2020年10月22日木曜日

大人気ピックアップ・トラック

 アメリカならではのトラック文化

王者の貫禄。一番人気のフォードF-150


 アメリカに来た方なら、大きなピックアップ・トラックがやたらと町や高速道路にあふれていることに気が付くでしょう。それもそのはず、アメリカで車の売り上げ上位はセダンでもなく、SUVでもなく、ましてや廉価な小型車でもありません。一番人気は常にピックアップ・トラックなのです。

 そうアメリカで一番売れている車はここ10年余り、フォードのピックアップトラックF-150だってご存じですか。これはもう絶対王者であり、いかに日本車が売れているアメリカでも、このF-150には及びません。さらにこのトラック人気が牽引力となって以来、GMやシボレーなども今まで以上にこのクラスのピックアップトラックに力を入れています。それらはライバル車として常に売り上げ上位を独占しています。近年この傾向はますます顕著になり、不動の地位を気づきつつあるといえます。

GMCの人気者、SIERRA


伝統を引き継ぎ進化するDODGE RAM


 なぜアメリカではこんなにトラックが人気なのでしょうか。いや昔から米国ではピックアップトラックは一定のファン層がありました。商業目的だけではなく、そのスタイルとパワー、さらにダイナミック感が魅力なのです。日本人から見ればただのおっさん臭いトラックが、アメリカの若者にはマッチョなプロレスラーのようなカッコよさに映ったのです。

 その支持を受けるようにピックアップトラックは年々洗練されて行き、アメリカ車独自の進化を遂げました。近年のフォードFシリーズも様々なグレードが追加され、外装のゴージャスさはもとより、インテリアも座ってみると、とてもトラックの中とは思えないほどの気品にあふれています。なによりサイズ感が素晴らしく、後部座席もアメリカのでっかい大人が三人ゆったりと座れる空間を確保しています。運転座席から見るフロント部ももはや高級SUV車に伍するほどの充実ぶり。こんな車をを荷台に何か載せて行き来するだけではもったいないと思わせるような素晴らしさです。

 そういうわけで、アメリカ人の車購入の選択肢としてはピックアップトラックはまったく理にかなったものです。日常のちょっとした買い物や、子供の送り迎えでもごく普通の主婦が、あの巨大な車体を軽々と操って行き交う、それがアメリカの日常風景なのです。

 もちろん大きさに見合うように、エンジンや足周りも乗用車とはけた違いのパワフルなものになっています。2020年のF-150にはなんと6種類ものエンジンバリエーションが揃っています。3.3リッターのエンジン用には6速オートマチック、V8エンジン用には10速オートマが用意されています。日本ではこのクラスの小型トラックは鈍重のイメージがありますが、いやいやF-150クラスのピックアップトラックはいずれもパワフルで機動性に富み、高速道路ではブンブン加速して乗用車を追い抜く姿が当たり前です。

近年ぐっと洗練されたシボレーのSILVELADO


高級SUV並みのインテリア

 

ゆったりくつろげる五人乗り


 このピックアップトラック人気の秘密はもう一つ、仕様の割にはとても安い値段設定なのです。アメリカでは商用車販売は税金が安めに設定されており、かつまた保険料もスポーツカーなどより安いのが普通となっています。フォードで言えば、人気の中堅SUVエクスプローラーが標準価格$32,765であるのに対し、より大きなエンジン、車体を持つF-150は$28,745と40万円近くも安いのです。昔は燃費の悪さが足を引っ張っていましたが、いまはそれもかなり改善され、もともとガソリン代の安いアメリカではそれほどネックにはならないのですね。それでいてゆったり5人乗りですから、家族向けとしても、とても魅力的な車なわけです。

 このように日本とアメリカでは車に対する人気、評価もぜんぜん違います。広大な大地、広い道路事情など環境要因も小さくありません。低燃費、コンパクトさがウリだった日本車も徐々に大型化されています。今後のアメリカでの車事情がどうなっていくのか、注意して見守りたいと思います。

2020年10月21日水曜日

ハロウィーンがやってくる

みんな大好き、かぼちゃのお祭り

 


 日本でも近ごろは都市部を中心に、ハロウィーンのお祭り騒ぎが定着してきつつあるようですね。ハロウィーンとはちょっと違いますが、ずっと前から日本の若い世代はアニメや漫画キャラクターのコスプレという文化がありましたから、いまさらハロウィーンがブームになっても臆さず取り入れて、独自のスタイルにアレンジしてくのでしょうね。古くはクリスマスから始まって、バレンタインデーなどもみんな日本人は上手に自国の文化に取り入れて、それなりにアレンジしてきましたからね。ハロウィーンもこれから徐々に日本流のスタイルを確立していくのでしょう。


