撮影現場の要求を想定した作りが半端ないのです。
 本機は間違いなくこのハイスペックなイメージセンサーを中心に構築されており、8K Rawでのビデオキャプチャをサポートしており、これはキヤノン初のものです。また5軸手ぶれ補正システムの上にイメージセンサーをマウントしているのも特徴です。

 デザインでは、第一世代のEOS Rと比較して、人間工学的にいくつかの歓迎すべき変更があります。操作レイアウトは一眼レフカメラの5D Mark IVを彷彿とさせる配置となっているため、古くからのキャノン愛好者には馴染み深いデザインでありましょう。
 深めのハンドグリップと角度のあるシャッターレリーズは、キヤノンのデザインの特徴です。他のカメラと同様に、電源スイッチはシャッターから離れているので、撮影中にカメラの電源を切ってしまう心配はないありません。背面の操作系も見栄えが良く、フラットなコマンドダイヤルとオートフォーカスコントロール用の専用ジョイスティックが追加されました。
 ボディ自体はキヤノンのプロ基準で作られています。5Dシリーズの一眼レフカメラと同じように、マグネシウム合金製の筐体に耐候性を備えたタフなボディです。タッチ液晶はヒンジ式なので前方を向くことができ、EVFは576万ドットの高精細な解像度を実現しています。
内部の技術も充実しています。モニターの端から端までのフルオートフォーカスを実現し、メカニカルシャッターでは最大12fps、電子シャッターでは20fpsで被写体を追尾できます。
それは、人や動物の顔や目の検出を含む被写体認識をサポートしています。最近のキヤノンは動物検出では、ライバルやニコンやソニーを超えており、今回さらに犬や猫に加えて鳥でも動作すると発表しています。これが本当だと、野鳥撮影好きにはたまらない機能ですね。

 メモリーカードスロットは2基搭載。8K RawキャプチャーにはCFexpressカードが必要で、Rawイメージングバッファを180ショットまで拡張できるそうです。2つ目のスロットはUHS-IIスピードに対応したSDXCで、圧縮された映像や1回のバーストで87枚のRawショットを撮影できるって、これすごい余裕です。画像はHEIFまたはJPG形式で保存することもできるということです。
 このEOS R5、何といっても注目の8K Rawビデオですが、今入ってきた一部情報によると、熱問題が発生してるとのこと。これはちょっと気になるニュースです。
 R5は最大30fpsで8Kを記録することができるとされていますが、8Kはまだ一般的には使途不明です。いらないんじゃないかな。4Kを120fpsにプッシュすることもできるようなのでそちらで十分です。
 キヤノンはEOS R5の出荷はアメリカで今月末に開始する予定だそうです。価格はボディのみで3,899ドル、RF 24-105mm F4 L IS USMズームレンズとのキットで4,999ドルとかなり強気の設定。でもこのスペックならプロは飛びついても不思議ではない価格です。
 あとは批評家ならびにハイアマチュアの反応がどう出るかで、売れ方も大きく変わってくるでしょう。いずれにせよ本機はキャノンの本気丸出しの目玉商品。本機の売れゆき動向に全カメラメーカーいやカメラ業界全体が注目しているのは確かです。

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