 日本のハロウィーンはまだその日限りの祭典ですが、本場米国では、ハロウィーンまでの数週間は、常に刺激的で思い出に残る時間です。この時点で、数えきれないほど多くのハロウィンの伝統があり、特に装飾、衣装、そして子供のためのトリック・オア・トリートがあります。当日に向けて、幼い子供をもつ多くの家族は一生懸命コスチュームのアイデアを練っていきます。みんなそのプロセスを楽しんでいます。
 これらの伝統は、米国外ではあまり一般的ではありません。近年では日本を含む世界中の人々がハロウィンを真似るようになりました。しかし、予想されるように、これらの伝統がどのように取り入れられてきたかによって、いくつかの興味深い違いが生まれています。


 最近まで、日本が
ハロウィーンを知る手立ては、アメリカからのメディア報道が頼りでした。若い世代に多いのはおそらくホラー映画からでしょう。ハロウィーンを題材にした映画もたくさんあるので、ビジュアルな参考資料としては好適です。
 アメリカから輸入された本や雑誌の中には、ハロウィーンの季節に言及しているものが多く、それが徐々に日本人のハロウィーンに対する意識を高めていったと思われます。その結果、日本のハロウィーンは、基本的なレベルではアメリカと共通点が多いです。ハロウィーンは、奇妙で不気味なものの祭典であり、思いつく限りの奇抜なキャラクターに仮装する変身願望実現の機会でもあります。

 店頭では
ハロウィーンをテーマにした商品が登場したり、時期に合わせて公開されたホラー映画やその他のメディアへの注目度が高まったりと、この季節に期待されることは他にもたくさんあります。しかし、ハロウィーンの日を詳しく見てみると、最も重要な違いが見えてきます。

 最も注目すべきは、人口統計学的な違いです。
ハロウィーンはあらゆる年齢層の人々に楽しみを提供する傾向がありますが、アメリカでは主に子供たちに焦点が当てられています。 
 家から家へとお菓子を集めに行くことは、アメリカで育った多くの人が共有する思い出です。対照的に、日本ではトリック・オア・トリートはほとんど行われていません。日本の子供たちは、学校や家でハロウィーンをテーマにした活動に参加するかもしれませんが、お菓子を探しに、一軒一軒未知の家を訪ね歩く行為は広く行われておらず、珍しいものと考えられています。

 その代わりに、日本の
ハロウィーンのお祝いは主に10代の若者や若い大人を中心に行われています。仮装パーティーは、日本では、特に東京のような都心部で、ますます一般的になっています。これらのイベントは個人的に開催されることがありますが、最も顕著なのは、バー、クラブ、コミュニティが主催する巨大な屋外の集まりです。
 ハロウィーンの夜には、仮装パレードも人気があります。コスチュームは、吸血鬼やゾンビのようなお決まりのモンスターから映画、ビデオゲーム、アニメなど人気のあるキャラクターまで、幅広く取り入れられます。日本では比較的新しいアニメ・キャラクターなども見かけるようですが、本場では極めて独創的なアートしてるものから、小さいキッズたちはスーパーヒーローやプリンセスに化けることが大人気です。

 これらのお祭りはここ数年でどんどん大きくなってきており、日本人による
ハロウィーンの大騒ぎは今後ますます広まっていくことでしょう。
 多少解釈の違いはあっても、多くの人が新しい伝統を楽しみ、独自の方法でお祝いするのは良いことだと思います。日本のクリスマスも本来の意味を知ることなく広がって定着したのですから。(ある意味、日本人おそるべし)
 ともあれ今年は世界中ちょっと異例の自粛ムードで、これまでのような大規模なお祭りは期待できません。
 しかし長い目で見て、今後も人々が何年にもわたって楽しめるような、世界的祭典に成長することを願っています。

2020年10月20日火曜日

オンラインでお買い物

 気が付けばBASICS



 わが応接間の周りを見ると、時たま、あれこんなのいつからうちにあったっけ? と思うものを目にします。大抵は家内が必要に応じて、オンライン・ショッピングで入手したものばかり。たまに私自身で買っておいて忘れていたものもあります。その内訳ですが、よく見ると、AmazonBasicsの商品がけっこう幅を利かしてることに気づきます。

 私はかつでウォルマーターを自称するほど、日常の買い物はWalmartに依存しすぎて、まさにWalmart漬けショッパーだったのですが、近頃は態度を改めて、できるだけ多様性のある店選びを心掛けようとしてきました。

 しかしいざネットでの買い物となると、こちらはどうしてもAmazonの比重が圧倒的に大きかったのです。なるべくたくさんの選択肢から商品を選ぼうとは思うのですが、とりあえず最初の検索はやっぱりAmazon行っちゃいます。そんな人は多いのではないでしょうか。

 私にとってその大きな要因が、AmazonBasicsの存在です。とにかく同じジャンルの商品を探していると、かなりの比率でAmazonBasicsで買いたくなる商品に遭遇します。

 平等に商品の内容を見ながら比較しても、あ、これならAmazonBasicsでいいや。となることが実に多いのです。よほど商品とブランドにこだわりがなければ、たいていそんな感じで身の回り品はAmazonBasicsから選ばれてきます。私一人ではなく、家内も同様らしく、意識してはいなくとも、自然にそうなっちゃうようです。そんなわけでAmazonBasicsはもはやうちには欠かせないメイン・ブランドと化してきてしまいました。

 ちょっと部屋を見まわしただけでも、以下のものがAmazonBasicsです。


AmazonBasics High-Back Executive Swivel Office Desk Chair with Ribbed Puresoft Upholstery - White, Lumbar Support, Modern Style


うちの家内が去年の誕生日に買ってくれたオフィスデスクです。ずっとぐらぐらする古い椅子を惰性で使っていて、腰を痛めてしまいました。それを見かねたかみさんが、ちょっとレベルアップした座り心地のいいものを探し出してくれたのです。同様のタイプのブランド物は倍近い値段がします。正直、作りはやや華奢な感じですが、日常使いに問題はありません。このAmazonBasicsの椅子は、極めて高品質な素材を使い、人間工学的にも、背中や首に負担のかかりにくいデザインを採用しています。使ってみると、前の椅子とは歴然の差で、長時間のデスクワークでも疲れにくく、背を後ろに傾けてくつろぐこともできます。多少値は張っても、こういった毎日使うモノは使い心地がとても大事です。そういった意味で、このAmazonBasicsチェアはとても満足のいく一品です。



AmazonBasics 8-Sheet Capacity, Cross-Cut Paper and Credit Card Shredder, 4.1 Gallon


 アマゾンブランドのシュレッダーなんてあるとは知りませんでした。しかし同様の商品で、家電メーカーから出ているものと、一切遜色ありません。普通に紙を刻めます。固いクレジットカードも粉々です。数枚一挙刻みも試しましたが、5~6枚なら問題なし。ちょっと音が大きめに響きますが、普通のメーカー品でも同じではないでしょうか。デザインもすっきりしており、部屋のインテリアとしてうまく溶け込んでると思います。買って後悔なしの品です。



AmazonBasics Laptop Computer Backpack - Fits Up To 17 Inch Laptops


 たしか家族旅行で急にバックパックが必要になり、息子用に買ったものですが、今は自分が使用しています。生地はデニム風でしっかりしていて、重いものをたっぷり詰め込んでも余裕があります。ちょっとしたハイキングにも軽く背負っていけます。15インチ程度のラップトップをいれても厚めのクッション仕切りがあるので安心して収納できます。学生なら本やノートを10冊あまり詰め込んでも余裕があり、肩に重みが食い込まないよう工夫されたデザインと素材を使っています。日常使いにもってこいのバッグです。



AmazonBasics Stainless Steel Digital Kitchen Scale with LCD Display, Batteries Included


 料理用の計量器です。家内は料理の時の秤として使いますが、私はカメラやレンズ、そのアクセサリーがどのくらいの重さになるのか図ったりしています。小さくてステンレス製でとてもすっきりしたデザイン。他社メーカーのものよりずっと洗練されていてお求めやすいお値段です。



AmazonBasics 3-Button USB Wired Computer Mouse (Black), 30-Pack


 パソコンのマウスですが、何個もあるのになぜかAmazonBasicsののものが紛れ込んでいました。購入した時驚いたのは、付属の単三バッテリーまでAmazonオリジナルのものだったこと。アマゾンはいつの間にか、身の回りの品々に浸透しつつあるのですね。



AmazonBasics Extra Thick Exercise Yoga Gym Floor Mat with Carrying Strap - 74 x 24 x .5 Inches, Black


 私も家内も、ともに愛用するヨガマットはAmazonBasics。ごく普通のウレタンマットレスですが、程よいクッションに質感です。くるくる巻いて持ち運びも簡単。野外でこれに寝転がって、使い倒してきましたが、なかなか表面はしっかりしていて、長持ちします。似たようなものが出回っていますが、コスパはこれが最高。買って損はありません。


 まだこれらはほんの一部です。物置や、子供部屋にもAmazonBasicsはごろごろしているはずです。記憶に残る限り、Basicsで変なもの買わされた、がっかりした、なんてものはないと思います。競合する商品がたくさんあって迷ったときは、とりあえずAmazonBasicsにしてみる。そんな買い方もありだと思いますよ。


2020年10月19日月曜日

今が見ごろの秋

 ハドソンバレー秋景


 いきなり上のような変な画像を載せましたが、なんだかお判りでしょうか?

 幾何学模様?

 ロールシャッハ・テストの絵?

 何かのゲームに出てくる異次元の入り口?

 いえいえそのようなものではありません。

 大自然が作り出す美しい風景にちょっと手を加えただけのものです。

 はい、これは湖面に映る紅葉の森の景色を加工してタテ90度に傾けたものです。実際の写真は下のものとなります。


 とある自然公園の池を訪れた時に撮った写真です。空気が澄んでいて、太陽の光のさす角度も程よく、じつに見事に湖面が鏡のように輝いていたのです。まさにシンメトリーの美。わたしはこういった写真が昔から好きで、デザインの一部に取り入れたりしていました。

 あまり知られていないささやかな場所にも、グッとくる自然美があり、それを一番発見しやすいのがこの「秋」という季節じゃないでしょうか。


 さて。

 すっかり秋めいたニューヨークですが、ここハドソンバレー周辺はもうどこへ行っても、色とりどりの紅葉が楽しめます。車を運転していると、その美しさについ目を奪われ、運転がおろそかになります。気を付けなくてはなりません。加えて、今年は例年になく多くの観光客がこの界隈を訪れ、週末は大混雑となります。通常は学校が夏休みの間、家族連れを中心に賑わうハドソンバレーなのですが、今年は今頃になって、夏場をしのぐほどの人出となっています。


 これは間違いなくコロナ・ウィルスの影響でしょう。ひとつ考えられる要因は、夏のあいだ国民は自粛気味だったので、その反動が今になって表れているのだと思われます。とりわけ都市部にいた人たちは、逃げ場がないというか、閉塞感漂う都会の建物に閉じこもって相当鬱積した感情があったのではないでしょうか。夏の間は我慢し、ようやく警戒レベルが下がった今の時期を見計らって、堰を切ったように郊外へ飛び出し始めた、そんな状況がいま表れているのだと思います。


 通常の秋の行楽でも、このあたりの町はたしかに賑わうのですが、いまは尋常でない人の多さです。わが町コールド・スプリングは各駅停車の止まる小さな町です。平日は町の中心であるメーンストリートも閑散としたじつに平凡なところです。

 が、週末ともなると、いったい何をしに来たのか、とのけぞるほどの人の群れでごった返します。その多くはトレッキング目当ての人かと思いきや、家族連れや友人とただ町をブラブラし、レストランで食事をするだけの行楽客が実に多いことにびっくりします。おかげでストリートは町外からの車で埋め尽くされ、私たち地元の住民の車の置き場がなくなってしまうほどなのです。


 コールド・スプリングはいまそれぐらい賑わっているので、都市部から、あるいは他州から来る方は、十分考慮し、事前情報を得てから旅行プランを立てるようお勧めします。そうでないと、昼頃来ても駐車スペースがなくて、町内をぐるぐる回るだけで時間を無駄にしてしまいますから。


 そんななか、ハドソンバレーの地元の住民はどうしているのでしょうか。じつは多くの住民は、逆にひと気の少ない、なるべくマイナーな隠れ家的な行楽スポットを探し当ててさまよう傾向にあります。みんながみんなというのではありませんが、うちの子供の親御さんたちに聞いてみると、異口同音に「あそこ知ってる?」「ここ行ったことある?」と知る人ぞ知る地味目で渋くて静かなおすすめスポットを教えてくれます。いずれもハドソンバレーの周辺で、車で40分かからないところばかりです。

 自分も聞いたこともない、秘密のトレイルを教えられたり、情報交換するといろいろ新発見があって面白いです。


 今朝はそのなかでウェストポイントの近くにあるフォート・モンゴメリーという鄙びた町の公営公園に行ってみました。冒頭の鏡のような池と森の写真がそこです。

 それは見事な紅葉の森があって、日曜の朝方はほとんど人もいません。森は緑と黄色とオレンジが混ざり合い、背景となる空の青と組み合わせて、それはもうじつに調和のとれた自然美を堪能できるのであります。


 そんな感じで、ここ一週間ほどは時間の許す限り、静かで人の少ない紅葉の見ごろな場所求めて、あちこちカメラ片手にさまよいました。気候もいいので、歩いても汗もかかず、本当に心地よい季節です。

 そういうわけで、いろいろ秋の空気感がする写真を撮って出ししました。私のような写真の素人でも素材の素晴らしさに助けられ、けっこういい風景が撮れたりします。紅葉というとどうしても鮮やかさを求めてしまいがちなので、なるべく調和ということを念頭に、歩き回りました。かえってそのほうが秋らしい風景に出会えるものですね。


 いまさらながら、うちはわざわざ遠方に出かけなくても、そこかしこにいい景色がある素敵な場所なんだなと感じました。

 みなさんもこの空気の澄んだ季節、改めてご自身の住む界隈を見直してみてはいかがですか。きっと小さな秋が見つかると思いますよ。



2020年10月18日日曜日

今カメラ界は動乱の時代

 富士フィルムの攻勢が始まる

  


 先日eBayのオークションで富士フィルムのAPS-C機のX-T200(Bodyのみ)、リファービッシュ(新品扱い・再調整品)が399ドルという破格値で出品されているのを見ました。あまりの安さに目を疑いました。出品者はeBayでも販売実績を保証されている優良リセラーです。信用のうえでも問題なし。現物写真もピカピカの新品そのものに見えます。「うわコレ、買いかも・・・」と思った時にはもうBIDのボタンを押していました。もう典型的な衝動買いですね。あとは入札期限まで約2日。その時点で二人しか入札者はおらず、多少競り上がっても500ドルにはなるまいと高を括りました。「ふっふっふ。久しぶりにいい買い物できそうだな」



 そう思った数時間後です。米国の富士フィルム・カメラのウェブサイトで新機種が発表されました。その名も「FUJIFILM X-S10」。

 スペックを見て「ええっ!」をうなりました。ほとんどすべての点でさっき入札したばかりのX-T200を上回る性能です。

「しあったー!」

 声を上げて後悔するほど、このたび発表された新機種はエントリー機(もしくわ中級?)でありながらすばらしいスペックでした。サイトを読むと、フジの最新にして最高の大評判人気機種「X-T4」に迫る性能が記載されているのです。それでいて価格は半分以下だとか・・・。(まじかよ)

 とくに素晴らしいのはボディ内の6軸手振れ補正機能。これはすべてのカメラファンが待ち望むものですが、ミラーレスに関してはまだどこのメーカーも上位機種にようやく搭載され始めたばかりです。フジはいち早く下位機種に対応してくれたのです。

 次にオートフォーカスは高速化し、瞳追従にも対応しました。SONY並みに爆速とまではいかないでしょうが、サイトのビデオを見る限り必要十分な速さ正確さ。さらに、富士フィルムならではのフィルム・シミュレーションが上位機種並みに揃っています(これぞ富士フィルムの真骨頂)。さらに小型軽量を維持しつつ、グリップを大型化して使用感を向上させました。センサーももちろん最新のX-Trans CMOS、画像処理エンジンもフジ自慢の高性能「X-Processor」搭載です。

 ああ、もうこれ見たら、他社メーカー含めてほかの機種は躊躇せざるを得ません。私はいまさらながら、早まったオークションの入札を後悔しました。「頼むほかの人、買ってください」 

 げんきんなものです。数時間前まであれだけ欲しがっていたカメラなのに(X-T200ごめんね) ※幸いめでたくほかの方が競り勝ってくださいました。(笑)

 なぜこのフジの新製品がいいかというと、私的に最大の理由はそのコンパクトさにあります。有効画素数約2610万のAPS-C機でありながら重量わずか465g。幅126ミリ、高さ85ミリ。小っちゃくてすごい軽いです。私が今年買ったキャノンのコンデジPowershot G3Xは690gですからその差は歴然です。

 世間で話題の中心たるフルサイズ・ミラーレスだとこうはいきません。レンズも当然大きくなるので、私の理想とする「チャンス優先」からは遠ざかってしまうのです。この富士フィルムのX-S10のサイズ感なら薄型の単焦点レンズなどを付けて容易に持ち運びができます。



 ここまでくると、画質や機能に勝るAPS-C機に食指が動くのも致し方ないのです。それにしても、キャノンやソニー、ニコンではなく、富士フィルムがこういうものを低価格で出してくるとは意外でした。フジは数年前から新しい方向性を明確に打ち出していますが、いよいよフジの巻き返しが本格化すると、私はにらんでおりますね、はい。

 

 それはさておき、個人的な話ですが、正直なことを申し上げましょう。

 私はずっと以前からコンデジ支持派でした。でしたというものなんですが、最近のデジカメ発表の動向を見ていて、それがちょっと揺らぎつつあります。(ちょっとどころじゃないかな。動揺してます)

 その第一の理由は、上記のように「ミラーレスの小型軽量化が著しい」ということです。

 私がなぜいままでコンデジを支持してきたかというと、何よりもまずシャッターチャンスに強いという利点からです。常にポケットやバッグに入れて、いざという時、さっと出してオートで撮れる。これがストリート・シューターに最も必要とされることだったからです。 

 その次にスマホの台頭があります。近年スマホのカメラ性能が急激によくなって、もはやコンパクト・デジタルカメラに拮抗する性能のものが出てきました。それによってコンデジの存在理由が問われはじめたのです。これはコンデジとともに生きてきた私には悲しいことで、なんとしてもコンデジの消滅を止めたいと思ったのです。

 カメラにはカメラならではの良さがあります。スマホで兼用できる範囲を超える、撮影の楽しさをどうしても存続させたいのです。そういう理由でずっとコンデジを応援してきました。それは今後も変わりません。

 ただ、より良い写真のためなら、ある程度の携帯性を保ちかつ高性能であることはいいに決まっています。ついこの間まで、携帯性と高性能を両立できるカメラなどずっと先の話だと思っていたのですが、どうやらもうそれは始まっていたのです。

 ていうか2020年はその嚆矢となる年だったのかもしれません。プロレベルの人でも自撮りがもはや当たり前になり、これからVlogを始めようという方も急増中です。小型化は必然の流れでしょう。これまでの一眼は入門機でさえレンズ込みで700g、800gが当たり前だったことを考えれば、長足の進歩です。レンズのサイズには限界があるでしょうが、こと本体に関してはまだまだ改良の余地があるでしょう。

 そういったわけで、コンパクトなデジカメは今後も肌身離さないのですが、小型で軽量ならフルサイズであろうがAPS-Cであろうが、注目せざるを得ません。そういった理由で今回発表された富士フィルムのX-S10は今一番気になるカメラです。キャノンやソニーなどからも魅力的な入門機が出ていますが、小型軽量でボディ内手振れ補正、高性能オートフォーカス、バリアングル、タッチスクリーンが備わり、かつ富士フィルムならではのフィルム・シミュレーションが使える本機は一歩抜きんでている感があります。ここは十分慎重に発売日まで検討する必要があると考えているところです。

 いずれにせよ今後のカメラ開発に目を離せない状況、来年も続きそうですね。


 そういうわけで、いまカメラに対する気持ちは揺れに揺れ動いている時期です。カメラ業界全体の動向もここ数年が過渡期でしょう。これまで一眼レフ中心だったカメラが間違いなくミラーレス、小型化へとシフトしつつあます。業界全体が盛り上がって、より良い製品が世に出ることを望むばかりです。


2020年10月17日土曜日

日米比較: 2020年ベスト・ビデオゲーム

 日米微妙に食い違うゲームトレンド

 PlayStationとXboxが時を同じくして、年末に新しいゲーム機を出すということで、大いに期待が盛り上がるゲーム業界。ゲーム・タイトルのほうも、ちょっと早いのですが、年末に向けてそろそろ一年を総括するコラムが発表されだしています。今日はその中で、ビデオゲーム・ソフトについて、日本とアメリカで興味深い違いが垣間見れたのでちょっと考察してみました。

 まずは日本の今年のビデオゲームの収穫に挙げられるベスト15タイトルをWEBサイト「ゲーム売り上げ定点観測」より転載させていただきます。





1 あつまれ どうぶつの森

2 リングフィットアドベンチャー

3 ファイナルファンタジーVII リメイク

4 ポケットモンスター ソード・シールド

5 マリオカート8 デラックス

6 Ghost of Tsushima

7 世界のアソビ大全51

8 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL

9 Minecraft

10 スプラトゥーン2

11 スーパーマリオ 3Dコレクション

12 スーパー マリオパーティ

13 脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング

14 ペーパーマリオ オリガミキング

15 ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX



 

 今年のゲーム界の目玉は誰が何と言おうと1位の「あつ森」に尽きるでしょう。10月の現時点で579万本という驚異的な売り上げで、2位以下を圧倒しています。殺伐としたゲームが多い中で、大人もこどももワクワク一緒に夢中になり、世代を超えて話題を共有できる楽しさが話題になりました。まさに国民的ゲームといっていい本年度随一の出来栄えでした。2位のリングフィットアドベンチャーもゲームとフィットネスを見事に融和させた新機軸が受けて堂々のランク入り。こちらも納得の100万本の大台越え達成です。

 それ以外はあまり目新しいタイトルのランク入りはなく、前年に続いて手堅い売れ筋が実績を上積みしていった印象です。

 ちょっと変わり種でスマッシュヒットしたのが、いちおうアメリカ産のゲームですが、堂々日本の侍活劇をテーマにした「Ghost of Tsushima」です。これが純然たるアメリカのゲーム製作会社Sucker Punch Productionsによるものだとは驚きです。つくりも仕様もグラフィックスもまるで日本で制作したような高度な仕上がりが話題になりました。むろんこのプロダクションの親会社がPlayStationのSONYですから、大々的なバックアップがあったことは想像に難くないのですが、企画立案はアメリカのスタッフだそうです。

 どうやって元寇などという日本人しか知らない題材を取り上げたんでしょうかね。ゲームのワンシーンを見た限りでは黒沢映画の影響がもろに出ており、彼らが「クロサワのようなカッコいいサムライ・ゲームを作ろうぜ」みたいなノリで制作したのではと想像しました。それにしても舞台設定といい、アイテムのデティールといい、サムライの刀の構え方といい、違和感がないのには驚きます。

 さて各論を述べだすとキリがないので、次に2020年、アメリカでのビデオゲームの総括も並べてみました。こちらはアメリカの人気雑誌「ESQUIRE」がまとめた2020年のベスト・ビデオゲーム15選からです。順不同で挙げられた15タイトルは、




The Last of Us Part II

Final Fantasy VII Remake

Animal Crossing: New Horizons

Ghost of Tsushima

Streets of Rage 4

Moving Out

Murder By Numbers

Doom Eternal

Dreams

Ori and the Will of Wisps

Half Life: Alyx

Journey to the Savage Planet

Paper Mario: The Origami King

Clubhouse Games: 51 Worldwide Classics

Carrion






 このリストは一雑誌が取り上げた、2020年話題のゲームということで、上記の日本売り上げランキングとは単純に比較できません、が、挙げられたゲームは他のゲーム評価サイトなどでもメジャーに取り上げられたものばかりで、かなり的確な2020年を代表するアメリカのゲーム・リストだと言えます。
 日本とダブっているのは「あつまれ どうぶつの森」「ファイナルファンタジーVII リメイク」「Ghost of Tsushima」「ペーパーマリオ オリガミキング」「世界のアソビ大全51」の
5タイトル。これを多いとみるか、少ないとみるかです。
 昔は日本産のオリジナル・ゲームが先行発売して、あとで海外移植版が追いかけてくるような流れでしたが、アメリカはアメリカで独自のゲーム感が育ち始め、ここ10年で、その文化的背景などから、評価されるゲームも日米で差異が生じてきました。
 どちらかというとアメリカはずっと、こってり系のこれでもか怒涛展開だぜ、的な迫真性を追求する作品作りがもてはやされているようです。大ヒット作「The Last of Us」の続編も前作以上に人間の底深い愛憎劇を掘り下げていて、まるでHBOやNETFILXのドラマを見ているような臨場感があります。また相変わらずシューティング系のゲーマーが夢中になる「Doom Eternal」「Half Life: Alyx」なども必ずランク入りするところはアメリカらしいといえます。
 アメリカらしさと言えば、「Ori and the Will of Wisps(オリとくらやみの森の続編)」のような独特の世界観を有した、美しいグラフィックが絶賛されるゲームも、毎年のように発表されています。さすがアメリカと思うのは、多民族国家の強みで、ゲームにしても、西洋歴史を背負ったものから、中東風味、アジアンテイスト、ラテン風と様々なバックグラウンドを自在に使いこなせるポテンシャルがあります。
 加えて根強いスーパーリアルなスポーツ系のゲームも一大ジャンルを形成してゆるぎない人気を博しています。今後もアメリカのゲームはより莫大な資産、豊富な人材を駆使して、どんどん多様化していく予感はあります。
 こういったゲームに対する日米の志向性の違いも、今後間違いなく拡大するでしょう。もちろんマリオシリーズやファイナル・ファンタジーなど日本の誇れる文化にまで定着したゲームは今後も世界的に人気を維持するでしょうが、アメリカ勢の巻き返しにも期待しています。
 このようにゲーム一つをとっても、日米文化には興味深いことがたくさんあります。私的には、ゲームを通して日米の文化を比較する、本格的な評論を待ち望んでいるのですが、まだ雑感的なものしか目にしていません。ここを掘り下げると、なかなか面白い文明論が浮かび上がるのではないかと密かに期待する日々なのですが。
 今後機会がありましたら、ゲーム・クリエーターを志す愚息と一緒にビデオゲームの今後を模索するような雑文で、問題提起していければと思っています。日米ともに切磋琢磨し刺激し合って、よりよいゲーム文化を形成できればいいですね。
 


2020年10月16日金曜日

肩こり・腰痛を解決したい

 電気刺激は有効か?



 季節の変わり目に決まって肩こりがぶり返してきます。そんな時はいつもTENS Machineの登場です。これはいわゆる電気刺激によって幹部のコリをほぐすといったものです。

 いままでいろんなものを試してきましたが、その都度、効果があるものとないものがあります。よって私はいつも複数のTENS Machineを用意していて、その時の症状に合ったものを選んで使います。

 結論から言うと、TENSは肩こりや腰痛を緩和してくれます。やって損はない。ゆえにおススメということになります。ただ人によって効果は千差万別。このマシンあまり効かないな、と思って買い換えてみると、スゴク効いたということもあります。マシンの原理は一緒でも、電気刺激の種類、形状は様々で、パワーや低周波の波長、波形によってもその効き目は全く違ってくるのです。そのことを踏まえたうえで、あなたにぴったりのTENSマシンを見つけることが重要です。

 ではまずそもそもTENSとはなにか。以下にウィキペディアの引用をもとに書いてみます。

TENS経皮的 末梢神経 電気刺激(けいひてき まっしょうしんけい でんきしげき、英:transcutaneous electrical nerve stimulation,TENS)は、痛みの局所、周辺、あるいは支配脊髄神経起始部などに表面電極を置き、低周波を通電する電気療法の一種である。経皮から電気で末梢神経を刺激して鎮痛させる療法でテンスとも呼ばれる。」

 要するにこれらのデバイスのなかには低周波(あるいは高周波)発生装置が組み込まれていて、ケーブルを通して末端のシリコン部から密着させた皮膚を通して幹部、おもに筋肉、神経等に電気刺激を送るというものです。原理はいたって簡単で、大昔の記録では治療にシビレエイの電気刺激を治療に用いた例もあるそうです。

 アメリカでは70年代くらいから脊髄周辺の治療方法の一環として、カイロプラクターや神経外科医のあいだで使用されるようになり、一定の評価を得ました。その後80年代には家庭で使えるマッサージ機として、小型化されたものが市販で売られるようになりました。一部の人は科学的実証が不十分であるとして懐疑的でしたが、その効用が口コミで広がり、今では多くの愛用者が使用し、毎年のように新機種が出回るようになりました。

 私が最初に使用したのは「Dr. HO's Double Massage」というもので、肩こりに効くという友人の勧めで購入したものです。もう10数年も前に買ったものですが、いまだに動きます。しかもちゃんと肩のコリを抑えてくれます。縦横3インチで厚さ1インチという超小型で、旅行のときも手放せないものとなりました。

 そこから始まって、腰痛がひどくなったときは、MRIで調べたり、カイロプラクターやリハビリ・センターなどに通いましたが、ペイン・リリーフという点では、このTENSマシンが一番助けとなりました。いろいろ試した中で、自分に合うものにたどり着くのは少々時間がかかりますが、今は買ってよかったと満足しています。

 ここでは一個人として、私がいいと感じた商品をご紹介します。



 いきなりど定番の超ベストセラーです。とにかく今アメリカでバカ売れしている電気マッサージ器のエース。その最新版です。私のは旧機種ですが、それでも多機能さはピカ一。そう、この機の一番の売りはずばり「多機能」で、およそ体の十数か所以上あらゆる筋肉、神経系のコリや痛みに対応しており、そのパルスの種類や強弱も様々に微調整が可能です。ここに特化したというものではなく、言ってみれば万能選手。一家にこれ一台あれば家族みんなでシェアして、それぞれの症状に応じて使用できるのが最大の強みかと思います。TENSを始める最初の一台としても好適な商品だとおもいます。




 こちらも私が長く愛用する肩こりと腰痛用の電気刺激マッサージ器です。ちょっと旧式に属しますが、コスパは最高で、どうやらこのモデルの低周波が私にぴったりのようです。入浴後これの端末を腰に貼り付け、ベッドに寝転がって読書しながら腰の張りをほぐすと、翌朝は痛みも取れて快適な朝を迎えることができました。いらいもう数年間手放せずに枕元において常備しています。ハマると手放せなくなる有難い相棒のような一品です。




 三つめは最初にご紹介したDr. HO'sというメーカーがいま一番力を入れている主力商品です。Dr.HO’sというのはその名の通り、香港出身のホー博士がアメリカで開発した電気治療器関連のメーカー大手です。この業界では最も息が長く、信頼されるプロダクトを量産しています。最近はこの足裏に電気パルスを当てて、体の各患部まで刺激が到達するという新方式を取り入れ、一部では絶大な人気を博しています。その力の入れようはインフォマーシャル (テレビコマーシャル)でも熱烈に宣伝されているので、多くの人が知るところとなりました。ちょっとお値段がはるので、私も購入を検討中ですが、この走りとなった電気足マッサージ器はいくつか試したことがあります。当時私の腰痛は酷く、幹部に直接当てるパッド式のほうを重用してはいましたが、この最新機種には食指が動きます。

 また試用レポートなどができた際には、改めてご紹介するであろう、注目の商品です。

 繰り返しになりますが、TENSは人を選びます。絶対効くとは断言できませんが、試す価値はあります。これまで肩こりや腰痛に悩まされてきた方の選択肢の一つとして、ご検討される価値は十分にあると思います。